食品をネット販売する際の準備事項まとめ
法的手続きからサイト構築・具体的機能まで解説
2024年7月3日2025年3月7日
インターネットと物流の発展に伴い、食品のネット販売は年々市場が拡大しています。特に新型コロナウイルス感染症の拡大以降、消費者の購買行動が大きく変わり、日常的な食品のネット購入が一般化しています。
ネット販売を始めることで、これまで出会えなかった遠方の消費者にも商品を届けることができ、事業の成長につながる可能性が広がります。
ネット販売の参入時には、法的手続きやECサイト、配送方法などを事前に整備し、適切に運用することが不可欠です。顧客に安心して利用してもらえる信頼性の高いネットショップを構築するために、事前に必要な情報を十分に把握しておきましょう。
ネット販売を始めるメリット
食品をネットで販売するメリットは大きく2つあります。
まず、地理的な制約がなくなることです。ネットショップであれば、店舗を持つ場所に縛られることなく全国の消費者にアプローチでき、認知度を高められます。
次に、事業の拡大が比較的容易である点も魅力です。新しい店舗を構えることなく在庫や出荷システムを強化するだけで、取り扱い商品を増やしたり、販売エリアを拡大したりすることが可能です。
これらのメリットにより、売上の向上やブランド力の向上が期待できます。
食品をネット販売するために必要な許可と届出
食品を販売する場合、対面・オンライン問わずいくつかの法的な許可や届出が必要です。
1. 食品衛生法に基づく営業許可
営業許可の必要性と取得方法
食品衛生法では、食品の製造や販売を行う場合、各都道府県や市区町村の保健所で営業許可を取得することが義務付けられています。これは、消費者に安心して商品を提供するために、衛生面での一定基準を満たす必要があるためです。
営業許可を取得するためには、食品の取り扱い方針や施設の衛生環境を確認する審査を受けることになります。
管轄する保健所への申請手順や費用
営業許可の取得は、店舗や製造施設が所在する地域の保健所に申請します。手続きはおおむね以下のような流れで進みます。
1. 事前相談:保健所に事前相談を行い、必要な手続きや書類を確認
2. 申請書の提出:営業許可申請書、施設の図面、必要な書類を提出
3. 施設検査:保健所の担当者が現地を検査し、衛生基準を満たしているか確認
4. 許可証の交付:検査合格後、営業許可証の交付を受ける
申請にかかる費用は自治体によって異なりますが、通常1万円から2万円程度が必要です。また、許可の種類によっては定期的な更新手続きが必要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
また別途費用はかかりますが、行政書士事務所など代行業者に依頼することも可能です。
食品衛生法の詳細は以下ページの参照および管轄の保健所等にご確認ください。
営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報|厚生労働省
2. 食品表示法による表示義務
食品表示法では、消費者が商品を安全に購入・摂取できるようにするために、食品の成分や産地などの表示を義務付けています。ネット販売においても同様で、購入者がオンライン上で確認できるようにすることが重要です。
表示内容(原材料、産地、アレルギー表示など)
具体的には、以下の内容を記載する必要があります。
・原材料名:使用しているすべての原材料を記載
・内容量:購入者が適切な分量を確認できるよう内容量を明示
・産地:特に生鮮食品の場合、原産地を正確に記載
・アレルギー表示:特定原材料を含む場合はアレルギー表示が必須
・賞味期限または消費期限:保存期間を記載し、品質の保持期限を明示
消費者への安心を担保するための表示項目
適切な表示を行うことで、消費者が安心して購入できるようになり、信頼性も高まります。ネット販売は対面での説明が難しいため、消費者が購入前に必要な情報を確実に確認できるよう、表示項目を充実させましょう。
食品表示法の詳細は以下ページをご参照ください。
食品表示法等(法令及び一元化情報) | 消費者庁
3. 特定商取引法に基づく表記
特定商取引法では、消費者が安心して取引できる環境を整えるため、ネットショップ上にいくつかの情報を表記する義務を定めています。
ネット販売で求められる表記内容
必須とされる表記内容は以下のとおりです。
・事業者の情報:事業者名(責任者名含む)、住所、電話番号を明記
・販売価格とその他費用:商品の価格に加え、送料や手数料などの詳細を記載
・返品・キャンセルポリシー:返品・交換やキャンセルの対応条件を明記
