【事例11選】BtoB ECとは?
必要な機能・構築方法・成功要因を解説
2025年2月5日2025年5月27日
近年、企業間取引(BtoB)のデジタル化が急速に進んでいます。従来のFAXや電話での注文処理に代わり、オンライン上でスムーズに取引を完結できるBtoB ECの導入が、多くの企業にとって重要な経営課題となっています。
業務の効率化やコスト削減を実現しながら、新規顧客の獲得や売上の拡大を図ることができるBtoB ECは、今後ますます普及が進むと予測されています。
本記事では、BtoB ECの基本概念から市場規模、導入のメリット・デメリット、必要な機能、構築方法、成功のポイント、さらには具体的な事例まで詳しく解説します。
- BtoB EC とは
- BtoB ECの市場規模
- BtoB ECのメリット・デメリット
- BtoB ECに必要な機能
- BtoB ECの種類
- BtoB ECの構築方法
- BtoB ECの成功ポイント
- BtoB ECの事例11選
- まとめ
目次
BtoB ECとは
BtoB EC(Business to Business Electronic Commerce)とは、企業間で行われる商取引をインターネット上で実施する仕組みのことを指します。「B2B EC」と表記されることもありますが同じ意味です。
従来の電話やFAX、対面での受発注業務をデジタル化し、業務の効率化やコスト削減を実現することが主な目的です。
BtoB ECは、BtoC(企業と個人消費者間の取引)とは異なり、大量注文や継続的な取引が多く、取引ごとに価格や契約条件が異なることが特徴です。そのため、通常のECサイトと比較して、企業間取引に特化した機能が求められます。
また、BtoB ECの導入により、業務の自動化が進み、ヒューマンエラーの削減や取引のスピード向上が可能になります。さらに、データの可視化が進むことで、販売戦略の最適化や顧客対応の向上にもつながります。
BtoB ECの市場規模
BtoB ECの市場は年々拡大しており、経済産業省のデータによると2023年の国内 BtoB-EC 市場規模は、465兆 2,372億円(前年比 10.7%増)となっています。
特に製造業や卸売業での導入が進んでおり、取引の効率化やグローバル展開の加速に寄与しています。

