EC-CUBEに代わるシステムとは?ASP/クラウド型カート比較と移行(リプレイス)方法を徹底解説

EC-CUBEに代わるシステムとは?ASP/クラウド型カート比較と移行(リプレイス)方法を徹底解説

EC-CUBEは、自社ECサイトを構築するための純国産オープンソースCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)です。一般公開されているソースコードを無料で利用・改変し、ECサイトを構築することで、ゼロから作るスクラッチ開発よりも初期コストが抑えられます。しかも設計段階から、自社ECの運営に必要な機能や外部連携等を組み込みやすく、自社の要望を叶えやすい特徴があります。

一方で、EC-CUBEでECサイトを構築することは、ベースとなるプラットフォームや設計した全ての機能、サーバー関連を含め、継続的なメンテナンスが必要であることをきちんと理解しておかなければなりません。システムメンテナンスの体制が確立されていないままEC-CUBEで運営を続けると、以下のような課題に直面することとなります。

現在運用中のEC-CUBEでは、システムのメンテナンスに想定以上のコストがかかっている。管理費や人件費を抑えたい。

EC-CUBEで希望のECサイトを構築できたが、オープン以降バージョンアップしておらず陳腐化が進んでいる。開発業者(担当者)が不在になってしまい、システム改修が困難な状況になってしまった。
最新のセキュリティ対応やトレンドの機能の導入が必要だが、都度改修していたらコストが嵩む。

EC-CUBE本体のバージョンアップを迫られている。改修を試みたが仕様書が残っておらず大掛かりな検証が必要で、着手に踏み込めない。

本記事では、このような課題に直面した際に、このままEC-CUBEを使い続ける場合に検討すべき事項と、別のカートシステムへ乗り換える場合に「自社ECの運営には独自機能や外部連携が必要だが実現できるのか?」「今までのように円滑なEC運営ができるのか?」「カートシステムの乗り換え作業はスムーズにできるのか?」等といった不安や疑問を解決する方法をご紹介していきます。

EC-CUBEを使い続ける場合

EC-CUBEに代わるカートシステムについて解説していく前に、まずは今後もEC-CUBEを利用してECサイトの運営を継続したい場合について触れておきます。EC-CUBEを使い続けたい場合、以下の事項を理解して、体制を整えていく必要があります。

システムエンジニアのリソースを継続的に確保

EC-CUBEのサイト構築は、社内にシステムエンジニアを抱えて内製する方法と、外部パートナーに委託する方法のいずれかになります。どちらの場合も、構築後にメンテナンスや突発的に発生する不具合対応のために、継続的にその方法を採用し続ける必要があり、コストがかかります。
また、担当者の退職や交代に備え、構築や改修に関する仕様書もすべて管理しておく必要があります。仕様書が正しく管理されていないと、そのシステムの理解できる人物が不在となり、メンテナンスや改修をしたくでも実現できない状態に陥ります。

システムの最新性の維持

ECサイトに必要とされる機能やデザインは、常に変化しています。法改正などにより必然的な改修が発生することもあります。手遅れにならないよう常に情報をキャッチアップし、自社ECに必要な機能を取捨選択しながらECを進化させていく必要があります。これを怠るとシステムが陳腐化してしまい、古びたシステムはECの運営のみならず売上にも悪影響を及ぼす可能性があります。

セキュリティ対策

EC-CUBEでは、サイト改ざんによるクレジットカード流出問題など、脆弱性に関する注意喚起が度々公表されています。オープンソース型の構築方法であるがゆえ、セキュリティ対策についても利用するEC事業者様に委ねられており、EC事業者様が責任をもって実施する必要があります。
EC-CUBEにてセキュリティの強化を図るためには、EC事業者自身で、セキュリティの脅威や脆弱性を理解し、対策を講じていく必要があります。

EC-CUBE本体のバージョンアップ対応

EC-CUBEは定期的にシステム本体のバージョンアップが行われています。システムがアップデートされること自体は利用者にとってメリットがあると言えますが、EC-CUBEを使い続ける場合、利用者自身にてシステムのバージョンアップ作業が必要となります。

現在、EC-CUBEでは2系、3系、4系がリリースされておりますが、特に2系から3系、2系から4系へのバージョンアップを実施する際は、構築作業をゼロから行う必要があり、実際の作業内容はほぼ作り直しに近いものになります。また、現時点でEC-CUBE2.12系以前は公式サポートが終了しているように、古いバージョンを使い続けるわけにはいかず、EC-CUBEを継続的に利用することは、どこかのタイミングでバージョンアップを迫られることになります。