法令順守の重要性
特定商取引法の遵守は、信頼あるショップ運営の基本です。法令を遵守しない場合、消費者とのトラブルや行政からの指導を受ける可能性があり、ブランドイメージや信頼にも悪影響を及ぼします。
特定商取引法の詳細は以下ページをご参照ください。
通信販売の特定商取引法ガイド|消費者庁
サイト構築と運用体制
ネットで食品を販売するためには、ECサイトを構築して商品を掲載するだけでなく、消費者に安心して購入してもらうためのさまざまな準備が必要です。
ここからは、食品ならではの準備が必要なECサイト構築と配送・衛生管理などの運用体制について具体的に紹介します。
1. 食品に特化したネットショップの構築
食品ネット販売システムの方向性
■ 構築システムの初期投資はとにかく低予算で抑えたい場合
システム初期投資を抑えた食品ネットショップの構築方法は主に以下の通りです。
・楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピング等のモール出店
・BASE等の初期費用や月額費用が低価格帯のカートシステム利用
このような方法の場合、プラットフォーム上でサイトを制作し、商品を登録、クレジットカード等のオンライン決済申込をすれば食品ネットショップのオープンが可能です。初期費用が抑えられる一方、販売時に発生する手数料や、クレジットカード等のオンライン決済に関わる手数料が割高になる傾向があるため、注意が必要です。
また、広く汎用的に用意された機能を、食品の販売で利用していくためには、運用をシステムに寄せていく部分が発生する場合があります。
ECモールへの出店の場合、高い知名度と集客力を活用することができますが、既に成熟したマーケットの中で、これから新規出店となると、後発組としてのマーケティング戦略をしっかり練っていく必要があるため注意が必要です。
■ 予算を抑えつつ自社にマッチしたシステムを導入したい場合
昨今のEC市場の成長とともに、クラウド型(ASP)のシステムの需要も拡大しています。クラウド型(ASP)のシステムの場合、独自ドメインでショップを運営できるだけでなく、ネットショップの構築や運営のための機能が揃っているため、自社にマッチしたシステムを選定することで、円滑なネットショップ運営を実現することができます。
その中でも、食品ネット販売のための専用機能が備わったシステムや、カスタマイズが可能なシステムを選定すると、外部システムとの連携を含め、自社の要望を実現しやすかったりします。
またクラウド型(ASP)のシステムの場合、初期費用や月額費用が数万円程度で、必要な機能をオプションで追加していく料金体系です。つまり費用投資を抑えつつ、事業者側で要不要を判断し、利用料金を決めていくことができます。
導入事例や成功事例も数多く公開されており、システム選定の決め手となる場合もあります。
■ 自社の要望に沿った専用のシステムを構築したい場合
食品のネットショップを構築するにあたり、実店舗やアプリ、カタログ通販など、複数の販売チャネル(オムニチャネル型)とのネットワーク整備が必要な場合や、独自サービスを展開したい場合、あるいは規模が大きな事業者の場合、以下の方法で検討を進めることも多いです。
・ゼロから構築するフルスクラッチ開発
・EC-CUBEなどのオープンソース利用
・ECパッケージ利用
上記のような方法の場合、初期費用が数百万円以上発生する場合が多く、オープン後のメンテナンス体制も整える必要があります。構築期間も半年〜1年以上を見積もっておきましょう。
ただし、実店舗連携や、外部システムとの連携については、クラウド型(ASP)システムの機能にて対応できる場合もありますので、これらの方法に固執せず、最新のトレンドをみながら複数の方法を検討していきましょう。
クラウド型(ASP)システム、オープンソース、ECパッケージの各概要や、これらの構築方法のメリット、デメリットの詳細は、以下記事にて解説しておりますので、よろしければ併せてご参考ください。
【2025最新】ECカートシステム22選を徹底比較【一覧表付】
食品をネットで販売するために必要な機能
食品のネット販売は、一般的なECサイトと比較して、どのような専用機能が必要になってくるのかを解説していきます。
クラウド型(ASP)システムで検討を進める場合は、このような機能が備わっているかを動作確認しましょう。
またスクラッチ開発等で検討を進める場合は、必要な機能要件を検討する際の参考情報としてご活用ください。
■ 食品の温度帯別配送
・常温食品のみを取り扱う場合
食品をネットで販売しても、常温便で発送できる商品のみの取り扱いであれば、食品ネット販売専用の機能は不要です。一般的なECプラットフォームで運用可能です。
