ECサイト構築の方法と手順|立ち上げ時に注意すべきポイントとは?【成功事例付】
2024年7月20日2024年11月11日
ECサイトの構築・立ち上げを検討するにあたって以下のような要望、課題を抱える事業者は多いのではないでしょうか。
・自社の予算とニーズに合った立ち上げ方法を知りたい
・何を基準にプラットフォームを選定すれば良いかわからない
・成功事例を参考にしたい
そこで本記事ではクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」で2000社以上ECサイト構築を支援してきた知見から、
・モールと自社ECサイトのメリット・デメリット
・ECサイト構築の手順
・プラットフォーム選定のポイント
・ECサイト構築の成功事例
をご紹介します。
ECサイトの構築方法別(モール・自社ECサイト)メリット・デメリット
ECサイト構築には大きく分けて、自社ECサイトの構築と、モールへの出店と2つの方法があります。それぞれのメリット、デメリットを解説します。
モール
モールとは、複数の販売店が商品を出店・出品をするECサイトの集合体です。 代表的なものとして楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなどがあります。
<メリット>
広範な顧客基盤
モールは既に多くのユーザーに認知され、訪問者が多いプラットフォームです。出店するだけで、多くの潜在的な顧客にアクセスできるため、集客に関するコストや努力を大幅に削減できます。
信頼性とモール自体のブランド力
モールは消費者にとって信頼性の高いプラットフォームとして認知されています。消費者は、モール内の店舗であれば安心して購入できると感じることが多く、新規顧客の獲得が比較的容易です。
運営サポートとインフラ
モールは、出店者に対して多くのサポートや便利な機能を提供します。例えば、決済システム、物流サポート、マーケティングツール、カスタマーサポートなどが整備されており、出店者はこれらを利用して効率的に販売活動を行うことができます。
また、技術的なインフラやセキュリティ対策もモール側が担うため、出店者は商品管理や顧客対応に専念できます。
<デメリット>
手数料とコスト
モールに出店するためには、初期費用や月額費用、販売手数料が発生することが多いです。これらの費用が利益率に影響を及ぼし、特に利益が薄い商品の場合は経営に圧力をかける可能性があります。
自社ブランドの差別化
モール内には多くの競合商品が存在するため、消費者に対して自社ブランドの特長を伝え、差別化することが難しくなります。モールのテンプレートやデザイン制約により、ブランド独自の魅力を十分に表現できない場合もあります。
顧客データの制限
モールでは、顧客データや購買データの一部しかアクセスできないことがあります。これにより、顧客の購買行動の詳細な分析や、直接的なマーケティング活動(例えば、リターゲティングやパーソナライズドオファー)が制限されることがあります。顧客との直接的な関係を構築するのが難しい場合があります。
<運用開始までの方法>
ECモール運営会社に申込→審査→商品登録・各種設定→運用開始
<運用開始までの目安期間>
数週間~
自社ECサイト
自社ECサイトとは、独自のドメインを取得して、その企業自身が運営するECサイトのことです。
構築の方法としては大きく分けて、クラウド型(ASP)とインストール型(オープンソース・パッケージ・フルスクラッチ)があります。
<メリット>
ブランドイメージのコントロール
自社ECサイトでは、デザイン、レイアウト、コンテンツを完全にコントロールできます。これにより、ブランドの一貫性を保ち、消費者に強いブランドイメージを伝えることができます。
データの所有と分析
顧客データや購買データを自社で管理できるため、詳細な分析が可能になります。このデータを活用することで、マーケティング戦略の最適化や新商品の企画などに役立てることができます。
利益率の向上
モールでは出店手数料や販売手数料が発生するため、利益率が低くなることがあります。一方、自社ECサイトではこうした手数料がかからないため、利益率を高く保つことができます。
