ケーキをネットで販売する方法とは?
ECサイト構築のポイント解説
2025年5月9日2025年5月9日
ケーキは、誕生日や記念日、季節のギフトなど、特別なシーンに選ばれる人気の高い商品です。近年ではコロナ禍を契機に、店舗販売だけでなく「ネット販売(EC)」に力を入れるスイーツ店が増えており、遠方のお客様や新規層への販路拡大を実現しています。
しかし、冷蔵・冷凍配送への対応、ギフト対応、実店舗との連携など、スイーツ特有の課題も多く、「どうやって始めればいいのか分からない」「どんなサイトを作れば売れるのか不安」という声もよく聞かれます。
そこで本記事では、ケーキのネット販売を検討している事業者の方に向けて、ECサイトの構築方法や機能の選び方、成功事例などをわかりやすく解説します。
これからネット販売を始めたい方はもちろん、すでにECを運営していて改善を目指す方にも役立つ内容になっていますので、ぜひご参考いただければと思います。
ケーキのネット販売市場と始めるメリット
ケーキのネット販売が注目される理由
スイーツ市場はもともとギフト需要や季節イベントと相性が良く、オンライン販売と親和性の高い分野とされてきました。なかでもケーキは「誕生日」「記念日」「クリスマス」「母の日」など、特別な日の主役になる商品として需要が安定しています。
近年では、InstagramやX(旧Twitter)などSNSでの「映えるスイーツ投稿」文化も追い風となり、オンラインでケーキを購入し、写真を投稿することが日常化しています。
また、コロナ禍によって外食や外出が制限された時期には、誕生日やお祝いの代替手段として「おうちでケーキを楽しむ」文化が浸透。以降、消費者の中に「ケーキはネットでも買えるもの」という意識が定着し、EC化が一気に進みました。
実店舗販売との違いとネット販売のメリット
実店舗でのケーキ販売は、「商圏が限られる」「営業時間が決まっている」「対面での接客が必要」といった制約があります。しかしネット販売であれば、全国のお客様に24時間365日販売できるため、ビジネスの幅が一気に広がります。
また、ECサイトを通じた受注であれば、受注・決済・在庫管理・配送手配までをシステム化することが可能です。少人数で運営しているお店でも、うまく仕組みを構築すれば、効率よく売上を伸ばしていくことができます。
さらに、ケーキは消費者との感情的なつながりが生まれやすい商材でもあります。レビュー投稿やSNSシェアを通じてファンを育てることができ、リピート購入やクチコミによる集客にもつながりやすい点も、ネット販売の魅力です。
ケーキを販売するECサイトの構築方法
構築方法の選択肢としては大きく分けて以下の3つがあります。
・ASP型ECカートを利用する
・オープンソース型システムを利用する
・パッケージ型システムを利用する
当社でケーキを販売するECサイトを50サイト調査したところ、構築方法の割合として以下の傾向が伺えました。
※ケーキを販売するECサイト50サイトを分析した独自調査より
上記のグラフから比較的安価で簡単に始められるASP型ECカートを利用する事業者が多い傾向が読み取れます。
ここからは各構築方法について特徴を紹介していきます。
1. ASP型ECカートを利用する(BASE、Shopify、aiship など)
ASP型ECカートとは、ECサイトを手軽に開設できるサービスのことです。初期コストが低く、運用も簡単なため、個人運営や小〜中規模事業者、スモールスタートで展開したい事業者に適した選択肢です。
<メリット>
・初心者でも簡単に開設できる(プログラミング不要)
・低コストでスタート可能(無料プランや低額プランあり)
・決済や配送機能が標準搭載
・デザインテンプレートが豊富で見栄えの良いサイトが作れる
<デメリット>
・カスタマイズ性が低い(独自性の高い運用が難しい場合がある)
・ECカート利用の月額費用が発生(月額固定費や販売ごとの手数料が発生)
<主要なECプラットフォームの比較>
サービス | 特徴 | 月額固定費 |
---|---|---|
BASE | 初心者向け。無料で開設可能。手数料がやや高め。 | 無料~ (※別途手数料あり) |
Shopify | プラグインで拡張性が高い。グローバル展開にも対応。 | 4,850円〜 |
aiship | 高機能でデザイン自由度が高い。専門知識不要。食品ECに強い。 | 9,800円~ |
<こんな方におすすめ>
・手軽にケーキのネット販売を始めたい方
・運用コストを抑えながら販売を始めたい方
