コロナ禍でBtoC EC市場規模は大きく拡大しましたが、外出機会が回復した後も需要は引き続き高止まりしていると言われており、食品分野のECはその代表格です。
より多くの人が使うようになった食品ECでさらにお客様に選ばれるためには、ただ買うことのできるECサイトから、食品特有の性質を踏まえた買い方・便利なサービス提供を実現できるようにすることが重要です。
また、食品のなかでも注目されるギフト分野では便利なサービスを実現することで競合他社と差別化し、お客様から選ばれる理由の一つを確立しているECサイトもあります。
今回は、クラウド型食品専用ECカート「aiship」での500社以上の食品EC構築支援から得た知見を基に、特にシステムやUI面から、
☑︎消費期限や温度帯といった特有の性質をもつ食品ECで快適に買い物ができるためのポイント
☑︎特にギフトECのサービス提供で高いUXを得るためのポイント
☑︎サイトリニューアルで上記を実現した事例
についてご紹介します。
食品EC強化のポイント
では食品ECを強化する際に注目すべきポイントを見ていきましょう。
記事冒頭でも登場した食品専用ECカート「aiship」は通常のECカートとしての機能に加え、本格的に食品ECを運営する上で必要な機能を多数搭載しています。
そこでここからは前述の課題に対応する「aiship」の機能を提示し、どのように解決できるのかを紹介していきます。
ポイント1. 地域ごとに最短のお届け日を指定できる
対応する機能:ヤマト運輸様サービスレベル連携
注文者が入力したお届け先の郵便番号からヤマト運輸サービスレベル(お届け可能日時)を自動で算出し、適切な「お届け希望日」を注文者の選択肢に表示します。これによりお届け先ごとに配送にかかる時間が異なる場合も自動で対応可能です。
ポイント2. 商品ごとにリードタイムを調整する
・対応する機能:商品別リードタイム設定
生産・お届けまでに日数を要する場合、通常の出荷日設定に加えて、商品・配送先ごとに個別のリードタイム(配送にかかる日数の追加)を設定できます。
また、購入する際の「お届け希望日」の選択肢に反映されるため、ショップオーナーと注文者、両者にとって最適な日程での配送が可能です。
ポイント3. 休業日を考慮したお届け日の算出をする
・対応する機能:出荷休業日設定
店舗休業日など出荷作業を行わない日を出荷休業日として登録することができます。
これにより注文日から発送日までの間の出荷作業期間に「出荷休業日」が含まれる場合、出荷までに必要とされる期間は休業日数分延長されます。
また通常の休業日に加えて、GWやお盆休み、年末年始などの大型連休も休業日として登録することでリードタイムの調整を容易にすることができます。
ポイント4. 商品ごとに販売期間を指定する
・対応する機能:販売期間設定(出荷日ベースでの期間設定も可)
商品ごとに販売期間を制限できます。
また出荷日をベースに販売期間を制限したい場合は、「販売期間設定(出荷日ベース)」に出荷予定日を指定することで、販売期間を制限することができます。
ポイント5. 日毎で出荷可能な在庫数に上限を設ける
・対応する機能:出荷日別在庫管理機能
日ごとの生産数が限られていて1日ごとに出荷できる上限数が決まっている商品でも、出荷日ごとに1日単位で在庫を設定し管理することができるので、生産と受注を適切に対応させた運用を実現できます。
ポイント6. 温度帯が異なる / 出荷場所が異なる注文で個口を分ける
・対応する機能:三温度帯設定(常温・冷蔵・冷凍)/ 出荷場所グループ設定
商品ごとに温度帯(常温・冷蔵・冷凍)の設定と出荷場所が設定が可能です。
出荷場所 / 温度帯が異なる商品がカートに入った場合、個口を分ける(別梱対応)ことが可能になります。また個口毎に送料算出・問い合わせ番号・出荷メモの入力も可能です。
これらにより受注後に手作業で個口を分けるといった対応コストの削減が期待できます。
ポイント7. 商品受取の方法として店舗受取に対応する
・対応する機能:店舗受取機能
商品ごとに取り扱い店舗の設定や、店頭受取専用商品の販売が可能です。
サイトで注文した商品を店舗受取できることで利便性向上に加えてお客様との接点を増やすことが可能になります。
ギフト対応の重要性と強化のポイント
和洋菓子や生鮮食品等をはじめとして、食品ECサイトはお中元・お歳暮等フォーマルギフトでの需要が多いことに加え、バレンタイン・クリスマス等”カジュアルに贈るギフト”での需要が急速に増えています。
またギフト商品は通常商品に比べ単価も高くなる傾向があり、ギフト強化は利益率の向上にもつなげやすい施策だといえます。
そこでここからはギフト対応を強化する際のポイントと対応する「aiship」の機能について紹介していきます。
ポイント8. のしの設定がわかりやすくできる
・対応する機能:ギフトオプション機能
ギフトEC特有ののしやラッピングなどのオプションをショップ共通で設定でき、目的にあわせて最適に表示できます。
これにより注文者がギフトのマナーや贈り方をしらなくても、目的(出産内祝いや香典返しなど)を選択すれば、シーンや季節に合わせたおすすめのギフト設定が自動で表示され、選択できるため迷わず、スムーズに、マナーに沿ったギフトを送ることが可能になります。
