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建材を取り扱うECサイト構築のポイント解説
必要な機能・UIとは?


2025年9月3日2025年9月3日

建材業界では、新設住宅着工数の減少や人手不足、職人の高齢化といった構造的な課題が深刻化しています。さらに、いまだにFAXや電話による受発注が主流という企業も多く、誤発注や対応の遅れなど、アナログ業務に起因する非効率が現場を圧迫しています。

こうした状況を打破する手段として注目されているのが、建材ECサイトの構築です。EC化によって受発注の効率化や在庫・納期情報の可視化が可能になり、現場のスピード感に応えるだけでなく、新規顧客の開拓や販路拡大のチャンスも広がります。

この記事では、

・建材業界の現状と課題
・ECサイトを活用するメリット
・構築方法と選定のポイント
・必要な機能・UI設計
・成功事例

を体系的に解説します。建材卸事業者が「なぜ今EC化に踏み出すべきなのか」「どのように構築を進めれば成功するのか」を理解できる内容になっています。

    目次

  1. 建材業界の現状
  2. 建材の取引にECサイトを活用するメリット
  3. 建材ECサイトの構築方法
  4. 構築方法を選ぶ際のポイント
  5. 建材のECサイトに必要な機能とUIのポイント
  6. 建材ECサイトの事例
  7. まとめ

建材業界の現状


新設住宅着工数の減少や少子高齢化による需要減

しかし近年は少子高齢化や人口減少の影響により、新設住宅の着工数は減少傾向にあります。国土交通省の統計によれば、住宅着工戸数はピーク時から大幅に縮小しており、今後も大きな成長は見込みにくい状況です。
独自調査に基づく米を販売するECサイトの構築方法の割合
出典: 国土交通省「令和6年度 住宅経済関連データ」

一方で、住宅リフォームの市場規模は増加傾向にあります。築年数の進んだ住宅が急増し、設備更新や劣化修繕の“ベース需要”が拡大しているためです。
独自調査に基づく米を販売するECサイトの構築方法の割合
出典: 国土交通省「令和6年度 住宅経済関連データ」

このことから従来の「新築需要依存型」のビジネスモデルでは成長が鈍化し、リフォームやリノベーション向けの販路拡大が不可欠になってくると考えられます。


人手不足と職人高齢化の問題

もう一つの深刻な課題が、人手不足と職人の高齢化です。建設現場を支える職人や施工業者は高齢化が進んでおり、若手人材の確保が難しい現実があります。

結果として、受注から納品までのリードタイムが長くなったり、現場での突発的な資材不足に即応できなかったりといった問題が発生しやすくなっています。

こうした状況では、必要な建材を迅速に調達できる仕組みが強く求められています。


受発注に依存するFAX・電話などアナログ業務の現状

さらに、建材業界では依然としてFAXや電話による発注が主流となっている企業も少なくありません。

特に卸売業者や施工業者の間では「慣習的にFAXで注文する」文化が根強く残っています。しかしこの方法では、

・注文書の転記ミスや読み間違いによる誤発注
・営業時間外に対応できない不便さ
・注文状況や在庫のリアルタイム把握ができない

といった非効率が避けられません。人材不足が深刻化するなか、アナログ業務のままではさらなる負担増となり、競争力の低下を招く恐れがあります。



このように建材業界は「需要減少」「人材不足」「アナログ業務」という三重苦に直面しており、効率化と販路拡大を実現できる ECサイトの活用 が今後の成長に欠かせない戦略となっています。

建材の取引にECサイトを活用するメリット


業務効率化とコスト削減

ECサイトを導入する最大のメリットは、従来のFAXや電話での発注業務を大幅に効率化できる点です。注文情報をシステム上で一元管理することで、転記ミスや誤発注を防止し、人的リソースの削減にもつながります。

担当者は本来注力すべき営業活動や顧客フォローに時間を割けるようになり、結果として全体の生産性が向上します。

24時間365日注文可能

従来の発注は「営業時間内にFAX・電話で注文する」必要がありましたが、ECサイトを活用すれば時間や場所を選びません。

建設現場からスマートフォンやタブレットで必要な資材を即座に注文できるため、急な資材不足にもスピーディに対応可能です。これにより、現場の停滞を防ぎ、取引先からの信頼も高まります。

在庫・納期情報の可視化

ECサイトを活用すれば、在庫数や納期をリアルタイムで確認できるようになります。これにより「発注したが在庫切れだった」といったトラブルを未然に防ぎ、現場の計画通りの進行を支援できます。

