スマートフォンユーザーの増加に伴い、注目を集めている「O2O」。今回は3つの事例と共に、ECサイトが実施する際のポイントをまとめました。
目次
- O2Oとは?
- O2O事例3選
- ECサイトでのO2O施策3つのポイント
- まとめ:O2Oで重要なこと
O2Oとは?
狭義では、Online to Offline
O2Oとは「Online to Offline」の略語で、その名の通り「オンラインからオフラインへ」の動線を指します。
2つのOを区別するため、時には「On2Off」と表現されることもあります。
具体的な例として、「ネット上(オンライン)から、ネット外の場所(オフライン)での行動へと促す施策」や「オンラインでの行動がオフラインでの購買行動に影響を与えるような施策」などが挙げられます。
「効果測定が簡単」というメリットも
マーケティング的な特徴として、効果測定が簡単というものがあります。On2Offでは、施策の効果測定を非常にシンプルに実施することが可能です。
例えば、「Webでクーポンを発行し、実店舗に持ち込まれた枚数数える」だけでもどれくらい売上に貢献したかを把握することができます。
このためITに詳しくない店舗オーナーでも、その効果を実感・把握しやすいという利点があります。
O2O事例3選
ここからは実際にO2Oに取り組む事例を3つ紹介します。
・事例1:「検索」に仕掛けられたO2O-Google ローカルショッピング
最も身近なO2O施策を仕掛けているのは実はGoogleです。
「ローカルショッピング」によって商品を検索した際、近隣の在庫がある店舗が検索結果に表示されるようになっています。
もちろんスマートフォンからも検索することが可能です。
ネットショップでは「情報収集→サイト訪問→情報入力→購入→配達」の5ステップで商品を入手するのに対して、Googleローカルショッピングの利用で「情報収集→店舗訪問→購入」と約半分の手間で商品が入手できることが強みです。
一方でデメリットとして「在庫情報をリアルタイム更新する困難さ」が挙げられています。在庫システムとの連携が必要なため、参入障壁がかなり高いという問題があります。
Googleが各店舗の在庫システムに関与することはできないため、利用者拡大に向けて「無料でのリリースを維持すること」や「アドワーズとの連携などによる利便性・収益性の向上」を目指しているとのことです。
参考
ネットとリアルをつなぐGoogleの戦略・担当者に聞く[前編]《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》
Google Japan Blog: Google ローカルショッピングで検索できるお店が増えました
・事例2:ASPが仕掛けたO2O-BASE
オーナーではなくショップカートシステムをリリースするASPがO2O施策を仕掛けるケースもあります。
無料でショップが構築できるサービス「BASE」は東急ハンズとコラボして、プロ・アマチュア含めクリエイターを支援するイベントを2014年1月に開催しました。
「ハンズ・ギャラリー マーケット」と「BASE(ベイス)」に出店するクリエイターから、66名の商品を東急ハンズ渋谷店に出店するという企画です。
通常では出店が困難な渋谷で商品を展示・販売できるというオーナーのメリットと、普段接点が少ない「個人・アマチュアのクリエイターが制作した手作り品」を発見できるユーザーのメリットが一致した企画です。
・事例3:LINEビジネスコネクト
LINEビジネスコネクトはLINEが新たに企業向けに開始したAPIサービスです。
LINEのAPIを顧客企業に開放して、企業が既存顧客DBやCRMと連携させることでビジネスの広がりを持たせることが可能となります。
提供されるAPIはユーザーから企業側に送られるテキストメッセージやスタンプ種別、現在地情報などで、
- 位置情報送付でタクシー手配
- 返却期限をプッシュ通知
- スタンプを利用した商品注文
などへの利用が期待されています。
【LINE】LINE、グローバル市場での更なる成長に向け、「BEYOND LINE」をテーマに3つの新サービスを発表
ECサイトでのO2O施策3つのポイント
1:電話しやすいサイト設計
実店舗のあるECサイトでは、サイトを見たユーザーが直接店舗を訪れて購入するケースなどが考えられます。
「近くまで来ているが、場所や営業時間だけわからない」
「今この商品の在庫があるか教えて欲しい」
といった問い合わせに速やかに対応するためにも、スマートフォンサイトからはすぐに電話ができる設計とすることをお勧めします。
2:オフライン行動への報酬
2つ目のポイントは、「オフライン行動を促す仕掛け作り」です。
ポイント付与やオフラインならではのサービスなど、「ちょっと店舗に行ってみようか」と思えるような仕掛けを作ることでユーザーの行動を促します。
BASEx東急ハンズの事例のように、「制作者と会える」というのも商材によってはオフライン行動へのきっかけとして有効です。
3:実店舗との連携
そして3つ目は「実店舗との連携」です。
Googleローカルショッピングのように「今ある在庫」がウェブ上から確認できる場合、「配送を待てない、今すぐ欲しい」というユーザーの実店舗訪問が期待できます。
実店舗の「今」をウェブ上から確認できることで、オフライン行動への誘導も期待することができます。
まとめ:O2Oで重要なこと
O2O施策で重要なことは、「継続すること」です。
・店舗に誘導した「その後」をどうするか?
・引き継ぎ店舗に来てもらうために何をすべきか?
など、
「単発のイベント」として終わらせないためにも、ポイントやレターといった「再来店を促す仕掛け」との組み合わせが重要となります。
岡本