ポイント9. 複数配送注文を迷いなく設定できる
・対応する機能:複数配送機能
お届け先1件ごとに情報の入力を完了させ、次のお届け先情報の入力に移ることができるため、迷わない複数配送ステップを実現できます。
ポイント10. お届け希望日に六曜を表示させる
・対応する機能:お届け日の六曜表示
お届け希望日に六曜を併せて表示することが可能になり、縁起の良い日がお届け日になるよう指定して注文することができます。
ポイント11. オリジナルのメッセージカードを作成できる
・対応する機能:メッセージカードASP連携
注文の際、ユーザーが作成したオリジナルのメッセージカードを商品に付属して贈ることができます。 メッセージカードの情報は注文情報と連携しているため、注文者はスムーズな入力で、簡単・便利にギフト注文を実現できます。
また、作成したメッセージカードの情報は会員情報に紐付いて保存されるため、次回以降の注文時には以前作成したメッセージカードの中から任意のものを選択し、贈ることができます。
ポイント12. ソーシャルギフトに対応する
・対応する機能:ソーシャルギフト機能
注文者が商品を購入し知人等に贈る際、受け取る人の住所を知らなくてもSNS等を通じて気軽に贈ることができるようになります。
また商品を受け取る人が自ら配送場所・日時を指定できるため、都合に合わせたお届けが可能になります。
〈ソーシャルギフトの利用フロー〉
〈ソーシャルギフト機能イメージ〉
〈メリット〉
・住所を知らない相手にも贈ることができる
・記念日の駆け込み注文も間に合う
・受け取る人が都合の良い日時を指定して受け取ることができる
リニューアル事例紹介
ではここからは実際に食品専用ECカート「aiship」でサイトリニューアルを実施し、課題解決やギフト強化を行った事例を紹介します。
株式会社八代目儀兵衛 様
〈概要〉
「お米の価値観を変える」をビジョンとして、ギフトを中心とした通販事業、祇園と銀座に店舗を構える飲食事業、ミシュラン3つ星店やラーメン店など様々な飲食店への卸事業と、大きく3つの事業を展開されています。
また2022年3月にオープンソースのECシステムからaishipに乗り換えを実施。その後通年で売上前年比120%を実現されています。
〈強化ポイント〉
[1]カートUI
のし、ラッピング、メッセージカードなどギフト特有のオプションを目的に沿って表示しユーザーが最適なものを選択できるUIを搭載しています。
[2]ビジュアル
トップページの写真は星のや京都で撮影、法事用の商品は京都東山の圓徳院で撮影し、京都らしさにこだわることで注文する方が選んでいる際にもワクワクしてもらえるよう刷新しています。
株式会社ロマンライフ様(マールブランシュ オンラインショップ運営)
〈概要〉
京都の洋菓子店でもトップブランドの「京都北山マールブランシュ」を展開。オムニチャネルなど戦略的EC強化でコロナ禍においても売上を拡大されています。
〈強化ポイント〉
[1]ECと生産との連携
基幹システムと注文データをリアルタイムで自動連携。商品ごとに異なる製造日数を考慮して、出荷日基準でのリードタイム設定を実現しています。
さらに出荷日ごとに販売上限数を管理する機能や、商品ごとの出荷場所指定機能など、商品特性に合わせて詳細に設定も可能にしています。
[2]実店舗とECの連携
実店舗とECの購入履歴を統合、ポイントも一元化したことに加えて、これらのデータはCRMツールとリアルタイムで連携できるようにしました。
[3]賞味期限・配送温度帯
商品ごとの冷凍・冷蔵・常温の三温度帯設定はもちろん、季節によって温度帯の変更を登録できるようにしたり、温度帯、出荷場所によって問い合わせ伝票番号を分割するなど、繊細な洋菓子を適切な状態でお届けできる環境を整備しています。
季節限定商品は、販売期間を指定できるようにしたり、システムはヤマト運輸のサービスレベルに準拠しており、配送先住所ごとに配送可能期間を制御することもできるようになりました。
株式会社パンクチュアル 様(産直オンライン市場 高知かわうそ市場運営)
〈概要〉
高知の生産者・メーカー自慢の産品を直送でお届けする産直モールを運営。開設わずか1年で20万人が利用する人気のECに成長されています。
〈強化ポイント〉
[1]個別で発送日程の調整
産直のため生産者ごとに稼働が異なり発送できる日程調整が困難でしたが、商品ごとに配送リードタイムの設定が可能になったことで綿密に日程を調整できるようになりました。
[2]温度帯別配送・ヤマトサービスレベル対応
冷凍・冷蔵商品の同時注文時に配送を分化できず、ヤマトサービスレベルにも対応していませんでしたが、
三温度帯設定機能の導入で分化配送が可能になり、さらにヤマトサービスレベルに完全対応した最適な配送日程の提示も可能になりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。食品専用ECカート「aiship」では今回紹介した機能を全て搭載しているため、カスタマイズ等は不要ですぐに利用することができます。
また機能を細部まで確認・検証できる【2週間無料お試し】もあるので、少しでも気になった方はぜひお試しいただければと思います。
食品ECサイトの改善を検討の際は、本記事の内容を参考にしていただけますと幸いです。