また、余剰在庫の圧縮や欠品防止につながり、事業者にとってもコスト最適化を実現できます。

顧客満足度の向上

UIのわかりやすいECサイトを導入することで、建設会社や施工業者は必要な商品を検索しやすく、発注までの操作もスムーズになります。

さらに、購入履歴からの再注文やおすすめ商品のレコメンドなどを取り入れれば、ユーザーの利便性と満足度は一層高まります。

新規顧客獲得と販路拡大

従来の営業スタイルでは接点を持てなかった地域や企業にもオンライン経由で商品を届けられるようになります。

とくにリフォーム業者や個人事業主など、中小規模の取引先との接点を増やし、新たな販路を開拓できるのはECならではの強みです。 将来的にはBtoBに加え、BtoC展開へと拡張する可能性も広がります。



このようにECサイトの活用は、単なる「オンライン化」ではなく、業務の効率化・顧客満足度の向上・新たなビジネスチャンスの創出へ直結します。

建材ECサイトの構築方法


構築方法の選択肢としては大きく分けて以下の3つがあります。

・BtoB対応クラウド型サービスを利用する
・オープンソース型システムを利用する
・パッケージ型システムを利用する

当社で建材を取り扱うECサイトを30サイト調査したところ、構築方法の割合として以下の傾向が伺えました。

独自調査に基づく建材を取り扱うECサイトの構築方法の割合
※建材を取り扱うECサイト30サイトを分析した独自調査より

上記のグラフから比較的安価で簡単に始められるBtoB対応のクラウド型サービスを利用する事業者が多い傾向が読み取れます。

また、BtoC向けECでは一般的な低価格帯のASP(BASE、カラーミーショップなど)はBtoB要件に対応しきれないため、ほとんどの事業者が利用していないことも読み取れます。

そのため、スモールスタートの場合でも低価格帯のASPでの対応は難しく、BtoBに対応したクラウド型サービスを利用する必要があると言えます。

ここからは各構築方法について特徴を紹介していきます。


1. BtoB対応クラウド型サービスを利用する(Shopify、aiship など)

BtoB対応クラウド型サービスとは、BtoB特有の機能を搭載したクラウド型で提供されるサービスのことです。

初期コストが低く、運用も簡単なため、個人運営や小〜中規模事業者、スモールスタートで展開したい事業者に適した選択肢です。

<メリット>
・初心者でも簡単に開設できる(ローコード構築)
・BtoB向けの機能を標準搭載(Shopifyなどは一部プラグインの追加が必要)
・低コストでスタート可能
・決済や配送機能が標準搭載
・デザインテンプレートが豊富で見栄えの良いサイトが作れる

<デメリット>
・カスタマイズ性が低い(独自性の高い運用が難しい場合がある)
・サービス利用の月額費用が発生(月額固定費や販売ごとの手数料が発生)

<主要なECプラットフォームの比較>

サービス 特徴 月額固定費
Shopify アプリ追加による拡張性が高い。グローバル展開にも対応。 4,850円〜+アプリ利用料
aiship BtoB向け機能を標準搭載。専門知識不要。 9,800円~

<こんな方におすすめ>
・手軽に建材のネット販売を始めたい方
・運用コストを抑えながら販売を始めたい方
・技術的な専門知識やリソースが少ない方


!POINT!

BtoB対応クラウド型サービスを活用することによって安価に早くスモールスタートでサイトを構築することができます。

ただサービスによっては必要な機能が足りなかったり、別途プラグインやアプリの追加が必要なケースもあるため、自社の販売戦略に合った機能が備わっているかを事前に確認しましょう。

「aiship」では建材ECサイトに機能を網羅的に標準搭載しているため、追加開発やプラグイン、アプリの追加は不要で本格的なECサイト構築を実現できます。

顧客ごとの閲覧制御や価格設定にも柔軟に対応できるため、業務効率化と販路拡大の両立を実現します。

<aishipの主な特徴>
・掛け払いや請求書発行、特定の企業・会員のみの閲覧制限までBtoB向け機能を標準搭載
・クラウド型でありながら要望に合わせたAPI連携や機能カスタマイズが可能
・ローコードで直感的にサイトを構築/更新できる

BtoB・法人取引のECサイトを構築|aiship


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2. オープンソース型システムを利用する(EC-CUBEなど)

オープンソース型システムを利用し、ECプラグインを活用する方法もあります。この方法は、ある程度専門知識は必要になりますが、一定の自由度を確保しながら、比較的低コストでECサイトを運営できる点が魅力です。

