ECサイトの構築において、デザインや機能の完成度はユーザー体験に直結する重要な要素です。
しかし、一からすべてを設計・開発するのは、時間的にもコスト的にも大きな負担となります。こうした背景から、近年多くのEC事業者が活用しているのが「テンプレート」です。
テンプレートとは、あらかじめレイアウトや機能が整備されたWebサイトの雛形であり、これを活用することで、スピーディーかつ一定の品質を保ったサイト構築が可能になります。
特に、初めてECサイトを立ち上げる企業や、少人数で運営する中小規模の事業者にとっては、非常に心強い選択肢です。
本記事では、ECサイト構築におけるテンプレート活用のメリットから、主なテンプレートの種類とそれぞれの特徴・価格帯の比較、さらに選び方のポイントまでわかりやすく解説していきます。
テンプレート選定に迷っている方や、どのような基準で判断すべきか悩んでいるEC担当者は是非この記事の内容をご参考ください。
ECサイトのテンプレートとは?
テンプレートの定義と役割
ECサイトテンプレートとは、Webサイトのレイアウトやデザイン、機能の構成要素があらかじめ設計された「サイトのひな形」のことを指します。
トップページや商品一覧、商品詳細ページ、カートや決済画面といった基本構造がすでに用意されており、画像やテキストを差し替えるだけでサイトが完成するよう設計されています。
その役割は、サイト制作にかかる手間とコストを大幅に削減し、かつ一定の品質を確保したサイト構築を実現することにあります。特に、デザインやプログラミングの専門知識がないEC担当者にとって、テンプレートは心強いツールとなります。
また、テンプレートの多くはレスポンシブ対応やSEO対策の土台、ユーザビリティ設計が施されており、専門的な仕組みが初期段階から組み込まれている点も魅力の一つです。
テンプレートを活用したサイト構築の流れ
テンプレートを活用してECサイトを構築する際の一般的な流れは、以下のようになります。
1.テンプレートの選定
自社の商材やブランド、コンセプトに合ったデザイン・機能を持つテンプレートを選びます。ECカートやCMSの種類によって選べるテンプレートは異なります。
2.テンプレートの適用
利用するEC構築プラットフォームにテンプレートを反映します。多くの場合、管理画面から数クリックで適用が可能です。
3.画像・テキストの差し替え
サンプル画像やテキストを自社の内容に置き換えます。商品画像やバナー、キャッチコピーなどが該当します。
4.機能の追加やカスタマイズ(必要に応じて)
テンプレートだけでは補えない部分を、プラグインやHTML/CSS編集でカスタマイズします。
5.テスト・公開
デバイスごとの表示や購入フローなどを確認し、問題がなければ公開します。
このように、テンプレートを活用すれば、専門知識がなくても比較的スムーズにECサイトを立ち上げることができます。
テンプレートを活用するメリット・デメリット
テンプレートを活用する主なメリットとデメリットは、以下の通りです。
<メリット>
・短期間でのサイト公開が可能
既成のレイアウトや機能を活用することで、ゼロから構築するよりも圧倒的に早くサイトを立ち上げられます。
・コストを抑えられる
オリジナルデザインでの制作を外注する場合と比べて、テンプレートを活用する場合は安価に構築をすることができます。またテンプレートは無料で提供されているケースもあります。
・一定のデザイン品質が担保されている
プロが設計したテンプレートを利用することで、視認性やユーザビリティの高いサイトに仕上がる可能性が高まります。
<デメリット>
・他社サイトとデザインが似てしまう可能性
特に人気テンプレートをそのまま使用すると、同テンプレートを使用する他社とデザインでの差別化が難しくなる可能性があります。
・細かなカスタマイズが難しい場合も
テンプレートによっては、機能の追加や変更に制限があることがあります。
・自社のブランドイメージに合わない場合もある
テンプレートのデザインでは自社の商品やサービスの魅力を十分に伝えきれないケースもあります。
これらのメリット・デメリットを理解した上で、自社のリソースや目的に合致したテンプレートを選ぶことが、失敗しないECサイト構築の鍵となります。
テンプレートの種類と特徴・価格帯比較
ECサイトのテンプレートには、使用するプラットフォームや目的に応じてさまざまな種類があります。
それぞれの特徴を理解することで、自社に最適なテンプレートを選定することが可能になります。ここでは代表的な3つのタイプを紹介します。
1. ASP型ECカート提供のテンプレート
ASP型ECカート(クラウド型ECサイト構築システム)では、各プラットフォームが提供する専用テンプレートを活用することで、初心者でもスムーズにオンラインショップを開設できます。