・生鮮食品/冷蔵食品/冷凍食品のみを取り扱う場合
サイト上で受注した食品を冷蔵便や冷凍便で発送する際には、通常の配送料に加えてオプション料金加算が必要になります。一般的なECプラットフォームにおいても、冷蔵便や冷凍便のオプション料金が設定できるカートシステムであれば運用が可能ですので、問題なく運用できそうか、まずは動作確認をしてみましょう。
・常温食品と生鮮食品/冷蔵食品/冷凍食品を混合させる場合や、夏季冷蔵食品※を取り扱う場合
(※夏季冷蔵食品:傷みやすく夏季のみ冷蔵便で配送する食品)
このような場合は、サイト上で注文を受け付ける際に、配送便が常温便か冷蔵便か冷凍便かを区別させるため、商品登録の際に、温度管理の区分を商品ごとに適切に登録する必要があります。
また少し込み入った話にはなりますが、複数の温度帯商品を同時に購入されるケースを考慮していくと、システム上必要な機能は複雑化していきます。
異なる温度帯の商品は同梱可能とするか、別々で送る方が良いのかについて、本来理想としている注文や発送の形式ではなく、 システム上の制約を優先とした形式になってしまいやすいポイントです。
例えば、 フルーツショップ・青果店のECサイトでりんごと冷凍のブルーベリーを扱っているとします。
通常加工前のりんごは夏の期間を除いて常温で送られるケースが多いと思いますが、冷凍のブルーベリーを同じお客様が注文された場合に、 品質を維持してお客様のご自宅で保管してもらうためにも、りんごを冷凍タイプのクール便にまとめて入れてしまう訳にはいきません。
この場合、もしECサイト上で一緒に購入された場合は、 それぞれ別の梱包を行い、発送伝票を準備し、
りんごの分の常温の通常送料 + 冷凍ブルーベリーのクール便の送料 = 合計送料
として送料を計算したいはずです。
では、同じフルーツショップでフルーツケーキの商品も展開しており、 冷凍のいちごのケーキと、別売りで誕生日用の数字の形をしたろうそくを販売していて、同時に購入があったとします。
ろうそくは冷凍ケーキと一緒に入れてしまっても品質上問題ない商品なので、 この場合は冷凍のクール便として一つのパッケージとして発送する方が購入者にとっての金額負担が少ないだけでなく、ショップにとっても梱包業務が楽になります。
そのため送料は単純に、
冷凍ケーキのクール便の送料 = 合計送料
としたいでしょう。
このように、商品同士の組み合わせによっては、 同梱にしてできるだけ送料を少なくしたいこともあれば、商品の特性によって別梱とせざるおえないこともあります。
一緒に送れるものもあれば、送れないものもある・・・
一つの注文に対して温度帯ごとに厳密に発送小口を管理できるようにすると、一回の注文時の送料がどうしても高く見えてしまい、ECサイトでの注文を敬遠されてしまう可能性も出てきます。 すると今度は「できる限り同梱できるものは同梱したい」という、新しい要件も発生してきます。
aishipをご利用のEC事業者様にも同様のお悩みがあり、
・特定の冷蔵商品と冷凍商品を同時に購入した場合は、冷凍便に同梱したい
・冷蔵商品のみで購入した場合は同じ商品でも冷蔵で送りたい
という、「冷蔵」の商品が「冷凍」に入ったり、入らなかったり色んな条件を作りたいという要望がありました。
aishipではこの要望にお応えするために、商品に対して温度帯を設定できることに加えて、異なる温度帯の商品が複数含まれる場合に、 「冷蔵便に同梱するか」「冷凍便に同梱するか」を個別に商品毎に設定することができるようにアップデートを行いました。
結果に必要な機能性として、
・商品毎に、「常温」「冷蔵」「冷凍」の温度帯の設定ができる
・「冷蔵」「冷凍」のクール便の注文の場合にオプション料金を加算する
・同時に異なる温度帯の商品がカートに入った場合、システム内部で温度帯毎にグルーピングする
・グループ毎に適切な送料計算を行い、合計送料を表示する
・温度帯のグループ毎に送料無料の条件基準を設けることができる
・常温商品と異なる温度帯の商品がカートに入った際に、同梱するか否かを商品ごとに設定できる
・冷蔵商品と冷凍商品が同時にカートに入った際に、冷凍のグループに同梱するか否かを商品ごとに設定できる
などの機能性が必要なってくることがわかりました。
温度帯を管理するといっても、かなり奥行きがあるので、 代表的な商品の組み合わせごとの自社の理想的な発送パターンをシステム都合で諦めていないか、今一度ご確認されることをお勧めします。
食品通販で三温度帯(常温・冷蔵・冷凍)の送料・同梱・別梱を上手く制御して販売するには?
