ECサイトにおけるSEO対策(検索エンジン最適化)とは、主にGoogleなどの検索エンジンでの自然検索結果において、自社サイト及び、取り扱っている商品を上位に表示させるための施策を指します。
その目的は、特定のキーワードでの検索結果からの流入を増やし、コンバージョン(主にECサイトの場合は商品の購入)を促進することです。
検索エンジンは、ウェブ上の情報を巡回(クロール)し、データベースに保存(インデックス)した後、ユーザーの検索意図に合った結果をランキング付けして表示します。
ここでは特にECサイトにおける、SEOの考え方や構築に必要な重要な4つのポイントについて解説します。
- ECサイトにおけるSEO対策の重要性
- ポイント1:ECサイトのキーワード選定の方法
- ポイント2:全体の構造を意識したサイト構築によるクローラーの巡回効率向上
- ポイント3:商品詳細ページとカテゴリーページの内部対策
- ポイント4:コンテンツマーケティングに取り組む
- まとめ
目次
ECサイトにおけるSEO対策の重要性
まだECサイトにおいてSEO対策は重要なのか
結論としてECサイトの場合、検索エンジンからの流入はそのまま売上に直結するため、SEOは今でも重要な流入源です。
SNSでの流入を重視するECサイトが増え、AIによってサマライズされた検索結果が表示される昨今においても、何か必要なものをインターネット上で購入しようとしているユーザーが、最終的に商品を購入するページに辿り着くための土台として、検索からの流入を無視することはできません。
Google広告やMeta広告などのWEB広告と比較すると、成果につながるまでに時間はかかるものの、上位表示を獲得することができれば、膨大な数の購入意欲の高いユーザーに対して広告費用をかけずに効率的に集客をすることができます。
ECサイトのSEO対策の難しさ
ECサイトでは、一般的なサイトとは異なり、ECサイトは商品数が多く、個々のページが独立して検索結果に表示される機会が多いという特性があります。
このため、商品ページごとに適切なキーワード選定や、商品説明文の最適化が欠かせません。
さらに、ECサイトでは商品に関連するページにおいて在庫管理や商品更新が頻繁に行われるため、重複コンテンツやリンク切れが発生しやすく、メンテナンスや設計の難易度が一段階高くなります。
ECサイトのSEOはブログやコラム記事のみのサイトと比較して、これらを解消するためのテクニカルSEOが重要になってくることが一つの特徴です。
モバイル対応やページ速度の改善も購入体験に影響を与えるため、SEOの一環として取り組む必要があります。
ECサイト特有の課題を解決して、検索エンジンからの流入を最大化することで、競争優位性を確保し売上向上を図ることができます。
ポイント1:ECサイトのキーワード選定の方法
SEOにおいて最初のステップかつ、成果を出すための戦略の根幹となる最重要手順が「キーワード選定」です。
ターゲットとなるユーザーの検索意図を理解し、自社の商品の強みや差別化要素がユーザーの検索クエリの意図から一定の繋がりを持っているかをよく理解しておく必要があります。
ECサイトにおけるキーワード選定を行う前に、事前に抑えておくべきこととして、ページ形式ごとに重視すべき要素が異なることです。
・主にECサイト自体を構成している、TOPページ/商品ページ/商品カテゴリページ
・商品ページへの流入を目的としたブログ記事・コラムコンテンツ
ページ毎に役割や特性が異なることを念頭においた上で、キーワード選定の際に重視したいポイントを見ていきましょう。
ユーザーの検索意図の分類(Know、Do、Buy、Go)
ユーザーが検索を行う際の意図は、大きく4つに分類されます。この分類を理解することで、ECサイトにおけるSEO戦略を効果的に設計できます。
Know(情報収集)
ユーザーが特定のテーマや製品に関する情報を求めている段階です。
例として、「スマホ 選び方」や「冬 コート 種類」などの検索が挙げられます。
この段階ではユーザーが求めていることは、気になっていることに対しての解説や知識のため、役に立つブログ記事やガイドが中心の「コンテンツページ」を提供することが、ユーザーの信頼に繋がり、上位表示が期待できるページになります。
