近年、アート作品のネット販売市場は急成長を遂げています。特に、コロナ禍をきっかけにオンラインショッピングが一般化し、ギャラリーや展示会に足を運ばなくてもアートを購入できる環境が整いました。
実際、アート業界のデジタル化は世界的なトレンドとなっており、国内でも、「minne」や「Creema」といったアート特化のマーケットプレイスや、自社ECサイトでの販売も増えてきており、個人作家でも手軽にネット販売を始められる時代になりました。
また、「Casie」を始めとしたサブスク型レンタルサービスや、NFT(非代替性トークン)を活用したデジタルアートの市場拡大も、アートECの可能性をさらに広げています。
本記事では、アート作品のネット販売を始めるために押さえておくべきポイントを以下の4つのテーマに沿って紹介します。
☑︎ アートの販売にECサイトを活用するメリット
☑︎ アートを販売するECサイトの構築方法
☑︎ アート作品のECサイトに必要な機能とUIのポイント
☑︎ アートECサイトの事例
アート作品のECサイトを作り、ネット販売を始めるための具体的な手順を理解して、アーティストとしての活動の幅を広げてみましょう。
アートの販売にECサイトを活用するメリット
アート作品の販売において、ECサイトを活用することにはさまざまなメリットがあります。
販路の拡大
これまで対面販売が中心だったアート作品も、ECサイトを通じて国内外の幅広い顧客層に届けることができます。
特に、SNSとの連携を強化すれば、InstagramやPinterestを活用したビジュアルマーケティングによって、海外のアート愛好家にもアプローチできます。
ブランド構築とファンの獲得
ECサイトを持つことで、アーティスト自身のブランドを確立し、ファンとの継続的な関係を築くことが可能になります。
ギャラリーやマーケットプレイスを介さず、自身の世界観を表現したサイトを運営することで、ファンのロイヤルティ向上にもつながります。
販売データの活用による戦略的な運営
ECサイトを活用することで、顧客の購入履歴やアクセスデータを分析し、より効果的なマーケティング施策を展開できます。
例えば、人気のある作品の傾向を分析し、類似作品を制作したり、リピート購入を促すキャンペーンを実施したりすることが可能です。
販売手数料の削減
マーケットプレイスに出店する場合、販売手数料がかかることが一般的ですが、独自のECサイトを運営すれば、手数料を抑えて収益を最大化できます。
特に、高価格帯の作品を販売する場合、手数料の影響は大きいため、自社ECのメリットはさらに大きくなります。
アートを販売するECサイトの構築方法
構築方法の選択肢としては大きく分けて以下の3つがあります。
・ASP型ECカートを利用する
・オープンソース型システムを利用する
・パッケージ型システムを利用する
当社でアート作品を販売するECサイトを30サイト調査したところ、構築方法の割合として以下の傾向が伺えました。
※アートを販売するECサイト30サイトを分析した独自調査より
上記のグラフから比較的安価で簡単に始められるASP型ECカートを利用する事業者が多い傾向が読み取れます。
ここからは各構築方法について特徴を紹介していきます。
1. ASP型ECカートを利用する(BASE、Shopify、aiship など)
ASP型ECカートとは、ECサイトを手軽に開設できるサービスのことです。初期コストが低く、運用も簡単なため、個人アーティストやスモールスタートで展開したい事業者に適した選択肢です。
<メリット>
・初心者でも簡単に開設できる(プログラミング不要)
・低コストでスタート可能(無料プランや低額プランあり)
・決済や配送機能が標準搭載
・デザインテンプレートが豊富で見栄えの良いサイトが作れる
<デメリット>
・カスタマイズ性が低い(独自性の高い運用が難しい場合がある)
・ECカート利用の月額費用が発生(月額固定費や販売ごとの手数料が発生)
<主要なECプラットフォームの比較>
