クラウド型ECサイト構築ASP


産直EC・生鮮食品を取り扱うECサイト構築で必要な7つの機能と成功事例

2024年7月3日2024年10月29日

日持ちのしない生鮮食品や、飲食店やホテル向けの高級食材。新型コロナウイルスの影響で飲食店や料亭・ホテルなどの休業や時短営業、イベントの中止などにより、供給が予定されていた食材が急遽行き場を失い、困り果てる生産者。消費者の生活様式も大きく変化し外食需要が減少しました。一方で、自宅で高級食材をお取り寄せするといった新たな潮流が生まれてきています。

生産者はこれまでのように卸売りに頼るだけでなく、消費者に直接届けるといった新しい販路を広げる必要が出てきており、その手段として産地直送型のECサイトは広がりを見せています。

本記事では、産直ECを構築・運営する上で必要な機能と成功事例をまとめてご紹介します。

    目次

  1. 産直ECとは?
  2. 産直ECに必要な7つの機能
  3. 成功事例

産直ECとは?


生鮮食料品や特産品を卸売市場などの流通経路を通さずに生産者が出品、消費者へ直送する“産地直送型”のECのことを指します。新型コロナの感染拡大を背景に生産者、消費者共に利用が急増しており、産直ECプラットフォームを活用した農産物流通額は2020年に前年比 20.0倍の40億円とも発表されています。

(※参照元:(株)富士経済様プレスリリース

産直ECに必要な7つの機能


生鮮食品を取り扱う産直型のECを運営するためには、一般的なECでは備わっていない、専用の機能が必要です。その機能は大きく7つありますので、詳しく見ていきましょう。

1.温度帯別配送設定

生鮮食品を扱うECにおいて、鮮度の高い状態で商品を配送する為にクール便の利用が必要になってくるため、三温帯(常温・冷蔵・冷凍)の配送機能は必須になります。

温度帯ごとの送料設定や異なる温度帯の商品を同時に購入する場合の同梱/別梱の設定、夏季などの季節によって冷蔵便を設定できる機能等、温度帯別の配送機能に関してこちらの記事にてまとめておりますので、あわせてご確認ください。

2.商品ごとの出荷場所設定

産直ECの場合、出荷場所は生産者さんによって異なりますので、商品ごとに出荷場所を設定できる機能が必要です。

1注文で複数の商品を同時に購入された場合に、同じ出荷場所の商品が含まれると同梱し、それ以外は別梱の扱いとして送料計算ができるカートシステムだと、受注後の対応や出荷業務が円滑になります。

3.出荷日ごとの在庫管理

商品によっては、日によって生産量・収穫高が変動することを想定しておく必要があります。出荷日ごとに上限の設定ができると、厳密な在庫管理ができるようになり、ロスなく注文を受け付けることができます。

4.正確な配送日時指定

生鮮食品の場合、1日でも配送が遅れると鮮度が落ちてしまうため、EC運営側では最短で配送できる日時を表示させ、注文者は確実に受け取れる日時を指定する必要があります。

出荷場所から、注文者が入力した配送場所に届けるまでに必要な日数を瞬時に正確に計算し、そしてカート画面に配送希望日時指定として表示させ、場合によっては注文時の配送希望日時指定を必須にしておく必要もあります。

5.配送リードタイム設定

商品によっては注文を付けた後で加工が必要など、出荷までに日数がかかる場合があります。そのような場合に備えて、配送リードタイム設定機能があると産直EC運営に役立つことでしょう。

6.配送先の制限

一般的な通販では全国配送対応ですが、産直ECの場合は、出荷場所から時間を要する場所への配送制限が必要になる場合があります。配送先都道府県によって制限をかけたり、離島や特定の地域への配送が不可な場合は配送先郵便番号で制限をかける必要があります。 

7.生産者専用の管理画面

産直ECを運営する企業や自治体等のEC運営者側の管理画面と、商品を掲載する生産者専用の管理画面を分ける、もしくはログイン制限をかけるなどの機能もあると良いでしょう。ただし、専用の管理画面を用意するとなるとシステム設計が複雑になる場合もあります。

また、生産者がITに不慣れな場合もある為、商品名・商品説明・商品画像など商品掲載に必要情報を運営者側に提供し、運営者側で商品の公開作業を行う運用でも十分かもしれません。



上記7つの機能を取り揃えたECカートの特徴については以下ページをご参考ください。
産直EC特有の受注・配送・在庫設定に対応のクラウド型ECカートASP「aiship」

成功事例


かわうそ市場様ECサイト

2021年5月にリニューアルオープンした高知かわうそ市場様の産直ECサイト。一見すると一般的なECサイトと同じように見えますが、裏側では産直EC専用の機能が盛り込まれています。

高知かわうそ市場様の場合、以前のシステムでは出荷日ごとの在庫管理や注文ごとの配送希望日時の指定に課題があり、注文を受け付けた後で生産者と発送可能日を調整するなど、アナログな対応をされていたそうです。 この状態では、注文件数が増えるにつれて発送業務がとても追いつかなくなります。

このような課題を解決すべく、本記事でご紹介した「出荷日単位での在庫管理」「出荷場所の設定」「配送リードタイムの設定」の各機能を使い、注文者がカート内で指定した配送希望日時から算出された出荷日を生産者に伝えるだけでよくなりました。以前のような煩雑なやりとりが不要になっただけでなく、さらには「温度帯別配送設定」も利用することで送料計算も自動化、受注運用のストレスが大幅に改善されました。

高知かわうそ市場様の産直ECサイトは、食品EC特化型のASPであるaishipをプラットフォームとして利用しており、その成功事例をインタビュー記事として公開しておりますので、ぜひご参考ください。

【産直EC成功事例】「高知かわうそ市場」の顧客体験価値向上を実現し、急成長を遂げた自社EC戦略とは?

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この記事の監修者

株式会社ロックウェーブ 本城 顕

広告営業を経て2020年ロックウェーブ入社。その後2年程セールス担当として、EC事業者様が抱える様々な課題に対してプロダクトを通じた解決策の提案に従事。 現在はその知見を活かしWebマーケティングでプロダクトを世の中に広めていくために奮闘中。

本城 顕

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