・技術的な専門知識やリソースが少ない方
2. オープンソース型システムを利用する(WordPress+WooCommerce、EC-CUBEなど)
オープンソース型システムを利用し、ECプラグインを活用する方法もあります。この方法は、ある程度専門知識は必要になりますが、一定の自由度を確保しながら、比較的低コストでECサイトを運営できる点が魅力です。
<メリット>
・デザインや機能のカスタマイズがしやすい
・ECサイトに加えて、ブログやブランドページも構築可能
<デメリット>
・構築・運用にある程度の知識が必要(サーバー管理やサイトの更新等)
・定期的なメンテナンスが必要(セキュリティ対策など)
<必要なものと費用感>
項目 | 費用目安 | 備考 |
---|---|---|
ドメイン | 1,000円~/年 | オリジナルのURL(独自ドメイン)を取得 |
レンタルサーバー | 500~2,000円/月 | エックスサーバーなど |
テーマ | 無料~数万円 | EC向けの有料テーマもある |
プラグイン | 無料~数万円 | 月額費用の発生するプラグインもある |
<こんな方におすすめ>
・専門知識やリソースがありデザインや機能を自由にカスタマイズしたい方
・ブログやブランドページと連携して運用したい方
オープンソース型システムの代表格「WordPress」を利用したECサイト構築については以下の記事で解説していますので、是非併せてご参考ください。
WordPressを使ったECサイト構築でおすすめの方法は?事例付で特徴を比較解説
3. パッケージ型システムを利用する(ecbeing など)
パッケージシステムを利用する方法では、完全オリジナルのECサイトを構築することができます。大規模なモールECの構築や、特別な機能を求める事業者向けの構築方法です。
<メリット>
・デザイン・機能の完全自由設計が可能
・販売戦略に合わせた独自のUI/UXを実装できる
<デメリット>
・初期開発コストが高い(数千万円程度)
・開発期間が長い(6ヶ月〜数年程度)
・運用・保守のために専門知識が必要
<開発に必要な主なコスト>
項目 | 費用目安 | 備考 |
---|---|---|
システム開発 | 500万円〜数千万円 | 規模や機能要件により大きく変動 |
デザイン制作 | 100万~500万円 | UI/UX設計含む |
保守・運用費 | 10万~100万円/月 | システム維持・セキュリティ管理 |
<こんな方におすすめ>
・独自性の高い機能を導入したい事業者
・大規模なECサイトや、ブランド力がすでにあり長期運営を前提に検討する事業者
ここまでの3つがECサイトを構築する方法になります。参考までにモールに出店する方法についても特徴を紹介しますので、必要に応じてご参考ください。
番外編. モールに出店する(Cake.jp、スイーツモール など)
複数のブランドが出品・販売できるECモール型サービスに出店する方法です。ECサイトを構築しないためブランディング等は難しいですが、既存のプラットフォーム内ですぐに販売を始められる手軽さが魅力です。
<メリット>
・会員基盤があり、集客力が高い(検索や特集で露出のチャンスあり)
・初期費用がかからず、出品するだけですぐ販売できる
・ユーザーにとっても購入ハードルが低い(使い慣れたUI)
<デメリット>
・ブランディングがしにくい(ショップの独自性が出しづらい)
・販売手数料が高めに設定されている場合も多い
・モールのルールに従う必要がある(価格設定やサイトデザインなど)
<主要なケーキ向けモールの比較>
サービス | 特徴 | 初期費用 | 販売手数料 |
---|---|---|---|
Cake.jp | ケーキ専用モール、サイトのUIが良い | 30,000円 | 30% |
スイーツモール | 出店費用が安価 | 無料 | 10% |
DELISH MALL | 固定費がかからない | 無料 | 要問合せ |
<こんな方におすすめ>
・販売初心者でまずは市場の反応を見たい方
・集客はプラットフォームに任せたい方
各構築方法の特徴まとめ
構築方法 | 固定費 | カスタマイズ性 | 運用負担 | おすすめ対象 |
---|---|---|---|---|
ASP型ECカート | 低 | 中 | 低 | 個人運営・小〜中規模事業者 |
オープンソース型システム | 中 | 中~高 | 中 | ブランドサイトを兼ねたEC運営 |
パッケージ型システム | 高 | 高 | 高 | モール構築・大規模サイト |