Do(行動・操作)
特定の行動を実行したいユーザーの意図を指します。
例えば、「スマホの写真撮影テクニック」や「棚 作り方」などの検索です。
「スマホ 修理」などになった場合は、修理をするサービスを展開している場合にはそのまま成約に近いクエリになります。
主に物販のECサイトでの例としては食品を取り扱うECサイトでのレシピコンテンツがこちらに当たると言えます。
おすすめの食べ方などはコンテンツの相性として関連度が高く、
自社のおすすめとして作成したものだけでなく「実際のユーザーの食べ方」として収集するなどコンテンツを横に広げて展開しやすいため掘り下げていきたいキーワードの一つです。
Buy(購入)
購入意欲が明確な段階で、「〇〇 通販」や「最安値〇〇」などのキーワードが使われます。この意図に対応するため、商品ページのSEOを最適化し、購入を促進することが重要です。
注意が必要なのは、似ているキーワードでも購入に繋がりやすい検索に変わる可能性があることです。
例えば、Know(情報収集)の例にあげた、「冬 コート 種類」が「冬 コート おすすめ」になった場合、後者の検索クエリではコンテンツページだけでなく、自社ブランドの今期の冬のコートのラインナップを表示した「特集型の商品カテゴリページ」を上位表示できる可能性が格段に上がります。
特集ページで自社サイト商品を探してもらうことは、コンテンツページを読んでもらうよりもより直接的なCVRにつながりやすい傾向があります。
しかし、同じ「おすすめ」でも「[電化製品の名前] おすすめ」で検索するとほとんど比較記事が上位表示されていたり、と商材によっても上位表示されるページタイプは異なります。
実際に検索結果を確認することで、どんなページがユーザーの検索結果を満たしたものなのか、Buyクエリになりえそうなものは実際に目視で確認することをおすすめします。
Go(特定のサイト訪問)
ユーザーが特定のブランドやサイトを訪問したい場合の意図です。
例として、「Amazon」や「ユニクロ」などの明確な指名されたサイトに行きたい意図があります。
この意図にはブランド認知度の向上やサイトの使いやすさが影響し、ナビゲーションクエリとも呼ばれ、必ず上位表示させておきたいクエリです。
扱っている商品の名前で検索した際に、購入しやすいページがちゃんと表示されているか確認しましょう。
これら検索意図を把握し、各段階に合ったコンテンツを用意することで、検索エンジンからの流入を効果的に活用できます。
キーワード選定の際には、競合他社がそのクエリでどんな形式のページを表示しているかも合わせてチェックしていきましょう。
ロングテールキーワードの活用
ロングテールキーワードとは、検索ボリュームは少ないものの、具体的で購買意欲の高いユーザーをターゲットにできるキーワードを指します。
ECサイトでは、競合が激しい一般的なキーワード(ヘッドキーワード)だけでなく、ロングテールキーワードを活用することで効率的な集客が可能になります。
例えば、「冬 コート」などのヘッドキーワードは競合が多く、SEOで上位表示するには時間とコストがかかります。
一方で、「冬 コート レディース 防寒 おしゃれ」や「冬 コート 50代 体型カバー」といったロングテールキーワードは、具体的なニーズを持つユーザーが検索するため、競合が少なく、コンバージョン率が高くなりやすい特徴があります。
競合サイトの分析と差別化ポイントの発見
競合分析は成功の鍵を握ります。
競合他社がどのようにマーケティングを行っているか、どんな商品を提供しているか、そしてどのようにSEO対策を施しているかを把握することで、自社の強みを活かし、差別化するポイントを見つけることができます。
例えば、競合が「冬 コート レディース」をターゲットにしている場合、自社では「冬 コート 体型カバー レディース」といったロングテールキーワードでは競合より上位に表示する、などの戦略上での差別化を図ることもできます。
15年以上ECサイト構築・運営を支援する
株式会社レッカスグルーブ様の見解
まず現状の把握もしましょう。
GA4とサーチコンソールを連携して、どんなキーワードで自身のサイトに流入してきているのか、理解するところからスタートすると、より今後の打つ手を決定しやすくなります。