サービス | 特徴 | 月額固定費 |
---|---|---|
BASE | 初心者向け。無料で開設可能。手数料がやや高め。 | 無料~ (※別途手数料あり) |
Shopify | プラグインで拡張性が高い。グローバル展開にも対応。 | 4,850円〜 |
aiship | 高機能でデザイン自由度が高い。サブスク型レンタルにも対応。専門知識不要。 | 9,800円~ |
<こんな方におすすめ>
・手軽にアートECサイトを開設したいアーティスト
・運用コストを抑えながら販売を始めたい方
・技術的な専門知識やリソースが少ない方
2. オープンソース型システムを利用する(WordPress+WooCommerce、EC-CUBEなど)
オープンソース型システムを利用し、ECプラグインを活用する方法もあります。この方法は、ある程度専門知識は必要になりますが、一定の自由度を確保しながら、比較的低コストでECサイトを運営できる点が魅力です。
<メリット>
・デザインや機能のカスタマイズがしやすい
・ECサイトに加えて、ブログやギャラリーページも構築可能
<デメリット>
・構築・運用にある程度の知識が必要(サーバー管理やサイトの更新等)
・定期的なメンテナンスが必要(セキュリティ対策など)
<必要なものと費用感>
項目 | 費用目安 | 備考 |
---|---|---|
ドメイン | 1,000円~/年 | オリジナルのURL(独自ドメイン)を取得 |
レンタルサーバー | 500~2,000円/月 | エックスサーバーなど |
テーマ | 無料~数万円 | EC向けの有料テーマもある |
プラグイン | 無料~数万円 | 月額費用の発生するプラグインもある |
<こんな方におすすめ>
・専門知識やリソースがありデザインや機能を自由にカスタマイズしたい方
・ブログやギャラリーページと連携して運用したい方
オープンソース型システムの代表格「WordPress」を利用したECサイト構築については以下の記事で解説していますので、是非併せてご参考ください。
WordPressを使ったECサイト構築でおすすめの方法は?事例付で特徴を比較解説
3. パッケージ型システムを利用する(ecbeing など)
パッケージシステムを利用する方法では、完全オリジナルのECサイトを構築することができます。大規模なアートマーケットプレイスや、特別な機能を求める大規模なギャラリー・アート販売企業向けの構築方法です。
<メリット>
・デザイン・機能の完全自由設計が可能
・販売戦略に合わせた独自のUI/UXを実装できる
<デメリット>
・初期開発コストが高い(数千万円程度)
・開発期間が長い(6ヶ月〜数年程度)
・運用・保守のために専門知識が必要
<開発に必要な主なコスト>
項目 | 費用目安 | 備考 |
---|---|---|
システム開発 | 500万円〜数千万円 | 規模や機能要件により大きく変動 |
デザイン制作 | 100万~500万円 | UI/UX設計含む |
保守・運用費 | 10万~100万円/月 | システム維持・セキュリティ管理 |
<こんな方におすすめ>
・独自のアート販売プラットフォームを運営したい事業者
・高度な機能(AIによる作品レコメンド、NFT連携など)を導入したい事業者
・中~大規模なギャラリーや、ブランド力がすでにあり長期運営を前提に検討する事業者
ここまでの3つがECサイトを構築する方法になります。参考までにマーケットプレイスに出品する方法についても特徴を紹介しますので、必要に応じてご参考ください。
番外編. マーケットプレイスに出品する(minne、Creema、OpenSea など)
マーケットプレイスとは、複数の作家やブランドが出品・販売できるECモール型サービスです。ECサイトを構築しないためブランディング等は難しいですが、既存のプラットフォーム内でアート作品の販売を始められる手軽さが魅力です。
<メリット>
・会員基盤があり、集客力が高い(検索や特集で露出のチャンスあり)
