2017年というモバイルファースト時代に合わせECサイト構築運営で知っておくべき基礎知識を網羅的に整理します。これらを起点に、更に知識やスキルを深堀していっていただければと思います。
- 1. ECサイトの新規立上や見直し
- 2. ECサイトの基本的普遍コンセプト
- 3. ECサイトで売上を上げる基本方程式
- 4. 本店かモールか
- 5. 独自ドメインECサイト構築 -基本的な構造(サイトマップ)
- 6. 独自ドメインECサイト構築 – 独自ドメイン名の決定
- 7. 独自ドメインECサイト構築 – 決済方法の決定
- 8. 独自ドメインECサイト構築 – デザインとコンテンツ(UI/UX)
- 9. 独自ドメインECサイト構築 – モバイルファースト思考
- 10. 独自ドメインECサイト構築 – マルチスクリーン対応方法の選定
- 11. 独自ドメインECサイト構築 – マテリアルデザイン
- 12. 独自ドメインECサイト構築 – 既にあるECサイトのリニューアルやシステム移行の注意点
- 13. 独自ドメインECサイト受注処理、発送(物流)、商品管理と在庫連携
- 14. 独自ドメインECサイトの集客
- 15. 独自ドメインECサイトの分析その他
ECサイトの新規立上や見直し
先ずはミッション・ビジョン・コンセプトの設定が必要です。その存在意義を定義しなければ、売上利益が拡大しつづられないからです。それぞれは以下です。
・ミッション:当該ECサイトが存在しなければいけない理由
・ビジョン:数年後の目指すべき姿
・コンセプト:上記を実現するために誰に(ターゲット)、何を(商品やサービスや価値など)、どのように(ECサイトやその方法)を提供するのか
以下は参考にECサイトを実際に構築する際に整理すべきチェックシートです。
ECサイト構築で、すぐ使えるコンセプトチェックシート~初めに決めるべき54項目~
売れ続けるスマートフォンECサイト構築(ミッション・ビジョン・コンセプトの設定方法)
ECサイトの基本的普遍コンセプト
ECサイトも小売業です。実店舗での小売と同様です。お店に来店された方に商品の陳列やPOPで訴求することや接客することはECサイトでのWEBページや商品ページでの画像、バナー、また訴求するテキストにあたり、問合せメールや電話の対応が直接的な接客にあたります。
要は、ECサイトの場合は来店されたお客様に対し、画像やテキストなどのページコンテンツやサイト構成でいかに接客して商品の魅力を訴求し購入していただくかがポイントです。
詳細は以下もご参考ください。
『お客様のために』はウソ、『お客様の立場に立って』が正しい。売れるECサイトに必須の普遍的小売業コンセプトとは?
ECサイトで売上を上げる基本方程式
ECサイトを構築して売上を上げていくための基本は以下の構造をまず知ることです。
(ECサイトの売上方程式)
売上=アクセス数×CVR×客単価
ここで、先ずはCVR(ECサイトへ来店した人が購入する率)を高め、アクセス数を増やすという両面を、CVR→アクセス数→CVR→アクセス数→とスパイラルアップし、ある程度できれば、客単価も高める施策が必要です。
そこで、主にCVR(ECサイトへ来店した人が購入する率)に影響するものがECサイト構築そのものであり、アクセス数に影響するものが構築後の集客(広告やプロモーション)にもなります。
CVRはサイトへの訪問者が購入に至る率ですので、サイト内部(サイト構成やページ構成、画像やテキストなど)に大きく影響します。もちろんスマホ利用者に対してスマホ向けのデザインになっていない場合は大きくCVRは下がります。このCVRが一定数値に達していない場合は、もちろん集客したところでその費用対効果が低いために、ある一定のCVRに到達してから、集客を実施、並行して客単価を高める施策というのが鉄板のストーリーです。