ここでは代表的な3つのASP型ECカートについて、それぞれのテンプレートの特徴を解説します。
aiship(アイシップ)のテンプレートの特徴
aishipは、デザインの自由度とカスタマイズ性が特徴のECサイト構築ASPです。豊富な「機能パーツ」を活用して高い柔軟性と運用効率を実現できるテンプレートが提供されています。
aishipのテンプレートの詳細はこちら
▼ 2025年6月10日にリリースした新テンプレート
https://template202505.aispr.jp/
特徴 |
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・パーツ構造で柔軟に編集可能 aishipのテンプレートは、「機能パーツ」という単位で構成されており、トップページ、商品ページ、フッターなどあらゆる領域をブロック単位で編集可能。 各パーツは管理画面から直感的に差し替え・追加・非表示などができ、コーディング不要です。 ・誰でも使える設計思想 オーナーやEC担当者が専門知識なしでも扱えるよう設計されており、「更新のしやすさ」と「迷わず編集できる構造」にこだわっています。 特にテンプレートは、食品・アパレル・レンタルなど幅広い業種に対応し、商材点数が多くない中小規模向けにも適しています。 ・見栄えと実用性の両立 メインビジュアル・ランキング・カテゴリ別ブロック・レビュー表示など、ECサイトで必要とされるすべての要素がテンプレートに初期実装されており、「すぐ使える完成度」が高いのも特長です。 ・デザイン工程を大幅に削減 ワイヤー設計済・主要導線設計済のテンプレート構成により、デザイン制作やレイアウト構成の手間は不要です。 ・カラーパターン・CSSが切替可能 メインカラー・アクセントカラーなどのカラーバリエーションが簡単にまとめて変更できるよう設計されており、ブランドカラーに合わせた調整も柔軟に行うことができます。 ・更新性を重視したCMS管理 テキストエリアに依存せず、「ナビゲーション」「バナー」「カテゴリブロック」などパーツごとに目的が明確に設計されており、誰が操作しても編集しやすい構造になっています。 ・食品ECに特化した機能がもりもり 商品詳細ページでの最短お届け日表示や、店舗受取選択、eギフトなど食品ECで売上を上げていくために必要な機能をテンプレートに標準搭載。プラグインや追加開発等は必要なく本格的な食品ECを実現できます。 |
提供価格 | 無料 |
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こんな事業者におすすめ |
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・店舗運営者が自ら更新・運用したい
・商品数が中規模以下で、見せ方や導線設計にこだわりたい ・初期構築のスピードを重視したい(デモや即納対応が必要) ・汎用的でありながらカスタマイズ性も確保したい ・食品ECで売上を上げていきたい |
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Shopifyのテンプレートの特徴
Shopifyは世界175か国以上で利用されているグローバルなECプラットフォームで、デザインの自由度と拡張性の高さが魅力です。
特徴 |
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・豊富なテンプレートバリエーション 無料・有料合わせて100種類以上のテンプレートが用意されており、ファッション、家具、食品、美容などジャンルごとのデザインが充実しています。 ・グローバル対応の設計 多言語・多通貨対応テンプレートも多く、越境ECを見据えたデザインがしやすいのも強みです。 ・レスポンシブ対応とUX最適化 すべてのテンプレートがスマートフォン表示に最適化されており、直感的な購入導線が設計されています。 ・カスタマイズ自由度が高い Liquid(Shopify独自言語)による高度なカスタマイズが可能で、テンプレートの構造を細かく調整できます。 |
提供価格 | 100ドル〜500ドル程度 |
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こんな事業者におすすめ |
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・海外販売を見据えている
・独自デザインを強く打ち出したい ・中〜上級者向けの柔軟な編集を求めている |
BASEのテンプレートの特徴
BASEは小規模事業者やスタートアップ向けに特化した、無料から始められるEC構築サービスです。初心者でも簡単に操作できる設計が魅力です。