・初期費用がかからず、出品するだけですぐ販売できる
・ユーザーにとっても購入ハードルが低い(使い慣れたUI)
<デメリット>
・ブランディングがしにくい(ショップの独自性が出しづらい)
・販売手数料が高めに設定されている場合も多い
・マーケットプレイスのルールに従う必要がある(価格設定や作品表記など)
<主要なアート向けマーケットプレイスの比較>
サービス | 特徴 | 初期費用 | 販売手数料 |
---|---|---|---|
minne | ハンドメイド・アート作品に強い。集客力◎ | 無料 | 10.56%〜 |
Creema | デザイン性の高い作品が多く、18歳以上の年齢制限もあり。minneよりは玄人向け。 | 無料 | 11%〜 |
OpenSea | NFTアート向け。 | 無料 | 0.5%(新規発行のNFT販売時は10%) |
<こんな方におすすめ>
・販売初心者でまずは市場の反応を見たい方
・集客はプラットフォームに任せたい方
・自分の作品を広く知ってもらうきっかけが欲しい方
各構築方法の特徴まとめ
構築方法 | 固定費 | カスタマイズ性 | 運用負担 | おすすめ対象 |
---|---|---|---|---|
ASP型ECカート | 低 | 中 | 低 | 個人アーティスト・小規模運営 |
オープンソース型システム | 中 | 中~高 | 中 | ブランドサイトを兼ねたEC運営 |
パッケージ型システム | 高 | 高 | 高 | 大規模ギャラリー・企業向け |
マーケットプレイスに出品 | 低 | 低 | 低 | 販売初心者 |
☑︎ 手軽にアートECサイトを開設したいなら「ASP型ECカート」
☑︎ 専門知識がありカスタマイズ性を重視するなら「オープンソース型システム」
☑︎ 完全オリジナルの仕様を求めるなら「パッケージ型システム」
☑︎ まずは市場の反応を見たいなら「マーケットプレイス」も視野に入れる
アート作品のECサイト構築は、販売戦略や運用体制に合わせて最適な方法を選ぶことが成功のカギとなります。
また構築方法が決まったら、次は具体的にECカートシステムの選定に入ります。
以下の記事にて主要なECカートシステム(プラットフォーム)の特徴や料金について紹介していますので、是非併せてご参考ください。
【2025最新】ECカートシステム22選を徹底比較【一覧表付】
【2025最新】ECプラットフォームを徹底比較!主要17サービスの特徴を解説
構築方法を選ぶ際のポイント
アート作品のECサイトを構築する際は、商品の特性や提供方法、費用対効果、デザイン・機能の柔軟性などを複合的に考慮して、最適な方法を選ぶことが重要です。
ここからは、構築方法を選ぶ際に考慮すべき観点を紹介します。
1. 商品特性や提供方法に応じて選ぶ
販売したいアート作品の商品特性や提供方法に応じてECサイトの構築方法を選ぶことが成功の鍵となります。
① 原画や複製作品、ハンドメイド作品を販売する場合
・在庫管理がシンプルで、サイトを構築すればすぐに販売を開始できる。
・販売後に「売り切れ表示」を自動で反映できる機能が必要。
・商品詳細ページでサイズやフレームの選択ができる機能があると便利。
・取り扱う商品が多い場合、商品検索が直感的にできると便利。
・作品の説明ページにストーリー性を持たせると、購入意欲を高めやすい。
<適した構築方法>
・ASP型ECカート(BASE、Shopify、aiship など)
・オープンソース型システム(WordPress+WooCommerce、EC-CUBEなど)
② デジタルアート・NFTアートを販売する場合
・デジタルデータは物理的な配送が不要なため、ダウンロード販売機能が必要。
・NFTアートの場合、暗号資産ウォレットとの連携やブロックチェーン技術を活用したサイト構築が求められる。
<適した構築方法>
・パッケージ型システム
・NFT対応マーケットプレイス(OpenSea など)
③ サブスク型のレンタルで提供する場合
・定期的に定額の課金をする必要があるため、サブスク専用機能が必要。
