新型コロナウイルスの影響もあり、ギフト需要のオンライン化が加速する昨今。
ギフト需要を取り込むためにギフトECはどのようにして構築していけばよいのか。
顧客に選ばれるギフトECサイトを構築するためのポイントを具体的課題解決策を交えて解説していきます。
ギフトECサイトの強化や新規立ち上げを検討する際の参考にしていただければ幸いです。
- ギフトEC市場について
- ギフトECの自社サイトとモールの特徴
- ギフトECサイト構築のフローとポイント
- 構築後の運用ポイント
- 構築運用に必要な体制
- 具体的課題解決事例
- ギフトEC事業者様のこだわり
- まとめ
目次
ギフトEC市場について
概略
新型コロナウイルス感染症のまん延時期以降、外出の自粛や気軽に人と会いづらい状態が続いたことでギフト需要のオンライン化が加速しています。オンラインギフト総研により公表されている資料によると、ギフトの購入場所としてECサイトでの購入が増加していることが読み取れます。
ギフトECの場合、通常のECと比較して特有のオプション設定や複数の配送先を指定する等の購入フローが複雑になりがちですが、ECサイトにおけるギフト利用のニーズが増えたことにより、ギフト商材を販売するEC事業者側がサイト設計を見直しされているケースも多く見かけます。
より使いやすいギフトECサイトが増え、より手軽に贈れるようになったことで、さらなる利用者の増加にも繋がっていると考えられます。
こうした流れは今後も続くと予想され、「オンラインで便利にギフトを贈る」というニーズは高まっていくことでしょう。
トレンド
国内ギフトEC市場は現在、中元・歳暮などフォーマルギフト需要の縮小が続いている半面、日常的なカジュアルギフト需要は伸長しています。
コロナ禍で誕生日やバレンタイン、母の日などのギフトを直接会って渡すことが難しい昨今、
「ECで気軽にギフトを贈りたい」という消費者ニーズの増加から気軽に贈れるサービスも増加しています。
また「SNSのみでつながる人に贈りたい」「気軽にプレゼントを贈りあいたい」といったニーズの増加から、ソーシャルギフトという新たな贈り方が注目されつつあります。
ソーシャルギフトでは、ユーザーが商品を購入し知人等に贈る際、受取る人の住所を知らなくてもSNS等を通じて気軽に贈ることができるため、
うまく活用することでカジュアル化しているギフト需要を取り込む大きな一手になると確信しています。
反対にフォーマルギフトで成功してきたECでも、今後はフォーマルギフトばかりに注力していては自社ECの成長に繋げていくことは厳しいかもしれません。
そうした状況を踏まえ、「顧客に選ばれるギフトECサイト」を構築する際のポイントについて解説していきます。
ギフトECの自社サイトとモールの特徴
ギフト商材をECで販売する方法として、自社ECサイトを構築して販売する方法と、ギフト専用のECモールに出店して販売する方法の大きく2種類あります。それぞれのメリット、デメリットを解説します。
自社ECサイト
自社ECサイトとは、独自のドメインを取得して、その企業自身が運営するECサイトのことです。
例えば、以下のようなサイトが該当します。
<メリット>
・思い通りのサイトを実現できる
自社ECサイトはデザインにオリジナリティを出すことができ、自社に見合ったブランディングをすることが可能。
・ブランド認知、リピート率向上を図りやすい
ショップの名前やブランドイメージをしっかりとアピールすることができる。また自社ECサイトでは顧客情報は自社の所有物になるため、ファンを増やして利益を生み続ける仕組みをつくりやすい。
<デメリット>
・成果があらわれるまで時間がかかる
新規にECサイトを構築する場合、SEO対策や広告出稿、リピーターへの販促活動など時間をかけて集客に取り組んでいく必要がある。
<運用開始までの方法>
コンセプト設計→システム選定→システム構築→サイト制作→各種設定→運用開始
<運用開始までの目安期間>
3か月~6か月
ECモール
ECモールとは、複数の販売店がギフト商材を出店・出品をするECサイトの集合体です。 ギフトECの場合、代表的なものとしてLINEギフトを始め、以下のようなサイトが該当します。
<メリット>
・集客力がある
LINEギフトなどのECモールはすでに知名度と高い集客力があり、集客にかかる負担は軽減される傾向がある。