<メリット>
・デザインや機能のカスタマイズがしやすい
・ECサイトに加えて、ブログやブランドページも構築可能

<デメリット>
・構築・運用にある程度の知識が必要(サーバー管理やサイトの更新等)
・定期的なメンテナンスが必要(セキュリティ対策など)

<必要なものと費用感>

項目 費用目安 備考
ドメイン 1,000円~/年 オリジナルのURL(独自ドメイン)を取得
レンタルサーバー 500~2,000円/月 エックスサーバーなど
テーマ 無料~数万円 EC向けの有料テーマもある
プラグイン 無料~数万円 月額費用の発生するプラグインもある

<こんな方におすすめ>
・専門知識やリソースがありデザインや機能を自由にカスタマイズしたい方
・ブログやブランドページと連携して運用したい方


3. パッケージ型システムを利用する(ecbeing など)

パッケージシステムを利用する方法では、完全オリジナルのECサイトを構築することができます。大規模なモールECの構築や、特別な機能を求める事業者向けの構築方法です。

<メリット>
・デザイン・機能の完全自由設計が可能
・販売戦略に合わせた独自のUI/UXを実装できる

<デメリット>
・初期開発コストが高い(数千万円程度)
・開発期間が長い(6ヶ月〜数年程度)
・運用・保守のために専門知識が必要

<開発に必要な主なコスト>

項目 費用目安 備考
システム開発 500万円〜数千万円 規模や機能要件により大きく変動
デザイン制作 100万~500万円 UI/UX設計含む
保守・運用費 10万~100万円/月 システム維持・セキュリティ管理

<こんな方におすすめ>
・独自性の高い機能を導入したい事業者
・大規模なECサイトや、ブランド力がすでにあり長期運営を前提に検討する事業者



ここまでの3つがECサイトを構築する方法になります。参考までにモールに出店する方法についても特徴を紹介しますので、必要に応じてご参考ください。


番外編. モールに出店する(楽天市場、食チョクなど)

複数のブランドが出品・販売できるECモール型サービスに出店する方法です。ECサイトを構築しないためブランディング等は難しいですが、既存のプラットフォーム内ですぐに販売を始められる手軽さが魅力です。

またモール出店とは少し意味合いが異なりますが、「モノタロウ」や「アウンワークス」などMROや建築資材に特化したECサイトに卸の交渉を行い販路拡大をする方法もあります。

<メリット>
・会員基盤があり、集客力が高い(検索や特集で露出のチャンスあり)
・初期費用がかからず、出品するだけですぐ販売できる
・ユーザーにとっても購入ハードルが低い(使い慣れたUI)

<デメリット>
・ブランディングがしにくい(ショップの独自性が出しづらい)
・販売手数料が高めに設定されている場合も多い
・モールのルールに従う必要がある(価格設定やサイトデザインなど)

<主要な食品向けモールの比較>

サービス 特徴 初期費用 販売手数料
楽天市場 知名度・集客力◎ 60,000円 約2〜7%
Amazon 初期費用不要 無料 8~15%

<こんな方におすすめ>
・販売初心者でまずは市場の反応を見たい方
・集客はプラットフォームに任せたい方


各構築方法の特徴まとめ

構築方法 固定費 カスタマイズ性 運用負担 おすすめ対象
ASP型ECカート 個人運営・小〜中規模事業者
オープンソース型システム 中~高 ブランドサイトを兼ねたEC運営
パッケージ型システム モール構築・大規模サイト
モールに出店 販売初心者

☑︎ 手軽に建材のネット販売を始めたいなら「BtoB対応クラウド型サービス」
☑︎ 専門知識がありカスタマイズ性を重視するなら「オープンソース型システム」
☑︎ 完全オリジナルの仕様を求めるなら「パッケージ型システム」
☑︎ まずは市場の反応を見たいなら「モール」も視野に入れる

建材のECサイト構築は、販売戦略や運用体制に合わせて最適な方法を選ぶことが成功のカギとなります。

また構築方法が決まったら、次は具体的にECカートシステムの選定に入ります。

以下の記事にて主要なECカートシステム(プラットフォーム)の特徴や料金について紹介していますので、是非併せてご参考ください。

【2025最新】ECカートシステム22選を徹底比較【一覧表付】
無料で使えるカートから、高機能ASP型、オープンソース型、パッケージ型まで、各種ECカートシステムの特徴やメリット・デメリットを徹底比較。