CVRの目安はまず1%越え(100人訪問で1人買う)、業種にもよりますが2-3%が適正平均値です。もちろん2-3%以上あればよいのですが、先ずは1%を超えることを目指します。またデバイス毎(PCやスマホ別)のCVRには大きな差はありませんので、先ずはPCでもスマホでも同様のCVRが出るようにする必要があります。
また、独自ドメインサイトでは楽天やamazonと異なり、ECサイト構築の際からしっかりと意識しなければいけない重要な集客導線があります。それがGoogle検索エンジンからの集客です。Google検索エンジンからの集客はECサイト構築の際から意識する必要がある事項も多いので構築初期段階から知っておく必要があります。
詳細は以下もご参考ください。
ECサイトの売上向上施策(2017年)
ECサイトの売上アップ方程式 2017年 ~未だ盲目なスマホ~
本店かモールか
実店舗と同様に、ECサイトにもイオンモールのようなモール型(ECサイトでは楽天やamazonやY!などへの出店)と独自店型(本店や独自ドメイン店などとも呼ばれるECサイト)があります。これらのメリット、デメリットは以下です。
モール型
(メリット)モールが集客力を持つので集客が比較的容易、構築運用もモール側がフォローし初心者でも容易。
(デメリット)独自の自由なマーケティングができない、ロイヤリティが高く利益が少なくなる、顧客が自社のものにならない。
※独自ドメイン型は上記のメリット、デメリットの逆に考えればよい。
これまでもECサイトでは、モールも独自ドメインでも、例えば楽天、amazon、Y!と本店のように多店舗出店運用し売上拡大を図ってきました。中でも多くの事業者が楽天などのモール型からスタートし、本店へ展開、そしてモール依存型から独自ドメイン店主力へと変遷してきました。
しかしながら、モールにおいても競争激化し、またモール加担の売上では、モールの方針等による売上変動等もあり、独自ドメイン店での売上拡大によるECサイト事業の安定と拡大を図る動きが活発となっています。
もちろん、ECサイトを複数店運用する方が、ユーザへのリーチがより多くできるために、来店数が増え売上向上は見込めますが、その分手間とコストが発生するため、ある程度の経営資源の選択と集中が無いと結果うまくいかないことになりかねません。先ずはモールか独自ドメインかどちらを集中的に伸ばしていくのかという計画も重要となります。
独自ドメインのECサイト構築の方法
モール等に出店する場合は、モールのシステムを利用し、サイト構築や商品出店することになります。独自ドメインの場合のECサイト構築の方法には大きく4つの方法があります。
- ECサイト構築のASPやクラウドサービスを利用する方法
- ECCUBEなどのECサイト構築専用のオープンソースを利用する方法
- WordPress+ECプラグインなど、EC専用ではないオープンソースを利用する方法
- 完全スクラッチ(完全自社開発)でシステムを構築する方法
1990年後半から2000年前半のEC創成期の頃は、レンタルサーバを自ら借りてそこにCGIやカートを設置して、自らECサイトを構築していたものですが、今や上記の1にあたるASPサービスを利用することがほぼ大半です。その理由は安価で、高機能なシステムが簡単に手に入るからです。
ASP、クラウド、ショッピングカート、ECシステム等はEC業界ではほぼ同義語としてとらえた方がよいです。古くはレンタルサーバにショッピングカートCGIを設置していた後に、ショッピングカートをサーバとセットでASP(アプリケーションサービスプロバイダ)という方法で提供することが中心になり、その後SaaSという言葉がはやり、ASPをSaaSともいった後に、”クラウド”という言葉が中心になりつつあり、同じような意味で異なる言い方をしています。
詳細は以下もご参考ください。
ECサイトの構築方法を徹底比較。おすすめのショッピングカートシステムとは?
