自社ECサイトにするかモール型ECサイトを選択するか迷っているEC事業者は多くいると思います。そこで、今回の記事では、自社ECサイトとモール型ECサイトの違いを明確に示し、それぞれのメリットデメリットを解説します。
自社ECサイトとモール型ECサイトの違いとは
自社ECサイトとは?
自社ECサイトとは、企業が自分で作成・運営するECサイトのことです。例えば、以下のようなサイトが該当します。
株式会社リネアストリア ECサイト
http://ilovewig.jp/
株式会社 ロマンライフ ECサイト
https://www.malebranche-shop.jp
現実の世界で例えると、自分で設計してお店を建てたり、仮テナントに入居してお店を構えるようなイメージです。
自社ECサイトの構築方法としては、「ASP」、「スクラッチ」、「パッケージ」、「オープンソース」などがあります。自社ECサイトの構築方法に関しては以下の記事を参照してください。
https://www.aiship.jp/knowhow/archives/32863
モール型ECサイトとは?
モール型ECサイトとは、複数のショップからなるECサイトのことです。言うなればインターネット上のイオンモールのようなものです。例えば、以下のようなサイトが該当します。
Amazon
https://www.amazon.co.jp/
楽天市場
https://www.rakuten.co.jp/
Yahoo!ショッピング
https://shopping.yahoo.co.jp/
モール型ECは大規模なサイトであることも特徴の一つです。
では次に、自社ECサイトとモール型ECサイトのメリットデメリットを解説していきます。
自社ECサイトとモール型ECサイトのメリットデメリット
自社ECサイトのメリット
自社で(ある程度)カスタマイズができ思い通りのお店ができる
自社のECサイトであればサイトを自由にカスタマイズすることができます。
特にスクラッチやカスタマイズ可能なインストール型のパッケージシステムであれば、実装したい機能やデザインなど思い通りに叶えることができ、ショップの満足度は高いECサイトは構築できる反面、保守やメンテナンス、セキュリティ面の担保も自社で実施する必要があり注意が必要です。例えるなら自社の店舗を設計から材料調達、建築まですべて行うようなものです。
一方でクラウド型ASPと呼ばれる、いわゆる貸しテナントにお店を構える方法では、必要な建具などはすべて揃った状態でECサイトを構えることができます。月額の家賃を支払いながら自社のECサイトを運営することが可能です。
これらの詳細は、「【2021年最新版】ECサイト構築ショッピングカートASPの比較」に書いていますのでぜひご参考ください。
ブランディングが可能
自社ECサイトはデザインにオリジナリティを出すことができ、自社に見合ったブランディングをすることも出来ます。
例えば先程のECサイトの例で行くと、お菓子のこだわりをカテゴリページで細かく説明してページを見ているだけでお店の世界観やお菓子に対する情熱を知ることができます。
茶の菓
自社ECサイトのデメリット
成果があらわれるまで時間がかかる
新規にECサイトを構築する場合、広告費やプロモーション費を積極的に投下しなければ、成果があらわれるまで時間がかかります。
自社ECサイトの構築はもちろん、サイトへの集客、リピーターへの販促活動など多くのプロセスを経てようやく成果があらわれてきますし、それらを維持していくも継続する努力をしなくてはなりません。
モール型ECサイトのメリット
集客力がある
楽天やAmazonなどモール型ECサイトはすでに圧倒的な知名度があり、高い集客力があります。そのため集客にかかる負担は軽減されます。(最近はモール内の競争も激しく広告費を投下しないとなかなか集客につながらないとも聞きますが・・・)
手軽に始められる
ECサイトを始めるにあたり必要な機能はすべてモールから提供されており、モール側のサポート、運営ノウハウを利用することで経験や知識の乏しいECサイト運用の初心者でも比較的簡単に始めることができます。
モール型ECサイトのデメリット
他のショップとの差別化が難しい
強い集客力を誇るモール型ECサイト内には、多くのショップが集まってきます。そのため類似した商品や型番商品など、オリジナルの商品を扱わない場合、他ショップとの差別化が難しく価格競争に巻き込まれやすくなります。
またサイトのデザイン構成がモールの仕様に準拠するケースが多く、店舗デザインでブランディングすることは自社ECサイトに比べて難しくなります。
費用がかかる
一般的に自社ECサイトに比べモール型ECサイトは出店料や販売手数料、決済手数料や広告宣伝費など費用がかかるケースがあります。
モールによって異なりますが、一例として楽天の月額シュミレーションで試算してみました。
https://www.rakuten.co.jp/ec/plan/cost_detail/
仮に楽天市場において「月商1000万円」「単価5000円」「ジャンル 食品」でスタンダードプランを使った場合、月額費用とその内訳は以下のようになります。
合計金額(月額費用) | 937,000円(スタンダードプラン) |
システム利用料(パソコン) | 128,000円 |
システム利用料(モバイル) | 214,000円 |
システムサービス利用料金 楽天ポイント原資 | 95,000円 |
システムサービス利用料金 安全性・利便性向上のシステム利用料 |
10,000円 |
システムサービス利用料金 アフィリエイト利用料 |
156,000円 |
楽天ペイ(楽天市場決済)利用料 | 334,000円 |
このようにさまざまな費用がかかりますので、検討する場合は十分留意する必要があります。
自社ECサイトとモール型ECサイトのメリットデメリットのまとめ
以上、自社ECサイトとモール型ECサイトのメリットデメリットを解説してきましたが、それを以下の表にまとめてみました。
自社ECサイト | モール型ECサイト | |
---|---|---|
集客力 | 1から行う必要がある | モール自体にある |
ブランディング | 行いやすい | 難しい |
難易度 | 難しい | 易しい |
成果 | 時間がかかる | 短期に出やすい |
利益率 | 高い | 比較的低い |
長期的な目で見ると、自社ECサイトのほうが利益を確保しやすいと考えられます。逆に短期的な目で見ると、モール型ECサイトのほうが容易に利益を確保しやすいと考えられます。
まとめ
以上、自社ECサイトとEC型モールの違いを見てきましたが、それぞれ一長一短がありました。
ぜひ今回の記事を参考に、自社にあった運営方法を選択してください。