レスポンシブWebデザインを導入する学校が大幅に増加
学校関係、特に大学のWebサイトで続々とレスポンシブWebデザインが導入されています。私が確認できている範囲ですが、日本では主に下記の大学で導入されていました。
大手の国立大学から、私立大学まで大小様々な大学のウェブサイトがレスポンシブWebデザインに対応しており、どのデバイスでアクセスしても最適化された表示になります。
他にも、
麹町学園女子中学校・高等学校
スタンフォード大学
ハーバード大学
など中学、高校、果ては世界的に著名な大学に至ってもレスポンシブWebデザインに対応している状況です。
なぜ学校のWebサイトがレスポンシブ対応するのか?
そもそも学校(特に大学や私立中高)のウェブサイトを訪れる人を考えてみると分かりやすいのですが、まず進学を検討してる子供、そしてその親がほとんどでしょう。
総務省が先日出した高校生のスマホ利用率調査では84%以上の生徒がスマートフォンを利用していると回答しています。日本全体のスマートフォン利用率がやっと5割を超えたところにあって、この利用率は驚異的でもあります。
参考:「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」(速報)の公表
一方進学を検討している子を持つ親の世代(40代〜)のスマホ普及率を見てみると、こちらは全国平均以下の40%台に留まっており、過半数を下回っている状態です。
つまり進学検討をしている親子では「子供はスマホで閲覧」「親はPCで閲覧」という非常に分かりやすい線引がされている状態です。学校関係のウェブサイトはほぼ学校名で検索されていると考えられるので、検索結果は特に重要ではなく、アクセスした端末によってサイトが見難かったりすると、それこそ閲覧する気が失せてしまうでしょう。
検索の流れの起点は子供がスマホで検索→親がサイトを訪問が多いと考えられるので、まず子供が持っているスマートフォンできちんと学校サイトが閲覧できる状態でないと、親の閲覧にも影響があると考えられます。
Googleのマルチスクリーンワールドの調査では、オンラインでの行動の起点の72%がスマートフォンとなり、同じURLで67%がパソコンでアクセスする所謂「引継利用」が頻繁に行われている結果があります。
参考:The Multiscreen World
親がPCで見るだけでなく、子供がスマホで検索してからPCで見るケースもあります。別のデバイスでサイトを訪問した時に、別のコンテンツが表示されていたり、そもそもデバイスに最適化されていない状態であればユーザーを迷わせる結果になり離脱率も大きく上昇します。
自分の進路を決める重要な情報なので、サイト内は隅々まで閲覧する傾向があるため、スマホで見た時にPCサイトが表示されている時のストレスは通常の情報サイトを見るよりもグッと高くなるでしょう。
8割のスマホ利用者がそのまま大人になったら
このスマホを使いこなす8割の高校生たちがそのまま大人になったとしたら、どのような世界になるのでしょうか。東京工科大の調査で以下のようなものがありました。
1人暮らしの大学新入生、4分の1が「テレビない」 東京工科大調査
一人暮らしをしている大学新入生のスマートフォンの所有率は男女とも9割を超えており、さらにノートPCの所有率が半分を切っています。デスクトップに至っては約2割という結果に。テレビを持たず、PCもなく、情報収集やコミュニケーションはほぼスマホで完結している世界がすぐそこまで来ています。
BtoCのサービスで、サイト運営者がまず意識しないといけない事は、これらのモバイルメインで行動をしているユーザーに最適な閲覧体験を提供することです。PCありきのサイト設計では今後多くのユーザーを取りこぼす結果になりかねません。
サイト運営や更新の手間を考えるとレスポンシブWebデザインを導入し、マルチデバイスに一気通貫で対応する方が運営者にとっても閲覧するユーザーにとっても現状はベストな方針ではないでしょうか。
モバイルファーストが一歩先を行く学校関係のサイトから見える、これからのマルチデバイス対応でした。