顧客満足度の向上
サイトの機能やサービスをカスタマイズできるため、顧客に対して独自の購買体験を提供できます。例えば、特定の顧客層に合わせたプロモーションや、購入後のフォローアップなどが可能です。
SEOとマーケティングの自由度
自社ECサイトでは、SEOやオンラインマーケティングの施策を自由に実施できます。これにより、検索エンジンからの集客やソーシャルメディアの活用など、さまざまな手法で顧客を引き寄せることが可能です。
自社ECサイトのマーケティング施策についての詳細は以下記事で解説していますので併せてご参考ください。
ECサイトマーケティングで押さえるべき基本施策5選【チェックリスト付】
<デメリット>
初期費用と運営コスト
利用するプラットフォームにもよりますが、ウェブデザイン、開発、ホスティング、セキュリティ対策などの初期費用がかかる場合があります。また、サイトの運営や保守、マーケティング活動にも継続的なコストが発生します。
集客の難易度
モールとは異なり、自社ECサイトには初期段階で既存の顧客基盤がありません。そのため、SEO対策や広告キャンペーンなどを行って集客を行う必要があり、時間と労力が求められます。
信頼性構築の難易度
モールは既に広範な消費者に認知されており、信頼性も高いです。一方、自社ECサイトは新規顧客に対して信頼を築くのが難しいことがあります。レビューや口コミが少ない場合、購買意欲が低下することもあります。
技術的な知識が必要
サイトの運営には技術的な知識が求められます。サイトのパフォーマンスやセキュリティ対策、データベースの管理など、専門的なスキルが必要となる場合があります。これを外部に委託する場合もコストがかかります。
競争の激化
自社ECサイトは独自のマーケティングや差別化戦略が求められます。競合他社と差別化するために、商品の品質や価格設定、顧客サービスなど、多方面で競争力を維持しなければならないため、継続的な努力が必要です。
<運用開始までの方法>
コンセプト設計→要件定義→システム選定→サイト構築・制作→各種設定→運用開始
<運用開始までの目安期間>
3か月~6か月
注意していただきたいのは、どちらの方法が優れている・劣っているということではなく、各特徴を理解した上で、自社のEC事業に合った方法を選ぶことが重要です。
尚、モールの場合、各モールによって出店の手順が明確に定められており、流れに沿って準備を進めていけば問題ないため、ここからは自社ECサイトの構築手順を解説します。
自社ECサイト構築の手順
自社ECサイトの立ち上げ手順は以下の7つのステップになります。
1.コンセプト定義
顧客に選ばれるECサイトを構築するため、まずはコンセプト設計する必要があります。
以下のようなECサイト事業の根幹となる部分を定義するということです。
・なんのためにサイトを作るのか
・どんなサイトを作りたいのか
・誰にどんな価値を提供するのか
ECサイト構築の手順において、もっとも重要なポイントといっても過言ではありません。コンセプトが明確に定まっていないと、その後の工程に遅れが生じたり、求めるものと違うECサイトになってしまうおそれがあるからです。
また、ECサイトを作れば全世界に商圏を広げられるものの、その分競合の数も増えます。
その中から自社を選んでもらうためには、競合分析をしっかり行い、自社ならではのセールスポイントやブランドイメージなどを固めることが重要です。
そのうえで中長期的な事業計画を立てて、どのようにEC事業を成長させていくかも検討しましょう。
2.要件定義
以下のような一般的にEC運営に必要な要件に加え、自社特有の運用に合わせて
必要な要件、機能を洗い出していく必要があります。
・CMS機能
・決済
・受注/在庫管理
・顧客管理
・広告運用
・メルマガ(CRM)
・アクセス解析
・大規模アクセスにも対応できるインフラ
またECサイトの要件定義について基本的な進め方や機能要件の選定方法など以下の記事で解説していますので、さらに詳しく知りたい方は併せてご参考ください。
ECサイトの要件定義とは?サイト構築時に注意すべきポイント解説
3.ECプラットフォーム選定
