本記事では以下のお悩みやご要望をお持ちのEC事業者様に対し、解決方法をご提案いたします。
・ネットショップで食品を販売するにあたり、自社に必要な機能を見極め、最適なシステムを選びたい。
・コロナ禍で、消費者のニーズの変化に対応するため、スピード重視で食品ネットショップを立ち上げたが、売上が軌道に乗ってきたため本格的な通販システムを導入したい。
・アフターコロナに備え、ネットでも実店舗でも食品を販売するシステムを整備したい。
インターネットにおける食品の販売は、一般的な物販を販売と比較して、高機能なカートシステムが必要だという印象をお持ちの事業者様も多いのではないでしょうか。もちろん、商材や販売方法によっては必要不可欠な機能があり、本記事にて解説していきますが、高機能になればなるほど、システムに関連する費用も高額になっていきます。
そこで本記事では、食品のネット通販で売上を伸ばし、効率の良い運営をしていくために、食品通販システムの構築方法や、どのような機能がどこまで必要か、一般的なカートシステムと食品専用のカートシステムを比較しながら解説していきます。
食品ネット販売システムの方向性
食品通販システムの初期投資はとにかく低予算で抑えたい
システム初期投資を抑えた食品ネットショップの構築方法は主に以下の通りです。
・BASE等の初期費用や月額費用無料プランが用意されたASP/クラウド型システム
このような方法の場合、プラットフォーム上でサイトを制作し、商品を登録、クレジットカード等のオンライン決済申込をすれば食品ネットショップのオープンが可能です。初期費用が抑えられる一方、販売時に発生する手数料や、クレジットカード等のオンライン決済に関わる手数料が割高になる傾向があるため、注意が必要です。また、広く汎用的に用意された機能を、食品通販として利用していくためには、運用をシステムに寄せていく部分が発生する場合があります。
ECモールへの出店の場合、高い知名度と集客力を活用することができますが、独自ドメインが設定できない点に注意が必要です。既に成熟したマーケットの中で、これから新規出店となると、後発組としてのマーケティング戦略をしっかり練っていく必要がある点にも注意が必要です。
予算を抑えつつ自社にマッチしたシステムを導入したい
昨今の通販市場の成長とともに、ASP/クラウド型のシステムも拡大しております。ASP/クラウド型のシステムの場合、独自ドメインでショップを運営できるだけでなく、ネット通販の構築や運営のための機能が揃っているため、自社にマッチしたシステムを選定することで、円滑な通販運営を実現しやすく、おすすめです。その中でも、食品通販のための専用機能が備わったシステムや、カスタマイズが可能なシステムを選定すると、外部システムとの連携を含め、自社の要望を実現しやすかったりします。
・aishipのような食品ECに強いASP/クラウド型システム
ASP/クラウド型のシステムの場合、初期費用や月額費用が数万円~で、必要な機能をオプションで追加していく料金体系です。つまり過剰な費用投資は不要で、事業者側で必要/不要を判断し、利用料金を決めていくことができます。導入事例や成功事例も数多く公開されており、システム選定の決め手となる場合もあります。
自社の要望に沿った専用のシステムを構築したい
食品のネット通販サイトを構築するにあたり、実店舗やアプリ、カタログ通販など、複数の販売チャネル(オムニチャネル型)とのネットワーク整備が必要な場合や、独自サービスを展開したい場合、あるいは規模が大きな事業者の場合、以下の方法で検討を進めることが多くあります。このような方法の場合、初期費用が数百万~で、オープン後のメンテナンス体制も整える必要があります。構築期間も半年~1年以上を見積もっておきましょう。
・EC-CUBEなどのオープンソース利用
・ECパッケージ利用
ただし、実店舗連携や、外部システムとの連携については、ASP/クラウド型システムの機能にて運用できる場合もありますので、これらの方法に固執せず、最新のトレンドをみながら複数の方法を検討していきましょう。
ECモール、ASP/クラウド型システム、スクラッチ開発、オープンソース、ECパッケージの各用語の確認や、これらの構築方法のメリットやデメリット詳細は、こちらの記事にて解説しておりますので、宜しければご確認ください。
食品をネットで販売するために必要な機能
この章では、食品のネット販売は、一般的な物販のECサイトと比較して、どのような専用機能が必要になってくるのかを解説していきます。
ASP/クラウド型システムで検討を進める場合は、このような機能が備わっているかを動作確認し、スクラッチ開発等で検討を進める場合は、必要な機能を設計する際の参考にして頂ければ幸いです。
食品の温度管理
ネット販売したい食品商材が常温食品のみの場合
