サイトの表示速度をより高速化しようとする際、意外なボトルネックになりやすいのが「外部プラグイン」の存在です。
SNSボタンや広告・解析タグなど、サイト運営する上で必要性の高いものが多く、見直しの提案がなかなか行いにくいというのが悩みどころです。
そこで今回は「商品ページに設置されたSNSボタン」について速度計測を実施、実際にどれくらい表示速度に影響を与えているかを調査しました。
テストサイトで速度計測
今回の速度検証では1つのページについては、「SNSボタンのタグを追加・削除する度に速度計測を実施する」という形を取りました。
ECサイトでよく見られる形の商品ページを作成し、ページ中盤にSNSボタンをそれぞれ設置する構成としています。
計測方法について
作成したサンプルページに対して、iPhone5から「Web Developer Toolsアプリ」を利用してアクセスしました。
Web Developer Tools
カテゴリ: ユーティリティ
価格: ¥500
「Web Developer Toolsアプリ」を利用することで表示速度とリクエスト数を計測し、以下の7ケースについてそれぞれ5回ずつ速度計測を実施しています。
- SNSボタンなし
- Twitter:ツイートボタン
- Facebook:いいねボタン
- Google+:+1ボタン
- LINE:LINEで送るボタン
- mixi:チェックボタン
- 全SNSボタン表示
なお、今回の計測は全て社内よりLTE回線にてアクセスしています。
計測結果
「Facebook:いいねボタン」「Google+:+1ボタン」「LINE:LINEで送るボタン」でそれぞれ1秒以上読み込み速度が増加し、全て表示させた場合には約4秒表示速度が増加するという結果になりました。
リクエスト数別で比較した場合にも、「SNSボタン無し」と「SNSボタン全部あり」では2.8倍も増加しています。
「目的なき設置」は控えよう
表示速度が1秒低下すると、売上や検索結果、コンバージョンなどに悪影響が出るというのがECサイトでの定説です。
- ページの表示が100ミリ秒~400ミリ秒遅くなると、ユーザーの検索回数は0.2%~0.6%減った。
- 継続して200ミリ秒遅いページ表示になっていたユーザーの検索回数は、最初の3週間では0.22%減だが、4週目~6週目の3週間では0.36%減になった。
- 継続して400ミリ秒遅いページ表示になっていたユーザーの検索回数は、最初の3週間では0.44%減だが、4週目~6週目の3週間では0.77%減になった。
- 6週間にわたって400ミリ秒遅いページ表示になっていたユーザーの検索回数は、ページ表示が元の速度に戻ったあとの5週間も0.21%減のままだった。
参考:Googleがついに順位決定に表示速度を使い始めた(公式発表)
「SNSボタンを利用したくなる動線」や「放っておいてもSNSで拡散されやすい商材」などで無い場合、そして設置したSNSボタンの利用状況が芳しくない場合には、表示速度が低下するリスクの方が大きくなっているかもしれません。
「とりあえずSNSボタンを置いておこう」という考え方は、今後見なおす必要がありそうです。
モバイルファーストラボ編集部