前述のコンセプト定義や要件定義に基づいたECサイト構築をするためには、まず必要な機能要件を実現できるプラットフォームを選定することが非常に重要です。
受注運用の効率化や外部ツールとの連携、集客をするにあたってのプロモーション計画などを細部まで洗い出し、自社の要件や要望を満たせるシステムを選びましょう。
クラウド型とインストール型比較
ECサイトを構築するためのカートシステムのプラットフォームは大きく分けて2種類に分類できます。
・クラウド型(ASP)
・インストール型(オープンソース・パッケージ・フルスクラッチ)
それぞれの特徴を比較して紹介します。
クラウド型 (ASP) | インストール型 (フルスクラッチ/パッケージ/オープンソース) |
|
---|---|---|
料金体制 |
・月額制(サポート・運用保守含む) ・サービス利用期間の支払い ・解約は容易 |
・ベンダーは初期の構築・機能開発で利益の大半を回収 ・返品不可 ・納品後の継続的なサービス改修・改善のインセンティブは少ない |
サーバー提供管理 |
・システム提供会社が提供管理 ・無償で随時アップデートし高負荷時への対応も実施 |
・EC事業者が用意し管理 ・サーバインストール、構築作業必要 |
システム運用保守 | システム提供会社が実施 | EC事業者もしくは協力会社の技術担当が実施 |
提供体制 |
・システム開発・運用保守・サポートをワンストップで提供 ・ソフト提供元・開発・保守会社は異なる |
・責任範囲が不明確になる可能性あり |
システムバージョンアップ | システム提供会社が実施 |
・EC事業者もしくは協力会社で実施 ・エンジニアだけでなくシステムに関するディレクタも必要 |
機能の最新性維持 |
・常に業界標準の機能を提供 ・多くのユーザが望む機能を積極的に追加 ・機能追加方針でEC事業で実施必要あり |
・機能追加作業については実費を負担し協力会社へ依頼が必要 ・最新性の維持頻度に関係なく数年に一度システム入れ替えが必要 |
セキュリティ | システム提供会社が常に最新の状態にアップデート実施 | EC事業者が自己責任のもと協力会社へ依頼し実施 |
機能追加カスタマイズ | ASP(クラウド)によって可 | 可能 |
運用サポート | 電話・メール・オンラインサポート、対面サポート等システム提供会社にて提供 | 協力会社へ外注必要 |
メリット | 機能追加・保守はサービス提供事業者が行うため、運用に集中できる。定期的にバージョンアップが実施されるため、常に最新状態機能性またはシステムを利用できる。 | 自社の運用にあわせてシステム設計やカスタマイズが可能 |
デメリット | 標準機能内での運用が前提となるため、使い方を工夫したり運用面でカバーしなければいけない場合がある。一般的には独自のカスタマイズが難しい。 | 保守メンテナンス、専門性が高い人材の確保などコストがかかる |
初期や運用費用に多額の資金を投入できる場合はスクラッチなどインストール型の開発で独自機能を追求する方法もありますが、最近では大手ECサイトにおいてもクラウド型(ASP)の採用が主流になってきています。
様々な方法がありますが、自社のレベルとやりたいこと、そして費用感によってシステムを選定していく必要があります。
また、デザインにおいてもUI・UXなど機能性と関連が深い部分は、開発などで機能追加しない限り、選定したシステムの性能に制限されてしまうため、自社で実現したい方向性とマッチするシステムを選定することが非常に重要です。
選定のポイント
選定をする際に重要となる汎用的なポイントは以下になります。
■スケーラビリティと柔軟性
・成長への対応ビジネスの成長に伴い、プラットフォームに必要十分な機能が搭載されているか、または柔軟に拡張できるかどうかを確認します。将来的なトラフィック増加や商品数の増加に対応できるシステムを選ぶことが重要です。
・カスタマイズの容易さ
特定のビジネスニーズに応じたカスタマイズが可能かどうかも考慮します。必要に応じて独自の機能やデザインを追加できる柔軟性が求められます。
・利用可能決済の充実度
ECサイトで使用される決済は多種多様です。自社の要件に合った決済を導入するためには、それに対応したECプラットフォームを選定することが重要です。
