こんにちは、ECプロデュース部の岡本です。
2013年も残り僅かですね。
今回はGoogleが取り入れている集客法、「オンボーディング」についてご紹介します。
ゲーミフィケーションとオンボーディング
「オンボーディング」とは「新しい従業員を、会社に適応させるプロセス」という意味があります。
この概念を、ビジネス・特に集客法として応用させているのが「ゲーミフィケーション」という活動です。
ゲーミフィケーション(Gamification)とは、2010年に提唱された「ゲームデザインの技術・メカニズムを応用する活動」の事を指します。
2011年にガートナーがハイプサイクルに追加され、2015年頃に主流になると予測しました。
ゲーミフィケーションの視点では、これを応用させて「新しい顧客(見込み客)を、商品・サービスに適応させるプロセス」として用いています。
Googleが「Googleさがそう。」という「モバイル検索」を告知するキャンペーンでこの「オンボーディング」を採用していました。
250×250のバナーにマウスオーバーさせるとモーダルでミニ動画が始まります。
そして動画の最後には、「ボタンをクリックして、続きを見よう」というCTA(Call To Action)が表示されます。
実際にボタンをクリックすると、「Googleモバイル検索を使って行動する動画」へとアクセスする流れです。
ユーザー側から見ると、「『熊に会ったら?』という動画を見ていたつもりが、Googleモバイルの機能について知る機会になった」というUXになりますね。
オンボーディングを支える「3つの要素」
「オンボーディング」を実施する際のポイントは以下のの3つです。
- 「なんだこれ?」と思わせる仕掛け
- 「もっと知りたい」と思わせる内容
- 「行動できない理由」を解決する
1,「なんだこれ?」と思わせる仕掛け
多くの場合、見込み客は自社のサービス・商品について何も知りません。
知らないことに対して注意を向けることはほとんど無く、また注意が向いていないことについては「認識すら」してもらうことができません。
*認知能力についてはハーバーランド大学の有名な実験がありますので、そちらをご覧ください。
クリストファー・チャブリス&ダニエル・シモンズ 『錯覚の科学』|文藝春秋 |特設サイト
そのため、まず考えるべきことは「いかに注意を向けるか?」ということです。
先ほどのGoogleの広告では「突拍子もない質問」をぶつけることで、「なんだこの広告?」と思わせることを狙っています。
この他にも「Facebookの診断アプリ」の様な「自分はどうなんだろう?」と思わせることで、注意を広告に向けさせている事例もあります。
2,「もっと知りたい」と思わせる内容
広告に対して注意を引きつけた後にやるべきことは、「注意を興味・関心に変えること」です。
「もっと知りたい」と思わせることができなければ、肝心の「伝えたいこと」を見てもらうことができません。
Googleの場合は、ショートムービーの後に「続きを見よう」とアピールすることで「この2人はこの後どうなるのだろう?」といった「好奇心」が湧くように仕掛けています。
「もっと知りたい」「続きが気になる」という心理にさせる仕掛けとして有名なものでは、TV番組の「続きはCMの後で!」というものがあります。
3,「行動できない理由」を解決する
要素1で知られていなかったものに「気づいてもらう」ことができました。
要素2で「もっと知りたい」と思ってもらうことができました。
最後の要素で目指すことは「自分でもできる」と思ってもらうことです。
友人を遊びに誘った際に次のような言葉で断られた経験はありませんか?
- 「興味はあるけど、時間がない」(時間的制約)
- 「興味はあるけど、お金がない」(金銭的制約)
- 「興味はあるけど、休みたい」(身体的制約)
人に行動を促す最後のハードルは、「その人が持つ問題を解決すること」です。
Googleのキャンペーンでは、最後の動画で「簡単な操作で扱えること」をアピールしています。
「興味はあるけど、操作を覚える時間がない(覚えるのが面倒くさい)」といった問題を解決することで、「ちょっと使ってみようかな」と思わせるような仕掛けになっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
言われてみると「当たり前のこと」ではありますが、集客に必要なことは「当たり前のことを当たり前にやること」です。
「仕掛け」「内容」「問題解決」の「オンボーディング3要素」を押さえた集客、是非来年からでもお試し頂ければと思います。