出典:
令和5年度 電子商取引に関する市場調査|経済産業省
また、海外市場と比較すると、日本のBtoB ECはまだ発展途上の部分があり、今後さらなる成長が見込まれています。
特に、中国や米国では、EC取引が標準化されつつあり、日本企業もそれに適応するためのECシステム導入が急務となっています。
BtoB ECのメリット・デメリット
BtoB ECのメリット
業務効率化
BtoB ECを導入することで、注文や見積もりの処理がオンライン上で完結し、人的なやり取りが不要になります。これにより、受注ミスの防止や業務負担の軽減が可能となり、社内の業務効率が大幅に向上します。
また、購買履歴の自動管理や発注の定期化など、繰り返しの業務を効率化する機能も活用できます。
コスト削減
FAXや電話による注文処理では、多くの人的リソースが必要ですが、BtoB ECを導入することで、人件費の削減が可能になります。
また、紙の書類を電子化することで、印刷・郵送コストを削減し、ペーパーレス化による環境負荷の軽減にも寄与します。
24時間注文可能
従来の対面や電話による注文では、営業時間内に対応が必要でしたが、BtoB ECでは24時間365日、いつでも受発注が可能です。
特に、海外取引やシフト制の業界では、時間に制約されることなく取引ができる点が大きなメリットとなります。
データ活用が容易
BtoB ECでは、顧客の注文履歴や購買傾向をデータとして蓄積できます。このデータを分析することで、需要予測や適切な商品提案が可能になり、売上向上に直結します。
また、購買頻度が高い商品をリスト化し、発注しやすいインターフェースを提供することで、リピート率の向上も期待できます。
グローバル対応
BtoB ECを活用することで、海外企業との取引が容易になります。多言語対応や通貨換算機能を備えたシステムを導入すれば、国際的なビジネス展開がスムーズに行えます。
特に、物流や決済の最適化を図ることで、海外市場での競争力を高めることができます。
BtoB ECのデメリット
初期投資が必要
BtoB ECの導入には、システム構築費用や運用コストがかかります。
特に、カスタマイズが必要な場合は、開発費用が膨らむ可能性があります。そのため、ROI(投資対効果)を考慮し、長期的なコストメリットを見極めることが重要です。
運用負担
ECシステムを運用するには、定期的なメンテナンスやアップデートが必要です。
また、セキュリティ対策も欠かせず、不正アクセスやデータ漏洩のリスクに備える必要があります。
システムによっては管理に専門的な知識が求められるため、社内にIT担当者を配置するか、外部のサポートを活用することが必要になります。
顧客対応の変化
従来の対面営業では、顧客ごとのニーズに柔軟に対応できましたが、BtoB ECではデジタル化されたコミュニケーションが主流になります。これにより、顧客との関係性の維持が課題となるケースもあります。
チャット機能やオンライン商談ツールを活用するなど、デジタルならではの顧客対応を工夫することが求められます。
カスタマイズの課題
BtoB取引は企業ごとに異なる条件や商習慣があるため、ECサイトのカスタマイズが必要になる場合があります。
しかし、ASPカートなどの既製システムでは、業界特有の仕様に対応しきれない場合もあります。
追加カスタマイズの可否を事前に把握しつつ、自社に適したプラットフォームの選定を行うことが重要です。
BtoB ECに必要な機能
BtoB ECではBtoC ECとは異なり以下のような特有の機能が求められます。
会員ごとのコンテンツ出し分け・アクセス制限
BtoB ECでは、取引先ごとに異なる価格や商品ラインナップを設定することが一般的です。そのため、会員制サイトとして運営し、ログインしたユーザーごとに適切な価格や在庫情報を表示する機能が必要です。
また、特定の条件を満たした企業のみがアクセスできるようにID/パスワードやIPで制限をかけることで、取引の安全性を高められます。
特にBtoB向けのEC運用では取引先単位で個別に卸価格(販売価格)を設定することで、利便性の高い運用を実現できます。
弊社の提供するクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」ではBtoB EC向けの機能として事業者がECサイトの会員に対し独自の基準でランクを付与し、ランクに応じた掛売り率の出し分けができる「BtoB向け会員ランク機能」「会員属性別コンテンツ出し分け機能」を標準搭載しています。
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見積もり機能
BtoB取引では、購入前に価格交渉や見積もりが必要になるケースが多くあります。
そのため、BtoB ECには、カートに商品を追加するのではなく、条件を指定して見積もりリクエストを送信したり、管理画面上で見積もり発行を行える機能が求められる場合があります。
複数人アカウント管理
企業の購買担当者は一人とは限りません。複数の担当者が同じアカウントを利用しながら、それぞれの役割に応じた権限を持つ仕組みが必要になることもあります。
例えば、発注担当者は注文のみ可能とし、上長は最終承認を行う場合、細かいアクセス権限の設定が求められます。
掛け払い(請求書払い)機能
BtoB取引では、掛け払い(請求書払い)が一般的です。そのため、決済手段として掛け払い(請求書払い)を設けておく必要があります。
また企業ごとの与信枠を設定し、限度額を超えた注文ができないようにする機能や、未払い残高の確認機能を実装することで、リスクを最小限に抑えられます。
近年、一般消費者(BtoC)向けの販売チャネルを活用しつつ、法人顧客への販売を強化する動きが活発になっています。
背景には、工場・自治体・卸売業・小売店など、事業者側の購買行動がオンラインにシフトしつつあることがあります。
一般消費者はもちろん、法人も利用できるハイブリッド型のECを構築することで、販路を拡大しつつバックヤード側の業務も統合し、運用効率を高めていきたいというニーズの高まりを受け、「aiship」でもBtoB決済の拡充を決定しました。
また、企業間取引では、購入した商品の代金を一定期間後にまとめて支払う「掛売り」が一般的です。
しかし、この取引形態には未回収リスクや入金確認、督促などの煩雑な業務が伴います。
「クロネコ掛け払い」は、これらの負担や不安を軽減できます。
「クロネコ掛け払い」に対応予定!BtoB向けの決済手段を容易に導入可能に|aiship