これらのキーワード選定は継続して実施することが大切です。
自社が得意なキーワード、苦手なキーワードを把握して、長期的にはどういった検索ニーズを満たしていきたいかを考えて設定していきましょう。
ポイント2 全体の構造を意識したサイト構築によるクローラーの巡回効率向上
どのようなキーワードで検索結果に上位表示をしたいかの目星がついたら、まずは検索結果として表示されるためにインデックスをさせる必要があります。
どれだけ良質なコンテンツや便利な商品を販売するページも、インデックスされていなければ検索流入から成果を得ることができません。
クローラビリティの向上施策
クローラビリティとは、検索エンジンのクローラーがウェブサイトのページを効率的に巡回し、内容を正確に理解してインデックスできる状態を指します。
ECサイトでは商品ページ数やカテゴリ数が多くなるため、クローラビリティを高める施策が特に重要です。
適切に対策を行わないと、検索エンジンにページが認識されず、検索結果に表示されないリスクがあります。以下に具体的な施策を解説します。
XMLサイトマップの作成と送信
XMLサイトマップは、検索エンジンにサイト構造を伝える重要なツールです。
ECサイトでは、多数の商品ページが存在するため、すべてのページを効率よくクロールしてもらうためにXMLサイトマップを用意し、Googleサーチコンソールなどのツールを通じて送信します。これにより、新しいページや更新されたページが迅速にインデックスされます。
ASP型のECカートを利用している場合は、自動で出力する機能が備わっていることが多いので、そこまで労力がかからないケースも多いですが、対応していない場合には注意しましょう。
弊社の開発しているECカートaishipでも標準機能でXMLサイトマップを自動出力できるように対応しています。
内部リンクの最適化
内部リンクは、クローラーがサイト内を巡回する際の道しるべとなります。
ECサイトでは、商品ページ、カテゴリページ、ブログ記事などを相互にリンクさせることで、クローラーの巡回効率を向上させます。
特に、孤立したページ(他のページからリンクがないページ)はクローラーに見つけられない可能性があるため、主要なページへのリンクを意識的に設置することが重要です。
URL構造の最適化とパンくずリストの設置
ECサイトでは、パラメータが多い複雑なURLが生成されがちです。
シンプルでフレンドリーなURL構造を採用することで、クローラーの理解がスムーズになります。
例えば、「example.com/category/product-name」のような構造にすることで、階層が分かりやすくなり、検索エンジンへのインデックスが促進されます。
また、パンくずリストはECサイト内でユーザーが現在位置を把握し、簡単に上位階層へ移動できるようにするナビゲーション機能です。
特に商品数やカテゴリが多いECサイトでは、ユーザーの利便性向上に加え、SEOにも効果を発揮します。
パンくずリストは、クローラーがサイトの階層構造を理解しやすくする役割を果たします。
これにより、内部リンクが強化され、サイト全体のクローラビリティが向上します。
さらにパンくずリストを構造化データとしてマークアップすることで、検索結果にリッチスニペットとして表示される可能性が高まり、クリック率の向上も期待できます。
ユーザー視点では、迷子になりがちな深い階層のサイトでも目的のカテゴリやトップページに戻れるため、離脱率の低下や滞在時間の増加につながるため、特にECサイトでは重視したいポイントです。
重複コンテンツの回避
ECサイトでは、在庫管理やカテゴリのフィルタリング機能によって、同一内容のページが複数生成されることがあります。 これを防ぐために、以下の施策を行います。
canonicalタグの使用
重複するページの中で、正規のページを指定することで、検
索エンジンにどのページを優先すべきかを伝えます。
どんなケースに使用するべきか、詳細についてはGoogle検索セントラルのガイドラインを参照してください。
rel="canonical" などを利用して正規 URL を指定する方法