ECサイト向けASPは大きく発展し、現在は第三世代にあります。その歴史は、カート機能に焦点をあてた第一世代、多機能化で二分化した第二世代、機能特化・マルチスクリーン対応な第三世代です。
詳細は以下もご参考ください。
ショッピングカート比較~歴史と最新ASPの選び方~
具体的な独自ドメインでのECサイト構築のステップは以下です。
- コンセプトワーク(上記)
- ECサイト計画策定
- チーム編成
- 販売商品の決定
- 販売商品の撮影や素材(画像、テキスト)の準備
- ASP選定
- ECサイト構築(詳細は以下)
- オープン
- 運用(広告集客、顧客満足度向上、CRM、売上利益のアップなど)
以下もご参考ください。
主要ECサイト構築の手順を完全解説
ECサイトASP比較~マルチスクリーン対応ECサイトASPの比較ポイント~
独自ドメインECサイト構築 -基本的な構造(サイトマップ)
ECサイトの基本的な構造(サイトマップ)
ECサイトの基本的な構造(サイトマップ)は以下のようになっています。
TOPページ
├カテゴリページ
├商品ページ
├ショッピングカートページ(カートに入れる~購入完了まで)
├マイページ
├基本ページ(会社概要、特定商取引法の表示、プライバシーポリシー、問合せ、Q&Aなど)
TOPページで作られる基本的なデザインテンプレートをその他下層ページでも利用するために、TOPページの構築がもっとも大きな山場となります。
カテゴリページや商品ページはシステムで動的に生成されるため、その雛形となるページを1つ設定し、カテゴリや商品の情報をシステムに登録することで、その他のページを動的に生成することが基本です。カテゴリページや商品ページもデザインにこだわる場合は、1ページごとにデザインテンプレートを変更して構築する場合もあります。
ショッピングカートページやマイページはシステムが自動で生成するために、そのショッピングカート内の設定(配送方法や割引などの設定)や少々のデザイン調整を行います。
基本ページはシステムで自動生成されるものは少なく、必要に合わせてそのページを直接制作する場合が多いです。
独自ドメインECサイト構築 – 独自ドメイン名の決定
独自ドメインでのECサイト構築にはドメイン名を決定する必要があります。ドメインとは、例えばaiship.jpのようなホームページアドレス(URL)やメールアドレスの一部として使われます。ドメイン名は「インターネット上の住所表示」に例えられます。なぜなら、広いインターネットの中で間違いなく目的の場所にたどり着くためには、一つしかない住所表示が必要だからです。
ドメイン名の種類は
(分野別).com:商業組織用、.net:ネットワーク用、.org:非営利組織用など
(国別).jp:日本、.uk:イギリス、.cn:中国などに分かれ、例えば法人の会社WEBサイトなら**.co.jpなどはよく知るところです。
ドメイン名の決め方の考え方には多様あるのですが、特に方針なければ、日本のECサイトであれば**.jpで
・長くなく
・覚えやすく
・ショップコンセプトを連想でき
・入力しやすい
ということを前提に決定すればよいです。
独自ドメインECサイト構築 – 決済方法の決定
ECサイトの決済方法はさまざまです。ASPを利用してECサイト構築する場合は、国内の主要決済はほぼ自動連係しているために、ECサイトを始める際にはどの決済手段を利用するかの決定をして、その決済手段に申込をして審査完了すれば、簡単な設定でスグに利用できます。
2017年2月現在でよく利用される決済手段とそのメリット・デメリットを簡単に列記します。今の決済手段の鉄板はクレジット決済、代引き、後払いを基本に、Amazon Payやキャリア決済などの利用者利便性を拡張することがポイントです。海外利用者が多いなら、プラスPayPalやAlipay(アリペイ)などです。
・クレジット決済:最も多く利用される決済なので導入はマスト。ASP提供会社へ申込が必要。
・コンビニ後払い決済:消費者は商品購入の際にカード等の入力が不要で、商品到着後に送付されるコンビニ支払の請求書で支払う方法なので便利。ECサイトは債権保障、代金回収もペイメント会社が実施するので、リスクも低く利便性も向上する。直近数年で大きく市場拡大し今はほぼマストの決済手段。NP、ニッセン、GMO、ヤマトフィナンシャルなど各社が参入。ASP提供会社へ申込が必要。
・代金引換(代引き):よく知られる決済。ASP会社とは別に、物流会社(ヤマト運輸や佐川など)へ申込が必要。
・Amazon Pay:ECサイトの利便性を高めるうえでも非常に効果が高い最近伸長している決済手段。利用するASPで標準連携していれば申込だけで利用可能。