【2025最新】ECプラットフォームを徹底比較!主要17サービスの特徴を解説
ECモール型・ASP型・オープンソース型・パッケージ型の特徴やメリット・デメリットを紹介。

構築方法を選ぶ際のポイント


1. 商品数・商品属性の複雑さ

建材ECは数千〜数万点に及ぶ商品を扱うケースが多く、サイズ・色・規格・材質など複数の属性が存在します。

さらに「現場呼称」とカタログ上の正式名称が異なる場合もあり、検索性の高さが売上に直結します。

大量商品を効率的に管理・検索できる仕組みがあるかどうかは、最初に確認すべきポイントです。

2. BtoB特有の取引フローへの対応

建材卸業では、一般的なECのような「カートに入れて購入」だけでは不十分です。

・得意先ごとの価格設定
・複数承認者による稟議フロー
・売掛決済や請求書払いへの対応

といったBtoB特有の商習慣に沿った機能が必要となります。導入を検討する際には「自社の取引フローに対応できるか」を必ず確認しましょう。

BtoB ECでの必要な機能や成功のポイントについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご参考ください。
【事例11選】BtoB ECとは?必要な機能・構築方法・成功要因を解説

3. アナログ注文とのハイブリッド運用

現場によっては、いまだにFAXや電話での発注が主流というケースも珍しくありません。

そのため、EC化を進める際には「代理注文機能」や「オペレーター入力機能」などを備え、既存の取引習慣と共存できる仕組みが重要です。これにより、EC導入初期でも現場の混乱を最小限に抑えられます。

4. 初期費用・ランニングコストのバランス

スクラッチ開発は柔軟性に優れる反面、初期費用が高額になりがちです。

一方、クラウド型は初期投資を抑えられるものの、長期利用ではランニングコストが積み重なります。

自社の予算規模と運営リソースを踏まえ、「初期費用 vs 維持費」の最適なバランスを検討することが重要です。

5. 拡張性・カスタマイズ性

建材業界は商品特性や取引形態が複雑であるため、ECシステムに一定のカスタマイズ性が求められます。

将来的に新機能を追加したり、外部システム(基幹システム・在庫管理・配送管理など)と連携できるかどうかも、長期的な運用を左右する大きな要素です。


!POINT!

ECサイトの運営には、構築・集客・注文の管理それぞれに作業工数が大きくかかります。現在のECサイト運営は複数のツールと相互に連携した機能拡張が当たり前になっています。

弊社の提供するBtoB対応クラウド型サービス「aiship」ではAPIを公開しており、APIを利用することでMAツールやCRMを始めとした、ECでの各種ツールと連携し、 スムーズなEC運営を実現できます。

もちろんすでに標準連携済みのシステムも多数。運用コストを削減し利益率を高めるために周辺システムを含めた最適化を行うことができます。

aishipのAPIを用いたシステム連携
APIを利用して機能を拡張するMulti connect|aiship


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6. ベンダーの実績と業界理解

最後に見落としがちなのが「構築ベンダーの業界理解」です。建材ECは一般的な物販とは異なり、商流・物流・商品特性に独自の課題があります。

建材業界での導入実績やサポート体制があるベンダーを選ぶことで、導入後のトラブルや追加開発のリスクを最小限に抑えることができます。



構築方法の選択は「費用」や「スピード」だけでなく、業界特有の商習慣・商品特性にどれだけ適応できるか が成功の分かれ目になります。

建材のECサイトに必要な機能とUIのポイント


1. 多品目・多属性商品の効率的管理

建材はサイズ・長さ・厚み・素材・カラーなど、属性の種類が非常に多いのが特徴です。

さらに同じ商品でも「メーカー型番」「現場呼称」「カタログ表記」が異なることもあります。

そのため、商品データを効率的に一括登録・管理できる機能 と、複数のキーワードから検索できる仕組み が不可欠です。CSVやAPIを活用した商品マスタの一元管理も効果的です。

2. 得意先ごとの価格・商品表示制御

BtoB取引では、顧客ごとに仕切り価格や販売条件が異なります。

そのため、ECサイト上で「得意先別の価格表示」「購入可能商品ラインナップの制御」ができる仕組みが必要です。

これにより、従来の営業スタイルを崩さずにオンライン化を進められます。


!POINT!