EC-CUBEから別のカートシステムへ移管する場合

一方で、EC-CUBEの代わりになる別のカートシステムへ移管を進める際には、自社ECの運営に見合ったカートシステムを選定するとともに、移管作業そのものをスムーズに実現できる方法についてもポイントを抑えておく必要があります。

EC-CUBEに代わるカートシステムの選定ポイント

現状の課題を解決できるか

EC-CUBE運用時におけるシステムのメンテナンスに対する課題を最も簡単に解決する方法は、ASP/クラウド型カートシステムへの乗り換えです。ASP/クラウド型カートシステムではシステム開発や運用保守、サーバー管理、セキュリティや機能アップデート含め、提供中のECプラットフォームのすべてを、ASP事業者の責任にて実施します。例えば、世の中に新たな機能や、新たな決済が登場した時も、EC-CUBEの場合は自社で機能開発が必要になりますが、ASPの場合は、ASP事業者側でバージョンアップします。このため、EC事業者はシステムメンテナンスに関与することなく、EC運営に集中できます。

一方で、ASP/クラウド型のカートシステムでは、多くのEC事業者に利用されることを前提に設計されているため、一般的には、汎用的な機能を利用したECサイト運営が求められます。しかしこの点について、解決方法がありますので後述します。

問題なくEC運営ができ、今後の成長を期待できるか

EC-CUBEの課題解決のために、ECサイトのユーザビリティ低下や売上ダウンに繋がるような方策を選定しては本末転倒です。カートシステムのリプレイスにより、現場の受発注の運用フローを含めたEC運営に支障をきたしてはなりません。
また、自社ECサイトを成長させるためにも、WEBサイト側、バックヤード側ともに、使い勝手の良さはもちろん、今後の展望を実現しやすいカートシステムを選定する必要があります。

多くのASP/クラウド型のカートシステムでは、導入前にお試し利用期間を設けられており、動作確認をすることで自社ECの運営にマッチするかを確認することが可能です。確認のポイントとしては、以下のようなものがあります。
・ECサイトで実現したいデザインを構築できるか、理想に近い事例が公開されているか
・使いやすいUIや最新機能を利用して購入操作ができるか
・受注操作を実際にシミュレーションして問題無さそうか
・システムのメンテナンス頻度が高いか
・トレンドの機能が搭載されているか
・サポートが手厚いか

カスタマイズができるか

EC-CUBEからの乗り換え候補となるカートシステムには、デザイン性の高さや、機能のカスタマイズ性を求められがちです。なぜなら、ECサイトをEC-CUBEで構築し運営している地点で、独自性の高いサービス提供や機能を利用していることが多い為です。そして、デザイン性や機能、決済、外部連携等、現状のEC-CUBE運用で必要不可欠な仕組みがある場合は、次のカートシステムでも踏襲させる必要があります。

ASP/クラウド型のショッピングカートは、「決められた仕様に制約を受けて、独自性を求めた理想のECを実現しにくい」というイメージを持たれるかもしれません。しかし現在、ASP/クラウド型のショッピングカートシステムには様々なサービスが存在しており、中にはデザイン自由度の高く自社のブランドイメージをサイトに反映させることができたり、カスタマイズ性が高く機能追加や外部システム連携に柔軟なものもありますので、このようなカートシステムを選定すると、理想のECサイト構築を実現しやすいと言えます。

EC-CUBEでカスタマイズした機能を再利用できるのか

EC-CUBEで構築しこれまで使用してきた機能を今後も使いたい、という考え方も一理あります。しかし、EC-CUBEとASP/クラウド型のカートシステムでは、プラットフォームが異なるため、再利用することは難しいでしょう。ただし、部分的にその機能を切り出し、うまく接続できる方法が見つかれば、実現する可能性がありますので、カスタマイズを可能としているASP事業者に相談してみる価値はあります。

EC-CUBEからスムーズな移管を実現できるか

EC-CUBEに代わるカートシステムを選定する際、スムーズな移管を実現できるか否かも重要なポイントして抑えておく必要があります。

現サイトのデザインは引き継げるのか

基本的に可能です。EC-CUBEで使用していた素材を活用し、新しいシステムにアップロードします。HTMLコーディングやCSS/JSによるレイアウト調整は、ASP/クラウド型ECカートシステムで用意されているCMSの仕様や特性を理解して、制作を行います。社内にてリソースが不足している場合は、CMSを利用したECサイト制作に長けている協力会社を利用するとスムーズに進みます。