・キャリア決済:携帯電話での電話料金で代金回収ができ、リスクも少ない決済。商品購入の際にカード入力等が不要であるため、利用者は根強い。利用するASPで標準連携していれば申込だけで利用可能。
・楽天ペイ:楽天IDの取込にも期待できる。しかしAmazon Payの方が現時点では有効。利用するASPで標準連携していれば申込だけで利用可能。
・コンビニ前払い:ひと昔前はよく利用されたが、今は上記のコンビニ後払いが主流。コンビニ後払いがあれば前払いは不要。利用するASPで標準連携していれば申込だけで利用可能。
・PayPal:越境ECをするなら必須の世界で最も利用されている決済手段。利用するASPで標準連携していれば申込だけで利用可能。
・Alipay(アリペイ):特にアジア向け越境ECをするなら必須の決済手段。利用するASPで標準連携していれば申込だけで利用可能。
・電子マネーやWEBマネー等:その他はあまり利用されていないので、本当に必要かどうかは要件等が必要。
独自ドメインECサイト構築 – デザインとコンテンツ(UI/UX)
サイトのデザインやコンテンツ(UI/UX)は、特に上記売上方程式のCVRに大きく影響を与えます。独自ドメイン店での基本は、来店した顧客が購入に至るまでのUI/UXを追及するとともに、切れない関係のGoogleの検索エンジンへのインデックスを意識することも大切です。
なのでECサイト内部(見た目の状態)ばかり意識してしまうと、見た目は良いが、アクセスは増えにくいサイトにもなります。ですのでこの両面を意識したサイト構築が必要となります。
現在のECサイトへの訪問デバイスはスマートフォンが中心となり、2017年1月でおおよそPC:スマホ=35:65です。商品のターゲットの年齢層が高くともB2C商材であればその比率はPC:スマホ=45:55程度ははあるので、基本的にそのサイトのコミュニケーションの中心はスマホを中心とすべきです。
ですので、デザインやコンテンツもスマホを前提に設計デザインしコンテンツも同様にすべきです。
サイト構築の基本フローは
ワイヤーフレーム構築
↓
デザイン
↓
コーディング(ASPへの設置)
となりますが。、これらのTOPページのワイヤーフレーム構築やデザインについても、確実にスマホ向けを設計デザインし、その後タブレットやPCへ展開すべきです。その理由は簡単で、市場はモバイル中心であるために、モバイル中心のコミュニケーションをすべきだからです。特に楽天を長らく運用して初めて独自ドメイン店に取り組む方は、長らくPCファーストの運用に慣れているために要注意です。
モバイル中心のデザインやコンテンツ(UI/UX)を考える場合に重要なポイントは何点かあります。PCと比較したデバイスや環境などの特性を考え、デザインやコンテンツを思考する必要があります。
中でもファーストビューのデザイン設計は重要です。PCのファーストビューのように比較的大きなものではなく、非常に限られたモバイルのファーストビューエリアで、初めて接触したユーザとコミュニケーションし訴求するかですので知恵熱が出るくらいワイヤーフレームで検討すべきです。網羅性と訴求性のいい塩梅を見出す必要があります。
サイトのデザインやコンテンツ(UI/UX)については、非常に多くの情報があるために参考にするとよいですが、独自ドメインでのECサイトの場合、
- Google検索エンジン(SEO)を意識しなければいけないこと
- スマートフォン中心にしなければいけないこと
が鉄則ですので、認知しておく必要があります。
独自ドメインECサイト構築 – モバイルファースト思考
インターネットでのECサイト利用の中心デバイスはスマートフォンです。2015年末にPCでのEC利用をスマホが上回り、ECサイト利用の中心はスマートフォンとなりました。モバイルファースト思考とは、これまでPCでのインターネット利用が中心であり、ECサイト利用者もPC中心であったものからモバイル中心へとシフトし、そのECサイト提供をスマホ中心へと移行させることです。
モバイルファーストへ移行させるために最も重要なのは、意識です。すべてをモバイル前提に考えるモバイルファースト思考が重要となります。2016年11月にGoogle検索エンジンもモバイル前提へ移行する「モバイルファーストインデックス」を発表しました。
その背景には単純に、Google検索エンジンの利用者も大半がスマホとなったために、単純にこれまでPCでの見た目を前提に並べていた検索結果(PCファーストインデックス)をモバイルでの見た目を前提に並べる(モバイルファーストインデックス)というものです。ですので、これからの独自ドメインでのECサイトはモバイル中心に運用するモバイルファースト思考が前提となります。
モバイルファーストインデックス詳細は以下の記事を参考に。
【Google公式】モバイルファーストインデックスを発表?モバイル向けページが検索結果の評価基準に?
