現在のスマホECサイトはユーザーにとって最適か?
ECに関係する方であれば「スマホの重要性」はしっかりと理解され、既にスマホ対応をされている事業者様がほとんどかと思います。
むしろ「今さら!?」と感じる方もおられるかもしれません。
しかし、本当に今のスマホ対応でユーザの満足度の高いサイトを実現し売上を伸ばし続けているのか?となると、全ての事業者様が順調にスマホECサイトでの売上を伸ばしておられるとは限りません。実際、私が日々EC事業者様のお悩みを聞く際にもほとんどのEC事業者様が既に見かけはスマホ対応を完了している事業者様が多くおられます。
今回はスマホECサイトで成功するためのポイントを解説してみたいと思います。
ポイント1:スマホユーザを考える。
〜スマホでショッピングをする人ってどんな人だろう〜
皆様も周知の通り、エンドユーザが日々利用するメイン端末はPCからスマホに変わってきています。ネットショッピングをするユーザのメイン端末も完全にスマホがPCを上回っています。
以下の表はMMD研究所が昨年末に調査したネットショッピングをする際によく利用するデバイスの年代別調査になります。
参照:2015年版:スマートフォン利用者実態調査
ここで注目する点は50代のユーザでもPCよりスマホを利用しネットショッピングをしている点です。スマホ=若者という考えを多くの方がお持ちですが既に市場では幅広い年齢層でスマホがメイン端末として使われているのがわかります。
〜スマホでショッピングをする場合の行動パターン〜
次にスマホユーザの行動パターンを考えます。スマホユーザの行動はマルチスクリーン化し、同一のユーザが様々な端末を使い同一のサイトにアクセスしてくる、いわゆる引き継ぎ利用ユーザが多数を占め、大半がスマホを起点にサイトの閲覧をしています。
上記のような引き継ぎ利用をするユーザが快適にショッピングをして頂く為には以下の2点を注意しなければなりません。
アクセスしてくる端末に合わせて最適に表示されUIに優れたサイトであること。
ex)・スマホでアクセスしたのにPCサイトが表示される・情報入力ページがスマホで入力しにくい。
どの端末でサイトを閲覧/ショッピングをしても同等のユーザ体験が得られるUXに優れたサイトであること。
ex)・スマホサイトとPCサイトでは情報量に違いがある。・PCとスマホで全くUIが違う。
これらの注意点を満たしていない場合、せっかく訪問してくれたユーザが離脱してしまう可能性が非常に高くなり、スマホでの売上を大きく左右してしまう要因となってしまいます。よってスマホ対応とは『スマホの画面に合わせて表示させる。』ということではなく、これらのユーザがいかにストレスなくスマホでショッピングができるのかを追求し構築する必要がでてきます。
本ラボ記事でもスマホの構築方法は何度も触れられてきていますが、もう一度整理したいと思います。
分離構成(複数のURL・複数のHTML)
従来のサイト構築はそれぞれの端末に合わせてサイトを別々に構築する必要がありました。
分離構成の場合、ポイント1で述べたUI/UXを完璧に実現させるためには、それぞれの端末に合わせて画像やソースを準備する必要がありEC事業者様にとってはかなりの負担がかかるサイト構築方法になります。
一元構成(URL・HTMLが単一のレスポンシブECサイト
そしてもう一つがレスポンシブwebデザインを使ったレスポンシブでのサイト構築方法です。
レスポンシブでのサイト構築の場合、一つの画像やソースを使うので分離構成と比べ大幅にサイト構築の負担を軽減することができます。また、どの端末でも充実したコンテンツの構築が実現できるので、引き継ぎ利用をするユーザにとっても違和感なくサイトの閲覧/利用が可能です。
既にほとんどのEC事業者が取り組んでいる”スマホ対応”ですが、スマホ対応をしたからといって売上が簡単に上がるわけではありません。ユーザーの行動を踏まえた上で根本的にサイト構築の視点から再考していく必要があります。
岡村