https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/consolidate-duplicate-urls?hl=ja
noindexタグの活用
現在は商品がヒットしない検索結果ページなど、不要なページがインデックスされないように設定します。使うシーンが多いタグですが、サイトをオープンするタイミングでnoidenxタグを外し忘れているページがあると、いつまでたっても検索結果に表示されることがなくなってしまうので、注意して取り扱いたいタグでもあります。
詳細な内容についてはGoogle検索セントラルのガイドラインを参照してください。
noindex を使用してコンテンツをインデックスから除外する
https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/block-indexing?hl=ja
ロボット向けメタタグとrobots.txtの適切な設定
robots.txtファイルを使用して、クローラーがアクセスすべきでないページやディレクトリを指定します。
ただし、重要なページまでクロールをブロックしないよう注意が必要です。
さらに、メタタグで「noindex, follow」を指定することで、特定のページをインデックスさせず、リンク先をクローラーに辿らせることが可能です。
サイト速度の改善
ページ速度が遅いと、クローラーがサイトを完全に巡回する前に時間切れになることがあります。
画像の最適化、ブラウザキャッシュの活用、不要なJavaScriptの削除などで、サイトの読み込み速度を向上させることが重要です。
モバイルフレンドリー対応
モバイル端末でのアクセスがPCでのアクセスが上回っている現在、優先すべきはモバイル端末でどのように見られているかです。サイト作りの際はPCでの表示ももちろん大切ですが、モバイルでの表示をまず優先しましょう。
こうした現状からGoogleはモバイルに対する検索への比重を高めてきました。
モバイルファーストインデックスという検索結果を決めるアルゴリズムをモバイル中心に考えるといった指標も現在では定着したように見受けられます。
こうしたモバイル対応への対応が必須となった現在、モバイル対応には3つの方法が存在しています。
・レスポンシブWebデザインでの構築
→PC版、スマホ版で同一ソースで構築
・動的な配信
→PC版、スマホ版で別々に構築(URLは一つ)
・別々のURL
→PC版、スマホ版で別々に構築
この三つの方法から選択してモバイル対応をしていかなければモバイルファーストインデックスに対応できません。
この中でGoogleが推奨しているのがレスポンシブWebデザインです。
(参考)
モバイルサイトとモバイルファースト インデックスに関するおすすめの方法
https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/mobile/mobile-sites-mobile-first-indexing?hl=ja
また、GoogleはレスポンシブWebデザインについて以下のように述べています。
"レスポンシブサイトに移行すると、今後のメンテナンスやレポート作成が簡単になります。
すべてのページについて別々の URL を管理する必要がなくなるだけでなく、さまざまな手段や技術(国際化のための hreflang、高速化を実現する AMP、検索機能の向上に役立つ構造化データなど)も取り入れやすくなります。"
もちろん、動的な配信や別々のURLでもGoogleは適切に検索結果を出します。
しかしPCとモバイルの内容が完全に一致していない場合、検索順位に影響を及ぼす可能性があります。
PCとモバイルでコンテンツに差異がないレスポンシブWebデザインではそのようなことは起こりえないので、現在のサイトはレスポンシブWebデザインが主流になっています。
クローラビリティの向上施策は、検索エンジンがECサイトのコンテンツを正確に把握し、ユーザーの検索結果に適切に表示するための基盤となります。
これらの対策を組み合わせることで、ECサイト全体の検索エンジンでの評価を高め、流入数や売上アップにつなげることが可能です。