モバイルファーストインデックスへの対応と対策(ECサイト編)
モバイルファーストインデックスでレスポンシブの重要性が高まる
独自ドメインECサイト構築 – マルチスクリーン対応方法の選定
モバイル中心のECサイト利用になったといえども、スマホ向けのみならず、これまで通りPCでの利用もいればタブレットの利用者もいます。要は、ひと昔のようにPCという特定のスクリーンサイズでのネット利用端末向けにECサイトを構築運用するのではなく、スマホでの利用を中心にタブレットやPCなどの多くの端末(マルチスクリーン)での利用を想定したデザイン構築が必要となります。
そこで、ECサイトのマルチスクリーン対応の方法には、以下のgoogleのページに記載があるように大きく3つあります。
この中で、HTMLデバイスにより変更するかどうかという点では、
・あらゆるデバイスに同じHTML(ページ)を利用する:レスポンシブ ウェブ デザイン
もしくは
・デバイス毎にHTML(ページ)を変える:分離構成
があり、表記にもあるようにgoogleがレスポンシブ ウェブ デザインを推奨していることや、分離構成よりもレスポンシブ ウェブ デザインの方が生産性が高いことなどで、今はECサイトの構築の基本はレスポンシブ ウェブ デザインでの構築となっています。
また、レスポンシブ ウェブ デザインでECサイト構築するには、レスポンシブ ウェブ デザイン専用のASPを選定する必要があります。
詳細は以下もご参考ください。
ECサイトのスマホ対応方法 ~2016年ベスト手法を考える~
ECサイトのレスポンシブ対応の必要性、方法や費用について
独自ドメインECサイト構築 – マテリアルデザイン
マテリアルデザインとは「物理的な法則に則った」デザインのことで、名詞「材料原料」や形容詞「物質的な」デザインという意味です。2014年にGoogleがマテリアルデザインを発表以来、Google多くのサービスに適用され、導入企業も増えています。
そもそも、PC、スマホ、タブレット、スマートウォッチ、や車載デバイスなど、デバイスやその形状は多様化する中で一貫したデザインが提供できるように、全デバイスに適用できる統合フレームワークを作ろうとしたのがマテリアルデザインの始まりでした。そして、どのデバイスでもわかりやすい操作性を実現するにはどうしたらいいかを突き詰めた結果、現実世界と同じ法則(物理法則)を踏まえたデザインが生まれました。
Googleのデザイン責任者マティアス・デュアルテ氏は以下のように解説されています。
「これは見ばえを良くするために実世界を模倣したりコピーしたりということではありません。木製馬車みたいなラグジュアリー感を出すためにステーションワゴンにニセのウッドパネルをくっつけるのとは違います。そうじゃなくて、脳に対して実世界と同じ刺激を与えて、脳の負担を軽くしてやるってことなんです。(マティアス・デュアルテ氏)」
独自ドメインECサイト構築 – 既にあるECサイトのリニューアルやシステム移行の注意点
新規でECサイトを構築する場合と異なり、既にあるECサイトをリニューアルする場合や、システム移行する場合には、その方法の中にデータ移行やシステム要件の確認等が入ってきます。これら詳細は以下を参考ください。
ECサイトシステム構成図(ECシステム変更、一部をクラウド移行し課題解決)
ECサイトをレスポンシブに移行する方法~売上と効率が激増~
独自ドメインECサイト受注処理、発送(物流)、商品管理と在庫連携
受注処理
独自ドメインECサイトでの受注の処理(商品購入された顧客への代金回収や発送管理など)の実施は利用しているASPで実施するか、受注処理用のソフトを利用するか大きく2種です。
