サイトの検索結果を見ていても、徐々にスマートフォンに対応しているサイトを見るようになり、以前のように「他社に先駆けてスマホサイトを構築すれば、転換率も高く顧客を囲えます」と一概には言えなくなってきています。
(業種によってはまだまだ攻められる部分はありますが)
PCサイト、スマートフォンサイトの振り分け
新たにスマートフォンサイトを立ち上げる場合、もともと存在するPCページに追加して、スマートフォン用のサイトを構築すると、PCページ、スマートフォンページそれぞれ別のURLで運用しているケースがほとんどです。
(例)
PCサイト:http://hogehoge.com/
スマートフォンサイト:http://hogehoge.com/smartphone/
この場合、それぞれのURLにどんな端末からアクセスしたかによって、アクセス先を振り分けなければなりません。現状メインの振り分け方は以下の2通りです。
左の例で言うと、PCページにスマートフォンからアクセスした場合ヘッダー部分にスマートフォン専用サイトへのリンクを用意し、ユーザーにタップして遷移してもらいます。
ユーザーは一度タップするという動作を挟むので、通信速度が貧弱だったりすると再度読み込みが発生しストレスを感じる可能性もあります。
またユーザーが利用しているユーザエージェント名を調べることで、PCでアクセスしているのか、スマートフォンでアクセスしているのかどうかをサーバー側で判別し、アクセス先ページを自動的に振り分けことも可能です。
これは「.htaccessファイル」をサーバに設置することで実現できます。
URLを分けるのは問題がある。
2つのURLでの運用を前提に書きましたが、実はこの方法には問題があります。
管理の問題
運営管理をするサイトはPC用とスマートフォン用で分かれているので、どちらも同じコンテンツを扱っていた場合、例えばPC用サイトの画像を差し替えればスマホ用サイトの画像も差し替えねばなりません。
ランディングページを運用していたら、その差し替えの手間も結構なものになってきます。
コンテンツの入れ替えだけでなく、サイトの動作チェックなども2サイト分の労力がかかるので、ユーザーからは1つのサイトに見えても、実質2サイトを運営するコストがかかってきます。
ユーザーを迷わせる可能性
ユーザーエージェントによる判定は絶対ではなく、デスクトップのユーザーエージェントをモバイルのものと間違えたり、逆にモバイルのユーザーエージェントをデスクトップと間違えたりする可能性もあります。
Twitterなどで拡散されたURLにPCからアクセスした際、スマートフォン用サイトが表示され逆に閲覧しにくくなってしまうケースも多いです。
リダイレクトがされていない例。スマホ用URLにPCからアクセスしても、スマホ用サイトのまま表示。
ワンソースマルチデバイスで運用し、URLを統一する
こういった手間を省いたり、間違いが起こらないような方法として、URLを1つに統一し、ワンソースマルチデバイス(一つのソースでPCやタブレット・スマートフォンに最適化された表示)、そしてレスポンシブWebデザインにて運用していくことが理想です。
URLを統一すると…
- ワンソースマルチデバイスで運用すると、ページを構成するソースが1つなので、上記の更新の手間やサイトチェックをする手間などを当然のことながら省くことができる。
- 自動リダイレクトによる間違いがなく、ユーザーを迷わせる可能性がない。
- リンクのシェアをした場合、どのデバイスからアクセスしても最適化された表示がなされる。
と上記の問題をクリアすることが可能です。
終わりに
レスポンシブWebデザインはマイクロソフトやソニーなど大手の企業サイトから順次対応していますが、まだまだ日本での認知度はそこまで高くありません。
2014~2015年頃にインターネット利用端末がPCをモバイルが上回り、本格的なモバイルファースト時代が到来することが予想されます。個人ユーザーの端末もスマートフォンやタブレットなど今までになかった新しいデバイスが主流となり、より効率的な運営が事業者は求められるでしょう。
各デバイスの画面サイズ、解像度については下記を参照下さい。
ニーズ急上昇中のレスポンシブウェブデザイン(RWD)。 多様化するスマートフォン、タブレット端末にマルチ対応させるポイント
上林