こんにちは。
aishipの上林です。
今回は情報サイトでも何度か取り上げています、「レスポンシブウェブデザイン」について改めて整理し、Googleが何故レスポンシブウェブデザインを推奨するのか、について考えてみたいと思います。
レスポンシブウェブデザインとは、ウィンドウサイズに合わせて、自動的にページのデザインやコンテンツ配置が最適化する技術のことを言います。
参考:food sense
http://foodsense.is/
実例を見ていただくのが一番わかり易いので、上記のサイトにアクセスしてブラウザのウィンドウを狭めたり、広げたりしてみてください。直接スマートフォンやタブレット端末からアクセスして、レイアウトの違いを見ていただいてもかまいません。
このように、ブラウザのウィンドウサイズが異なっても、自動的にアクセスするブラウザのサイズに最適化されたサイト構成を表示することができる技術になります。
今まではウェブサイトの構築といえば、パソコンの画面をメインとした構成が考え方の中心でした。
しかしながら現在、スマートフォンの急速な普及でサイト制作はスマートフォンの小さな画面でも見やすく、また操作がしやすいコンテンツを構築する必要が出てきています。
そして急速に普及するスマートフォンに対応するため、既存のPCサイトの構成をベースにスマートフォン用にサイトを作り替えていくのではなく、モバイルユーザーにとって使いやすいコンテンツ構成をまず先に考え、モバイルをベースにしてPCサイトへと構築を広げていく「モバイルファースト」という概念が生まれてきました。
その際にPCサイト、スマートフォンサイトと別々に構築をしていては、事実上2つのサイトを管理しなければならず、運用の面では非常に手間がかかることになります。
(更新作業だけでなく、チェック作業、アクセス解析なども2倍の手間かかってしまう)
同じHTMLソースを使って管理ができるレスポンシブウェブデザインを使ったサイトでは、そのような負荷を大きく軽減できるものとして、今注目を集めています。
2012年6月にGoogleが「スマートフォンに最適化されたサイトの構築」というタイトルで、以下の文面を発表しました。
https://developers.google.com/webmasters/smartphone-sites/details
これによると、Googleは次の3つのサイト構成をサポートするとあります。
1,レスポンシブウェブデザインを使用しているサイト。
2,すべてのデバイスに対し単一のURLで、ユーザーエージェントに応じてデスクトップ用かモバイル用かなどを判断して動的に異なるHTMLとCSSを提供するサイト。
3,モバイル用のサイトとデスクトップ用のサイトを別々に構築しているサイト。
今のサイトの多くが、2もしくは3を採用していることと思います。
またECサイトに関しても、同様に2、3が大半を占めています。
そしてレスポンシブウェブデザインをサポートする理由として、さらに以下の3つを挙げています。
・1つのURLを使うことで、ユーザーがシェアしたりリンクを貼ったりすることが簡単になり、さらにGoogleのアルゴリズムがコンテンツを容易にインデックスしやすくなる。
・デバイス毎に最適化されたサイトへのリダイレクトが不要。
ユーザーエージェントによるリダイレクトは間違いが起こりやすく、ユーザーエクスペリエンスの品質低下を起こす可能性がある。・(サイト管理者にとっては)サイト管理のリソースも減らすことができ、Googleのクローラもー一度のクロールで済むので手間がかからない。さらにより多くのコンテンツをインデックスし、それらを最新の状態に保つことに間接的に役立つかもしれない。
レスポンシブウェブデザインはユーザー、サイト管理者、そしてGoogleにとっても非常に魅力的な技術であることは、間違いなさそうです。
レスポンシブウェブデザインはスマートフォンだけでなく、あらゆるモバイルデバイスに対応できる技術ですが、メリットばかりではありません。
例えば、PC用の画像やCSSを読み込むため、今のモバイルの脆弱なインターネット回線では読み込みに時間がかかる可能性もあり、過度なリッチコンテンツを入れ込む場合はユーザーにとってストレスを与えてしまう場合もあります。
現状ではコンテンツを重複させたまま、サイトの容量を軽くする工夫が必要ですが、2年後を見据えた場合、LTEの普及で高速無線通信が一般的なものとなれば、そのような懸念も解消されていくと思われます。
2015年にはPCの利用者をモバイルの利用者が超えるとの予測もあり、(日本ではさらに早く来る予測も)モバイル端末の市場は今後も成長を続けていくでしょう。
そのような市場動向や、モバイルの特性を理解した上で、「モバイルファースト」時代のサイト構築の手法としてレスポンシブウェブデザインを採用することは、大きなメリットがあるのではないでしょうか。
ECサイト運営者の方も2年先くらいを見越して、モバイルが中心のレスポンシブウェブデザインECサイトを検討し始めてもよいかもしれません。