三温度帯設定機能で常温便とクール便(冷蔵・冷凍)の同梱・別梱設定が可能|aiship
■ 消費期限(賞味期限)を加味した配送設定
・消費期限が長い食品の場合
一般的なECプラットフォームで運用可能です。
食品在庫を倉庫に保管して運用する場合、賞味期限が近いものから順番に出荷し、保管する期間をできるだけ短期間に抑えて、商品が劣化しないようにする、先入れ先出しの管理体制が整っていれば、特別な配送設定は不要な場合が多いです。
・消費期限が短い食品の場合
消費期限が短い食品の場合は、システム上で発送に必要な期間の算出が重要になります。ネット注文時に指定する配送先住所に応じて、配送希望日時を正確に算出することで、注文者は確実に受け取れる日時を指定でき、再配達時に賞味期限切れが発生する事態を防ぐことが可能です。
正確な配送日時を算出するためには、「ヤマト運輸サービスレベル」の導入や商品ごとのリードタイム設定にて実現します。
特に商品詳細ページで「配送可能日時」が事前にわかるようにしておくことをおすすめします。
ユーザーは「いつ届くのか?」という疑問や不安を持っていることが多いので、
贈り物や、イベントごとに向けて購入を検討しているユーザーは特に、間に合うことが早い段階でわかっているとカートインしてくれる可能性が上がります。
ほとんどのモールECでは採用されていますが、意外と自社ECでは見落とされてるポイントなので、しっかりと取り入れておきましょう。
<イメージ>

※弊社の提供するクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」では、
商品詳細ページで最短のお届け可能日を都道府県ごとに出し分けて表示する「
最短お届け日表示機能
」を標準機能として提供しています。
■ 在庫管理
・在庫を豊富に抱えている場合
多くの場合一般的なECプラットフォームで運用可能です。
在庫量を豊富に抱えており、賞味期限の長い食品を取り扱っている場合は、先入れ先出しの管理体制が整っていれば、特別な在庫管理は不要です。ただし商品ごとの在庫数設定や、在庫切れの際にどのように表示されるかは、動作確認をしておきましょう。
・1日ごとに出荷できる量が限られている場合
1日単位で在庫数を設定できる、出荷日別での在庫管理が有効です。このような機能が備わっていると、生産現場にあわせて日ごとの在庫調整や、日ごとの入荷量に応じて過不足なく在庫を捌くことができます。
さらに「ヤマト運輸サービスレベル」や「リードタイム機能」と組み合わせることで、消費期限が2〜3日で、しかも在庫数が限られた食品でもネット販売が可能になります。
食品ネット販売に特化した機能についての詳細は以下の記事をご確認ください。
食品ECサイトの構築に必要な専用機能とショッピングカートシステム比較
■ 店舗受け取り
食品のネット販売は、飲食店も含めて街中に実店舗を運営しているケースも十分にあります。ネットショップを構築する際には、実店舗の運用も含めて、一元管理できる仕組みを取り入れていきましょう。
・ネットショップのみ(宅配のみで店舗受け取りは実施していない)
一般的なECプラットフォームで運用可能です。宅配便の送料を設定して運用しましょう。
・ネットショップと実店舗を限定的に運用
食品をネットショップで販売しつつ、実店舗は1店舗等の限定した運用であれば、一般的な配送設定機能で運用可能な場合があります。
宅配便の送料とは別に、任意の方法を設定できるシステムであれば、その方法を「店舗受け取り」として設定します。
・ネットショップと複数の実店舗を展開
店舗受け取り専用の機能が必要です。
ネットショップと複数の実店舗を展開する場合に店舗受取の対応をする際は、フルスクラッチ等の莫大な費用をかけた独自開発を除いては、店舗受取機能を搭載したECカートシステムを利用してサイト構築をするのが一般的です。
弊社の提供するクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」では「店舗受取機能」を標準搭載しているため追加開発費用は不要で安価に店舗受取サービスを導入することができます。
「店舗受取機能」では複数店舗の登録・表示や店舗ごとの休業日設定、商品ごとに取り扱い店舗の設定をすることも可能です。
またECカートシステムの特性を生かし、クレジットカードやスマホ決済等による事前決済にも対応しています。
aishipの「店舗受取機能」の詳細は以下ページをご確認ください。
店舗受取サービスはクラウド型ECカートシステムにて実現|aiship
店舗受取サービスやBOPISのメリットや導入方法は以下記事にて解説していますので、よろしければ併せてご参考ください。
来店型の予約販売はECカートシステムの【店舗受取機能】で実現
BOPIS(ボピス)とは?特徴・導入方法・事例を解説
【実店舗×ネット予約】店舗受取サービスの導入方法とは?