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API連携
BtoB ECの在庫情報や受注情報などを基幹システムと連携させることで、業務の効率化が可能になります。
例えば、ECサイトでの受注情報を基幹システムに自動で取り込み、在庫管理や請求処理と連動させることで、手作業によるミスを防ぐことができます。
また、顧客データをCRMと連携することで、パーソナライズされた提案やマーケティング施策の最適化も実現できます。
弊社の提供するクラウド型ECカート「aiship」では、APIを公開しているため、基幹システムやOMS、WMSを始めとした、ECでの各種ツールと連携し、 スムーズなEC運営を実現できます。
ECサイトの運営には、構築・集客・注文の管理それぞれに作業工数が大きくかかります。
また複数のツールと相互に連携した機能拡張が当たり前になっています。
aishipではAPIを用いたシステム連携を行い、様々なソリューションと組み合わせてご利用いただけます。
aishipでのAPI連携の詳細はこちら
在庫管理機能
リアルタイムでの在庫確認は、BtoB ECにとって重要な機能です。発注した商品が欠品していると取引先に迷惑がかかるため、ECサイト上で最新の在庫状況を確認できる機能が求められます。
また、発注数が一定数を超えた際に自動的にアラートを出す機能や、在庫切れ時の予約注文受付機能なども重要です。
BtoB ECの種類
BtoB ECには、主に「クローズド型」と「スモールB型」の2種類のタイプが存在します。
クローズド型
クローズド型BtoB ECは、特定の企業や取引先のみにアクセスが許可されるECサイトです。登録企業のみが利用できる仕組みとなっており、価格や商品情報が一般公開されていないケースが多いのが特徴です。
このタイプのECサイトは、取引の安全性を確保しつつ、企業ごとに異なる価格設定や特別契約を適用することが可能です。特に、製造業や専門商材を扱う企業では、機密情報を守るためにクローズド型を採用することが多くあります。
クローズド型のメリット
・取引先ごとにカスタマイズされた価格や商品情報を提供できる ・競合他社に価格戦略が漏れにくい ・与信管理や特別契約の管理がしやすい
クローズド型のデメリット
・新規顧客の獲得が難しく、営業活動が必要 ・一般的なBtoCサイトのような集客施策が取りにくい
スモールB型
スモールB型BtoB ECは、一般公開されており、誰でも閲覧可能なECサイトです。特に中小企業や新規参入企業にとって有効な手段で、新規顧客の獲得がしやすいのが特徴です。
このタイプのECサイトは、BtoBでありながらBtoCに近い販売手法を採用し、Web上で自由に商品を閲覧し、見積もりや注文を行える仕組みになっています。そのため、ECサイト経由での集客やマーケティングが重要になります。
スモールB型のメリット
・一般公開されているため、新規顧客を獲得しやすい
・SEOや広告を活用し、幅広い市場へアプローチ可能
・企業の認知度向上に貢献し、取引先の拡大が期待できる
スモールB型のデメリット
・価格競争に巻き込まれやすい
・クローズド型に比べて、与信管理が難しい
・競合他社に商品情報や価格が公開されるリスクがある
BtoB ECの構築方法
BtoB ECサイトを構築する方法としては大きく分けて以下の2種類があります。
・クラウド型プラットフォームを利用する
・インストール型プラットフォームを利用する
まずは上記2種類の方法についてそれぞれの特徴を比較して紹介します。
クラウド型 | インストール型 | |
---|---|---|
料金体制 |
・月額制(サポート・運用保守含む) ・サービス利用期間の支払い ・解約は容易 |
・ベンダーは初期の構築・機能開発で利益の大半を回収 ・返品不可 ・納品後の継続的なサービス改修・改善のインセンティブは少ない |
サーバー提供管理 |
・システム提供会社が提供管理 ・無償で随時アップデートし高負荷時への対応も実施 |
・EC事業者が用意し管理 ・サーバインストール、構築作業必要 |
システム運用保守 | システム提供会社が実施 | EC事業者もしくは協力会社の技術担当が実施 |
提供体制 |
・システム開発・運用保守・サポートをワンストップで提供 ・ソフト提供元・開発・保守会社は異なる |
・責任範囲が不明確になる可能性あり |
システムバージョンアップ | システム提供会社が実施 |
・EC事業者もしくは協力会社で実施 ・エンジニアだけでなくシステムに関するディレクタも必要 |
機能の最新性維持 |
・常に業界標準の機能を提供 ・多くのユーザが望む機能を積極的に追加 ・機能追加方針でEC事業で実施必要あり |
・機能追加作業については実費を負担し協力会社へ依頼が必要 ・最新性の維持頻度に関係なく数年に一度システム入れ替えが必要 |
セキュリティ | システム提供会社が常に最新の状態にアップデート実施 | EC事業者が自己責任のもと協力会社へ依頼し実施 |
機能追加カスタマイズ | ASP(クラウド)によって可 | 可能 |
運用サポート | 電話・メール・オンラインサポート、対面サポート等システム提供会社にて提供 | 協力会社へ外注必要 |
メリット | 機能追加・保守はサービス提供事業者が行うため、運用に集中できる。定期的にバージョンアップが実施されるため、常に最新状態機能性またはシステムを利用できる。 | 自社の運用にあわせてシステム設計やカスタマイズが可能 |
デメリット | 標準機能内での運用が前提となるため、使い方を工夫したり運用面でカバーしなければいけない場合がある。一般的には独自のカスタマイズが難しい。 | 保守メンテナンス、専門性が高い人材の確保などコストがかかる |
初期や運用費用に多額の資金を投入できる場合はインストール型の開発で独自機能を追求する方法もありますが、最近では大手企業においてもクラウド型の採用が主流になってきています。
続いてそれぞれの方法を細分化し、具体的な特徴とプラットフォームの代表例について紹介します。