しかし、これまでのECサイトの運用の中でコンテンツが膨大に膨れ上がり、管理が難しくなってしまっている場合、これらの内容を微調整で改善していくことは困難です。
弊社の方にも、ECサイトとブランドサイト・コーポレートサイトなどを統合してリニューアルすることで一元管理を進めていきたいというご相談が増えています。
サイトの統合は管理のしやすさだけでなく、ドメインが分かれてしまっている場合には一つのドメインにコンテンツを集約させることで、
ドメイン評価を集約させる効果があり、検索流入の増加に寄与するケースがあります。
ECサイトのリニューアルをご検討の際は以下の記事もご参考いただけますと幸いです。
ECサイトリニューアル成功のポイント|売上40%増の成功事例から手順・費用まで解説
ポイント3:商品詳細ページとカテゴリーページの内部対策
ECサイトにおいて、特に重視して内部対策を行っていきたいページが、商品詳細ページとカテゴリーページです。
ボリュームの大きいキーワードの場合、モールや大手のECサイトの商品が上位を占めており、勝負の難しいケースも多いですが、自社の製品が得意とする特有の領域でのロングテールキーワードでは積極的に上位表示を狙っていきたいところ。
もちろん商品ページ以外においても内部対策は重要な観点ですが、ここでは購入という結果に直結しやすい商品詳細ページとカテゴリーページを軸に解説をしていきます。
選定キーワードに即したページタイトルを設定する
ページタイトル(titleタグ)は、検索エンジンとユーザーの両方に対して、ページの内容を的確に伝える最も重要な要素の一つです。
特に、ECサイトの商品詳細ページやカテゴリーページでは、選定したキーワードを適切に含むタイトルを設定することが、検索結果でのクリック率やコンバージョン率に直結します。
SEOの観点での重要性
検索エンジンはページタイトルを主要な指標として評価し、どの検索クエリに適合するかを判断します。
選定したキーワードをタイトルに含めることで、検索エンジンにページの関連性を明確に伝えられます。
たとえば、「レディース 冬コート 防寒」のキーワードを狙う場合、「レディース冬コート|防寒・おしゃれな最新アイテムを多数取り揃え」といったタイトルは、キーワードとの一致性が高く、検索順位の向上につながります。
ユーザー視点での効果
タイトルは、検索結果ページ(SERP)でユーザーが最初に目にする情報です。
選定キーワードをタイトルに含めることで、ユーザーは自分の検索意図に適合しているページだと瞬時に判断できます。
カテゴリーページ表示する例として、「おしゃれな防寒コートを探している」というニーズを持つユーザーに対して、「冬コート|おしゃれ&防寒効果抜群のレディース特集」のタイトルはクリックを促進します。
ページのCTR(クリック率)向上
検索結果でタイトルがユーザーの意図に合致している場合、クリック率(CTR)が向上します。
高いCTRはSEOにおいてもポジティブなシグナルとなり、検索順位のさらなる向上が期待できます。
選定キーワードを中心に魅力的なフレーズを組み合わせることで、競合との差別化を図れます。
ページ内容との整合性
選定キーワードをタイトルに含めることで、タイトルとページ内容の一致性が保たれます。
この一致性が高いほど、ユーザーがページを訪れた際に満足度が高くなり、離脱率の低下やコンバージョンの向上につながります。
逆にページや商品の内容と一致していない場合ユーザーはすぐに離脱し、検索エンジンからの評価も下がる可能性があるため、キーワードを重視するあまり、ページ内の商品説明文や商品自体との整合性がなくならないように注意しましょう。
商品詳細ページにおけるポイント
商品詳細ページでは、商品名、特徴、キーワードを組み込んだ具体的なタイトル設定が必要です。
例として、「[商品名] ダウンジャケット レディース|軽量・防水仕様の冬用アウター」など、
商品特性やそのカテゴライズを意識したタイトルを設定しましょう。
カテゴリーページにおけるポイント
カテゴリーページは、複数の商品を包括するため、広範な検索意図に対応するタイトル設定が求められます。
たとえば、「冬コート特集|レディース向け人気の防寒&おしゃれアイテム」といったタイトルは、多様なニーズに応える広範囲なキーワードを含める形が理想的です。
