ECサイト構築方法のトレンドは常に変化しています。2016年にGoogleがモバイルファーストインデックスを提唱したことにより、ECサイトの構築はモバイル中心で考える、モバイルファーストの考え方へと移行しました。
2018年前後にサブスクリプションが注目されると、ECサイトでもそのニーズが高まりました。一度申し込めば定期的な売り上げを見込めるサブスクリプションはECとの相性が良く、それを実現する定期購入機能は現在もニーズがあります。コロナ渦においては、大切な人と会いにくい状況になったことで、ソーシャルギフトのようなSNSを活用した贈り方が注目を集めたり、キャンプブームにあやかってキャンプ用品のレンタル利用が増えたことは記憶に新しいでしょう。
2023年10月にはインボイス制度導入が控えているように、ECサイトの運営に関わる法改正にも対応が必要です。ECサイトにおけるスマホ決済の多様化や、多くのEC運営者が利用しているGoogleアナリティクスはGA4をリリースしたような仕様変更は今後も考えられます。
セキュリティ対策も常に最新化が必要で、新たにサイバー攻撃が発生するとスピード感をもってシステムをバージョンアップしていく必要があります。
このようなトレンドの変化やその時々でニーズが変わる機能に対して、柔軟に対応していけるかどうかはECサイトの構築方法によって大きく左右されます。本記事では導入実績2000社超のECカートシステム提供会社が、これからECサイトの構築やリニューアル検討を進めるEC事業者様に向けて、カートシステムを選定する際に抑えるべき重要なポイントについて解説していきます。
ECサイト構築のプラットフォーム選定ポイント
ECサイトの構築方法には、ゼロベースでカートシステムを構築するスクラッチ型の開発から、パッケージ化されたシステムをベースにカスタマイズを行う方法や、ECサイトの運営に必要な機能が備わったASP/クラウド型のシステムを利用する方法等、様々あります。
参考記事:ECサイトの構築方法を徹底比較。おすすめのショッピングカートシステムとは?
このような方法がいくつもある中で、自社のEC運営にマッチしたプラットフォームはどのように比較し、選定していけば良いのでしょうか。ポイントとなる項目をリストアップしました。
自社のコンセプトやブランディングに沿ったECサイト構築が可能か
ECサイトを成功へと導く道筋は、土台となるECサイトのプラットフォームを選定することから始まっています。
売れるECサイトを構築していくためには、企業や商品のブランド力や、運営中の集客力なども重要な要素です。しかしそれ以前に、自社商品の強みやコンセプト、ブランドイメージをECサイトに確実に反映させ、販売戦略に沿ったEC運営を実現できるカートシステムを選定することが重要です。
ECサイトのデザイン事例や、成功事例を確認しながら、可能であれば実際にデモ環境などで動作確認をしながら、イメージ通りのECサイトを構築できるか確認していきましょう。
機能カスタマイズに柔軟性があるか
ECサイトの構築方法を比較検討する際、プラットフォームの機能性を重点的に情報収集しているケースを多く目にします。特に、既にECサイトを運営し、現状システムに課題がありカートシステム乗り換えを検討している場合、課題となっているキーワードで解決方法を探っていきます。
例えば、送料や手数料設定が思い通りに設定できるかであったり、食品を取り扱うECの場合は配送の温度帯管理機能が備わっているか、
在庫管理などの自社の受注運用で工数が発生している部分を効率化させるための機能であったり、サイト訪問者をスムーズに購入まで導くための入力操作性(ユーザーインターフェース)やカゴ落ち改善等です。
しかし機能性ばかりを重要視しすぎると、ECサイトを構築する選択肢が、自社の要望を満たすスクラッチ開発に狭まってしまいます。
最近では、ASP/SaaS/クラウド型のECカートシステムにおいても機能カスタマイズに対する柔軟性が高まっています。使いたい機能が未だ備わっていなくても、部分的にカスタマイズが実現できる場合があります。
セキュリティ対策の最新性
近年、クレジットカードの不正利用や個人情報の流出が相次ぎ、消費者のセキュリティに対する意識が高まっています。信頼してもらえるECサイトを構築し運用しなければ、なかなか購入まで至ってもらえないだけでなく、セキュリティ事故が発生すると、いくら集客しても顧客離れに繋がります。
ECサイトのセキュリティを強固にするための一番重要なポイントは、セキュリティ対策に強いプラットフォームを選定することに尽きます。もちろん運用面で注意しなければいけないポイントはありますし、EC担当者のセキュリティ教育も重要です。しかし、プラットフォーム側でセキュリティ対策が不完全な状態でECサイトを運営していくことは危険です。
例えば、2段階認証やreCAPTCHAのような悪意のあるロボットなどによる攻撃や不正利用を防ぐ認証システムや、クレジットカードのについては3Dセキュア2.0が導入されているか等を最低限確認し、さらに今後、新たな不正手口が発生した際に、しっかりとした対策が見込めるECカートシステムなのかを確認しましょう。
モバイルファーストで設計できているか
経産省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」より引用
物販分野におけるスマートフォン経由のBtoC-EC市場規模の推移を見ても分かる通り、ECサイトにおけるスマートフォンデバイスでの購入は年々増加しており、2021年には過半数を超えています。Googleの仕様やアップデートもモバイルを中心としたものとなっており、モバイルファースト前提でECサイトを構築していく必要があります。ワイヤーフレーム作成段階からモバイルファーストで設計し、ショッピングカートシステム部分もモバイルファーストで設計されているかが重要です。スマートフォンで買いやすさを追求できているか、PC表示とモバイル表示でコンテンツの情報格差が発生するような仕組みになっていないかを、必ずスマートフォン実機で確認しましょう。