・簡単に始められる
運営会社によって用意されたシステムを利用するだけで良いため、手軽に始めることが可能。
<デメリット>
・ファンづくりが難しい
購入したユーザーは”モール”で買ったという認識になることが多く、ショップ自体のファンをつくりにくい。
・出店料や手数料がかかる
出店料や販売手数料、決済手数料などが発生するため、売上を上げる程費用が高額になる。
・出品に制約がある
出品するために審査があり、基準を満たさない商品は販売できない等、制約が発生する場合がある。
<運用開始までの方法>
ECモール運営会社に申込→審査→商品登録・各種設定→運用開始
<運用開始までの目安期間>
数週間~
また、楽天などギフト専用でないモールでは、注文者は備考欄に要望を記載したり、直接販売主に連絡を入れるなどの対応が必要になるため、注文の際に贈られる状態が想像しづらく、離脱に繋がってしまうといったデメリットがあります。
今回はブランドイメージを存分に表現し、思い通りのギフトECサイトを実現しやすい自社ECサイトにフォーカスして解説します。
ギフトECサイト構築のフローとポイント
構築フロー
ギフトECサイト構築のフローは、一般的なECサイト構築と基本的には同じで以下のフローになります。
ただし、ギフトECサイト構築に必要な期間は、一般的なECよりも長めになる傾向があります。
ギフトEC特有の要件から必要な機能を検討し、システムを選定する必要があるためです。
それぞれについて重要なポイントを解説していきます。
ポイント
コンセプト設計
顧客に選ばれるギフトECサイトを構築するため、まずはコンセプト設計する必要があります。
特に類似商品が出回っている商材は、競合ブランドや競合商品と差別化できるポイントを明確にし、自社商品の魅力がしっかり伝わるようにしていきましょう。
ギフトECの場合、EC体験において注文者に気に入ってもらえればリピート購入が見込めることはもちろん、受取人も将来的に顧客になる可能性があります。
受取人の喜びの声はSNSで拡散されると、その波及効果は計り知れないものとなるため、コンセプト設計時に、SNSに投稿されることも意識しておくと、大きな成功に繋がる可能性が高まります。
必要な機能
ギフトECを運営するためには、通常のECで必要な機能に加え、ギフト特有のニーズを満たすために設計された機能が重要になります。
どのような機能が必要なのかaishipご利用事業者様の具体例と共にみていきましょう。
【EC運営で必要な機能】
・決済
・受注/在庫管理
・顧客管理
・広告運用
・メルマガ(CRM)
・アクセス解析
・大規模アクセスにも対応できるインフラ
【ギフトECを運営する場合に必要な専用機能】
・メッセージカード機能
ギフトを贈る際、商品に同梱するメッセージカードを作成する機能
<お米のギフトEC 「八代目儀兵衛」様の場合>
デザインや写真を選択し、想いのこもったメッセージカードを作成し同梱可能
特定の日にギフトを贈れるよう、注文時に指定する日時指定機能
<お米のギフトEC 「八代目儀兵衛」様の場合>
六曜を考慮し正確な配送日時の指定が可能
・複数配送機能
一度の注文で注文者以外の複数の住所を指定し、送る商品を分けることができる機能
<洋菓子のギフトEC「柳月」様の場合>
単一配送か複数配送かを選択し、配送先ごとに住所選択可能
※複数配送機能についてはこちらの記事もご参照ください。
・店舗受取機能
実店舗を持っている場合、注文したギフト商品の受取場所を店舗に指定できる機能
<洋菓子のギフトEC「マールブランシュ」様の場合>
配送、店舗受取を都合に合わせて選択可能。店舗受取を指定した場合、店舗での支払いも可能。
※店舗受取機能についてはこちらの記事もご参照ください。
ユーザーが商品を購入し知人等に贈る際、受取る人の住所を知らなくてもSNS等を通じて気軽に贈ることができるようになるとともに、 商品を受取る人が自ら配送場所・日時を指定できるため、都合に合わせたお届けを可能にする機能
<aishipのソーシャルギフト機能>
贈る側
受け取る側
住所を知らなくても簡単にギフトを贈ることが可能
※ソーシャルギフト機能についてはこちらの記事もご参照ください。
システム選定
ギフトECサイトの構築には、どんな機能を必要としているのか、受注運用の効率化や外部ツールとの連携、集客をするにあたってのプロモーション計画などを洗い出し、自社の要件や要望にあったシステムを選定することが非常に重要になってきます。