モールに出店 | 低 | 低 | 低 | 販売初心者 |
☑︎ 手軽にケーキのネット販売を始めたいなら「ASP型ECカート」
☑︎ 専門知識がありカスタマイズ性を重視するなら「オープンソース型システム」
☑︎ 完全オリジナルの仕様を求めるなら「パッケージ型システム」
☑︎ まずは市場の反応を見たいなら「モール」も視野に入れる
ケーキのECサイト構築は、販売戦略や運用体制に合わせて最適な方法を選ぶことが成功のカギとなります。
また構築方法が決まったら、次は具体的にECカートシステムの選定に入ります。
以下の記事にて主要なECカートシステム(プラットフォーム)の特徴や料金について紹介していますので、是非併せてご参考ください。

【2025最新】ECカートシステム22選を徹底比較【一覧表付】
無料で使えるカートから、高機能ASP型、オープンソース型、パッケージ型まで、各種ECカートシステムの特徴やメリット・デメリットを徹底比較。

【2025最新】ECプラットフォームを徹底比較!主要17サービスの特徴を解説
ECモール型・ASP型・オープンソース型・パッケージ型の特徴やメリット・デメリットを紹介。
構築方法を選ぶ際のポイント
ケーキのネット販売は、「冷凍・冷蔵配送」「ギフト需要」「受注と生産の連携」「店舗との連携」など、通常の商品とは異なる特性を持っています。これらを踏まえつつ、自社の状況に合った構築方法を選ぶことが成功の第一歩です。
ここでは、「運営形態」「費用対効果」「機能・UI」の3つの観点から、構築方法の選び方を解説します。
1. 運営形態(実店舗の有無)を考慮して選ぶ
まず検討すべきは、リアル店舗があるかどうか、またはネット販売専業かという点です。実店舗を併設しているかどうかで、求められる機能や導線が大きく変わります。
実店舗を運営している場合
・店舗での受取(店頭受取・BOPIS)の導入可否
・在庫・販売情報の一元管理(POS・在庫連携)
・店舗客へのECサイト認知促進(QRコード活用など)
<おすすめの構築方法>
・店舗受取機能を搭載したASP型カート
・POS連携可能なASP型カートもしくはパッケージ型システム
ネットのみで販売する場合
・SNSや広告からの導線を重視
・管理のしやすさ、低コストでの運用が重要
・スマホでの表示最適化やInstagramとの連携を重視
<おすすめの構築方法>
・低価格で利用できるASP型ECカート
・SNS連携に強いASP型ECカート
2. 費用対効果を考慮して選ぶ
ECサイトの構築方法を検討する際は、見込まれる売上に対して、どのくらいコストを掛けられるかのバランスの考慮も重要になります。
構築方法 | 初期費用 | 月額費用 | 運用のしやすさ | カスタマイズ性 |
---|---|---|---|---|
ASP型ECカート | 無料〜数万円 | 無料〜数万円 | ◎(簡単に運営可能) | ○(サービスによっては制限あり) |
オープンソース型システム | 数千円〜数十万円 | 無料〜数万円 | ○(中級者向け) | ○(ある程度自由) |
パッケージ型システム | 数百万円〜数千万円 | 数十万円〜 | △(エンジニアが必要) | ◎(自由にカスタマイズ可能) |
モール出店 | 無料〜 | 販売額に応じた手数料 | ◎(簡単に運営可能) | ×(プラットフォームの仕様に制限) |
モールへの出店やASP型ECカートを利用する方法は手軽ですが、デザインや機能の制約があるため、必要とする機能があるかをしっかりと確認しましょう。
3. 必要な機能・UIを考慮して選ぶ
特に重要となる基本機能の一例としては以下になります。
機能 | 重要度 | 概要・特記事項 |
---|---|---|
カート機能&多様な決済手段 | ★★★★★ | クレジットカード、オンライン決済、コンビニ決済、後払いなど柔軟に決済への対応が必要。 |
ギフトオプション機能 | ★★★★★ | ラッピングやメッセージカードなどを選択できる機能。ギフトと相性の良いケーキのECサイトでは必須。 |
eギフト機能 | ★★★★★ | 住所を知らない人にも贈れる機能。当日の駆け込み需要も取り込めるためギフトに力を入れたいなら必須。 |
在庫管理機能 | ★★★★☆ | 1日ごとに出荷できる量が限られている場合、1日単位で在庫数を設定できる、出荷日別での在庫管理ができると効率的。 |
店舗受取機能 | ★★★★☆ | ネットで注文して店舗で受け取れる導線を作る機能。店舗を運営している場合は相乗効果を生み出せる。 |