※総務省「令和4年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」より引用
■コストと予算
・初期費用と運用費用
システムの導入にかかる初期費用だけでなく、月額料金やトランザクション手数料などの運用費用も考慮します。予算内で必要な機能を提供してくれるプラットフォームを選ぶことが重要です。
・コストパフォーマンス
安価なプラットフォームでも、必要な機能やサポートが欠けている場合は追加費用が発生する可能性があります。総合的なコストパフォーマンスを評価することが必要です。
ECサイト構築にかかる費用の詳細は以下記事をご参考ください。
ECサイトの構築の費用相場・方法別メリット・デメリットを解説
またECサイトの構築で使える補助金については以下記事をご参考ください。
【2024年版】ECサイト構築・リニューアルに使える補助金5選
■セキュリティとサポート
・セキュリティ機能
SSL証明書、データ暗号化、PCIDSS準拠など、セキュリティ対策がしっかりしているかを確認します。顧客のデータを安全に保護できるプラットフォームを選ぶことが重要です。
・サポート体制
技術的なトラブルが発生した際に迅速に対応できるサポート体制が整っているかを確認します。チャット、メールだけでなく電話、オンラインミーティング対応のサポートや、豊富なマニュアルが提供されていることが望ましいです。
ECカートシステムの特徴比較や選定ポイントについてさらに詳しく知りたい方は以下記事をご参考ください。
ECカートシステムの比較・選定ポイント【主要21サービス一覧表付】
4.サイトデザイン制作
ECサイトの構築方法は様々ありますが、どの方法を選んだ場合でもECサイトをオープンさせるためには、ECプラットフォーム上でのサイト制作が必要です。
ECサイトにおける商品販売は、購入者が実際に手にとって商品が確認できない為、ブランドイメージや世界観、イメージや素材感などが伝わるようなサイトを制作する必要があり、魅力的な商品やコンテンツを最大限に活かすためのサイトデザインやユーザーインタフェースをしっかりと考えることが重要です。
このようなECサイトの運用に必要なページを用意するにあたり、作成手順を解説します。社内にて内製できるリソースが不足している場合や、しっかりと作り込みたい場合は、制作会社に支援を受けることを検討する必要があるため、費用感もお伝えします。
事前準備として、利用するECプラットフォームに備わっている機能や仕様を理解し、制作事例や成功実績もできるだけ確認しておきましょう。クラウド型(ASP)のECプラットフォームを利用するのであれば、用意されているテンプレートをベースに進めることで早く安価にサイト制作することも可能です。
[1]ワイヤーフレーム作成
ワイヤーフレームとは、「サイトの設計図」です。デザインを作成する前工程として、ECサイトの完成イメージを線と枠で描いたモノクロのラフ案を作成します。ワイヤーフレーム上で、必要なコンテンツや操作ボタンをユーザビリティーを考慮しながら配置し、レイアウトを定めていきます。
ワイヤーフレームの作成は、ひと昔前まではPC版から着手するのが一般的でしたが、昨今ECサイトの利用デバイスはスマートフォンが主流になっているため、モバイル版を中心に設計する、モバイルファーストの考え方が重要です。表示領域の異なる各デバイスによって、表示させる情報量を最適化させるといった考え方も一部あるかもしれませんが、どのデバイスでアクセスした際にも目的の情報に辿り着けるように設計していきます。
[2]デザイン案の作成
ワイヤーフレームが完成したら、デザイン案の作成に取り掛かります。内製、外部委託を問わずデザイナーに依頼する際には、自社ECのカラーや特徴、コンセプトやユーザー層をよく理解してもらい、デザイン案は何パターン用意してもらえるかも確認しておきましょう。ロゴやサイトデザインに利用したい商品画像などの素材が準備できている場合、このタイミングで提供しましょう。
[3]コーディング