デザインリニューアルをしたい場合はどうすればいいか

EC-CUBEから別システムへの移管時に、デザインリニューアルも実施することも可能です。
ECサイトの制作手順や、テンプレートをベースにしたおすすめの制作方法、費用感をこちらの記事にて詳しく解説しておりますので、あわせてご確認ください。

商品情報や、これまでの顧客情報や受注データ等の各種データは引き継げるのか

EC-CUBEのCSVエクスポート機能を利用し、かつ乗り換え先のカートシステム側が、CSV機能に対応していれば、少ない労力でデータ移管が可能です。

EC-CUBEからエクスポートした各種CSVデータを、これからインポートするカートシステムの仕様にあわせて成形します。
項目名の違い(例えば、販売価格→商品価格)であれば、CSVファイル内の項目名を書き換えるだけで済みます。
入力形式の違い(例えば、郵便番号や電話番号のハイフン有無の違い)であれば、CSVの一括置換機能を活用します。

作成したCSVデータのインポート方法は、「管理画面からインポートできる」「FTPを利用する」「データベースに直接取り込む(ASP事業者による作業が必要)」などのように、カートシステムの仕様によって方法が異なる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

おすすめはカスタマイズ可能なASP/クラウド型のショッピングカート

ここまでの内容をまとめますと、EC-CUBEの乗り換え先としておすすめしたいカートシステムは、カスタマイズ可能なASP/クラウド型のショッピングカートです。

カスタマイズ可能なASP/クラウド型のショッピングカートとは、プラットフォームはASP/クラウド型がベースのため、ASPの標準機能を全て利用できます。また、デザインのみならず機能面においてもカスタマイズに柔軟性が高く、必要な機能や外部連携を付加することができるECサイト構築を実現します。機能カスタマイズした部分は、リリース後もASP事業者実施によるバージョンアップの対象に含まれるため、常に最新状態を維持できます。

つまり、EC-CUBEから他のカートシステムへ移管する際に、弱点になり得るカスタマイズ性を落とすことなく、EC-CUBEの最新性やメンテナンス性の課題を解決するカートシステムが、カスタマイズ可能なASPです。

詳細は独自機能カスタマイズ対応のクラウド型ECサイト構築ASPにてご確認頂けます。こちらのASPの場合、ECサイトのオープンに必要な機能が搭載した無料テンプレートを利用でき、各種データのCSVインポートにも対応しておりますので、スムーズな移管作業を実現できます。

カートシステム移行時に必要な費用

EC-CUBEからカスタマイズ可能なASP/クラウド型のショッピングカートへ移行する際に必要な費用は、一般的に以下にようになります。

ASP/クラウド型カートシステムの初期費用、月額利用料
カスタマイズプランの場合は、カスタマイズ部分もサポートやメンテナンス対象になるため、専用プラン料金の確認が必要です。

オプション料金
ASP/クラウド型カートシステムにて設定されているオプションを確認し、必要なものを申し込ます。

デザイン、コーディング、商品登録代行(外注する場合)
社内にてリソースが足りない場合は、外部の協力会社を利用します。お付き合いのある制作会社に依頼する方法と、これから使おうとしているECカートシステムの仕様に慣れた制作会社を紹介してもらう方法があります。テンプレート構築パックのようなプランを利用すると、30万円~でサイト構築から商品登録、画像登録、カテゴリ登録をまるっとお任せできます。

各種データ移管(外注する場合)
外注する場合は、その見積を取って金額を確認します。商品画像や説明文などのデータがすべて揃った状態での登録代行費用の相場は、10万円前後です。

URLリダイレクト
商品ページや下層ページ、商品レビューページ等、各種ページURLの仕様は、EC-CUBEと移行先のカートシステムで異なるケースが往々にあります。これまで積み重ねてきたSEOを引き継ぐよう、リダイレクト設定を必ず行いましょう。リダイレクトの設定費用相場は、3万円前後です。

EC-CUBEとカスタマイズ可能なASPを比較

EC-CUBEに代わるカートシステムとしてASP型のカートシステムを選定する際の参考になるよう、両者を比較する時に課題となる項目を表にまとめました。

一般的なASPカート カスタマイズ可能なASPカート EC-CUBE(オープンソース)
料金体系 利用料金はサービス利用期間のみ料金発生 ECカートシステム構築時、機能追加等、その都度発生
構築スケジュール 最短2週間~ 数か月~1年程度
EC運営に必要な機能 標準搭載 EC事業者もしくは協力会社の技術担当が構築
サーバー管理 ASP事業者が実施するため、EC事業者は運営に集中できる EC事業者もしくは協力会社の技術担当が実施
システム運用保守
機能やセキュリティの最新性維持
システムサポート
カスタマイズ性 不可 可能 自由

