クリスマス・お歳暮のシーズンが近付いて参りました。最近ではコロナ渦の影響もあってか、これまでは対面販売を主としてきた大手百貨店においても、ギフト通販に注力を入れているように見受けられます。ギフト通販の場合、注文者とは異なる送付先情報の入力であったり、熨斗・ラッピング包装の選択など、ギフト通販向けに専用のUI設計が必要となります。
今回は、ギフト通販を扱うECにおいて必要とされる専用機能のうち、依頼主設定機能について触れていきたいと思います。
- 依頼主設定機能とは?
- まとめ
目次
依頼主設定機能とは?
ギフト配送時、相手に送り主が分かるようになっておりますでしょうか。
例えば、企業の担当者が依頼主名を代表者の名義で送る場合や、家族が依頼主名を世帯主の名義で送る場合に、カート内で入力項目を用意しておりますでしょうか。
依頼主とは、ヤマト運輸様の荷物の送り状伝票をお借りして説明すると、青枠の部分を指します。
この依頼主の内容を、注文者自身がカート内で設定できるのが、依頼主設定機能です。
この入力ができることで、冒頭であげたような例のように注文者が依頼主名を別名義で送ることができます。
ECでの商品購入は、その多くは注文者宛(自宅宛)へ配送になるかと思いますが、この場合、荷物の送り状伝票内「ご依頼主」の欄に入力される内容は、発送元であるEC事業者の情報が該当します。
一方、ギフト配送の場合、注文者と送付先が異なる情報になりますが、荷物の送り状伝票内「ご依頼主」の欄に、EC事業者の情報が印字されると、ギフトを受け取った人は、誰から送られて来た荷物なのかが判断に苦しみます。最悪の場合、不審な荷物と思い、商品を受け取り拒否されるケースも考えられます。
つまり、ギフト通販を運用しているECサイトの場合、カート内で依頼主を入力できる状態にしておくことはマスト事項かと思います。
それでは実際に、依頼主の設定画面がどのようにカート内に設計されているのか、3つのサイトを例にあげて確認していきましょう。
らくうるカートの場合
こちらは、ヤマト運輸様が開発提供している「らくうるカート」を使用中のサイトにて、ギフト商品を選んで進んだカート画面です。ご依頼主の入力ができるよう項目が用意されていますが、お名前の入力項目のみで、住所の入力ができない模様です。
ご依頼主の名前のみを入力し注文した場合、荷物の送り状伝票の依頼主の住所はどのように印字されるのかが気になりました。
aishipの場合
こちらは、ギフトECに特化した“新世代型ASP”のaishipで構築したサイトです。通常の注文と同じ手順でカートを進めて行くと「ご依頼主情報」の項目があり、注文者とは異なる依頼主情報を入力したい場合に専用の入力画面へ進みます。入力した内容は、注文データとして、そのまま送り状発行システムに取り込むことで発行される荷物の送り状伝票内の「ご依頼主」の欄に自動反映されるので、人的コストがかかりません。
三越伊勢丹法人オンラインギフト様の場合
こちらのサイトはおそらく、自社でシステムを構築されているかと思います。依頼主情報を設定されることは当然のことながら、熨斗や懸け紙、様々な入力方式に対応した名入れや包装紙に至るまで、各所にこだわった入力項目、そして専用の画像表示を実現しており、完全にオリジナルなシステムで運用されております。ギフト注文にしっかりと対応できるUI設計のもと開発されていることが伺えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ギフト通販に精通している人から見ると当然の機能と言われればそれまでですが、依頼主情報の入力がカート内で対応できていなければ、その後の受注対応にて、個別に依頼主情報を確認するなどの対応コストが発生することが簡単に予想できます。
今後、ギフト通販を展開していこうと検討されている場合は「注文者情報」「送付先情報」に加えて「依頼主情報」の入力が可能なシステムかどうか、そしてその入力操作がスムーズにできるかどうか、是非確認しておきましょう。