デザインが確定したらコーディングに入ります。1つのソースコードの調整によりマルチデバイス向けのページ構築に対応したレスポンシブコーディングを採用することで、制作コストはもちろん、その後の管理コストの削減にも繋がります。ECサイトのコーディング時には、サンプルとなる商品情報やカテゴリ情報を登録しておき、動作確認をしながら進めるとスムーズです。
制作費用
自社でデザインやコーディングが出来ない場合は、ECサイト制作に長けた人材、制作会社に依頼する必要があります。
▼費用感や期間のイメージ
方法 | 特徴 | 期間 | 費用 | |
---|---|---|---|---|
テンプレートをベースに制作 | ミニマムで自社ECを展開したい | 1ヶ月~2ヶ月 | 自社で制作 | 制作会社に依頼 |
人件費 | 300,000円~ | |||
フルデザイン制作 | オリジナルのデザインでブランドイメージを訴求するようなこだわりのECサイトを構築したい | 3ヶ月~6ヶ月 | デザイナー、コーダーの人件費 | 1,000,000円~ |
15年以上ECサイト構築・運営を支援する
株式会社レッカスグルーブ様の見解
実制作に入る前に、サイトマップを必ず整理し、何のコンテンツが何ページあればユーザーにとってメリットのあるサイトになるのか、考えていきましょう。
自分たちにとって都合の良いサイトだけではなく、ユーザーにとって利用価値の高いサイトにすることが肝要です。
以下記事にてECサイトデザインの参考事例を商材別でまとめていますので併せてご参考ください。
ECサイトデザイン事例43選|売れるECサイトのデザインとは?
ECサイトの制作費用についてさらに詳しく知りたい方は以下記事をご参考ください。
ECサイトの制作手順や外注する場合の費用相場を解説
ECサイトの構築で使える補助金については以下記事をご参考ください。
【2024年版】ECサイト構築・リニューアルに使える補助金5選
また制作会社を選定する際のポイントについても以下記事で解説していますのであわせてご参考いただけますと幸いです。
ECサイト制作会社の選定ポイント
5.各種データ登録
商品情報/コンテンツの登録
商品情報やカテゴリ登録、LPや会社概要、特定商取引法などの各ページに表示させるコンテンツの登録を行います。
各ページにて設定するSEO関連のデータ(title、descriptionやh1、h2などの見出し)設定も確実に実施します。
一定のフォーマットを用いて登録できる情報は、CSV機能を活用して、一括で登録することで作業効率が格段に上がります。
諸設定
諸設定の代表的なものに以下のようなものがあります。
・アクセス解析各種必要タグの設置
・広告関連(アフィリエイト、リスティング等)設定
・在庫設定
・送料設定
・決済/手数料設定
・ポイント設定
・レビュー設定
・各種受注関連メールテンプレート設定
・納品書設定
・領収書設定
設定後は意図した内容がサイトに反映されているか、必ず動作確認を行いましょう。
また送料設定については以下記事で詳しく解説していますのであわせてご参考ください。
ECサイトの送料設定で注意すべきポイントとは?成功事例・失敗事例も紹介
6.テスト注文・受注運用フローの確認
各種データ登録や諸設定がある程度整った段階で、テスト注文を実施します。
カート画面のUIを確認すると同時に、注文されたデータがどのように受注管理画面に反映されるのか、そしてその後の受注処理を円滑に進めるためのフローを確認しておきます。
クレジットカードの審査が通り次第、実際に有効なクレジットカードでテスト注文も実施しておきます。その際、決済処理方法についても確認が可能です。(テスト注文についてはキャンセル処理をしておきます)
7.サイトオープン作業
以上の工程を完了させ、ECサイトをオープンできる状態が整ったら、最後にオープン作業を行います。
オープン日の告知
ここで指すオープン日の告知とは、システム提供者に対する連絡です。
ECサイトをオープンさせるタイミングでは、システム提供者側で対応が必要なタスクもあります。
例えば、常時SSL設定や、管理画面上で設定できない事項の設定などです。
また、万が一のトラブル発生時においても、スムーズに対応してもらいやすくなります。
ドメイン設定/リダイレクトの実施