お届け日表示機能 | ★★★★☆ | カートページでの表示に加えて、商品詳細ページでいつ届くのかを表示する機能があると便利。 |
配送設定機能 | ★★★★☆ | 温度帯の異なる商品を同時に販売する場合、常温・冷蔵・冷凍の同梱・別梱設定ができると便利。 |
SNS連携(Instagram、Xなど) | ★★★★☆ | SNS経由で集客しやすく、特にビジュアル重視のケーキと相性が良い。 |
リードタイム設定機能 | ★★★☆☆ | 消費期限が短いケーキの場合は、システム上で正確なリードタイム設定が必要。 |
上記は基本機能の一例ですが、特に注意が必要な機能性については次章「ケーキECサイトに必要な機能とUIのポイント」にて解説していきます。
ケーキのECサイトは、運営形態や必要な機能によって最適な構築方法が異なります。最初は低コストで始めて、売上が伸びてきたら本格的なカスタマイズを検討するのが一般的な流れです。
自社の特徴に合った方法を選び、ネット販売の成功を目指しましょう。
また、ECサイト構築の手順については以下の記事で詳しく解説していますので、是非併せてご参考ください。
ECサイト構築の方法と手順|立ち上げ時に注意すべきポイントとは?【成功事例付】
ケーキECサイトに必要な機能とUIのポイント
ケーキのネット販売において、機能とUI(ユーザーインターフェース)設計は売上やリピート率に直結する重要要素です。一般的なECサイトの要件に加え、ギフト対応や温度帯を考慮した配送設定、店舗受取への対応など特有の要件も必要になります。
ここからはケーキのネット販売において必要となる特有の機能とUIについてご紹介します。
ギフト対応
ケーキは誕生日、クリスマスなどギフトとしての利用用途が非常に多いため、ユーザーに選ばれるためには、より丁寧なギフト対応が必要とされます。
ギフトオプション(ラッピング、メッセージカード等)
ラッピング、メッセージカードなど、ユーザに必要なオプションを分かりやすく表示することが必要です。 入力忘れや選択ミスを軽減し、スムーズに注文できるようにすることで離脱率軽減が期待できます。
eギフト(ソーシャルギフト)
eギフトは、SNSを使って手軽に贈れるため、特にカジュアルギフトに適した商材のECサイトでは急速に導入が進んでいます。
eギフトを導入する際は、受取者が「自分の好きな商品を選んで受け取れる」ようにすることで注文者はより気軽に贈りやすくなります。
ギフトを贈る際の「様々な事情を考慮したりパーソナルな情報を知っておかないと相手に喜んでもらうことができるかわからない」という懸念を払拭でき、注文のハードルを下げることができます。
<イメージ>

※弊社の提供するクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」では、「
eギフト(ソーシャルギフト)機能
」に加えて、
eギフト(ソーシャルギフト)を受け取る人が商品を選択できる「
選べるギフト機能
」を標準搭載しています。
aiship 資料ダウンロードはこちら
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ギフト対応はケーキと非常に相性がよく、シーズンイベントでのギフト需要を取り込めるだけでなく、顧客単価向上やリピーター獲得など売上を上げていくための重要な施策です。
ギフト対応のUI・UXを最適化するためのポイントについては、以下の記事で具体的なサイト事例をもとに詳しく解説していますので、ぜひご参考ください。
【事例解説】ECサイトのギフト対応でUI・UXを最適化させるポイント
配送日時指定・お届け日表示
誕生日やクリスマスなどでは、「○月○日の○時までに届けてほしい」というニーズが強いため、緻密な配送可能日の算出と、サイト内のわかりやすい場所での明示が重要です。
正確な配送日時指定
都道府県ごとの配送リードタイムを考慮し正確な配送日時の指定を可能にすることで機会損失を抑制できます。
<参考にしたい事例>
京都北山の銘菓「マールブランシュ」では、お客様が入力したお届け先の郵便番号からヤマト運輸サービスレベル(お届け可能日時)を自動で算出し、適切な「お届け希望日」をお客様の選択肢に表示しています。
「aiship」では、配送リードタイム(ヤマト運輸サービスレベル)に基づいたお届け可能日時を自動算出できます。
購入者が入力したお届け先の郵便番号からヤマト運輸サービスレベル(お届け可能日時)を自動で算出し適切な「お届け希望日」をお客様の選択肢に表示します。