クラウド型プラットフォーム
ASP
ASPカートとは、クラウド型のECプラットフォームを利用してBtoB ECサイトを構築する方法です。月額費用を支払うことで、システムのメンテナンスやアップデートを事業者側で行う必要がなく、スピーディーに導入できるのが特徴です。

メリット
-
・初期費用が比較的安価
-
・システム運用の負担が少ない
-
・セキュリティやアップデート対応をサービス提供者に任せられる

デメリット
- ・サービスによってはカスタマイズの自由度が低い
-
・取引量が増えるとコストが割高になる場合がある
-
代表的なプラットフォーム
aiship(アイシップ)

「aiship」はEC事業者様が”商品の販売に夢中になれる”クラウド型ECサイト構築ASPです。
専門性が求められるEC運営において、知識負担を減らし"商品を販売すること"に集中できるプロダクト提供をコンセプトに、月2回のペースでアップデートを実施。
通常のEC運営で必要な機能はもちろん、BtoB ECに必要な機能も多数搭載されています。

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Bcart(Bカート)

Bカートは、受発注・請求・営業をDX推進するBtoB ECプラットフォームです。
月額9,800円~でスモールスタートができます。BtoB ECに必要な機能を豊富に搭載しているため、カスタマイズ不要で構築・運用することができます。
インストール型プラットフォーム
オープンソース
オープンソースのECプラットフォームを利用する方法です。ソースコードが公開されているため、カスタマイズ性が高く、自社の要件に合わせたBtoB ECサイトを構築できます。