予め確認しておいたドメインの管理画面(コントロールパネル)にてシステム提供者から案内されたネームサーバーを設定します。
DNSが浸透され次第、独自ドメインにてECサイトが利用できる状態となります。
リダイレクトを実施する場合、ドメインの波及後に、意図した設定通りになっているか、旧URLにアクセスして動作確認も行いましょう。
以上でオープンまでのサイト構築は完了となります。
またECサイト構築後の運営・運用に関しては以下記事で詳しく解説していますのでご参考いただけますと幸いです。
ECサイト運営のポイントとは?5つの運用フローと成功事例を解説
ECサイト構築の成功事例
お米のギフトEC「八代目儀兵衛」様
・「お米の価値観を変える」をビジョンとしている
・お米のギフト化を実現したブランディング戦略を実施
・EC全体のうち本店サイト売上が約6割を占める
・オープンソースシステムからリニューアル後、初月前年比140%、通年で売上前年比120%を実現
<構築のポイント>
・ギフト特有の複雑さをUIで解消
カートUIの改善として、のしやラッピングなどギフト特有のオプションを目的に沿って表示し、ユーザーが最適なものを選択できるように刷新。
・ブランドイメージを最大限表現したデザイン
自由度の高いCMSで「京都らしさ」をコンセプトにブランドイメージを最大限表現したデザインを実現。
旧サイトではバナーが多く、何を一番訴求したいのかわかりにくいサイトになっていた。売れ筋商品の「満開」が目立つように、白を基調したデザインに全体を変更し、バナーを張りすぎない方針に変更。
・eギフト展開
ECでの売上拡大だけでなくそれぞれの事業ドメインの体験をつなぐ仕掛け作りとして新たな販売方法を拡充。
ギフトECで重要なのは、「注文者が贈られた状態を想像できること」ですが、リニューアル前はそれが不十分でした。今回のリニューアルでは、カート画面でのしやラッピングなどギフト特有のオプションを目的に沿って表示し、ユーザーが最適なものを選択できるように刷新しました。
また、サイト訪問者にワクワクしていただけるよう、ビジュアル面を強化しました。トップページの写真は「星のや京都」で、法事用の商品は「東山・圓徳院」でそれぞれ特別に許可をいただいて撮影し、京都らしさにこだわることで注文する人が商品を選ぶ際にもワクワクしてもらえるよう工夫しました。
その他にもマーケティングのCMSやメッセージカードの作成フロー、LINE連携など顧客体験価値向上に向けた強化を実施しました。
株式会社ロマンライフ様
(マールブランシュ オンラインショップ 運営)
・京都の洋菓子店でもトップブランドの「京都北山マールブランシュ」を展開
・パッケージシステムからリニューアル後、売上拡大
・オムニチャネルなど戦略的EC強化でコロナ禍でも売上を拡大
<構築のポイント>
・ギフト対応
注文時にリアルタイムで熨斗のデザインや入力された文字を表示する機能により、ユーザーが購入時にイメージしやすいように設計。
また、ひとつの注文で複数の配送先を設定できるようにするなど、ギフトの細かなニーズに応える仕様を作り上げ、ギフトユーザーが使いやすいよう工夫しました。さらに熨斗をCSVデータで一括印刷できるようにするなど、バックオフィスの運用改善も実現しています。
・実店舗とECの連携でCRM強化
ECと実店舗の会員情報をシームレスにつなぎ込み、CRMを強化することで顧客体験価値の向上を実現。
また実店舗とECの購入履歴を統合、ポイントも一元化したことに加えて、これらのデータはCRMツールとリアルタイムで連携。実店舗とECを融合させたマーケティングを可能にしています。
モノを売るという意味では、ネットもリアルも同じです。データベースをひとつに統一することで、顧客管理をスムーズに行えるようにしました。実店舗での会員登録も、これまでは紙ベースでしたが、「aiship」の機能を利用してECサイトと同じUIでタブレット上で簡単に登録できるようにしました。
リニューアル直後3月~7月末のEC経由の会員登録数は、前年比で約130%になっています。
株式会社パンクチュアル様
(産直オンライン市場 高知かわうそ市場 運営)
・高知の生産者/メーカー自慢の産品を直送でお届けする産直モール
・開設わずか1年で20万人が利用する人気ECに成長