カスタマイズ性に関しては、自由度の高さではEC-CUBEが勝ります。しかしEC運営に必要な標準機能や、サーバー管理、システム運用保守、機能やセキュリティの最新性維持、システムサポート等を総合的な視点で考えると、これまでの課題解決と、今後の拡張性や柔軟性を満たし、構築スピードや費用面においても優位性のあるカスタマイズ可能なASPは、EC-CUBEの代わりになるカートシステムとして最適であると言えます。

もしも、カスタマイズ可能なASPを知らないまま、自社ECサイトの構築にはカスタマイズが重要だからと移行先に最新のEC-CUBEや他のオープンソース、ECパッケージ、あるいはフルスクラッチで再構築という道を選んだ場合、システムは一時的に新しくなりますが、またバージョンアップを迫られたタイミングで同じことの繰り返しに陥ります。

EC-CUBEからクラウド型ASPカートシステムへの移行手順

EC-CUBEの代わりのシステムとして、ASP/クラウド型のカートシステムへ移行する方法は、以下の7つのステップで完了します。

1.ASP/クラウド型ECカートシステムの無料トライアル申込み
多くのASP/クラウド型ECカートシステムでは、申込前に無料のお試し期間が用意されているため、その間にカートシステムの動作確認を行います。各機能の仕様や、運用方法をEC-CUBEと比較しながら、操作方法を確認し、運用をASPの仕様に寄せることが難しそうな部分はASP事業者に相談し、必要に応じてカスタマイズを検討します。1~2週間程度の期間にて確認を行い、問題なさそうと判断できれば、契約申込へと進みます。

2.契約申込

ECカートシステムが決定したら、アカウントの契約を行います。
同時に、ECサイトで使用したい決済の申込やオプションを申し込みます。
機能カスタマイズを実施する場合は、仕様を確定させ、正式な費用や納期を決定していきます。

3.ECサイト制作

ASP/クラウド型ECカートシステムでは、ECサイト構築のためのCMSが既に用意されているため、アカウントの契約と同時にECサイト制作に着手が可能です。スタートアップテンプレートをベースに構築すると、早ければ2週間でECサイトが完成します。EC-CUBEのサイトで使用していた素材も有効活用し、画像などはFTPを利用した一括アップロードが便利です。

4.各種データ登録/移管

EC-CUBEに登録した商品情報や、顧客情報、注文履歴等の各種データは、CSV形式でエクスポートします。移行先のCSV仕様を確認しインポートができるよう、ASP/クラウド型ECカートシステムの形式に一括変換(置換)などでデータを成形します。

5.諸設定

送料設定や、決済/手数料設定、在庫設定など、商品購入に関する諸設定や、各種受注関連メールテンプレート等の設定を行い、ECサイト上で商品購入から受注対応、顧客管理が実施できるように設定していきます。

6.テスト注文/受注運用フローの確認

各種データ登録や諸設定がある程度整った段階で、ECサイト上で問題なく商品を購入できるか、テスト注文を実施していきます。この時、クレジットカード等の決済を利用した注文も問題がないかを確認します。注文した後は、実際の受注処理をイメージして操作し、運用フローを確立させていきます。

7.サイトオープン

EC-CUBEから別のカートシステムへリニューアルオープンする際は、顧客に対し事前告知をしましょう。注文操作やマイページのログイン方法などで変更点がある場合は、フロー図などを用いてきちんと説明することで、顧客対応コストやクレームの発生リスクを低減させます。システム切替時にURLが変更になる箇所は、漏れなくリダイレクトすることで、SEOを維持することができ、機会損失を防げます。

これらの手順を詳しく解説した記事がございますので、参考にして頂けましたら幸いです。
参考:ECサイトの新規構築やカートシステム移管(リプレイス/引越し)手順を完全解説

まとめ

いかがでしたでしょうか。EC-CUBEで費用をかけて構築した負い目や、これまでの運用フローを変えたくないなどといった理由から、他のカートシステムへの移行は躊躇してしまいがちです。しかし、本記事でご紹介したカスタマイズ可能なASPを始めとするASP型のECカートシステムと天秤にかけ、課題解決のために他のカートシステムへの乗り換え検討を進めたい場合は、お気軽にお問合せください。

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