特に特集ページはコンバージョンとして成果に繋がりやすい重要なページです。
シーズンやライフイベントなど、自社が強みを持っている特集の切り口をを持っていると、安定的なSEOからの収益を見込みやすくなります。
その商品が選ばれる重要なポイントをdescriptionに記載する
description(メタディスクリプション)は、ページの内容を簡潔に要約し、検索結果ページに表示されるテキストです。
ここで念頭においておきたいのは、このテキストは直接検索順位に影響を与える要素ではないことです。
しかし、クリック率(CTR)やコンバージョンに大きく影響を及ぼすため、ECサイトにおいて非常に重要な役割を果たします。
ここでおすすめしたい考え方が、その商品がお客様から選ばれる重要なポイントを中心的に訴求することです。
その商品がお客様から選ばれる重要なポイントは、そのままその商品ページが検索結果から選ばれる理由になる可能性がかなり高いと考えられるからです。
特にECサイトでは、ユーザーは多数の商品から選択肢を絞り込むため、短時間で商品の特徴を理解できる情報を求めています。
descriptionに商品の選ばれるポイントを端的に記載することで、ページを訪れる前にその商品の魅力を効果的に伝えられます。
リッチリザルトの構造化データに「Product」を設定する
リッチリザルト(リッチスニペット)とは、検索結果ページにおいて、従来のテキストリンクに加えて、画像や価格、レビュー評価などの追加情報を表示する機能を指します。
このリッチリザルトを活用するために、構造化データの「Product」を設定することが、ECサイトにおいて非常に重要です。
構造化データを利用するメリットについて下記に解説します。
商品の正確な情報を検索エンジンに伝える
「Product」の構造化データは、商品に関する情報を正確に検索エンジンに伝える手段としても有効です。
例えば、商品の名前、価格、在庫状況、SKU(商品コード)などを明示することで、検索エンジンがページ内容を正しく理解し、関連する検索クエリに最適な形で表示するようになります。
検索結果での視認性向上
構造化データ「Product」を設定することで、検索結果に商品の価格、在庫状況、レビュー評価、画像などが表示されます。
この視覚的な情報はユーザーの目を引きやすく、競合サイトとの差別化につながります。
例えば、「Product」を設定した場合、「冬用ダウンジャケット|価格:¥15,000|評価:4.5/5|在庫あり」などの詳細情報が表示され、クリック率の向上が期待できます。
ユーザーの購入意欲を高める
リッチリザルトにより、商品に関する具体的な情報が検索結果に表示されるため、ユーザーは事前に購入を検討する材料を得られます。
特に価格やレビュー評価は購買意欲を左右する重要な要素であり、検索結果の段階でこれらの情報を提供することで、より多くの訪問者を商品ページに誘導できます。
モバイルファースト時代における優位性
スマートフォンでの検索が主流となった現在、限られた画面スペースで目立つ情報を提供することが重要です。
リッチリザルトはモバイル検索においても強い視認性を発揮し、ユーザーがタップしやすい情報を提供するため、競争優位性が高まります。
SGE(Search Generative Experience)における構造化データの重要性
SGE(Search Generative Experience)は、Googleが導入を進めているAIを活用した検索エクスペリエンスであり、従来の検索結果に生成AIによる要約や関連情報が表示される形式を指します。
まだこのページを記載している2024年12月時点では、直接ECサイトの購入ページへの流入につながるようなSGEの表示が行われるケースはほとんどありませんが、この新しい検索モデルでは、構造化データの重要性がこれまで以上に増しています。
SGEでは、AIがウェブページの情報を抽出し、検索意図に応じた要約を生成します。
構造化データは、ページ内のコンテンツを検索エンジンに正確に伝えるフォーマットであり、AIが情報を正確に理解し要約に組み込む助けとなります。
ECサイトにおいても今後の検索エコシステムの進化に伴い、構造化データの活用がさらに求められると予想されます。