【事例7選】ECサイトへの店舗受取サービスの導入方法【クリスマス・バレンタイン】
また昨今、オフラインとオンラインの融合させ、顧客とのタッチポイントを広げていくOMO戦略に注目が集まっています。 関連する内容にオムニチャネル戦略、O2O戦略などがありますが、これらを実現するためには店舗・EC間でのデータ連携を行うためのシステムの拡張性が必要になります。
データ連携やOMO施策については以下記事で詳しく解説していますので、併せてご参考ください。
ECサイトと実店舗の連携でおすすめの方法は?会員情報/ポイントデータの一元管理方法と導入事例
OMOとは?具体的施策4選と成功事例|O2O、オムニチャネルとの違いも解説
■ eギフト(ソーシャルギフト)
eギフトは、SNSを使って手軽に贈れるため、食品ネット販売においても導入が進んでいます。
特に受取者が自分の好きな商品を選んで受け取れるようにすることをおすすめします。
ギフトを贈る際の「様々な事情を考慮したりパーソナルな情報を知っておかないと相手に喜んでもらうことができるかわからない」という懸念を払拭し気軽に贈りやすくなります。
<イメージ>

※弊社の提供するクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」では、
eギフト(ソーシャルギフト)を受け取る人が商品を選択できる「
選べるギフト機能
」を標準搭載しています。
eギフトの導入方法について詳細は以下記事にて解説しておりますので宜しければご確認ください。
自社ECサイトのソーシャルギフト導入方法と事例まとめ
商品写真の準備
ネットショップでは、商品の写真は売上に大きな影響を与える重要な要素です。特に食品は消費者が視覚的な情報から品質や味わいを想像することが多く、写真の印象が購入意欲に直結しやすいといえます。
そのため以下のようなポイントを意識して鮮やかで食欲をそそるビジュアルの写真を複数用意しましょう。
・背景や小物の工夫
・美味しそうに見せる盛り付けで実際の食事シーンを表現
・正面、側面、上に加えて断面、アップショット等、複数のカット割
・商品が届いた時のイメージ写真を用意
(特にギフト商品の場合は必須、ギフト以外の場合も推奨)
・サイズ感が伝わりづらい商品の場合は、モデル(人)や既知のサイズの物を一緒に写真に含める
決済方法の選択肢
ネット販売では、購入者がスムーズに決済できるよう、複数の決済方法を提供することが望ましいです。クレジットカードや銀行振込だけでなく、コンビニ決済や後払い、PayPay、AmazonPayなど、利用者の利便性を高める選択肢を用意しましょう。
2. 適切な保管・配送体制の整備
食品の種類によって、保管や配送の方法は異なります。商品の特徴に合わせて体制を整えることは、品質を保ち、顧客の信頼を得るために重要です。
生鮮食品や冷凍食品は特に品質管理が求められ、温度管理や鮮度保持が必要です。生鮮食品は常温で配送すると品質が劣化しやすいため、冷蔵・冷凍設備が整った保管・配送体制を構築する必要があります。
これに対して、保存がきく加工食品や乾物は、常温での保管・配送が可能ですが、湿気対策などに注意が必要です。
保冷・冷凍配送の重要性と信頼できる配送業者の選定
生鮮食品や冷凍食品の場合、温度管理が徹底されていないと商品の品質が損なわれるため、冷蔵・冷凍配送が必須です。
冷蔵・冷凍配送に対応している信頼できる業者を選定し、配送中も品質が保たれる体制を整えましょう。契約前に業者の実績や対応力を確認し、消費者に商品が届くまでの管理が行き届いているかを確かめることが大切です。
配送方法や配送会社の選定ポイントについては以下記事で詳しく解説していますので、よろしければ併せてご参考ください。
配送方法や大手配送会社の比較、業務効率化のポイントを解説
3. 衛生管理体制の整備
食品を取り扱う事業者として、衛生管理は欠かせないポイントです。適切な衛生管理体制を整え、消費者に安全な商品を提供することで、安心して利用してもらえる店舗を目指しましょう。
HACCP対応や社内衛生管理マニュアルの整備