特徴 |
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・完全無料で使えるテンプレートが豊富 無料でも22種類のテンプレートが提供されており、自社のイメージに合うデザインが見つかると初期費用を抑えることができます。 ・ジャンルに応じたテンプレートが用意されている ファッション系、ハンドメイド、スイーツなど、感性に訴えるビジュアルを重視したテンプレートが多く、小規模クリエイターに適しています。 ・操作がシンプルでノーコード対応 HTMLやCSSを触らなくてもデザイン調整が可能で、文字やカラー、画像の変更も管理画面から簡単に行えます。 ・拡張機能の導入も可能 「BASE Apps」という独自マーケットから、レビュー機能や送料設定などをプラグインのように追加可能です。 |
提供価格 | 無料〜30,000円程度 |
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こんな事業者におすすめ |
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・初めてネットショップを開設する
・コストを最小限に抑えたい ・デザインや運用に手間をかけず販売に集中したい |
項目 | aiship | Shopify | BASE |
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対象領域 | 全般(特に食品に強い) | 全般(特に越境ECに強い) | 小規模事業者向け |
デザイン自由度 | ◎(全てCSS/JSカスタマイズ可能) | ◎(Liquid編集) | △(制限あり) |
コーディング難易度 | ◯(ローコード) | △(Liquid) | ◎(ノーコード) |
テンプレート即戦力性 | ◎(初期導線設計済) | ◯ | ◯ |
管理画面の操作性 | ◎(日本語・直感的) | ◯ | ◎ |
上記のASP型ECカート含む主要なECカートシステムの特徴や料金の比較については以下の記事をご参考ください。

【2025最新】ECカートシステム22選を徹底比較【ASP一覧表付】
無料で使えるカートから、高機能ASP型、オープンソース型、パッケージ型まで、各種ECカートシステムの特徴やメリット・デメリットを徹底比較。

【2025最新】ECプラットフォームを徹底比較!主要17サービスの特徴を解説
ECモール型・ASP型・オープンソース型・パッケージ型の特徴やメリット・デメリットを紹介。
2. オープンソース型システムのテンプレート
EC-CUBEのテンプレートの特徴
EC-CUBEは、国内企業を中心に根強い支持を持つ、自由度の高いオープンソース型ECシステムです。
特徴 |
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・国産オープンソースならではの柔軟性 日本の商習慣にマッチした仕様で、テンプレートも国内向け商材に最適化されたものが多くあります。 ・柔軟なカスタマイズが可能 PHPベースで構成されているため、機能追加やデザイン改修も自在に行えます。テンプレートは公式・非公式を含め多く流通しており、業種特化型も豊富です。 ・開発リソースが必要 自社でのサーバー運用・保守が前提となるため、ある程度の技術的知識や開発体制が必要になりますが、その分、独自性のあるECサイトが構築できます。 |
提供価格 | 100,000円〜200,000円程度 |
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WordPressのテンプレート(WooCommerce対応テーマ)の特徴
WordPressにEC機能を追加するプラグイン「WooCommerce」を使用することで、ブログCMSであるWordPressが本格的なネットショップに変化します。
特徴 |
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・カスタマイズ性の高さ HTMLやCSS、PHPに関する知識があれば、細部まで自由にデザインや機能を調整可能です。既存テーマの子テーマとして編集することで、アップデートにも対応しやすくなります。 ・プラグインの活用による拡張性 WooCommerceと連携する豊富なプラグインを活用すれば、定期購入機能、会員制サイト、ポイント制度など、独自の機能を簡単に実装できます。 ・コンテンツマーケティングとの相性が良い WordPressが持つ記事投稿・SEO対策の機能をそのまま使えるため、集客施策と連携しやすい点も魅力です。 ・英語ベースの仕様 国内のEC向けとしては英語ベースで運用がやや難しくなる場合もあります。 |