リッチリザルトでのクリック率の向上のメリットと合わせて対処しておいてまず損のない要素でしょう。
aishipでは商品詳細ページの構造化マークアップの自動出力機能に標準で対応しています。
なかなか、テクニカルな要素への考慮も重要なECサイトのSEO対策ですが、複雑で骨の折れる部分に関しては、SEO対応機能を備えたECカートを利用して対処することをおすすめします。
aiship SEO Manager|クラウド型ECサイト aiship
ポイント4:コンテンツマーケティングに取り組む
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のある情報を提供することで、ブランド認知を高め、信頼を築き、最終的に購買行動やリピーター獲得を促進するマーケティング手法です。
ECサイトでは、商品ページやカテゴリーページだけでなく、コンテンツマーケティングに取り組むことが、競争の激しい市場で成功するための重要な施策となります。
コンテンツ作成に取り組むことのメリット
幅広いキーワードによる集客力向上
コンテンツマーケティングは、検索エンジンでの自然検索流入を増やすうえで非常に効果的です。
ブログ記事やガイド、レビュー記事などを作成することで、ターゲットキーワードに基づくページが増え、検索エンジンの評価が高まります。
例えば、キーワードの選定の項目で記載したような、「冬のコート 選び方」や「アウトドア用リュックの特徴」といったKnowのニーズを満たすための情報を含む記事は、商品ページの形式で上位表示することは難しいため、情報提供のためのコラムページが適していると言えるでしょう。
購買意欲を刺激する
購入を検討しているユーザーに対し、役立つ情報を提供することで、購買意欲を高めることができます。
たとえば、商品レビュー、使い方のガイド、比較記事などのコンテンツは、商品の特長やメリットを詳しく伝え、ユーザーが購入を決断する際の後押しになります。
また、購入後のケアやメンテナンスに関するコンテンツは、購入後の満足度を向上させ、リピート購入につながります。
ブランドの専門性と信頼性の向上
専門性の高いコンテンツを発信することで、ユーザーはそのECサイトを信頼できる情報源と認識します。
例えば、アウトドア用品を販売するサイトが、「初心者向けキャンプの基本ガイド」や「各季節ごとのアウトドア用品の選び方」を提供すれば、専門知識を持つサイトとしての地位を確立でき、商品の信頼性も向上します。
これは、Googleの検索評価基準であるE-E-A-T(専門性、権威性、信頼性)の向上にもつながります。
どのようにコンテンツのアイデアを出していけば良いか
Google検索セントラルには、ECサイトに関連するコンテンツについて言及をしている箇所があります。
さまざまな顧客ニーズを満たす e コマース コンテンツを作成する
https://developers.google.com/search/docs/specialty/ecommerce/where-ecommerce-data-can-appear-on-google?hl=ja#create-ecommerce-content-to-meet-differing-customer-needs
この項目には代表的なコンテンツとして、
・自社のストーリー
・顧客の商品レビュー
・学びの機会
・ライブ配信
などの記載があります。一見、SEOには関係のなさそうなトピックもありますが、
先ほども記載したGoogleの検索評価基準であるE-E-A-T(専門性、権威性、信頼性)を満たすコンテンツを作成するための重要なヒントが隠れています。
自社のストーリー
自社のストーリーをECサイトで発信することは、ブランドの個性や価値観を伝える重要な手段です。
商品やサービスの背景にある理念、創業のきっかけ、社会貢献などのストーリーを共有することで、顧客に感情的な共感を生み出し、ブランドへの信頼と親近感を高めます。
また、他社とのコンテンツの差別化を図るうえでも有効で、自分たちの商品が市場での選ばれる理由につながっています。
特にサステナビリティや職人技など独自性のあるストーリーは、商品の価値を一層高め、リピーターの獲得やロイヤルティ向上にもつながります。