クラウド型とインストール型比較
ギフトECサイトを構築するためのカートシステムのプラットフォームは大きく分けて2種類に分類できます。
・クラウド型(ASP)
・インストール型(オープンソース・パッケージ・スクラッチ)
それぞれの特徴を比較して紹介します。
クラウド型(ASP) | インストール型 (スクラッチ/パッケージ/オープンソース) |
|
料金体制 | ・月額制(サポート・運用保守含む) ・サービス利用期間のみ支払 ・解約は容易 |
・ベンダーは初期の構築・機能開発で利益の大半を回収 ・返品不可 ・納品後の継続的なサービス改修・改善のインセンティブは小さい |
サーバー提供管理 | ・システム提供会社が提供管理 ・無償で随時アップデートし高負荷時への対応も実施 |
・EC事業者が用意し管理 ・サーバインストール、構築作業必要 |
システム運用保守 | システム提供会社が実施 | EC事業者もしくは協力会社の技術担当が実施 |
提供体制 | システム開発・運用保守・サポートをワンストップで提供 ・ソフト提供元・開発・保守会社は異なる |
・責任範囲が不明確になる可能性あり |
システムバージョンアップ | システム提供会社が実施 | ・EC事業者もしくは協力会社で実施 ・エンジニアだけでなくシステムに関するディレクターも必要 |
機能の最新性維持 | 常に業界標準の機能を提供 ・多くのユーザーが望む機能を積極的に追加 ・機能追加方針EC事業者で実施必要あり |
・機能追加作業については実費を負担し協力会社へ依頼が必要 ・最新性の維持が難しく陳腐化により数年に一度システム入替えが必要 |
セキュリティ | システム提供会社が常に最新の状態にアップデート実施 | EC事業者が自己責任のもとは協力会社へ依頼し実施 |
機能追加カスタマイズ | ASP(クラウド)によって可 | 可能 |
運用サポート | 電話・メール・オンラインサポート、対面サポート等システム提供会社にて提供 | 協力会社へ外注必要 |
メリット | 機能追加・保守はサービス提供事業者が行うため、運用に集中できる。定期的にバージョンアップが実施されるため、常に最新状態が維持されたシステムを利用できる。 | 自社の運用にあわせてシステム設計やカスタマイズが可能 |
デメリット | 標準機能内での運用が前提となるため、使い方を工夫したり運用面でカバーしなければいけない場合がある。
一般的には独自のカスタマイズが難しい。 |
保守メンテナンス、専門性が高い人材の確保などコストがかかる |
初期や運用費用に多額の資金を投入できる場合はスクラッチ型の開発で独自機能を追求する方法もありますが、最近では大手ECサイトにおいてもクラウド型(ASP)の採用が主流になってきています。
具体的システム比較
クラウド型(ASP) | インストール型 | スクラッチ | |||||
aiship | futureshop | BASE・カラーミー | shopify | EC-CUBE | ecbeing | ||
ギフト専用機能 | ◎ | △ | △ | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ |
構築スピード | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ | × |
機能カスタマイズ | 〇 | × | × | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ |
デザイン自由度 | ◎ | 〇 | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
最新性 | ◎ | 〇 | 〇 | △ | △ | △ | × |
システム運用保守 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ | △ | × |
構築費用 | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 | △ | △ | × |
クラウド型
<BASE/カラーミー>
低価格だが本格的なEC運用に必要な機能が揃っておらず、ギフトEC構築に必要な機能も十分ではない。