特にBtoB向けのEC運用では取引先単位で個別に卸価格(販売価格)を設定することで、利便性の高い運用を実現できます。

弊社の提供するASP型ECカート「aiship」では、BtoB向けの機能として事業者がECサイトの会員に対し独自の基準でランクを付与し、ランクに応じた掛売り率の出し分けができる「BtoB向け会員ランク機能」「会員属性別コンテンツ出し分け機能」を標準搭載しています。


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3. 代理注文・オペレーター入力機能

一部の取引先は依然としてFAXや電話での注文を希望する場合もあります。その際、受けた注文を営業担当やオペレーターがECサイトに代理入力できる機能があれば、注文データを一元管理できます。

これにより、ECとアナログ受注が並行しても在庫や売上を統合的に把握できます。

4. 掛け払い・請求書払い機能

BtoB取引では、掛け払いや請求書払いが一般的です。そのため、決済手段として掛け払いや請求書払いを設けておく必要があります。

また企業ごとの与信枠を設定し、限度額を超えた注文ができないようにする機能や、未払い残高の確認機能を実装することで、リスクを最小限に抑えられます。


!POINT!

一般的に掛け払いでの取引の場合、未回収リスクや入金確認、督促などの煩雑な業務が伴いますが、 「クロネコ掛け払い」は、これらの負担や不安を軽減した運用ができます。

▼「クロネコ掛け払い」の特徴

・未回収リスクの保証
売掛金が未回収となった場合でも、ヤマトクレジットファイナンスが100%保証するため、安心して取引を進めることができます。

・請求業務の完全代行
与信審査、請求書発行、集金、入金管理、督促までの一連の請求業務をヤマトクレジットファイナンスが代行します。請求業務の負担を軽減し、本業に集中することが可能です。

・柔軟な支払い方法
支払い方法として、口座振替、銀行振込、コンビニ払いなど、取引先のニーズに合わせた選択肢を提供することができます。

・スピーディーな審査
初回取引から売掛対応が可能で、与信審査は最短5分~1日程度で完了します。これにより、迅速な取引開始が可能です。

・利用限度額の柔軟性
標準の利用限度額は60万円ですが、審査により最大2,000万円まで増額が可能です。

「クロネコ掛け払い」に対応!BtoB向けの決済手段を容易に導入可能に|aiship


5. 在庫・納期・受注残管理

建材業界では「注文は受けたが納期未定」「数量が揃うのに時間がかかる」といったケースが日常的です。

したがって、在庫数・納期・受注残をリアルタイムで確認できる機能 が重要です。現場担当者は発注時点で納期を把握できるため、工期計画の精度が向上します。

6. 不定貫商品やセット商品の取り扱い

建材の中には「重量や長さによって価格が変動する商品(不定貫商品)」や、「複数商品を組み合わせたセット商品」が存在します。

これらをECで正しく扱うには、単位変換や見積計算機能を備えた仕組みが必要です。

7. 配送・物流の柔軟な設定

建材は大型で重量のある商材も多く、通常のEC物流とは異なります。

配送先ごとの送料自動計算、時間帯指定、チャーター便対応など、物流条件に応じた柔軟な設定機能 が求められます。

8. スマホ・タブレット対応と使いやすいUI

現場からの発注はPCよりもスマホやタブレット経由が増えています。

シンプルなUI設計、カテゴリー検索のしやすさ、購入履歴からのワンクリック再注文など、直感的に操作できるUI/UX が必須です。

また、現場の声を反映して「カタログ番号入力」「QRコード発注」といった機能を備えると利便性がさらに高まります。

9. 販促・営業支援機能

単なる注文の場にとどまらず、キャンペーン情報や新商品案内、図面や施工マニュアルのダウンロード機能を備えることで、営業活動を補完できます。こうした情報提供は顧客ロイヤルティの向上にもつながります。



このように、建材ECサイトでは 「業界特有の取引フロー」と「現場の使いやすさ」 を両立した機能設計が成功の鍵になります。

建材ECサイトの事例


参考にしていただきたい成功事例として、サイトURLと参考にしたいポイントをご紹介します。

三星商事「PRO資材便」

三星商事「PRO資材便」
https://mitsuboshi-online.jp/shop/default.aspx

<参考にしたいポイント>

・来店・電話中心からの販路拡大と認知向上。

・パッケージをベースにスモールスタート(2022年11月公開)。法人向けECでは珍しいポイント還元制度で差別化。

・当初半年の立ち上がり想定に対し、オープン2か月目から売上が発生。取扱エリア拡大を加速。

・BtoBでもロイヤリティ設計(ポイント)と小さく始める設計が有効。公開後のMD拡充・エリア展開まで見据える。



アウンワークス

アウンワークス
https://www.aunworks.jp/

<参考にしたいポイント>

・メーカー公式取扱いで商品数41万点以上、当日出荷11万点以上/翌日出荷12万点以上を提示。現場の“必要な時に届く”を強化。

・SKUが膨大な建材領域では、在庫・出荷リードタイムの可視化がCVを押し上げる。



MOZUオーダー(“デジタル問屋”型)