これによりお届け先ごとに配送にかかる時間が異なる場合も自動で対応可能です。
ヤマト運輸サービスレベル対応の詳細はこちら
お届け可能日の表示
カートページでの提示に加えて、商品詳細ページで「配送可能日」が事前にわかるようにしておくことをおすすめします。
ユーザーは「いつ届くのか?」という疑問や不安を持っていることが多いので、贈り物や、イベントごとに向けて購入を検討しているユーザーは特に、間に合うことが早い段階でわかっているとカートインしてくれる可能性が上がります。
ほとんどのモールECでは採用されていますが、意外と自社ECでは見落とされてるポイントなので、しっかりと取り入れておきましょう。
<導入イメージ>
<モールECでの事例>
ケーキ、スイーツのお取り寄せサイト「 Cake.jp 」では、商品詳細ページで都道府県ごとに最短のお届け日を表示。
また目的の日に間に合わない方に向けて、最短翌日届く商品のカテゴリページに誘導して離脱を抑制しています。
「本日〇時までの注文で最短〇月〇日にお届け」のように期限も併せて表示しておくことで喫緊性を訴求でき、今すぐの注文にも繋げやすくなります。
ほとんどのモールECでは採用されていますが、意外と自社ECでは見落とされてるポイントなので、しっかりと取り入れておきましょう。
またお届け予定日の表示を見て離脱するユーザーは、「間に合わないこと」が離脱要因であることが明らかなので、表示エリアの近くに代替案を置いておくことをおすすめします。
<離脱しそうなユーザーへの代替案>
① 早く届けることができる商品をまとめたページに誘導
配達へのリードタイムの短い商品群を準備できる場合には、お届け予定のすぐ近くに、早く配達できる商品をまとめたページに誘導します。
② eギフトで記念日当日にギフトの受け取りURLを送ることを訴求
eギフトで記念日当日にギフトの受け取りURLを送ることを訴求します。
直近自社ECサイトでは注目度が高まり、導入しているサイトも多くなってきましたが、こういった形でタイミング別に訴求しているサイトは、まだほとんどありません。
この方法では、「WEBメッセージカード + ギフトを受け取れるURL」を即準備できるため、当日に誕生日や記念日だと気づいたユーザーにもその日のうちにメッセージで送付することができます。
eギフトを説明する際には「住所を知らなくても贈れる」ことが強調されがちですが、実家に送る母の日・父の日の当日にもよく利用されるので、 「間に合わない」ユーザーを逃さない対策に最適です。
③ 取り扱い店舗を表示する
流通網が広い商品の場合は、店舗へ案内してしまうのも一手です。
効果は測定しづらいことがネックですが、急ぎであれば足を運ぶことを厭わないユーザーは一定数います。
やや実装が高度にはなりますが、「お届け先の地域」の選択に合わせて、対象地域の店舗を表示するような形にすると、より洗練されたUIになります。
※弊社の提供するクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」では、商品詳細ページで最短のお届け可能日を都道府県ごとに出し分けて表示する「
最短お届け日表示機能
」に加えて、
「
商品ごとのリードタイム設定
」や「
eギフト
」、「
店舗受取設定
」を標準機能として提供しているため、いずれの方法にも対応したECサイトを構築することができます。
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配送設定・在庫管理
配送の温度帯や出荷量、消費期限など商材の特性を加味すると多くの場合、以下のような特徴的なバックヤード機能が必要になります。
お届け可能日の表示
商品ごとに定められた温度帯での在庫管理に加え、商品を発送する際の温度帯に応じた送料設定が必要です。
常温、冷蔵、冷凍の各温度帯のみを単体で取り扱うECサイトであれば、1種類の送料設定や配送での運用が可能です。
しかし異なる温度帯の商品を取り扱うECサイトも多く存在しており、そのような場合には、各温度帯に応じた配送料金の設定や在庫管理が必須になります。
特に配送料金の設定は、ケーキのネット販売において重要なポイントになります。一般的なECカートやECサイト構築パッケージでは、以下のような送料の設定項目があるはずです。
・都道府県別の送料計算
・購入金額に応じた送料計算
・購入商品の重量に応じた送料計算
・送料無料条件の指定
