アメリカのスターバックス店舗は全面的にモバイル決済を採用しており、WSJの記事によると最新の四半期決算で全店の売上の10%あまりがモバイル決済で行われたとのことです。
専用のモバイルアプリに加え、PassbookやSquareで決済されるケースが多いようです。
昨年8月にスターバックスとSquareが戦略提携を発表し、アメリカの全店舗でスマートフォンを使ったクレジット決済が簡単にできるようになりました。
スターバックスとSquareが戦略提携、全米スタバ店舗でSquareが利用可能に
専用の機器をスマートデバイスに装着し、アプリを起動すればデバイスが決済端末になる。
Squareのタブ機能を使い、決済情報やプロフィール、顔写真などをあらかじめ登録しておけば、磁気カードを持つ必要はなく店舗へ来店し、iPhoneのSquareアプリを起動し顔認証だけで商品の決済が可能にもなります。まさに「顔パス」のような機能です。
今後はPowermatを使って各テーブルで決済をワイヤレスで完了させるような取り組みも始まる予定です。
クレジット決済が主流のアメリカでの事例なので、現金決済が主流の日本ではすぐの普及は難しいでしょうが、世界的なコーヒーチェーン店であるスターバックスが戦略レベルでモバイルに舵を切っていることは大きな意義のあることでしょう。
スターバックス広報担当のLinda Mills氏は「カフェを利用する多くの人にとって、モバイル決済は手間を省くふさわしい手段だ」と話しています。
さらにモバイル決済の簡易化とともに、スターバックスが提供するポイントプログラムも消費者にとって非常に魅力的なものになっています。
店舗を利用しポイントを貯めることで、店舗で無料の飲み物や食べ物と引き換えることができます。貯めたポイント毎にステージが「Welcome」「Green」「Gold」と変わっていき、受けられるサービスにも差が出てくるようになっています。
自身のスターバックスファン度を目に見える形で提供することで、ポイントを貯めるゲーミフィケーション的な面白み、スターバックスへの愛着心などを顧客と共に育んでいけるような仕組みをモバイル端末を使って実現しています。
モバイル決済→アプリでポイントゲット→ファン心を育む
スマートデバイスを使った顧客にとって手間のかからない決済システムと、関係性を上手く育んでいけるポイントシステムでスターバックスのモバイル戦略は大きく成長中で、今後も同社の動向は注目していきたいところです。
日本のスターバックスではモバイル決済の導入までは進んでおらず、ポイントプログラムなどもありませんが、アメリカで先行してモバイル戦略を推し進めるところを見ると、近々日本でもモバイルを使った何かしらの動きが見られるかもしれません。
上林