・レンタルした商品が返却された際の運用フローを考慮する必要がある。(検品や在庫更新等)
<適した構築方法>
・サブスクに対応したASP型ECカート(aiship、Shopify など)
・パッケージ型システム
<サブスク型のECサイト事例>
THE ARTS(ジ・アーツ)
https://the-arts.jp/
THE ARTS(ジ・アーツ)は絵画専門レンタル・サブスクショップで、国内外の有名作家の絵画が多数取り揃えられています。
ASP型ECカート「aiship」で構築されており、年間プランのサブスクサービスを展開されています。同プラン内の作品と交換すること(年1回)や、気に入った作品をそのまま購入することもできます。(金額は要問合せ)
ECサイト上でサブスクサービスを展開するためには、一般的な都度購入用のECカートの機能に加えて、定期的な自動課金を可能にする機能が必要になります。
弊社の提供するASP型ECカート「aiship」では、定期的な自動課金を可能にする「サブスクリプション機能」を標準搭載しているため、追加開発等は不要ですぐにサブスク型レンタルでアート作品を貸し出すサービスをECサイトで実現できます。
「aiship」のサブスクリプション機能では課金サイクルの設定や自動フォローメール配信、クレジットカード自動引き落としに対応しているため便利で利用しやすいサブスクリプションサービスを運用できます。
サブスクリプション機能の詳細はこちら
aiship 資料ダウンロードはこちら
また、サブスクリプションサービスでの必要な機能や構築方法、事例、カート比較については以下記事にて解説していますので、よろしければ併せてご参考ください。
サブスクECサイトの構築方法とは?事例やシステム移管の注意点も徹底解説
【2025最新】サブスクカート7選を徹底比較|特徴・料金・導入事例を紹介
2. 費用対効果を考慮して選ぶ
ECサイトの構築方法を検討する際は、見込まれる売上に対して、どのくらいコストを掛けられるかのバランスの考慮も重要になります。
構築方法 | 初期費用 | 月額費用 | 運用のしやすさ | カスタマイズ性 |
---|---|---|---|---|
ASP型ECカート | 無料〜数万円 | 無料〜数万円 | ◎(簡単に運営可能) | ○(サービスによっては制限あり) |
オープンソース型システム | 数千円〜数十万円 | 無料〜数万円 | ○(中級者向け) | ○(ある程度自由) |
パッケージ型システム | 数百万円〜数千万円 | 数十万円〜 | △(エンジニアが必要) | ◎(自由にカスタマイズ可能) |
マーケットプレイス出品 | 無料〜 | 販売額に応じた手数料 | ◎(簡単に運営可能) | ×(プラットフォームの仕様に制限 |
マーケットプレイスへの出品やASP型ECカートを利用する方法は手軽ですが、デザインや機能の制約があるため、必要とする機能があるかをしっかりと確認しましょう。
3. 独自デザインや必要な機能を考慮して選ぶ
アートECサイトは、一般的なECサイトと異なり、「作品の魅力を最大限に伝えるデザイン」が重要です。そのため、次のような要素を考慮しましょう。
① 独自デザインの重要性
・アート作品を販売するECサイトは、作品そのものがブランディング要素となるため、テンプレート感のあるデザインでは他社と差別化しにくい。
・Shopifyやaiship、WordPressなら、デザインをカスタマイズできるためブランドの世界観を演出しやすい。
特にaishipはテンプレートをもとに必要な部分だけカスタマイズすることもできるため、簡単に独自デザインのサイトを構築できる。
・余白を活かしたミニマルデザインや、高解像度画像を活用したギャラリー表示が効果的。
ECサイトのデザイン事例や、売れるECサイトから見るデザインのポイントについては以下の記事で解説していますので、是非併せてご参考ください。
参考にしたいECサイトデザイン事例43選|売れるECサイトのデザインとは?