提供価格 | 無料〜30,000円程度 |
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3. HTML/CSSテンプレート(主に独自開発や静的サイトに使用されるテンプレート)
HTMLやCSSなどのマークアップ言語で構成されたテンプレートは、デザインや動作を完全に制御したい場合に有効です。
特徴 |
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・自由度の高さ デザインからインタラクションまで、ゼロから細かく設計できます。フロントエンドの技術に長けた開発チームがいる場合に適しています。 ・開発者向け 一般的な管理画面は用意されていないため、専門知識がなければ扱いが難しいです。構築後の保守やセキュリティ対策も自社で担う必要があります。 ・CMSやバックエンドとの連携が必要 カート機能や商品管理、決済機能などは別途開発・連携が必要で、構築難易度は高いですが、唯一無二のECサイトを目指す場合には有力な選択肢です。 |
提供価格 | 30,000円〜100,000円程度 |
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テンプレートの種類ごとに、それぞれ得意とする領域や適した規模・体制が異なります。自社の目的、開発リソース、スピード感、予算に応じて最適なテンプレートタイプを選ぶことが、成功するECサイト構築の第一歩となるでしょう。
テンプレートの選び方
ECサイトのテンプレートは数多く存在し、それぞれに異なる特徴があります。テンプレートを効果的に活用するためには、「どれを選ぶか」が極めて重要です。
またテンプレートのデザイン性だけではなく、テンプレートを提供するシステム自体の機能性や費用も加味して選んでいく必要があります。
ここでは、選定時に押さえておくべき5つの視点をご紹介します。
1. 自社の商品ジャンルに合ったデザイン
テンプレート選びの第一歩は、「商品ジャンルとの相性」です。例えば、アパレル系の商品を扱うサイトであれば、ビジュアルを大きく打ち出せるスタイリッシュなレイアウトが適しています。
一方、食品や日用品のように情報の信頼性が重視される商品では、清潔感があり視認性に優れたデザインが効果的です。
また、業種特化型のテンプレートには、該当ジャンルに合わせた機能(例:サイズ選択、最短お届け日表示など)が組み込まれていることも多く、スムーズな導入が可能です。
商品ジャンルごとのECサイトのデザイン参考事例は以下の記事でギャラリー形式で紹介していますので、是非こちらもご参考ください。
参考にしたいECサイトデザイン事例43選|売れるECサイトのデザインとは?
2. ターゲットユーザーのニーズに対応
テンプレートは、「誰に売るのか」という視点でも選ぶべきです。ユーザーの年齢層、性別、デジタルリテラシーなどによって、好まれるデザインや操作性は異なります。
例えば、高齢層をターゲットにする場合は、フォントサイズが大きく、操作がシンプルなテンプレートが理想的です。若年層やスマートフォンユーザーがメインであれば、モバイルファースト設計やSNS連携がしやすいテンプレートが求められます。
ユーザー視点に立ち、ストレスなく買い物できる導線が設計されたテンプレートを選びましょう。
3. 必要な機能の有無(カート、検索、レビューなど)
デザインだけでなく、「どの機能が標準装備されているか」も重要なチェックポイントです。
以下は、ECサイトにおける代表的な機能です。
・商品検索/絞り込み機能
・商品レビュー・評価機能
・おすすめ商品表示
・お届け日表示機能
・会員登録・マイページ機能
・クーポン発行・ポイント管理
・ギフト機能(ギフトオプション、eギフトなど)
・店舗受取機能
テンプレートによっては、こうした機能が一部省略されていたり、別途プラグインやアプリの追加が必要なケースもあるため、自社の販売戦略に合った機能が備わっているかを事前に確認しましょう。
「aiship」では上記の機能を全て標準搭載しているため、追加開発やプラグイン、アプリの追加は不要で本格的なECサイト構築を実現できます。
ぜひ使いやすいテンプレートを適用したトライアルアカウントにて機能性やデザイン性をご体感ください。
<aishipテンプレートの主な特徴>
・ローコードで直感的に編集可能
・デザイン・導線設計済みでスピード構築
・eギフトや店舗受取、最短お届け日表示など痒い所に手が届く機能まで搭載

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4. カスタマイズの容易さと拡張性