温度帯の異なる商品を一つのECサイトで扱う場合にはこれらの一般的な送料計算に対し、まずはクール便(冷蔵・冷凍)に応じたオプション料金の加算が必要です。
クール便の方が送料負担が大きいため、冷蔵・冷凍商品の注文の際にはきっちりと加算分の送料を注文の合計金額に含めたい事業者様がほとんどだと思います。
ここまでは商品毎に温度帯の設定項目があるか、特定の商品のグループやカテゴリに対してオプションの送料設定ができれば対応可能です。
しかし、複数の温度帯商品を同時に購入するケースを考慮していくと、システム上必要な機能は複雑化していきます。
異なる温度帯の商品は同梱可能とするか、別々で送る方が良いのかについて、本来理想としている注文や発送の形式ではなく、 システム上の制約を優先とした形式になってしまいやすいポイントです。
この同梱設定の複雑なポイントについて見ていきます。
温度帯の異なる商品の同梱・別梱設定
例えば、 ケーキ屋のECサイトで冷凍のケーキと、味が繊細な冷蔵のプリンを扱っているとします。
冷凍のケーキと冷蔵のプリンを同じお客様が注文された場合に、 品質を保った状態でお客様に食べてもらうためにも、プリンを冷凍タイプのクール便にまとめて入れてしまう訳にはいきません。
この場合、もしECサイト上で一緒に購入された場合は、 それぞれ別の梱包を行い、発送伝票を準備し、
ケーキの分の冷凍便の送料 + プリンの分の冷蔵便の送料 = 合計送料
として送料を計算したいはずです。
では、同じケーキ屋で別売りで誕生日用の数字の形をしたろうそくを販売していて、冷凍のケーキと同時に購入があったとします。
ろうそくは冷凍ケーキと一緒に入れてしまっても品質上問題ない商品なので、 この場合は冷凍のクール便として一つのパッケージとして発送する方が購入者にとっての金額負担が少ないだけでなく、ショップにとっても梱包業務が楽になります。
そのため送料は単純に、
冷凍ケーキのクール便の送料 = 合計送料
としたいでしょう。
このように、商品同士の組み合わせによっては、 同梱にしてできるだけ送料を少なくしたいこともあれば、商品の特性によって別梱とせざるおえないこともあります。
一緒に送れるものもあれば、送れないものもある・・・
一つの注文に対して温度帯ごとに厳密に発送小口を管理できるようにすると、一回の注文時の送料がどうしても高く見えてしまい、ECサイトでの注文を敬遠されてしまう可能性も出てきます。
すると今度は「できる限り同梱できるものは同梱したい」という、新しい要件も発生してきます。
aishipをご利用のEC事業者様にも同様のお悩みがあり、
・特定の冷蔵商品と冷凍商品を同時に購入した場合は、冷凍便に同梱したい
・冷蔵商品のみで購入した場合は同じ商品でも冷蔵で送りたい
という、「冷蔵」の商品が「冷凍」に入ったり、入らなかったり色んな条件を作りたいという要望がありました。
aishipではこの要望にお応えするために、商品に対して温度帯を設定できることに加えて、異なる温度帯の商品が複数含まれる場合に、 「冷蔵便に同梱するか」「冷凍便に同梱するか」を個別に商品毎に設定することができるようにアップデートを行いました。
結果に必要な機能性として、
・商品毎に、「常温」「冷蔵」「冷凍」の温度帯の設定ができる
・「冷蔵」「冷凍」のクール便の注文の場合にオプション料金を加算する
・同時に異なる温度帯の商品がカートに入った場合、システム内部で温度帯毎にグルーピングする
・グループ毎に適切な送料計算を行い、合計送料を表示する
・温度帯のグループ毎に送料無料の条件基準を設けることができる
・常温商品と異なる温度帯の商品がカートに入った際に、同梱するか否かを商品ごとに設定できる
・冷蔵商品と冷凍商品が同時にカートに入った際に、冷凍のグループに同梱するか否かを商品ごとに設定できる
などの機能性が必要なってくることがわかりました。
温度帯を管理するといっても、かなり奥行きがあるので、 代表的な商品の組み合わせごとの自社の理想的な発送パターンをシステム都合で諦めていないか、今一度ご確認されることをお勧めします。
三温度帯設定機能で常温便とクール便(冷蔵・冷凍)の同梱・別梱設定が可能|aiship
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出荷できる量が限られている商品の在庫管理
1日ごとに出荷できる量(生産量)が限られている場合、1日単位で在庫数を設定できる「出荷日別での在庫管理」ができると効率的です。