<futureshop>
本格的なEC運用に必要な機能は揃っているがギフトEC運営に必要な機能が揃ってはない。
<aiship>
ギフトECサイト構築の専用システムで本格的なEC運用に必要な機能に加え、ギフトEC専用機能を搭載している。
<shopify>
ギフトECとして十分な機能を搭載し運用するためにはプラグイン、カスタマイズが必要になる。専門知識がない場合、開発ベンダーが必要で費用も高額になる。
インストール型
<EC-CUBE/ecbing>
自社の要望や運用に沿った機能を開発していくことが可能だが、初期費用だけでも500万円~とかなり高額で、別途メンテナンスも必要になる
ギフトECサイトを構築するにあたり、様々な方法がありますが、自社のレベルとやりたいこと、そして費用感によってシステムを選定していく必要があります。
また、デザインにおいてもUI・UXなど機能性と関連が深い部分は、開発などで機能追加しない限り、選定したシステムの性能に制限されてしまうため、自社で実現したい方向性とマッチするシステムの選定が重要になります。
極端に自社独自の機能が必要でない場合は ギフトECの運営に必要な機能が充実していて、料金体系も比較的安価な、ギフトECサイト構築専用のクラウド型ASP「aiship」で構築する方法をおすすめします。
ECカートシステムについて具体的サービス別の比較・選定ポイントは以下記事で詳しく解説していますので併せてご参考ください。
ECカートシステムの比較・選定ポイント【主要21サービス一覧表付】
サイト制作
システムが決定したら次はサイト制作です。ギフトECサイトの場合、注文者がECサイトに訪問した段階で、ギフト商品のストーリーまでをイメージしてもらい、「この商品を贈りたい」「相手に喜んでもらえるだろう」と思ってもらうことが重要になります。
そのため、商品のストーリーや贈られる状態を忠実にイメージしてもらえるよう画像をはじめとし細部のデザインにもこだわって制作していく必要があります。
ブランドの世界観を感じられるよう京都らしさにこだわったデザインで訪問者がワクワクし、贈りたくなるようなサイトづくりをしています。
自社でデザインやコーディングが出来ない場合は、ギフトECサイト制作に長けた人材、制作会社に依頼する必要があります。
▼費用感や期間のイメージ
方法 | 特徴 | 期間 | 費用 | |
自社で制作 | 制作会社に依頼 | |||
テンプレートをベースに構築 | ミニマムでギフトECを展開したい | 1ヶ月~2ヶ月 | デザイナー、コーダーの人件費 | 300,000円~ |
フルデザイン構築 | オリジナルのデザインでブランドイメージを訴求するようなこだわりのギフトECサイトを構築したい | 3ヶ月~6ヶ月 | 1,000,000円~ |
ECサイト構築にかかる費用の詳細は以下記事をご参考ください。
>ECサイトの構築の費用相場・方法別メリット・デメリットを解説
構築後の運用ポイント
集客
SEO、Web広告、SNS活用、その方法は様々ですが、販売するギフト商材にマッチする手法で効果的に施策を打っていく必要があります。
今回はギフトECで効果が出やすい傾向があるSNS活用。その中でもInstagramの活用について紹介していきます。
見た目が華やかであったり特徴的なギフト商品を取り扱うECサイトにおいては以下の要因から、Instagramの活用をおすすめします。
・Instagramを通じて情報収集を行い商品を購入するユーザーの増加
・「インスタ映え」をさせやすく認知拡大に繋げやすい
・商品の詳細を様々な画角からの写真で確認できるため、贈られる状態をイメージしやすい
・ECサイトと連動できるショッピング機能を活用すればスムーズに購入ページへユーザーを誘導することが可能
お客様が投稿された写真をピックアップして掲載しています。
見た目が華やかなため、内祝いなどをインスタ内で検索した際に興味を持っていただきやすく、多くの方にInstagramからECサイトへ訪問いただいています。
受注対応・顧客対応
ギフトECでは、注文された商品はもちろん、のしやラッピング、メッセージカードの内容など、間違いがあってはギフトの気持ちが伝わらず、失礼にあたります。
このため、注文者によって指定された多くの情報を正確に、出荷担当者に伝達する仕組みが必要です。