テンプレートの中には、デザインや機能のカスタマイズがしやすいものと、そうでないものがあります。
EC事業は成長に伴い、キャンペーン施策やUI改善が必要になるため、将来的な拡張性を見据えたテンプレート選びが重要です。
・管理画面からカスタマイズできる範囲が広いか
・HTML/CSSの編集が可能か
・外部サービスやプラグインと連携できるか
テンプレートがもつ柔軟性は、サイト運営の自由度を大きく左右します。特に、運用中にリブランディングやUI改善を予定している企業は、カスタマイズ性に優れたテンプレートを選定すべきです。
5. 予算とコストパフォーマンスのバランス
テンプレートには無料のものもあれば、数千円〜数万円の有料テンプレートもあります。
費用対効果を高めるためには、初期費用/維持費用と、機能性/サポート体制のバランスを加味して選定を行う必要があります。
選定時は以下の点を踏まえて、費用対効果を見極めましょう。
・初期費用(テンプレート購入価格)
・維持費用(カート利用料、保守サポートなど)
・実装されている機能と開発コストの削減効果
・長期運用時のメンテナンス性やアップデート頻度
安価なテンプレートが一見魅力的に見えても、後から必要機能の実装に費用がかさむケースも少なくありません。必要な投資とリターンのバランスを考えながら、最適なテンプレートを選びましょう。
テンプレート選定は、ECサイトの成果を大きく左右する重要なプロセスです。見た目だけで判断せず、ユーザー視点・運営視点・将来展望の3つを軸に、多角的に比較・検討することが成功への近道です。
テンプレートの選び方
テンプレートを活用することでECサイト構築の効率は飛躍的に向上しますが、一方で「どのテンプレートを、どう使うか」によっては思わぬ落とし穴に遭遇することもあります。
ここからは、テンプレート活用において特に注意すべき3つのポイントを紹介します。
1. デザインの差別化が難しい場合の対策
テンプレートは複数のユーザーに共有される設計が多く、人気テンプレートであればあるほど「他社と似たようなデザインになる」リスクがあります。
これは、ブランディングやユーザー体験においてマイナスに働く可能性もあるため、以下のような対策が有効です。
<対策例>
・キービジュアルの独自性を高める
メインビジュアルやバナー画像は、テンプレート既定のものではなく自社で撮影・制作した素材に差し替えることで差別化が図れます。
・カラーパターンやフォントを調整する
ブランドカラーやトーンに合わせて、背景色・ボタン色・文字スタイルを調整することで印象をガラリと変えることが可能です。
・ナビゲーションや導線を再設計する
ユーザーの行動に基づいた導線設計で、他社と一線を画す動線設計が実現します。
(例:カテゴリー配置やおすすめ商品の配置変更)
・一部のページで独自デザインを採用する
例えば、ブランドストーリーや開発背景などこだわりを訴求するページにのみ、独自のデザインを採用することで費用は抑えつつ差別化を図ることができます。

15年以上ECサイト構築・運営を支援する
株式会社レッカスグルーブ様の見解
テンプレートを利用する場合でも、工夫すれば自分たちのブランド・商品の世界観を表現することは可能です。
対応できる範囲内で可能な制作をしながら、どうしても実現したいデザインがテンプレートでは難しい場合、そこだけカスタマイズしていくことでコスパの良いサイト構築を目指せます。
2. SEOや表示速度への影響
テンプレートの中には、見た目は優れていてもSEOやページ表示速度が配慮されていないものも存在します。
特にECサイトにおいては、検索流入とページ離脱率が売上に直結するため、この点は慎重に見極める必要があります。
<注意すべき点>
・画像ファイルの最適化
メインビジュアルや商品画像が重すぎると、ページ表示が遅くなりユーザー離脱を招きます。WebP形式やlazyload対応などが推奨されます。
・見出し構造やmeta情報の編集可否
H1〜H3の構造や、titleタグ・descriptionタグをテンプレート上で自由に設定できるかを確認しましょう。SEO対策の基礎となります。
・スマホ表示の最適化
モバイルファースト設計がなされていないテンプレートは、Googleの評価が下がる可能性があります。レスポンシブ対応は必須です。
・無駄なスクリプトやCSSの排除
使っていない機能がテンプレート内に含まれている場合、それがコードとして残っていることで読み込み速度に悪影響を及ぼすことがあります。
<推奨策>
テンプレート選定時には「SEO最適化」「軽量コード設計」などの記載をチェックし、
「
Google PageSpeed Insights
」などで事前に速度評価を確認するのも有効です。