このような機能が備わっていると、生産現場にあわせて日ごとの在庫調整や、日ごとの入荷量に応じて過不足なく在庫を捌くことができます。
消費期限が短い商品のリードタイム設定
消費期限が短い食品の場合は、システム上で発送に必要な期間の算出が重要になります。
サイト上で注文時に指定する配送先住所に応じて、配送希望日時を正確に算出することで、注文者は確実に受け取れる日時を指定でき、再配達時に賞味期限切れが発生する事態を防ぐことが可能です。
季節限定商品販売
季節ごとの商品を期間限定で販売したい場合は、システムで商品ごとに販売期間を制限する必要があります。
販売促進機能
クーポンやポイント制度の導入
代表的な施策例としては以下のような施策があります。
・初回購入限定クーポン:新規顧客の獲得を促進
・ポイント制度:購入金額に応じたポイントを付与することで、再購入を促進
SNSと連携したプロモーション
SNSはケーキ(ブランド)の認知度を上げる強力なツールです。自社の商品と相性の良いキャンペーンを行うことで認知拡大を目指しましょう。
以下は代表的な施策の一例になります。
・インスタグラムキャンペーン
フォトコンテストやハッシュタグを活用した投稿キャンペーンで認知拡大
・限定クーポン配布
SNSフォロワーに特典を提供し、フォロワー増加と販売促進を同時に実現
ECサイトのマーケティング施策については以下記事で詳しく解説していますので、併せてご参考ください。
ECサイトマーケティングで押さえるべき基本施策5選【チェックリスト付】
安心感を与える情報提供
商品原材料やアレルギー情報の明記
近年、食品の安全性への意識が高まっており、食品表示法では、消費者が商品を安全に購入・摂取できるようにするために、食品の成分や産地などの表示を義務付けています。
購入者が確認しやすいよう商品ページで以下の内容を明記しておくことが重要です。
・原材料名:使用しているすべての原材料を記載
・内容量:購入者が適切な分量を確認できるよう内容量を明示
・産地:特に生鮮食品の場合、原産地を正確に記載
・アレルギー表示:特定原材料を含む場合はアレルギー表示が必須
・賞味期限または消費期限:保存期間を記載し、品質の保持期限を明示
実店舗との連携
飲食店も含めて街中に実店舗を運営している場合、実店舗の運用も含めて一元管理など最適化を図れる仕組みの構築を検討する必要があります。
店舗受取
商品ごとに店舗受取の可否を設定したり、店舗受取が可能な店舗をオーナー側で複数設定することで、お客様にとって便利に商品を受け取っていただけるサービスを実現できます。
具体的には以下のようなメリットが挙げられます。
【利用者】
・移動時間や隙間時間にECサイトで商品を選び、ライフスタイルにあわせて受け取りたい場所で受け取れる。
・オンラインで在庫状況を確認することで、どの店舗に在庫があるのかを確認できる。
【事業者】
・店舗に足を運んでもらうことで、ついで買いを誘うことにも繋げられる。
・配送が必要なくなることで、配送コストを削減できる。
「店舗受取」を導入する際は「店舗受取が可能である」ことや「どこで受け取れるか」を商品詳細ページの段階から明示しておきましょう。
店舗受取に対応していて近くの店舗で受け取れることがカートページまで進まないとわからない状態だと、カートインを躊躇ってしまい途中で離脱してしまう可能性が高まります。
そのため、できれば商品詳細ページで「店舗受取」か「配送」かの選択や、店舗受取を選択した場合は「受け取る店舗」を選択できるようにすることをおすすめします。
<イメージ>
また店舗受取サービスを利用するユーザーには最寄りの店舗やよく利用する店舗で受け取れる商品を探したいというニーズもあります。
そのため、特に多店舗展開をしている場合は、先述の「商品を指定して受け取る店舗を選択できる」UIに加えて、「受け取る店舗を指定して商品を探せる」UIがあるとより利便性が高まります。
弊社の提供するクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」では2025年5月に「
店舗受取機能
」をアップデートして、
商品詳細ページで店舗受取の詳細を選択できる機能の提供開始を予定しています。
詳細についてはぜひ1度お問い合わせください。
お問い合わせはこちら
店舗受取のメリットや、導入方法、参考事例については以下記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご参考ください。
【実店舗×ネット予約】店舗受取サービスの導入方法とは?