メリット
-
・自由にカスタマイズが可能
-
・ライセンス費用が不要
(ただし、開発や保守のコストは発生) -
・コミュニティによる情報共有が活発

デメリット
- ・開発スキルが必要
-
・セキュリティ対策や保守運用の負担が大きい
-
代表的なプラットフォーム
EC-CUBE B2B

「EC-CUBE」は、オープンソースで国内シェアNo.1のBtoB向けECサイト構築パッケージです。
機能追加の拡張性や、デザインの柔軟性などから、これまで180万件以上ダウンロード
されており、BtoBに特化したプラグインや個別カスタマイズのノウハウも蓄積されています。
パッケージ
パッケージとは、BtoB EC向けに特化したソフトウェアを利用し、自社サーバーやクラウド上に構築する方法です。既製品でありながら、高いカスタマイズ性を持つものが多く、大規模な取引にも対応可能です。

メリット
-
・柔軟なカスタマイズが可能
-
・大規模な取引に対応しやすい
-
・専門ベンダーのサポートが受けられる

デメリット
- ・初期導入コストが高い
-
・システム運用の負担がある
-
代表的なプラットフォーム
ecbeing BtoB

「ecbeing BtoB」はフルカスタマイズ可能なBtoB専用ECプラットフォームです。
戦略立案から、サイト制作、システム構築、運用、データセンターまでワンストップで提供しており、Eコマースの様々な課題を解決できます。
フルスクラッチ
フルスクラッチとは、ゼロからシステムを開発する方法です。完全オーダーメイドのため、自社のビジネスモデルに最適化したBtoB ECサイトを構築できます。

メリット
-
・自社の業務に完全に適合したシステムを構築可能
-
・他システムとの柔軟な連携が可能
-
・長期的な視点で見た場合の運用コストを抑えられる可能性がある