② 必要な機能を見極める
特に重要となる基本機能の一例としては以下になります。
機能 | 重要度 | 概要 |
---|---|---|
画像ギャラリー&ズーム機能 | ★★★★★ | 作品のディテールをしっかり伝えるために必須 |
カート機能&多様な決済手段 | ★★★★★ | クレジットカード、銀行振込、後払いなど柔軟に対応 |
在庫管理機能 | ★★★★☆ | 売り切れた作品を自動で購入不可にする機能があると便利 |
サブスク機能 | ★★★★☆ | 定期的に自動で課金する機能。サブスク型のレンタルサービスを提供する場合は必須 |
アーティスト情報&ブログ機能 | ★★★★☆ | 作品の制作背景やアーティストの活動を伝え、ファンを増やす |
商品検索機能 | ★★★★☆ | 商品点数やカテゴリが多い場合はスムーズに商品を探せる機能が必要 |
SNS連携(Instagram、Pinterest) | ★★★★☆ | SNS経由で集客しやすく、特にビジュアル重視の作品と相性が良い |
ダウンロード販売機能 | ★★★☆☆ | デジタルアート販売の場合は必要 |
上記は基本機能の一例ですが、特に注意が必要な機能性については次章「アート作品のECサイトに必要な機能とUIのポイント」にて解説していきます。
アート作品のECサイトは、販売する商品の種類やビジネスモデルによって最適な構築方法が異なります。最初は低コストで始めて、売上が伸びてきたら本格的なカスタマイズを検討するのが一般的な流れです。
自分のブランドや作品の特徴に合った方法を選び、アートECサイトの成功を目指しましょう。
また、ECサイト構築の手順については以下の記事で詳しく解説していますので、是非併せてご参考ください。
ECサイト構築の方法と手順|立ち上げ時に注意すべきポイントとは?【成功事例付】
アート作品のECサイトに必要な機能とUIのポイント
アート作品のECサイトでは、作品の魅力を最大限に伝える工夫が不可欠です。
また、購入者にとって利便性の高い機能や、直感的に操作しやすいUI/UX設計も、売上向上に大きく影響します。
ここからは、アートECサイトに求められる機能とUIのポイントを詳しく解説します。
作品の魅力を伝えるための基本機能
1. 高品質な画像表示(ズーム機能・スライドショー)
アート作品は視覚的な要素が重要であり、購入者が実物を見られないECサイトでは、高品質な画像表示機能が必要不可欠です。
<導入すべき機能>
・高解像度画像の表示(拡大しても画質が劣化しない)
・ズーム機能(マウスオーバーやタップで細部を確認)
・スライドショー機能(複数のアングルやディテールを表示)
・360度ビュー機能(立体作品や額装作品向け)
購入者は作品の細部や質感を重視するため、可能な限り高解像度かつ多角的な視点から作品を閲覧できる環境を提供しましょう。
2. 作品の詳細情報(素材、サイズ、エディション情報など)
アート作品は一点一点が異なり、サイズや素材、限定性などが購入の決め手になることが多いため、詳細な情報を掲載することが重要です。
<記載すべき基本情報>
項目 | 概要 |
---|---|
作品名 | 作品の正式名称 |
作家名 | 作家名 + 作家のプロフィールページへのリンク |
素材・技法 | 油彩、アクリル、水彩、版画など |
サイズ | 縦×横×奥行き(額装の有無も記載) |
エディション情報 | 限定○点のシリアルナンバー入り / 一点モノ |
額装の有無 | 額装済み or 別売り |
価格・送料 | 商品価格 + 送料込み or 別途送料 |
3. ストーリー性のある商品説明(作家の想いや制作背景を伝える)
アート作品の購入は、「モノ」だけでなく、作品に込められたストーリーや作家の想いへの共感が重要な要素となります。そのため、基本的なスペックだけでなく、作品の背景を丁寧に伝えましょう。
<効果的な記載内容>
・作品制作のインスピレーション(どういう想いで制作したのか)
・作家の経歴やスタイル(なぜこの表現手法を採用したのか)
・制作過程のエピソード(どんな工夫やこだわりがあるのか)
例えば、
「アート太郎 作。春の朝の静けさと温かさをテーマに解き放たれる心を表現。水彩の柔らかいグラデーションを活かし、移ろゆく光を繊細に表現しています。」
のような形で商品説明を充実させ、併せて作家の想いや経歴も商品詳細ページ内に記載することで、購入者にとって単なる「商品」ではなく、特別な「アート作品」としての価値を伝えることができます。
