雑誌の中で取り上げられた商品を巻末の通販ページで販売するように、WEBの世界でもニュース兼ECという性質を持つサービスが最近増加しています。
今回はキュレーション系ニュースサイトの1つ「Antenna」に追加されたEC機能についてご紹介します。
O2O,C2C事例としても注目されてるサービスですので、是非今後のEC運営にご活用下さい。
サイト名 | キュレーションマガジン Antenna[アンテナ] |
URL | https://antenna.jp/ |
アプリダウンロード | iTunes | GooglePlay |
QRコード | ![]() |
antennaに見る9つのポイント
1:メディアを全面に出したTOPレイアウト
ショップ機能はサブ要素のため、左側のメニューアイコンから「ショッピング」をタッチして移動します。
ショッピング専門のアプリではWEBサイトと比較して起動される機会が限定されるため、「毎日アクセスしたくなる要素」としてメインコンテンツの「キュレーションニュース」が活用されています。
2:ビジュアル重視のレイアウトと、使いやすい検索バー
「ショッピング」のTOPページもTOPと同様、画像を大きく見せるデザインです。
このタイプのデザインではファーストビューに表示できる商品数が限られる反面、より強いインパクトをユーザーに与えることができます。
そのため「ドリッパーを買いたい」といった「ある程度目的を持ったユーザー」よりも「オシャレな雑貨がほしいな」という「漠然とした目的のユーザー」をターゲットとするECサイトに用いられます。
antennaでは、閲覧数と共に右上に「クリップ数」が表示されているため、「どれくらい注目されている商品か」がわかりやすくなっています。
また上部には検索エリアが用意されており、金額やカテゴリなどによる検索にも対応しています。
3:リストが複数作れる「クリップ機能」
商品ページはページ上部にスライドショー形式で画像を表示するデザインです。
価格表示のみ斜めに配置することで、より価格の見てもらいやすいレイアウトになっています。
また、ECサイトでは「お気に入り機能」として実装されていることが多い「クリップ機能」も特徴的です。
「お気に入りリスト」1つのみのサイトが多い中、「新規クリップブック」をクリックすることで複数リストが作成できます。
Amazonの「欲しいものリスト」にも見られるように、「今は要らないけど、必要な時が来るかもしれない」という商品をわかりやすく管理できるという意味でも非常に有効です。
4:タッチデバイス対応とCGM系レコメンドリスト
カートボタンや購入数量などはもちろんタッチデバイス対応済です。そしてカートボタンの下には「関連クリップブック」というコンテンツが表示されています。
「関連クリップブック」では、他のユーザーが作成した「公開クリップブック」が表示され、「今見ている商品」と同じリストにクリップされた商品リストを見ることができます。
画像のように「あると便利かも?」や「食いしん坊」といった様々な側面から他の商品リストが表示されるため、通常の関連商品機能よりも回遊率とサイト全体のCVRの向上が期待できそうです。
5:シンプルなカートページと会員登録への誘導
antennaで商品を購入するには「会員登録」が必要でした。
情報入力やメールアドレス確認などは「アプリ外」での操作となるため、「登録したらTOPに戻された」ということは起きないようになっています。
6:ソーシャルログインとアプリ誘導
会員登録はFacebook/Twitterアカウントからでも可能で、比較的ストレス無く登録が実施出来ました。
また、WEBサイトからアクセスされている方向けにアプリのダウンロードページリンクも表示されるようになっています。
7:1Viewに収まるカートページ
カートページの離脱を防ぐことは、ECサイト運営の中でも重要なポイントです。
antennaでは情報入力ページをスクロール無しで使用できるようにレイアウトされていました。非同期のページ遷移によって、注文者情報やお届け先を個別に表示させる動作です。
8:Paypalもアプリ内で決済可能
支払い方法はクレジットカードとPaypalの二種類。
アプリでPaypal決済を利用すると、稀にWEBブラウザを起動させてしまうものがありますが、antennaではアプリ内で決済を完了することができました。
9:完了ページでのレコメンドとhtml形式の注文メール
注文完了ページでは、SNSシェアボタンと同じショップ内の商品リストが表示されます。
完了ページに商品のレコメンドを出すことで、「ついで買い」や「クリップによる将来の購入」を期待することができます。
また、注文完了メールはhtml形式で届きました。html形式を利用することで、より読みやすい注文確認メールの配信を実現しています。
EC化するメディアサイトとメディア化するECサイト
いかがでしたでしょうか。
キュレーション系ニュースサービスとして始まったantennaですが、「紹介された商品を簡単に買えるようにすること」を目指してEC機能を追加されたとのことです。
ECサイト側でもブログやSNSの運用といった「メディア化」への取り組みが進んでいますが、その反対も着実に進行してる様子です。
「雑誌の通販コーナー」と「店舗からのニュースレター」の様に最終的には住み分けになると思いますが、今後しばらくはメディアサイトとECサイトとの「陣取り合戦」が起きるのではないでしょうか。