デメリット
- ・開発期間が長く、初期費用が高額
-
・継続的な保守・運用が必要
-
・システム開発のリスクが大きい
様々な方法、プラットフォームがありますが、自社のレベルとやりたいこと、そして費用感によってシステムを選定していく必要があります。
また、デザインにおいてもUI・UXなど機能性と関連が深い部分は、開発などで機能追加しない限り、選定したシステムの性能に制限されてしまうため、自社で実現したい方向性とマッチするシステムを選定することが非常に重要です。
各ECプラットフォームの特徴比較や選定ポイントについては以下の記事で解説していますので、よろしければ併せてご参考ください。
【2025最新】ECプラットフォームを徹底比較!主要17サービスの特徴を解説
【2025最新】ECカートシステム22選を徹底比較【一覧表付】
またECサイト構築にかかる費用については以下の記事で解説していますので、こちらも併せてご参考いただけると幸いです。
ECサイト構築の費用相場がわかる!全6項目を方法別で比較解説
BtoB ECの成功ポイント
BtoB ECを成功させるためには、単にシステムを導入するだけでなく、運用面でも戦略的なアプローチが求められます。以下のポイントを押さえることで、効果的にBtoB ECを活用できます。
顧客ニーズに応じたシステム設計
BtoB取引は業界や企業ごとに異なる取引条件が存在します。そのため、ECサイトの構築にあたっては、取引先のニーズを十分に把握し、適切なカスタマイズができるシステム設計が重要です。
例えば、価格の個別設定、発注フローの最適化、特定の取引条件に対応できる柔軟性が求められます。
特に高額な商材を取り扱うBtoB ECではレンタルの受注を取れるようにしておくこともおすすめです。
企業が設備や機器を導入する際、購入ではなくレンタルを選択できることで、初期投資を抑えられます。特に中小企業や新規事業を立ち上げる企業にとっては、注文のハードルが下がるため、顧客層の拡大につながります。
またレンタルは長期間にわたる取引となる場合も多く、顧客との関係を継続的に維持。定期的なメンテナンスやアップグレードの提案を行うことで、顧客満足度の向上とリピート率の向上につながります。
▼レンタルに対応したBtoB ECの事例(配信機材レンタルセンター)
弊社の提供するaishipではレンタル商品ページにカレンダーを表示させて選択できるようにしたり、日毎に在庫管理ができるためレンタルサービスを展開する場合でも効率的なオンようを行うことができます。
レンタル機能ついての詳細はこちら
使いやすいUI/UXの提供
BtoB取引では、購買担当者が日常的にシステムを利用するため、直感的に操作できるUI/UXの設計が成功の鍵となります。
商品検索のしやすさ、注文履歴の管理、簡単な再注文機能など、業務の効率化を促進する機能を搭載することで、利用率の向上が期待できます。
システム間の連携
ERP(基幹業務システム)やCRM(顧客管理システム)とのスムーズな連携が可能なBtoB ECを構築することで、業務プロセスの自動化が実現できます。
例えば、受注データをCSVやAPIで基幹システムに連携することで、在庫管理や請求処理を一元化し、手作業によるミスを削減できます。
決済手段の多様化
BtoB取引では、掛売り(後払い)、銀行振込、クレジットカード決済など、取引先の支払い条件に応じた多様な決済手段の提供が求められます。
特に、大口取引や定期購入に対応するためには、与信管理機能を備えた決済フローも考慮する必要があります。
各決済方法の特徴や選定ポイントの詳細は以下の記事もご参考ください。
【2025最新】ECサイトに導入すべき決済方法7選
運用体制の確立
BtoB ECの導入後は、システムの保守運用や顧客サポートが欠かせません。受注・在庫・出荷管理のオペレーションを最適化し、問い合わせ対応の体制を整えることで、取引先からの信頼を獲得できます。
また、定期的なシステムアップデートやセキュリティ対策を講じることで、安定した運用を実現できます。
ECサイトのセキュリティ対策については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご参考ください。
ECサイトで必須のセキュリティ対策とは?【2024年度末】脆弱性診断義務化
マーケティング戦略の強化
BtoB ECの成功には、継続的なマーケティング施策が不可欠です。SEO対策による集客強化、メールマーケティングによるリピーター獲得、コンテンツマーケティングを活用したブランド価値の向上など、多角的な施策を展開することで、売上拡大を目指せます。
ECサイトのマーケティングについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご参考ください。
ECサイトマーケティングで押さえるべき基本施策5選【チェックリスト付】
データ活用による最適化
BtoB ECサイトでは、顧客の購買履歴や行動データを活用することで、販売戦略を最適化できます。
データ分析を基に、パーソナライズされた商品提案や、特定の顧客向けキャンペーンを実施することで、売上の最大化が可能です。
ECサイトのデータ分析については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご参考ください。
ECサイトの分析方法とは?見るべきデータ種別・ツール活用法・成功事例を紹介
BtoB ECの事例11選
BtoB ECで成功した企業の事例をご紹介します。
モノタロウ(スモールB型)

モノタロウは、工業用間接資材を取り扱うBtoB ECサイトを運営しており、約1,800万点以上の商品を提供しています。
成功要因としては、以下の点が挙げられます。
・豊富な品揃えと小口発注への対応
従来、大口発注が主流であった業界において、モノタロウは1点からの小口発注にも対応し、中小企業や個人事業主でも利用しやすい環境を整えました。
・迅速な配送体制の構築
物流センターへの積極的な投資により、当日出荷や翌日配送を実現し、ユーザーのニーズに応えています。
・ユーザーフレンドリーなサイト設計
商品検索機能の充実や多様な決済方法の導入により、ユーザーが使いやすいECサイトを構築しています。
ヘッドスプリング(クローズド型)

ヘッドスプリングは、美容医療クリニックや美容サロン向けにドクターズコスメを卸販売するBtoB ECサイトを運営しています。
成功要因としては、以下の点が挙げられます。
・受注システムのオンライン化
ECサイトを活用した受注システムにより、受注業務の効率化を図りました。
・売上の大幅増加
ECサイト導入前の月売上が約150万円だったのに対し、導入後数ヶ月で約600万円と、300%以上の成長を遂げました。
MISUMI(スモールB型)