購入者の利便性を高める機能
1. カート画面での多様な決済手段
カート画面で選択肢として表示する決済手段を柔軟にすることで、購入のハードルを下げ、離脱を防ぐことができます。
<推奨決済手段>
・クレジットカード決済
・オンライン決済(PayPay、Amazon Payなど)
・銀行振込(高額作品向けに需要あり)
・後払い決済
高額なアート作品を取り扱う場合、分割払いや銀行振込の導入も検討しましょう。
弊社の提供するASP型ECカート「aiship」では、クレジットカード決済はもちろん、PayPay、Amazon Payなどのオンライン決済や銀行振込、後払い決済、コンビニ決済にも標準対応しているため、追加開発や複雑な設定は不要で多彩な決済が利用できるECサイトを構築できます。
また任意決済としてショップ独自の決済方法を設けることも可能です。
aishipの対応決済一覧はこちら
2. 問い合わせ・チャット機能(作品への質問対応)
アート作品の購入は、通常のECサイトでの購入に比べて慎重になりやすい傾向があるため、購入前の疑問をスムーズに解決する仕組みが重要です。
<導入すべき仕組み>
・リアルタイムチャット(LINE、チャネルトークなど)
・問い合わせフォーム
・FAQ
即時対応ができる体制を整えることで、購入の意思決定を早めることができます。
3. 在庫管理・販売管理機能
在庫情報を更新する機能が必要になります。
特にアート作品は1点モノが多いため、重複受注を避けるために売り切れ情報をリアルタイムで反映する機能が必要です。
<導入すべき機能>
・在庫がなくなったら「売り切れ」表示
・作品の再販リクエスト機能(作家の許可があれば受付可能)
・売り切れ作品のアーカイブ化(ポートフォリオとして掲載)
UI/UXの工夫で売上を伸ばすポイント
1. シンプルで洗練されたデザイン(作品の魅力を引き立てるレイアウト)
<デザインのポイント>
・余白を活かしたミニマルデザイン
・高品質なビジュアルをファーストビューに配置
・ブランドの世界観を統一
テンプレート感のあるデザインではなく、作品を引き立てるレイアウトを意識しましょう。
弊社の提供するASP型ECカート「aiship」では、デザイン自由度の高いCMSを採用しているため簡単に作品の魅力を引き立てるデザインでサイトを構築することができます。
HTML、CSS、JavaScriptに関する特別な知識が無くても、テキストを打ち込んだり、商品の表示方法を設定したり、バナーを設置したり、誰でも簡単にECサイトを構築・編集・管理が可能です。
またほぼ全てのページでCSSやJavaScriptの調整ができるため、知識があれば、動きのあるサイトやさらに独自性の高いデザインでこだわりのサイトも構築できます。
aiship Universal CMSの詳細はこちら
無料でサイト構築のレクチャーも実施しておりますので、是非以下の「無料お試し」からご登録いただき希望のデザインを実現できそうかご確認ください。
aiship 無料お試しはこちら
2. 直感的なナビゲーション(カテゴリ別検索、作家別検索など)
<導入すべき検索機能>
・カテゴリ別検索(絵画・版画・彫刻・NFTなど)
・作家別検索(アーティストごとにカテゴリページを作成)
・価格帯別フィルター(予算に応じた検索)
直感的に作品を探せるように、視覚的なUIデザインを設計しましょう。
特に商品点数や設定するカテゴリが多い場合、いかに目的に合った商品にスムーズに辿り着けるようにUIを設計できるかが離脱を防ぎ、売上を上げるための重要なポイントになります。
目的に合った商品をスムーズに見つけてもらうためのUI設計としておすすめの方法は、商品検索をする際に複数の条件で絞り込むことができるようにしておくことです。
例えば「アートのジャンル」と「価格」「作家」をかけ合わせた複数の検索条件を指定して商品検索を行うことで、1回の検索でスムーズに目的に合った商品に辿り着きやすくなります。
弊社の提供するASP型ECカート「aiship」では、複数の検索条件で絞り込み、お客様のこだわりに応える「こだわり検索機能」を標準機能として搭載しています。
また商品に設定した属性(タグ)でも検索できるため、お客様の細かなニーズをもとにした検索で、スムーズに目的に合った商品に辿り着ける商品検索UIを実現できます。
こだわり検索機能の詳細はこちら