ECサイトは独自ドメイン店のみの場合はASPに付随する受注処理機能を利用すれば事足りますが、独自ドメイン店以外に楽天やY!店など同じショップでも複数のチャネルに出店している場合は、その受注処理業務が管理画面が複数に分かれ、それぞれに異なる作業が発生するなど、非常に作業が煩雑になります。
そういった同じショップでも本店・楽天店・Y!店など複数ショップの受注処理を一元管理する統合ツールにECサイト向け受注一元管理するツール(ネクストエンジンやクロスモールなど)があります。
発送(物流)
発送は自社内で倉庫を持ち、注文情報に応じて自社でピッキング・梱包を行い発送準備する場合と、それらを外部の物流業者へ委託する場合があります。また、実際の発送はヤマト運輸や佐川急便、日本郵政等が委託を受けて消費者まで届けます。(現在amazonはヤマト運輸が委託)
受注処理で確定した受注情報(出荷情報)に基づき作業者がピッキング・納品書等の伝票とともに梱包を行い出荷準備を行います。出荷伝票は、直接伝票を作業者が作成して梱包した出荷物に張り付ける場合と、発送を委託されているヤマト運輸のドライバーが伝票を印刷して持ってくる場合があります。
伝票印刷するためのソフトにはヤマト(B2)や佐川(e飛伝)が利用され、出荷情報を伝票印刷用のソフトへ取込印刷します。またドライバーが伝票を持ってくる場合は、各配送業者のシステムへ出荷を行う受注情報を取込、ドライバーが印刷したものを持ち込みます。
出荷伝票には問合せ番号が付与され、この問合せ番号で購入者もEC事業者も配送業者もその商品の発送状況を管理します。
商品管理と在庫連携
商品の情報は主に、画像とテキスト(商品名、価格、商品スペックなど)で構成されます。多くのEC事業者が、楽天やY!や独自ドメイン店など複数店舗を運用しているために、その商品情報はCSV形式に整備して運用し、楽天や本店へこの商品情報のCSVと付随する商品の画像を一括でアップロードすることで構築運用更新しています。
複数チャネルで同じ商品を提供している場合で、在庫管理が必要な場合、これらの店舗間の在庫を共通化(同期)させる必要が出てきます。例えば、在庫が2の商品が楽天でも本店でもY!でも同時に売れてしまうと、お客様のキャンセル処理やお断りの対応など手間が発生してしまいます。このようは背景で在庫連携が必要となります。そこで上記のような複数チャネルを一元管理する受注一元管理ツール(ネクストエンジンやクロスモールなど)や在庫連携専用ツール(在庫ロボットなど)があります。
独自ドメインECサイトの集客
集客(ECサイトへのアクセスを得る)の方法はさまざまですが、以下のように大別し、簡単な特徴を記載します。また、ECサイトの集客で重要なことは、その効果の計測です。闇雲にお金をかけて広告出稿していてもその効果を判断し、より費用対効果の高い集客を実施していかなければ意味ありません。そこでよく利用する広告指標にCPA、CPC、CTR、CVR、ROI等があります。
・CPA(Cost per Action)-成約(コンバージョン)した際に発生する広告単価
・CPC(Cost Per Click)-広告クリック1件にかかるコスト単価
・CTR(Click Through Rate)-広告が表示された際のクリックされる割合
・CVR(Conversion Rate)-訪れたユーザーがどのくらいコンバージョンしているかという割合
・ROI(Return On Investment)-投資金額に対する利益の割合(投資 収益率)
・LTV(Life Time Value)-顧客が一定期間内にその企業の商品やサービスを購入した金額の合計