MISUMIは金型用精密機械部品の販売を行うBtoB ECサイトを運営しています。
成功要因としては、以下の点が挙げられます。
・豊富な商品ラインナップ
多種多様な精密機械部品を取り揃え、顧客の多様なニーズに対応しています。
・短納期対応
迅速な配送体制を構築し、顧客の生産スケジュールに柔軟に対応しています。
・オンラインカタログの充実
詳細な商品情報や図面をオンラインで提供し、顧客が必要な情報を容易に入手できるようにしています。
京都醸造(クローズド型)

京都醸造株式会社は、クラフトビールの製造・販売を行う企業で、BtoBおよびBtoC向けのECサイトを運営しています。
成功要因としては、以下の点が挙げられます。
・BtoBとBtoCのサイト分離
一般消費者向け(BtoC)と業務店向け(BtoB)のオンラインショップを分けて運営することで、それぞれの顧客ニーズに応じたサービスを提供しています。
・アカウント制によるBtoBサイト運営
BtoBサイトでは、アカウント作成と承認を経てから閲覧・購入が可能な仕組みを採用し、取引先との信頼関係を構築しています。
・柔軟な購入オプションの提供
BtoCサイトでは、ユーザーが好みのビールを1本単位で自由に組み合わせて購入できるようにし、顧客満足度を高めています。
クラウド型ASP「aiship」で構築されたBtoB ECサイト事例
ALSOK様(スモールB型)

https://www.digitalsales.alsok.co.jp/
情報セキュリティサービスの提供サイトをBtoB ECとして運用されています。
メディアリース様(スモールB型)

https://hs-rc.jp/
配信機材のレンタルサイトをBtoB ECとして運用されています。
バロックス様(クローズド型)

https://shop.valox.jp/ic/vob1114
お取引先の社内販売サイトをBtoB ECとして運用されています。
カテゴリページにパスワード入力欄を設置し、パスワードの入力をしなければ商品を見ることのできないようにされています。
プランツ様(スモールB型)

https://kirenaihasami.com/
中古シザーの買取販売レンタルサイトをBtoB ECとして運用されています。
能美防災様(スモールB型)

https://www.xr-plus.jp/
VRキットレンタルサービスをBtoB ECとして運用されています。
STARLECS様(クローズド型)

社内用売店サイトをBtoB ECとして運用されています。
以下の記事にてBtoB ECの導入に至った経緯、売店サイトの選定条件、制作へのこだわり、今後の展開などをインタビュー形式でまとめていますので、ぜひ併せてご参考ください。
社内販売ECサイトをアクセス制限で構築[STARLECS株式会社様 aiship導入事例インタビュー]
kami.5様(スモールB型)

https://kamitengo.com/
パッケージ梱包資材の通販サイトをBtoB ECとして運用されています。
各社のビジネスモデルや成功要因も参考に、自社のBtoB EC構築を検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
BtoB ECは、企業間取引の効率化やコスト削減を実現し、ビジネスの成長を加速させる重要な手段です。市場の変化に対応するため、多くの企業がデジタル化を推進し、BtoB ECの導入を検討しています。
成功するBtoB ECを構築するためには、業界ごとの特性に適した機能を備えたプラットフォームを選定し、取引先のニーズに応じた柔軟な運用を行うことが重要です。
加えて、導入後の運用・改善も継続的に行い、データを活用したマーケティングや顧客対応の強化を図ることで、より高い成果を得られます。
今後、BtoB ECはさらに進化し、AIやIoTなどの最新技術と組み合わせた高度なシステムが普及する可能性があります。企業は最新のトレンドをいち早く捉え、競争力を高めるために積極的なデジタル投資を行うことが求められます。
また今回はクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」でのBtoB EC事例も併せてご紹介させていただきました。
「aiship」では課題のヒアリングから構築・運用サポートまで一貫して提供しておりますのでBtoB ECサイトの構築やリニューアルをご検討の際はぜひ1度お問い合わせください。

クラウド型ECサイト構築ASP「aiship」
お問い合わせ
ECサイトの立ち上げやリニューアル、システム移行、見積もりのご依頼についてお気軽にお問い合わせください。
また、機能や費用の詳細、詳しい事例を知りたいなどもご相談ください。