また、ギフトマナーに少しでも合わないような注文内容に対しては、注文者が恥をかかないよう、手間であっても確認するようなサポート体制で、丁寧な対応ができると顧客満足度の向上に繋がります。
配送会社についても信頼のおける会社と契約し、注文者や受取人から細かい指定があった場合でも柔軟に対応できるように連携しておくと良いでしょう。
ギフトのマナーを知らず注文される方もいらっしゃるため、贈る目的に対して、のしは適切か、作法、表書き氏名などを注文ごとにスタッフの目でチェックし、間違っていそうな場合は確認のため連絡し、修正を実施しています。
店舗とEC
ECの運営だけでなく、街中に実店舗を構えて運営している場合は、ECと実店舗で、在庫や顧客情報を一元管理することで以下のような業務の効率化がはかれます。
在庫:過剰在庫の防止、商品の在庫切れ防止、販売機会の損失軽減
顧客情報:実店舗を利用した顧客にEC利用を促進し売上向上
さらにはECで注文した商品を店舗で受取れるよう対応できるようにしておくと、スムーズな顧客対応に繋がります。
また店舗での受注対応にソーシャルギフトを活用することもできます。
例えば店舗で購入した商品をギフト配送する際に、店頭では商品購入用のQRコードを用意しておき、注文者がそのQRコードを使って送付先の住所を自身のスマートフォンなどの端末で入力するといった流れを作ることができます。
店舗側はお客様に入力頂いた住所情報をそのまま発送伝票としてシステムに流し込むことができるため、店舗の受注運用の効率化が期待できます。
モノを売るという意味では、ネットもリアルも同じです。データベースをひとつに統一することで、顧客管理をスムーズに行えるようにしました。実店舗での会員登録も、これまでは紙ベースでしたが、「aiship」の機能を利用してECサイトと同じUIでタブレット上で簡単に登録できるようにしました。リニューアル直後3月~7月末のEC経由の会員登録数は、前年比で約130%になっています。
※ソーシャルギフトの仕組みを実店舗運営に活用する方法についてはこちらの記事もご参考ください。
構築運用に必要な体制
ギフトECサイトの構築運用には、以下のような専門の知識を持つメンバーで体制づくりを行っていくとよいでしょう。
<構築>
・ブランディングやコンセプト設計ができるマーケッター
・システムの設計や仕様を理解することができるエンジニア
・サイトの構築が可能なデザイナー、コーダー
<運用>
・顧客対応、受注対応ができるスタッフ
・ページの更新や新規作成が可能なHTMLの知識を有するスタッフ
・SEOや広告運用など集客に関する知識を有するスタッフ
ギフトEC場合、特に注文内容のミスが許されない場合が多いため、ギフトマナーを熟知したスタッフによる注文内容の確認を行い、ミスがある場合は注文者に連絡を行うことで顧客満足度向上に繋がります。
具体的課題解決事例
ギフトECを強化していく上で以下のポイントがよく課題として挙げられます。
・カートUI
・のし/名入れ対応
・複数配送対応
・メッセージカード対応
・ソーシャルギフト対応
実際にどのような課題があり、どう解決したのかをaiship導入事業者様の実例を用いてご紹介します。
カートUI
お米のギフトEC「八代目儀兵衛」様
〈課題〉
注文時に贈られる状態をイメージできることが重要だが、UIが悪くイメージしづらいため離脱に繋がってしまう。
〈解決〉
のし、ラッピング、メッセージカードなどギフト特有のオプションを目的に沿って表示しユーザーが最適なものを選択できるUIを搭載したことで、ユーザーが注文時に贈られる状態をイメージでき、スムーズに注文できるようになった。
のし/名入れ対応
洋菓子のギフトEC「マールブランシュ」様
〈課題〉
お歳暮などの年中行事やマナーに適した”のし紙”をオリジナルデザインで作成し、宛名を指定したい。注文前にのしのイメージを把握したい。
〈解決〉
視覚的にわかりやすいUIで直感的選択を可能にし、お歳暮など年中行事に対応した文言・デザインの “のし紙”を選択するとプレビュー画面でのしのイメージを確認できるようになった。
〈課題〉
お歳暮向け、出産祝い向けなど“のしの種類”によって名入れ入力欄も変更したい。
〈解決〉
のしの種類に応じて名入れ・入力欄も変更。“のし紙””には名入れができる。のしの種類によって名入れする入力欄も変更できるようにしたことでマナーに即した最適なのしを注文時点で決めることができるようになった。