aiship 資料ダウンロードはこちら
3. モバイル対応(スマホでの閲覧・購入の最適化)
< スマホ最適化のポイント>
・モバイルフレンドリーなレスポンシブデザイン
・縦スクロールでスムーズに閲覧できるUI
・スマホでも高解像度画像を快適に表示
アートにおいてもスマホ経由の購入が増えているため、PCとスマホ両方で快適に閲覧・購入できる設計が不可欠です。
アートECサイトでは、作品の魅力を最大限に伝えながら、購入者にとって使いやすい設計を取り入れることが成功のカギとなります。適切な機能とUI/UXを導入し、魅力的なサイトを構築しましょう。
アートECサイトの事例
THE ARTS(ジ・アーツ)
https://the-arts.jp/
THE ARTS(ジ・アーツ)は絵画専門レンタル・サブスクショップ。国内外の有名作家の絵画を多数取り揃えており、分かりやすい年間プランのみで安心して利用することができます。
ASP型ECカート「aiship」で構築されており、年額のサブスクサービスを展開されています。同プラン内の作品と交換すること(年1回)や、気に入った作品をそのまま購入することもできます。(金額は要問合せ)
またサイト内の商品検索では作品を「国籍」「ジャンル」で絞り込んで探すことができます。
WASABI(ワサビ)
https://wasabi-nomal.com/
「WASABI」はあなたの暮らしを彩るアート・絵画を購入できる販売・通販サイトです。
ASP型ECカートで構築されています。
ARTiATE(アーティエイト)
https://artiate.com/ja/
「ARTiATE」はアート作品を購入したい方とアーティストをつなぐECサイトです。提携アーティストの版画や絵画、写真などのアート作品を購入できます。
ASP型ECカートで構築されており、リアルタイムのチャット機能も導入されています。
Good ART LIFE
https://www.goodartlife.com/
名画の定期便「グッドアートライフ」はゴッホ、モネ、ルノワールなど世界の名画の複製が月1回ポストに届くアートの定期便サービスです。
ASP型ECカートで構築されており、サブスクサービスとして名画の複製を提供されています。
ENOAL(エノアル)
https://enoal.co/
「ENOAL」は原画に特化した絵画のオンライン販売&サブスク(レンタル)サービスです。
ASP型ECカートで構築されており、販売とサブスクサービスどちらも提供されています。
tagboat(タグボート)
https://www.tagboat.com/
「tagboat」は絵画・版画・写真・彫刻作品を販売する国内最大級の現代アートのECサイトです。
オープンソース型システムで構築されています。
thisisgallery(ディスイズギャラリー)
https://thisisgallery.com/
thisisgallery(ディスイズギャラリー)。日本全国・海外のアーティストから直接絵画を購入できるアート販売プラットフォームです。
オープンソース型システムで構築されています。
IDEE SHOP Online(イデーショップオンライン)
https://www.idee-online.com/shop/
「IDEE SHOP Online」はアート作品やデザイナーによるオリジナルデザインの家具を取り扱う通販サイトです。
パッケージ型システムで構築されています。
まとめ
アート作品のECサイトを成功させるためには、適切な構築方法の選択、必要な機能の実装、購入者の心を動かす工夫が不可欠です。
今回ご紹介した内容を参考に以下のポイントを抑えてECサイトの構築を進めましょう。
☑︎ 新規立ち上げの場合、低コスト&簡単に始められるASP型ECカートの利用がおすすめ
☑︎ デジタルアートの販売やサブスク型のレンタルをしたい場合、一般的なECサイトの機能+特化機能が必要
☑︎ サイト内の商品説明を充実させて作品の魅力をしっかり伝え、購入者の信頼を得る
☑︎ 目的に合う商品にスムーズに辿り着けるよう、複数条件での絞り込みなど商品検索のUIを工夫する
☑︎ SNSやブログなどを活用し、リピーターを増やす
アート作品のECサイトは、単なる「商品販売の場」ではなく、アーティストとしてのブランドを確立し、ファンとつながる場として活用できます。自分に合った構築方法を選び、作品の魅力を最大限に引き出せるサイトを作りましょう。