集客の種類には以下のようなものがあります。中でも独自ドメインECサイトへの訪問者は未だに検索エンジンを経由して訪問するケースが多いために、この検索エンジンからの集客は切り離すことができません。特に検索結果の上位にページを表示させるSEOは重要な独自ドメインの集客手法の一つです。
SEOとはSearch Engine Optimizationの略であり、検索エンジン最適化という意味です。検索エンジンのルールに最適化したECサイトを構築運用することで、そのECサイトを検索結果上位に表示させて、アクセス数を増やそうという趣旨のものです。
日本での検索エンジンシェアは2016年Yahoo!とGoogleで90%以上を締め、Yahoo!はGoogleのエンジンを利用しているため実質Googleの検索エンジンへ対応を中心に行うことを指します。
SEOがECサイト構築で重要な位置づけにあるのは、他の広告とは異なり、構築方法そのものがSEOに大きく影響してくるからです。
その他ECサイトでよく使われる集客には以下のようなものがあります。
リスティング広告(検索連動型)
SEOとは別にGoogleやYahoo!などの検索エンジンが提供する検索連動型広告枠に広告を掲載する方法。
ユーザーが検索行動を行った際、検索結果の広告枠に表示され、タイトルと広告文表示される。
メールマガジンによる集客
自社の会員向けに定期的にメールマガジンを配信し再来店を促す方法や、他社会員に広告枠として掲載し配信する。
以前はテキストのみで作成していたが昨今はHTMLを使い、リッチコンテンツメルマガが主流に。
アフィリエイト広告
成果に応じて費用が生じる成功報酬型の課金形態をとる広告。 成功報酬型とは、「申込」「購入」「問い合わせ」「資料請求」など、広告主が事前に設定した成果まで到達した際に、その件数(あるいは金額)に応じて、費用が発生する。A8.net、バリューコマース、アフィリエイトBなど。
ソーシャルメディア広告
ソーシャルメディア(blog、Twitter、Facebook、YouTubeなど )を有効活用した集客手法の総称。
リターゲティング広告(リマーケティング広告)
WEBサイトへ一度訪れたユーザーに対し、継続的に広告を配信する方法。
Google AdWordsはリマーケティング、Yahoo!プロモーションはリターゲティングと呼ぶ。
その他
・バナー広告(ディスプレイ広告)
最も一般的な広告でwebサイト内の広告枠にバナー(画像)を入れて表示する広告
・テキスト広告
上記バナーに対してテキスト(文字)を表示する広告
・記事広告(タイアップ広告)
記事の形式で作成される広告で、メディアとのタイアップ等で企画広告
・ネイティブ広告
一般の広告に出稿するのではなく、コンテンツと同化するように表示させる広告。
ユーザーが広告枠を見ない傾向を受けて開発され、Facebookのフィード広告やグノシーの「広告」表記のある記事などを指す。
他の一般記事と区別するため「広告」という表記が入る。
・動画広告
動画形式の広告でYouTubeを再生する前に流れるインストリーム広告やSmartNewsなどもアプリ内に動画広告枠を設置。
・コンテンツ連動型広告
ユーザーが閲覧するWEBサイト内容やユーザーの興味・関心に合わせて配信される広告。ディスプレイ(バナー)やテキスト形式がある。
独自ドメインECサイトの分析その他
ECサイトの運用(売上アップ)で重要な要素は、アクセス増、CVR増、客単価増です。
しかしながらECサイトはリアルなお店と異なり、直接お客様を見ることができないため、その訪問者の情報を検証するためにその解析ツールがあります。有名なツールにGoogleアナリティクスがあり、今最も多く使われている無償の解析ツールです。その使い方かポイントは、WEBサイト等で多く解説されているので確認をしてください。
以上