複数配送対応
洋菓子のギフトEC「マールブランシュ」様
〈課題〉
複数配送注文の際、複数住所記入や誰にどの商品を贈るかの選択などカートフローが複雑で離脱されてしまう。
〈解決〉
直感的に操作できる迷わない複数配送のUIにより「1画面に対し1件のお届け先指定」のように操作手順をあえて複数ページに分割し注文まで行き着きやすいカートフローになった。
メッセージカード対応
お米のギフトEC 「八代目儀兵衛」様
〈課題〉
オリジナルデザインのメッセージカードを商品とともに贈る際、お客様に作成したメッセージカードのIDをカートページの備考欄に記入してもらう対応だったため、注文の際手間をかけてしまう。
〈解決〉
注文時に写真入りのメッセージカードを作成することができるflasco社「MESSAGE CARD ASP」とAPI連携したことでユーザに手間なく商品と一緒に贈ることができるようになった。
ソーシャルギフト対応
〈課題〉
住所を知らない相手にも気軽に贈れるサイトでユーザーの満足度を高めたい。
〈解決〉
ソーシャルギフト機能を利用することで、ユーザーが商品を購入し知人等に贈る際、受取る人の住所を知らなくてもSNS等を通じて気軽に贈ることができるようになるとともに、商品を受取る人が自ら配送場所・日時を指定できるため、サイトの利便性が高くなり、ユーザーの満足度向上に繋がる。
受け取る側
ギフトEC事業者様のこだわり
ギフトECで成功される事業者様はどういったポイントにこだわっているのか。
お米のギフトEC「八代目儀兵衛」様と 洋菓子のギフトEC「マールブランシュ」様の具体的なこだわりをご紹介します。
■ お米のギフトEC「八代目儀兵衛」様のこだわり
[1]顧客対応
「ギフトのマナーを知らず注文される方もいらっしゃるため、贈る目的に対して、のしは適切か、作法、表書き氏名などを注文ごとにスタッフの目でチェックし、間違っていそうな場合は確認のため連絡し、修正を実施しています。」
[2]カートUI
「贈る方、贈られる方にストーリーを連想してもらえるよう、 十二単や祇園料亭米など京都に準えたコンセプトのギフト商品を販売しているのですが、 ギフトを贈る方が想定する理想の状態で贈っていただけるよう、注文する際に、箱色・包装、のし、メッセージなど様々なオプションを目的や好みに合わせて設定できます。」
[3]サイトビジュアル
「ブランドの世界観を感じられるよう京都らしさにこだわったデザインで訪問者がワクワクし、贈りたくなるようなサイトづくりをしています。」
■ 洋菓子のギフトEC「マールブランシュ」様のこだわり
[1]地域色の強いブランド展開
「京都ならではのお菓子を全国展開することの是非は、社内でも常に議題に挙がるポイントです。ECやギフトで当社のお菓子を知っていただき、そして京都にお越しになった際に、実店舗に立ち寄っていただく。この循環が生まれれば、ブランドを損なうことなくEC展開ができると考えました。そのために京都を感じられるサイトデザインはもちろん、UI/UXについてもブランドの世界観を正確に表現されたものを提供する必要があります。」
[2] カートUI
「当社商品はギフトの需要が非常に多く、売上の7割を占めています。そのため、一度の購入で複数の配送先を指定するなど、ギフトならではの機能が必要になります。
ギフト用途のお客様は『絶対に失敗したくない』という想いが強く、より具体的にイメージできるものを求めています。当社は熨斗やパッケージにも力を入れていますので、それが画面上でも分かるように設計しています。
また、ひとつの注文で複数の配送先を設定できるようにするなど、ギフトの細かなニーズに応える仕様を作り上げ、ギフトユーザーが使いやすいよう工夫しています。」
まとめ
ギフトECサイトでは通常のECサイトにはない特有の機能や対応が必要になってきます。
今回解説したギフトECサイト構築のポイントを参考にサイトの強化や立ち上げ検討してみてはいかがでしょうか。
その他参考情報
ECサイトのリニューアルをご検討の際は以下の記事もご参考ください。
ECサイトリニューアル成功のポイント|売上40%増の成功事例から手順・費用まで解説
またギフトECサイト構築に必要な各テーマごとに、詳細記事がございますのであわせてご参考いただけますと幸いです。