食品をネットで販売しても、常温便で発送できる商品のみの取り扱いであれば、食品ネット販売専用の機能は不要です。一般的な物販通販のためのプラットフォームで運用可能です。
生鮮食品/冷蔵食品/冷凍食品のみを取り扱う場合
ネット上で受注した食品をクール便で発送する際には、通常の配送料に加えてクール便のオプション料金加算が必要になります。一般的な物販通販のためのプラットフォームにおいても、クール便のオプション料金が設定できるカートシステムであれば運用が可能ですので、問題なく運用できそうか、まずは動作確認をしてみましょう。
常温食品と生鮮食品/冷蔵食品/冷凍食品との組み合わせ販売や、夏季冷蔵食品を取り扱う場合
このような場合は、ネット通販上で注文を受け付ける際に、配送便が常温便かクール便かを区別させるために、商品登録の際に、温度管理の区分を、商品ごとに適切に登録する必要があります。三温度帯設定機能が必須となりますので、詳しくご確認したい場合は、こちらの記事へお進みください。
なお、夏季冷蔵食品とは、食品が傷みやすい夏季のみ冷蔵便で配送する方法です。
消費期限(賞味期限)
消費期限が長い食品の場合
一般的な物販用の通販プラットフォームで運用可能です。
食品在庫を倉庫に保管して運用する場合、賞味期限が近いものから順番に出荷し、保管する期間をできるだけ短期間に抑えて、商品が劣化しないようにする、先入れ先出しの管理体制が整っていれば、専用機能は不要です。
消費期限が短い食品の場合
消費期限が短い食品の場合は、通販プラットフォームにおいて発送に必要な期間の算出が重要になります。ネット注文時に指定する配送先住所に応じて、配送希望日時を正確に算出することで、注文者は確実に受け取れる日時を指定でき、再配達時に賞味期限切れが発生する事態を防ぐことが可能です。
正確な配送日時を算出するためには、「ヤマト運輸サービスレベル」を導入した通販プラットフォームや、「リードタイム機能」が備わったプラットフォームにて実現します。詳細はこちらの記事にて解説しております。
在庫量
在庫を豊富に抱えている場合
一般的な物販用の通販プラットフォームで運用可能です。
在庫量を豊富に抱えており、賞味期限の長い食品を取り扱っている場合は、先入れ先出しの管理体制が整っていれば、専用機能は不要です。商品ごとの在庫数設定や、在庫切れの際にどのように表示されるかは、動作確認をしておきましょう。
1日ごとに出荷できる量が限られている場合
1日単位で在庫数を設定できる「出荷日別在庫管理機能」が有効です。このような機能が備わっていると、生産現場にあわせて日ごとの在庫調整や、日ごとの入荷量に応じて過不足なく在庫を捌くことができます。
さらには「ヤマト運輸サービスレベル」や「リードタイム機能」と組み合わせることで、消費期限が2~3日で、しかも在庫数が限られた食品でもネット販売が可能になります。詳細はこちらの記事にて解説しております。
店舗受け取り
食品のネット販売は、飲食店も含めて街中に実店舗を運営しているケースも十分にあります。ネット通販を構築する際には、実店舗の運用も含めて、一元管理できる仕組みを取り入れていきましょう。
ネット通販のみ(宅配のみで店舗受け取りは実施していない)
一般的な物販用の通販プラットフォームで運用可能です。宅配便の送料を設定して運用しましょう。
ネット通販と実店舗を限定的に運用
食品をネット通販で販売しつつ、実店舗は1店舗等の限定した運用であれば、一般的な物販通販と同等の機能で運用可能な場合があります。
宅配便の送料とは別に、任意の方法を設定できるシステムであれば、その方法を「店舗受け取り」として設定します。
ネット通販と複数の実店舗を展開
店舗受け取り機能が必要です。詳細はこちらの記事にて解説しておりますので宜しければご確認ください。
また、ネット通販と実店舗と連携にするにあたり、会員データやポイント連携も必要な場合は、こちらの記事にて一元管理方法や導入事例を解説しております。
ソーシャルギフト
ソーシャルギフトという贈り方をご存知でしょうか。ブランディングや客単価のアップ、営業利益確保などを目的に、食品通販業界においてもギフト化が進んでいます。ソーシャルギフトという贈り方は、SNSを使って手軽に贈れるため、食品通販においても導入が進んでおります。詳細はこちらの記事にて解説しておりますので宜しければご確認ください。
食品ネットショップ事例
以上、食品通販に必要な機能と、各項目ごとにその機能の必要性を解説してきましたが、本章では、食品ネットショップ事例をご紹介します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ネットショップで食品を販売するにあたり、自社に必要な機能を見極め、最適なシステム選定のお役に立てたならば幸いです。
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