・海外産のグローバルコマースプラットフォームからリニューアル
<構築のポイント>
・生産者との連携強化
生産者ごとに稼働が異なり発送できる日程調整が困難だったが商品ごとに配送リードタイムを設定することで綿密に日程を調整可能に。
・運用サポート
海外のサポートによるチャット問い合わせ対応しかできず不便だったが、日本かつ電話やwebミーティングで直接サポートを提供しているクラウドシステム(ASP)でリニューアルを実施。
システムのことは一貫して任せられる状況になったことで運営側は顧客のニーズに合わせて商品をプロモーションしたり、デザイン制作をしたりすることに集中できるようになりました。
「高知かわうそ市場」が成り立っているのは、間違いなく生産者の努力があってこそです。 立ち上げ当初は自社に合っていないシステムで運用が上手く回らず苦労しましたが、食品/産直/ギフトという自分たちの方向性と一致したECサイト構築クラウドシステムと出会い、システムは任せることができるようになったため、本当にEC未経験の漁師たちが、aishipと一緒に、ECをここまで創り上げることができました。
株式会社アンドユー様
(ANDYOU DRESSING ROOM 運営)
・ブライダル大手「ノバレーゼ」の子会社としてドレスレンタルEC事業をスタート
・サービスローンチから4年で利用者数は累計7,000人。リピーター率は約20%
<構築のポイント>
・立ち上げのスピード感
依頼からリリースまで5カ月という短いスケジュールだったが、サイト制作や決済審査などトラブルもなく、スムーズにオープン。
ローンチから8ヶ月で累計1000人が利用するサービスへ成長。
・サイトデザイン
商品の魅力が引き立つように、シンプルなデザインで構築。
商品力で勝負したかったので、商品の魅力を引き立たせるように、サイトはシンプルなデザインにしようと思っていました。完成したサイトを見たら、頭で描いていたイメージにぴったりでしたね。
「ASPカートはデザインの融通がきかない場合も多い」と聞いたことがあったのですが、「aiship」は自由にデザインできたので、ありがたかったです。
あとは、サイトの動線部分は、デフォルトの状態のままリリースしました。商品ページから購入ページに遷移する動線や、決済ページまでの動線など、シンプルで使いやすかったのでカスタマイズなどはしていません。
株式会社チカズリカーリングサービス様
(カメラとレンズのレンタルサービスCam’Lens 運営)
<構築のポイント>
・サブスクリプション機能が備わったASPで安価に構築
・レンタル未返却に対する独自のリスク対策をカート内で実現
サイト構築自体が初めてでしたので、本を買ってHTML・CSSを勉強するところから始まりました。設定などでわからないことも色々と出てきましたが、サポートの方に質問・相談することで、初めてでも一歩一歩前に進んでいくことができました。
あとはクレジット決済サービスを利用するための準備ですね。といっても決済代行会社の方に必要な情報を教えていただいたので、そちらに沿って必要事項を記載してカード会社に審査をしていただくだけでした。
色んな変更を試しながらカスタマイズを行った結果、伝えたい内容を思い通りに訴求できるサイトができたと感じています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。実現したい要件を明確にして、ポイントを押さえて構築を行うことでスムーズに立ち上げを完了でき、今後の売上拡大の可能性を最大限高めることができます。
本記事の内容がECサイト構築をご検討される際のご参考になれば幸いです。
またECサイトのリニューアルをご検討の際は以下の記事をご参考ください。
ECサイトリニューアル成功のポイント|売上40%増の成功事例から手順・費用まで解説
今回はクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」での成功事例も併せてご紹介させていただきました。
「aiship」では課題、ニーズのヒアリングから構築・運用サポートまで一貫して提供しておりますのでECサイト構築をご検討の際はぜひ1度お問い合わせください。