レスポンシブに対応したEC構築システムを利用すると、コンテンツの管理がワンソースで済む為、運用効率化も図れます。場合によってはアダプティブデザインを採用する検討も必要かとは思いますが、その場合でもモバイル中心で考えることが重要です。
アクセス許容量の確認
自社ECサイトのプロモーション戦略は、ECモールのそれとは異なり、自由に打ち出すことが可能です。しかし自由と言っても、それがシステムの許容範囲でなければ実現しません。
例えばこの先、想定しているプロモーション戦略を洗い出し、商品がメディアに取り上げられる可能性が少しでもあったり、あるいはSNSを活用したフラッシュセールの実施を視野に入れている場合は、そのサーバー環境やECカートシステムのプラットフォームが急激なアクセス集中に耐えられるのか、あるいは一時的なサーバー増強が可能なのかを確認しておきましょう。
他の販売チャネルや基幹システムとの連携
複数の販売チャネルで事業運営している場合、その連携についても考えておく必要があります。
コロナ渦によって、街中に実店舗を持つ店舗のEC化が進みました。今後、コロナ禍が収まっていくとECから実店舗への誘導や実店舗からECへの誘導といった相互関係が重要になってくることが考えられます。規模が大きいEC事業者の場合、複数店舗を連携させるなどで在庫連携ソフトや基幹システムとの連携検討が必要になってくる場合もあります。
おすすめは「カスタマイズ性」と「最新性」を両立するECプラットフォーム
以上のECサイト構築のプラットフォーム選定ポイントは大きく分類すると「カスタマイズ性」「最新性」です。
「カスタマイズ性」には、デザインのカスタマイズ、機能カスタマイズ、外部連携、アクセス拡張(専用サーバー化を含む)が該当し、「最新性」には、最新機能やシステムの最新化、セキュリティのバージョンアップが含まれます。
カスタマイズに有利なECサイトの構築方法は、スクラッチ開発やECパッケージやオープンソースをベースにカスタマイズする方法です。
これらのEC構築方法の場合、多額のコストを投資することで、希望する機能を設計段階から自由に組み込むことがで可能です。その反面、システムが完成した時点から陳腐化が始まります。
一方で、最新性に有利なECサイトの構築方法は、ASP/クラウド型のECプラットフォーム利用です。なぜならシステムのアップデートは、セキュリティの最新化も含めてASP事業者側の責任にて定期的に実施する為、EC事業者は安価な月額利用料を支払うだけで、定期的にバージョンアップされ最新のシステムを利用できます。その反面、ECサイトの運営はプラットフォーム側で用意された標準機能の利用が前提となるため、システムの仕様に運用を寄せていく必要があります。
このように、ECサイトの構築方法によって、メリット、デメリットがそれぞれある中で、クラウド型ECサイト構築ASPのaishipシリーズならばその両立を図れます。
デザインカスタマイズ自由度の高いCMSを採用
aishipシリーズのCMSは、デザインカスタマイズ自由度が高くブランドイメージや世界観など、訴求したいイメージをそのままサイトに反映可能です。
スタートアップテンプレートをご用意しており、サイトオープンは最短2週間~で、CSSやJavascriptの編集にも対応しています。
関連ページ:ECサイト スタートアップテンプレート
必要な機能をカスタマイズ
aishipシリーズは、ASP/クラウド型でありながら独自機能のカスタマイズ対応に対応しています。
ECサイトの新規立ち上げ時はもちろん、プラットフォームを乗り換え時にありがちな、基幹システムや外部サービスとの連携にも柔軟に対応しています。
関連ページ:独自機能カスタマイズ対応
セキュリティ世界最高水準のAWSを採用
aishipシリーズは、Amazon.comが提供する世界No.1シェアのクラウドインフラ上でそのすべてを稼働させています。
また、毎月実施しているバージョンアップで常にシステムの最新化を行い、アップデート内容にはセキュリティ対策も含まれています。
関連ページ:AWSサーバー上で稼働するASPカート
関連ページ:プラットフォームが実施しているセキュリティ対策
モバイルファースト設計
aishipシリーズのCMSは、カート部分も含めてすべてモバイルファーストで設計しています。
モバイルで売れること、モバイルでのかご落ちを徹底的に低減することにこだわったワンページカートを開発、ショッピングカートでのページ画面遷移を極限まで省き、購入完了までのアプローチをシンプルかつ高速で実現しました。最新EFOを加味し、入力やページ遷移などのストレスを徹底的に軽減しています。
関連ページ:ワンページカート
専用サーバー化に対応
aishipシリーズではASP/クラウド型でありながら専用サーバ化に対応しています。
ECサイト1アカウント単位で専用サーバーをご用意することで、共用サーバーが高負荷時でもその影響を受けにくく、ECサイトの規模に合わせたサーバー調整を実現します。
関連ページ:専用サーバープラン
まとめ
いかがでしたでしょうか。ECカートシステムを選定する際に、そのプラットフォームが持つ機能性や、使い勝手、運用効率化を図れるかなどを確認することももちろん重要です。しかしプラットフォームは一度決めると数年は動かさない為、数年後を見据え、時代が求めるECに対応できるカートシステムかどうかを見極めることも非常に重要です。
最新性やトレンドの変化、セキュリティへの対応に迅速なカートシステムで、かつ自社のニーズを満たす、あるいは近付けるためのカスタマイズに柔軟なプラットフォームを選定することが、今後のEC運用の成功の鍵を握る可能性が十分にあるということを、本記事を通して認識頂けたらなら幸いです。