MOZUオーダー(“デジタル問屋”型)
https://order.pcs.mozu-inc.jp/services

<参考にしたいポイント>

・非公開型の資材購入マーケット。集中購買で価格最適化。

・リリース初月で受注2,600万円を突破。

・価格・在庫が流動的な商材は、会員制×価格保護(非公開)がサプライヤー・買い手双方のインセンティブに合致。



CAINZ-DASH PRO

CAINZ-DASH PRO
https://www.cainz.com/search/?category=cainz_dash_pro

<参考にしたいポイント>

・平日16時までの注文で即日出荷、最短翌日受け取り。カインズOSと統合し約30万アイテム拡大、店舗受取やポイント連携などを実装。

・店舗網×ECの在庫・配送ハイブリッドは、現場の“欲しいタイミング”に強い。会員制B2B機能+店頭受取は建材と相性が良い。



モノタロウ

モノタロウ
https://www.monotaro.com/

<参考にしたいポイント>

・最短即日出荷や請求書払いなどB2B基盤を用意。サプライの広さで現場の“ついで買い”“緊急手配”に効く。

・全量を自社ECに集約できなくても、汎用MROの“穴埋め”調達を前提に運用設計すると欠品リスクを下げられる。



建デポ

建デポ
https://kendepot.co.jp/

<参考にしたいポイント>

・プロ会員限定で建材・道工具をワンストップ供給。法人向け発注・配送の案内も用意。

・会員属性の明確化(プロ限定)と店頭×オンラインの併用で価格・在庫・配送の要件を揃えやすい。

まとめ


建材業界は今、需要減少・人材不足・アナログ業務依存という三重苦に直面しています。その一方で、ECサイトの導入により、業務効率化や新規販路拡大を実現する事例が次々と生まれています。

本記事で解説した通り、建材ECの成功には以下のポイントが欠かせません。

・業界特有の商習慣に対応できる機能設計
(得意先別価格、承認フロー、代理注文など)

・多品目・多属性商品の効率的管理と検索性
(現場呼称対応、商品マスタ一元管理)

・在庫・納期・受注残をリアルタイムで見える化

・アナログ発注との共存を意識したハイブリッド運用

・UI/UXを重視したモバイル対応と再注文のしやすさ

・物流条件(大型・重量物)に対応した配送設定

建材業界におけるEC化は「ただのオンライン化」ではなく、業務改革と新規市場開拓を同時に進める戦略的投資です。

今回ご紹介した内容を参考に、自社に最適な構築方法と機能設計を検討し、まずは小さく始めて成長へとつなげていきましょう。

弊社の提供するBtoB対応クラウド型サービス「aiship」ではBtoBのECサイトに必要な機能を網羅的に搭載しているため、追加の開発等は不要で安価に建材ECサイトを始めることができます。

また弊社ではご状況のヒアリングから、構築方法や機能・UIのご提案、導入・運用サポートまで一貫して実施しておりますので、建材のECサイト構築をご検討の際は、ぜひ1度お問い合わせください。

BtoB対応クラウド型サービス「aiship」
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商品の販売に“夢中”になれる
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ECサイト構築、リニューアルを2000社以上支援してきた知見から
ECの専門家として御社のEC事業成長をサポートします。

  • 導入実績2000社以上


    導入実績

  • 注文単価増加率114%

    導入1年後の
    注文単価
    増加率

  • 売上成長率128%

    導入1年後の
    売上成長率

  • EC支援歴20年


    EC支援歴

この記事の監修者

株式会社ロックウェーブ 本城 顕

広告営業を経て2020年ロックウェーブ入社。その後2年程セールス担当として、EC事業者様が抱える様々な課題に対してプロダクトを通じた解決策の提案に従事。 現在はその知見を活かしWebマーケティングでプロダクトを世の中に広めていくために奮闘中。

本城 顕

自社ECサイトの課題をヒアリングさせていただき、
デモサイト等を通して最適なご提案をさせていただきます。

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