先日、「ヨーロッパ最大のSEOカンファレンス、BrightonSEOに参加してきます。」でもお伝えしましたように、BrightonSEOに行ってきましたので、参加したセッションについて簡単ではありますがまとめてみたいと思います。
今回は「8 Ways to Increase your Ecommerce Conversion Rate(ECサイトの購入率(CVR)を上げる8つの方法)」について。
セッションで紹介されていたのは下記の8つ。簡単にご紹介します。
- Personalise your homepage
- Promote alternative and compatible products on the product pages
- Use multiple product images
- Provide user reviews
- Display shipping costs on product and cart pages
- Always offer a guest checkout
- Simplify your checkout process
- Promote trust using icons, badges and copy
1. Personalisation(ユーザーに合わせる)
ECサイトを訪問したユーザーに合わせてパーソナライズすることが重要です。
ECサイトのパーソナライズで売上を7%増加。事実、Amazonの全売上の35%は、パーソナライズされたおすすめ商品によるものです。
閲覧履歴を表示する
ユーザーが以前にECサイトで閲覧したけれど、購入しなかった商品をサイト上に表示します。
現在のカートの内容を表示する
ユーザーが現在カートに入れている商品をECサイトに表示します。カートに商品を追加して買い物を続け、商品がカートに入っていることを忘れている可能性もあります。ECサイトでカートに入っている商品をユーザーに見せることは、購入途中であることを思い出させることに繋がります。
性別で内容を変える
ファンション系のECサイトでは特に有効で、ユーザーの性別に基づいて表示する商品を切り替えます。
過去の購入からの関連商品を表示する
ユーザーの購入履歴に基づいて、関連する商品を表示します。例えば、カメラを購入したユーザーには、互換性のある商品、例えばSDカード、カメラフィルム、カメラストラップを表示することが効果的です。(Amazonでよく見る方法)
Wayfairはパーソナライズした商品を表示せているいい事例です。
2. Cross-Sells(クロスセル)
関連性の高い商品を表示することも重要です。カメラの場合、レンズやSDカードといった他の商品をクロスセルします。また洋服の場合、よく似たタイプの商品や色が近い商品をクロスセルするのも効果的です。
RIVER ISLANDは選択している洋服のスタイルに合うアクセサリーを提案しています。
3. Product Images(詳細な商品画像を表示する)
商品画像はECサイトにおいてもっとも重要な要素となっています。
56%のユーザーがそのページの他の要素を見る前に画像を確認する
最低3〜5枚の商品画像が理想的、10、15枚まで表示させます。理想的な商品画像は以下のようなもの。
- 製品の寸法を検索することなく、ユーザーが製品のサイズをより理解できるように、製品のサイズを示す画像
- 製品の機能を紹介する画像
- ユーザーが製品を使って自分自身を簡単にイメージできるライフスタイル画像
- 製品価格に含まれているすべての付属品の画像
John Lewisの商品ページがいい例です。8枚の写真、ビデオ、、縮尺通りの画像、ライフスタイル画像、特徴イメージ、付属品が画像で表示されています。
4. Reviews(レビュー投稿を促す)
95%のユーザーが商品検討時にレビューを評価しているので、レビューを入れたほうがいいのは明らかです。レビュー数も重要で、5つ星評価が4レビュー数しかない製品よりも、50レビューから平均4.5の星の評価を得ている製品を選択する可能性が高く、ユーザーにとってできるだけレビュー投稿を簡単にする必要があります。
- レビュー投稿時にアカウントの設定を要求しない。できればメールアドレスだけで投稿出来るようにする。
- 氏名、電話番号、住所などの不要な個人情報を要求しない。上記同様、ここでもメールアドレスだけで投稿出来るようにする。
- もし個人情報を要求するなら、それがなぜ必要なのかを明記する。
- ユーザーにメールやインセンティブを使ってレビューを残すようリマインドする。
adidasではユーザーがアカウントを作成せずにレビューでき、個人情報が必要な理由を説明し、匿名でレビューができます。
5. Shipping Costs(送料を明記する)
基本的にユーザーは配達料の支払いを好みません。55%のユーザーは配達費用が高いために購入を途中で中止します。ではどのようにしてこれらを防ぐのでしょうか?
答えは、当たり前のことですが配送料をカート内で明記することです。離島等の購入完了後にしか表示出来ない場合も、配送料金説明のページを設けたり、商品詳細ページやカート内でおおよその配送料を記載して、ユーザーに安心感を与えることができます。
6. Guest Checkouts(ゲスト購入を許可する)
ユーザーにゲスト購入を可能にするとコンバージョン率が上がることは明らかですが、100社のECサイトを調査したところ、25%のECサイトでまだゲスト購入が提供されていませんでした。
ゲスト購入がない場合、34%のユーザーが購入を中止します。
Debenhamsはユーザーがゲストとして購入することを許可するだけでなく、アカウント保有者がゲストとして購入することも可能にしています。そのためパスワードを忘れた場合は、購入を完了する前にパスワードを取得するプロセスを経る必要はありません。
7. Checkout Interruptions(購入の中断を防ぐ)
購入プロセスが長すぎるか複雑な場合、26%のユーザーがカートを放棄します。そのため購入プロセスをできるだけ簡単かつできるだけ短くする必要があります。中断させないポイントは以下。
- フォーム数を最小限に抑える(名前フィールドを姓と名に分けない、電話番号や郵便番号を複数のフィールドに分けない。)
- 購入プロセスの各ステップを表示して、ユーザーがどこにいるのか、どのくらい進んでいるのかを把握できるようにする。
- 配送先を請求先住所として自動的に適用する。
- 文字数制限を設定しない。
- パスワード要件を最小限に抑える。特別な文字、数字、または大文字の使用を強制しない。(最低6〜10文字で十分)
8. Promoting Trust(信頼性を出す)
ユーザーの17%はクレジットカード情報の入力でWebサイトを信頼していないため、購入を中断します。
南京錠のアイコンなど、セキュリティアイコンを購入ページに追加するだけの簡単なものです。例えば、McAfeeやNorton Securityなどのセキュリティバッジを表示したり、「安全にチェックアウト」または「安全なカード支払い」などの安心したコピーを使用することも効果的です。
終わりに
よく考えてユーザー目線で見れば、「当たり前」の事かもしれませんが、このように整理することで自社のサイトがどのような施策を売打っているのか、比較が出来るように思いました。セッションでは、「完全に実装する前に、Webサイトへの変更をテストすることを常に検討することをお勧めします」ともあったので、全てが効果的ではなくより効率的に自社にあったCVRの改善策を模索する必要がありそうです。
また次の記事でもセッションの模様をお伝えさせていただきます。