HACCP(危害要因分析と重要管理点)は、食品の製造や加工における衛生管理の手法です。食中毒や異物混入の防止を目的としており、特に消費者の安全を重視する食品業界では必須とされています。社内の衛生管理マニュアルを整備し、各工程での衛生管理基準を明確にして、適切な運用ができる体制を構築しましょう。
HACCPの詳細は以下ページをご参照ください。
HACCP(ハサップ)|厚生労働省
従業員教育と管理体制の維持
衛生管理体制を実施するには、従業員一人ひとりが衛生管理の重要性を理解することが不可欠です。定期的な教育や研修を行い、管理体制が形骸化しないように維持することが大切です。従業員が正しい衛生管理を実践できるよう、トレーニングの定期実施とマニュアルの周知徹底を図りましょう。
ネット販売で注意すべき法律やリスク
食品のネット販売には、法律の遵守とリスク管理が重要です。特に景品表示法や食品ロスの管理に注意する必要があります。
1. 景品表示法
景品表示法は、消費者に誤解を与えるような広告や宣伝を禁止しています。商品の品質や効能に関して事実と異なる内容や過度に優れた印象を与える表現は、消費者トラブルの原因になり得ます。信頼性を維持するためにも、商品説明は誇張せず、正確な情報を伝えるよう心がけましょう。
例えば、栄養成分に関する説明や、効果・効能に関する記述は法的基準に沿って行う必要があります。
景品表示法の詳細は以下をご参照ください。
景品表示法|消費者庁
2. 食品ロス・返品への対応
食品ECでは、食品ロスや返品対応が重要な課題です。適切に在庫管理を行い、消費者の期待に応える運営を心がけましょう。
食品ロス削減や在庫管理のポイント
賞味期限のある食品は、在庫を持ちすぎると廃棄リスクが高まるため、販売計画と連動した在庫管理が求められます。売れ行き予測に基づいて仕入れをコントロールするほか、早期に販売するためのセールやキャンペーンの活用も効果的です。
また、在庫が多い商品は、消費期限が近づく前に値下げするなどの対策を講じることで、食品ロスを防止できます。
消費期限・賞味期限に関する返品方針
食品の返品には、消費期限や賞味期限に関する明確なポリシーを設けることが重要です。
例えば、配送ミスや破損があった場合には返品対応を行いますが、購入者の都合による返品は食品の衛生面からお断りするケースが多いです。返品ポリシーを明確に示すことで、トラブルを未然に防ぎ、顧客の信頼を確保することが可能です。
食品ネット販売の事例
ここからは食品のネット販売をしているサイト事例を紹介します。
自社のネットショップ立ち上げを検討する際のモデルケースとして参考になれば幸いです。
許可・届出のチェックリスト
食品のネット販売に必要な許可や届出は、法律や自治体の基準に従い、漏れがないように手続きを行うことが重要です。必要な手続きや届出をチェックリストとしてまとめましたのでご活用ください。
食品衛生法に基づく営業許可
☑︎ 保健所での事前相談を行う
☑︎ 必要な申請書類の提出
☑︎ 営業許可証の取得
食品表示法の遵守
☑︎ 原材料や産地、アレルギー表示、消費期限・賞味期限を適切に記載
☑︎ 消費者に正確な情報を提供するための表示確認
特定商取引法に基づく表記
☑︎ 事業者情報、販売価格、返品・キャンセルポリシーなどの整備
☑︎ 法令に準じた表記内容の確認
景品表示法の遵守
☑︎ 誇大広告や不当表示を行わないための広告内容チェック
☑︎ 法令に基づいた適切な宣伝文言の整備
このチェックリストを活用し、法令に基づいた正確な許可・届出を行うことで、安心してネット販売を行うための土台が整います。
まとめ
食品のネット販売を成功させるためには、法令の遵守と、消費者が安心して購入できる環境を整えることが重要です。
ネットショップの構築や運営にあたり、法令順守はもちろん、商材の特徴を加味した機能を準備して消費者に寄り添ったサービスを目指しましょう。
また食品ネットショップの構築をご検討の際は、今回紹介した機能を全て標準機能として搭載した
食品EC専用クラウド型ECサイト構築ASP「aiship for food」
を選択肢の1つとしてご検討いただけますと幸いです。