ECサイトのSEO対策で考慮すべきポイントについては以下の記事で詳しく解説していますので、是非併せてご参考ください。
SEOに強いECサイトを構築する4つのポイント
3. テンプレートの更新と保守管理
テンプレートは導入時だけでなく、中長期的な運用視点でも選ぶべきです。特に以下のようなリスクには注意が必要です。
<想定されるリスク>
・提供元によるサポート終了
テンプレートの開発が止まり、新しいブラウザやOSに非対応になるケースがあります。
・バージョンアップ非対応
ECプラットフォーム自体がアップデートされた際、テンプレート側が対応していないと、不具合が生じる可能性があります。
・改修のたびに外注が必要になる
編集がしにくいテンプレートでは、ちょっとした文言や画像変更でも制作会社への依頼が必要になるなど、コスト増に繋がります。
<対策>
・保守性の高いテンプレートを選ぶ
(例:自社で編集しやすい、アップデート情報が定期的に提供されているなど)
・定期的にテンプレートの更新履歴を確認し、必要に応じて代替テンプレートへの乗り換えも検討する
・特にカスタマイズする際は、保守性を加味して行うようにする
テンプレートはEC構築の強力な味方ですが、導入後の運用も見据えた選定と活用が重要です。
上記のポイントを押さえておくことで、テンプレートのメリットを最大限に活かしながら、長期的に安定したECサイト運営を実現できます。
まとめ
テンプレート活用のポイント再確認
この記事では、ECサイト構築におけるテンプレート活用のメリット・種類・選び方・活用事例・注意点まで、幅広く解説してきました。
ここで改めて、テンプレート活用のポイントを振り返っておきましょう。
・テンプレート活用は効率的なECサイト構築を実現する選択肢である
・業種や商材、コンセプトに適したテンプレートを選ぶことで、見た目だけでなく機能性・運用性も大きく向上する
・カスタマイズのしやすさや将来的な拡張性も選定基準として重要
・テンプレート自体の初期コストだけでなく、テンプレートを提供するシステム自体の運用コスト・保守体制も視野に入れて選ぶのが重要
・テンプレートを使っても「差別化」は可能。ビジュアルや導線設計で独自性を出す工夫が大切
テンプレートは“ただのデザインの枠”ではなく、「ECサイトの基盤」として機能します。
自社に最適なテンプレート選定の重要性
テンプレート選定は、ECサイトの未来を左右する最初の分岐点です。デザインが気に入ったから、価格が安いから、といった短期的な視点で選んでしまうと、運用面で行き詰まることも少なくありません。
だからこそ、以下の観点から「自社にとって最適かどうか」を判断することが大切です。
・商品ジャンルや販売形態にフィットしているか
・ターゲットユーザーの行動や期待に応えているか
・運営チームのスキルや体制に合っているか
・将来の機能拡張やデザイン変更に柔軟に対応できるか
テンプレートは、機能・構造・操作性など多くの要素が複雑に絡み合う選択です。だからこそ、自社の“今”だけでなく“これから”も見据えた選定が不可欠です。
テンプレートを活用したECサイト構築ステップ
今後ECサイトを構築・リニューアルする際は、以下のステップを意識して進めると失敗しにくくなります。
1. 目的とゴールを明確にする
新規顧客獲得、ブランド認知、リピート購入など、まずは何のためのECなのかを定めましょう。
2. ターゲットユーザーを明確化する
年齢層、デバイス、購買行動などを分析し、それに合うUI/UXを選ぶことが重要です。
3. 必要な機能と運用体制を洗い出す
必要な機能と、管理者や更新頻度などの運用体制を明らかにしておきましょう。
4. テンプレートを比較検討する
価格だけでなく、デザイン(自由度含む)・機能性・カスタマイズ性など複数の軸で評価することが大切です。
5. 運用・改善を前提に構築する
一度作って終わりではなく、売上やCVを見ながら改善し続ける意識が成功のカギです。
テンプレートはECサイト成功の「土台」であり、適切に選び・使いこなすことで、事業成長のスピードと安定性が飛躍的に高まります。
ぜひこの記事で紹介した内容を参考に、貴社にとってベストなテンプレートを見つけ、ユーザーにとって価値あるEC体験を提供してください。
弊社では2500社のEC構築支援を行ってきた知見をもとに開発した”売れるテンプレート”を無償で提供しています。
また売上を上げていくための施策提案から導入・運用サポートまで一貫して実施しておりますので、ECサイトの構築・リニューアルをご検討の際は、ぜひ1度お問い合わせください。

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また、機能や費用の詳細、詳しい事例を知りたいなどもご相談ください。