ポイント連携・一元化
ポイントシステムは商品の購入や会員登録、実店舗への来店や、ECサイトにおけるレビュー投稿等のアクションに対し、企業側が設定したポイントを顧客に還元する仕組みです。
これによりリピーターの獲得や、客単価アップに繋がるだけでなく、システム利用時に収集したデータを別のマーケティング施策に活用できる等、企業側にも消費者側にもメリットがあり、顧客の囲い込み戦略の1つとして導入している店舗も多く見られます。
また昨今、オフラインとオンラインの融合させ、顧客とのタッチポイントを広げていくOMO戦略に注目が集まっています。 関連する内容にオムニチャネル戦略、O2O戦略などがありますが、これらを実現するためには店舗・EC間でのデータ連携を行うためのシステムの拡張性が必要になります。
ポイント連携やOMO施策については以下記事で詳しく解説していますので、併せてご参考ください。
ECサイトと実店舗の連携でおすすめの方法は?会員情報/ポイントデータの一元管理方法と導入事例
OMOとは?具体的施策4選と成功事例|O2O、オムニチャネルとの違いも解説
ECサイトと実店舗を連携することで実現できる具体的な施策については以下の記事で詳しく解説していますので、実店舗を運営されている方は是非併せてご参考ください。
ECサイトと実店舗の連携で実現できる施策8選
ケーキのECサイト事例
Mr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)
https://mr-cheesecake.com/
こだわりのチーズケーキを販売する「Mr. CHEESECAKE」のサイトでは、通常のギフト注文だけでなく、eギフトで贈ることもできます。
eギフトの注文の際はオンラインメッセージカードのデザインを選択して任意のメッセージを入力して注文することができます。
また通常注文でも手渡し用ギフトバッグなどオプションを画像つきで指定できます。
ASP型のECカートで構築されています。
オランダ家
https://orandaya.jp/
千葉県の安全・安心・おいしい素材を利用した洋菓子を販売する「オランダ家」のサイトでは、通常のネット注文と並行して、店舗受け取りサービスを提供されています。
店舗受け取りを選択すると30以上ある店舗の中から都合の良い店舗を指定して、受け取り日時を選んで受け取り予約をすることができます。
ASP型のECカートで構築されています。
パティスリーマルベリー
https://patisserie-mulberry.com/
オーダーメイドケーキを販売する「パティスリーマルベリー」のサイトでは、フルオーダーやセミオーダーといった形でギフト向けのケーキを、受注生産で販売されています。
フルオーダーでは全てカスタム可能で、セミオーダーでもケーキの種類からサイズ、カラーをサイト上で指定して注文を入れることが可能です。
また店舗受け取りサービスも提供しており、配送は冷凍配送となっていますが、店舗受け取りの場合は冷蔵の状態で受け取ることができます。
ASP型のECカートで構築されています。
LeTAO(ルタオ)
https://www.letao.jp/
ケーキを中心にスイーツ・洋菓子を販売する「LeTAO」のサイトでは、商品詳細ページで「最短お届け日」の表示や、「eギフト」の導線も設置されているため、ギフト特有の不安を解消して注文を進めることができます。
パッケージ型システムで構築されています。
まとめ
スイーツ、特にケーキのネット販売は、ギフト対応、冷蔵・冷凍配送への対応、実店舗との連携など特有の観点を加味したサイトの構築が求められる分野です。
本記事でご紹介した内容を参考に以下のポイントを押さえて、ネット販売の準備を進めていきましょう。
☑︎ 比較的安価で簡単に始められるASP型ECカートの利用が主流
☑︎ ASP型ECカートといってもピンキリなので自社の要件を整理して、選定を行う必要がある
☑︎ 選定の際は「冷凍・冷蔵配送」「ギフト需要」「受注と生産の連携」「店舗との連携」などの観点を加味する
☑︎ 「eギフト」「商品詳細ページでの配送可能日の表示」「店舗受取対応」などの特化機能があると差別化しやすい
弊社の提供するASP型ECカート「aiship」では今回紹介した機能・UIについて全て標準搭載しているため、追加の開発等は不要で安価にケーキのネット販売を本格的に始めることができます。
また弊社ではご状況のヒアリングから、構築方法や機能・UIのご提案、導入・運用サポートまで一貫して実施しておりますので、ケーキのネット販売をご検討の際は、ぜひ1度お問い合わせください。

クラウド型ECサイト構築ASP「aiship」
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