顧客の商品レビュー
もちろん商品詳細ページにその商品のレビューを表示しておくことはECサイトにおいて、ひとつの生命線ですが、新しくコンテンツを生み出すことにも役立ちます。
コンテンツの作成や広げるべきキーワードが分からなくなったら、もう一度これまでお客様から頂いた商品のレビューを読み込んでみることをおすすめします。
この時、さらっと読み流してしまわず、単語一つ一つをピックアップして見てください。
意外と見逃していたキーワードが見つかったり、商品を購入している顧客層に共通する新しい発見は独自のコンテンツを作成するヒントになるかもしれません。
学びの機会
例えば工具を扱うサイトの場合、DIYのワークショップやレッスンを開催しましょう、というのが趣旨となります。
リアルのイベントの開催はSEO対策とはほど遠いイメージですが、
イベントで撮影した画像や、参加した人から得たインタビューという特定の人の実体験に基づく情報をSEOでも利用することができる資産としてストックしておきましょう。
ストックした素材は対策キーワードのコンテンツの情報補完のために、再利用することで、完全に他社と違う独自性を持ったコンテンツを作成することができるようになります。
ライブ配信
昨今注目の集まっている、動画配信サイトを利用したライブコマースですが、これも一見SEOとは程遠いように感じます。
ライブ配信の場で売り切らなけば効果がない、と思ってしまいがちなところですがSEOに効果をもたらす方法があります。
ライブ配信の前後活動が鍵
ライブ配信をSNSで告知・配信し、ライブ終了後もSNS投稿にリンクを貼ることでECサイトへのアクセスを促します。
SNSからのトラフィックはもちろんですが、SNSで自社やブランドについて言及される機会を増やすと、SEOにポジティブな影響を与えます。
ライブ配信の内容を記事化・再利用
ライブ配信で紹介した商品やQ&Aをテキストや画像にまとめ、ブログ記事や特集ページとして公開します。
「ライブ配信で話題になった冬用コートの特長とスタイリングアイデア」といった形でSEOキーワードを含む記事を作成。
ライブ配信を見逃したユーザーにも価値を提供し、検索流入を狙うことができます。
また、その場で出た質問などの生きた会話から重要なキーワードを発見できる可能性があります。
動画の文字起こしを行うためのツールもたくさんあるので、
要約をテキスト形式でページ化するのは、完全に1からコンテンツを作成するより意外と手数がかからなかったりします。
このように、一見すると縁のなさそうな施策からも、ECサイトでのSEO対策のためのコンテンツマーケティングへ活用する方法は実は無数に存在します。
アルゴリズムの度重なるアップデートによって、気軽な「SEOハック」で上位表示を獲得することは年々難しくなっています。
コンテンツマーケティングでのSEOに行き詰まったとき、もしかすると打開策は一般的なSEO対策の外に転がっているかもしれません。
売上アップ施策の全体像を確認するためには、下記のページが簡潔かつ網羅的に整理されていておすすめです。
ECサイトの売上を上げるには?売上アップ施策を解説 | QUERYY(クエリー)
https://n-works.link/blog/ec-production/ecsite_salesup
もしコンテンツマーケティングの方針策定に行き詰まったら、一度SEO以外の手法にも是非目を向けて見てください。
まとめ:SEOに強いECサイトを構築するために重要なポイント
ECサイトにおけるSEOを成功させるには、
・ユーザーの検索意図を的確に捉えたキーワード選定
・検索エンジンが理解しやすいサイト構造の設計
・検索結果でクリックされるために必要な内部対策
・コンテンツマーケティングによる価値提供
これらが重要です。
さらに、ライブ配信やレビューなど、ユーザーとの接点を活用したコンテンツの再利用や独自性のあるストーリー発信は、SEO効果を高めるだけでなく、ブランド価値を強化する手段としても有効です。
ライブコマース、SGE(Search Generative Experience)といった最新トレンドに対応することは、未来の検索エコシステムでの優位性を確保するためにも是非取り組んでいきたいところです。