”モバイルゲドン”の影響
みなさんもご存知の通り、Googleは今年の4月21日に「モバイルフレンドリーアップデート」を実施しています。検索順位結果に大きく影響を与える今回のアップデートは多くのECサイトのスマホ対応を決定づける要因となっています。
その「モバイルゲドン」ですが、EC事業者様の声を聞いていると大きな変動があったという声はあまり聞きません。
しかし、アドビシステムが検証した数値では、モバイルフレンドリーのページとモバイルフレンドリーでないページではウェブサイトへのトラフィック量が12%減少したとされています。
図はグーグル検索ランキングで順位を上げたサイトの割合(緑)と下げたサイトの割合(赤)。左はモバイルに対応していない、右はしているサイトを示す。
グーグルの「モバイルゲドン」、恐怖が現実に「THE WALL STREET JOURNAL」
サイト全体のスマホ対応(マルチデバイス対応)でないと意味がない。
私がEC担当者様とお話していると「モバイルフレンドリーテストで問題なかった」と言う声を聞くのですが、実際にはそうではない場合もあります。
モバイルフレンドリーかどうかは、サイト全体ではなくそれぞれのページごとに判定されているためです。
特にカートASPのいわゆる”スマホ自動連携”機能を使っている場合、
TOPページやカテゴリページ、商品ページはカートASPのスマホ対応機能を使い動的にスマホ対応ができているのですが、ランディングページや静的な下層ページや特集ページはモバイルフレンドリ−ではない判断がされています。
これではせっかくスマホ対応をしていてもGoogleの検索結果にマイナス影響を及ぼしてしまう可能性があります。
実際にPCページとスマホページを別々に構築するASPを利用された場合のサイトをGoogleのモバイルフレンドリーテストでテストしてみました。
同じECサイトでもここまで評価が異なります。
実際、PCとスマホを別々で構築しているECサイトを検索してみると、
同一のサイトに関わらず、[スマホ対応]のラベルがついているページとラベルがついていないページが確認できます。
特に注意すべきは、こういったページがキャンペーンなどの特集ページに多いということです。
さらなる集客や売上を企図して制作したページにも関わらず、これではユーザーにとって使いにくいだけでなく、
検索からの流入も落としている可能性があります。
完璧なスマホ対応する方法
こうした事態を防ぐには、すべてのページでスマホ対応する必要があります。
しかし、前述したいわゆる”スマホ自動連携”は特集ページ等の静的ページでは利用できないので、スマートフォンページを一から作る必要があります。
この手間が確保できず、特集ページのスマホ対応に踏み切れていないEC事業者様が多くいらっしゃいるのです。
一方で、レスポンシブデザインで作られたサイトであれば、すでにレイアウト(共通部分ののHTMLやCSS)が
既にスマホ対応した設定になっているため、特集ページをスマホ対応して作ることは容易になります。
実際に、レスポンシブデザインで構築されたサイトでは、すべてのページで”モバイルフレンドリー”と判定されています。
完璧なスマホ対応しているECサイトは?
これは”モバイルフレンドリー”以前の話ですが、
完璧なスマホ対応(レスポンシブ)をしているサイトで、大きく検索エンジンからの流入数を伸ばされたサイトもあります。
以前のレスポンシブECサイトを導入されたEC事業者様を検証した記事(レスポンシブ化後売上前年比2倍に!データから銀座三愛「三愛水着楽園」売上増の要因を検証)でも
触れていますが、PCサイトとスマホサイトを別々に構築する運用方法から、
レスポンシブECサイトを導入することにより検索流入数が前年比270%以上の結果を出されています。
内容を見てみるとビッグキーワードでTOPページの検索順位が上昇し流入数が増えたということではなく、「ニッチなワード」「ロングテールワード」での検索から下層ページや静的ページなどからの流入数が多いということが判明しています。
広告費を増やすことなく、訪問者数を伸ばし前年比売上200%以上を達成する結果を出しておられます。
▼最後に
お盆休みも終わり、本格的に年末商戦に向けた準備をすすめる時期がやってきました。9月以降はハロウィンやクリスマス、お正月などイベントが盛りだくさんです。EC事業者様にとっては確実に売上を上げるためにサイト全体を考えなおすのが、まさに今の時期です。
レスポンシブWebデザインはGoogleが推奨していることもあり、世界的にも注目されています。しかしECサイトでの導入数はまだまだ少数です。ユーザのマルチデバイス化が急速に進んでいる今、EC事業者様のマルチデバイス対応は急務です。年末商戦に向けて今一度、御社ECサイトを根本的に見直してみてはいかがでしょうか。