シンプル過ぎて恐いレスポンシブECサイト
海外の少し特殊なレスポンシブECサイト「Symbolset」をご紹介します。
symbolsetは、アイコンに特化したウェブフォントを作成できるサービスです。
面白いところは、アイコンを「合字」として割り当てていること。サイトにアクセスすると分かりやすいですが、上部の大きな色のついている部分がエディタになっておりテキストが入力できるようになっています。そこに「heart」や「world」などとタイプすると、それぞれの言葉の意味を成すアイコンが自動で生成されます。
サイト名 | Symbolset |
URL | https://symbolset.com/ |
QRコード |
言葉で説明するより動画で観た方が分かりやすいと思うので、タイプする様子を録画してみました。
合字(リガチャ)とは
「合字」というのは、2つ以上の文字が1つの文字記号としてデザインされているものです。「ff」「fi」など連続して続く文字の場合、一般に読み易くするために合字を使われることが多いです。「リガチャ」とも言われています。
合字 | Wikipedia
合字(リガチャ)が美しいフォント8選 | 株式会社LIG
SymbolSetはこれ利用して、フォントをアイコンとして活用できる仕組みになっています。フォントの「合字」という仕組み自体は以前から存在していますが、これを使用して文字をアイコンに変換しようと考えたアイデアが面白いですね。
最近ではモバイルデバイスの普及で読込速度を少しでも減らすため、ウェブフォントの使用したり、なるべく画像を使わない表現が広がりを見せています。合字を使ったアイコン表現についてもどのように普及していくのか、楽しみです。
この合字アイコンを使うことのメリットは、
- ベクターデータなので拡大しても荒れない
- テキストなのでGoogleなどの検索エンジンにも認識してもらえる
などがあります。
ECサイトとしてのポイント
サービスとしても画期的ながら、ECサイトという観点から見ても優れている点がありました。サイトでは予め用意されたアイコンセットを購入することができます。
- SSLでのセキュアな接続
- サイトが軽い
- シンプルすぎるカート
SSLでのセキュアな接続
カート内の個人情報を入力する箇所だけでなく、サイトのトップページや商品であるアイコンセットの一覧ページまで全てがSSLのセキュアなページとなっています。
先日GoogleもSSLで保護されたページを推奨するアルゴリズムを公式に発表しました。現在は全体の1%未満の影響範囲のようですが、今後時間をかけて強化する方針とのことです。
『HTTPSをSEOで優遇』 SSL化を推奨するアルゴリズム導入をGoogleが公式発表
サイトが軽い
サイトが軽く、ロードで1.37秒しかかかっていません。読み込みストレスはほぼ皆無といえるでしょう。サイト自体も非常にシンプルで分かりやすく構成されているのもポイント高いです。
シンプルすぎるカート
DL販売が基本なので配送先などの入力は必要ありません。「メールアドレス」「パスワード」「クレカ情報」のみで購入が完結するのは少し恐い気もします。モバイルでこのくらいステップを短くしている例は初めてみました。
確認画面くらいは入れてもいいかとは思いますが、BUYボタンを押すとすぐに購入ありがとうございました、の画面。
レスポンシブWebデザインであらゆるデバイスに対応したサイトですが、購入ステップをここまでシンプルにしているのを見ると、まずはモバイルで閲覧されることを想定して設計しているのでしょう。(購入後はメールでダウンロードリンクが送信される仕組みです)
画期的なサービスだけでなく、全ページSSL通信にも対応し、いち早くウェブサイトのトレンドを取り入れている正に一歩先ゆくECサイトでした。
上林