ECサイトの要件定義とは?構築・リニューアル時に注意すべきポイント解説
2024年11月15日2024年11月15日
ECサイトの構築において、「要件定義」は実装すべき機能や仕様を具体的に定義したもので、プロジェクトの方向性を決定づける重要な工程です。
要件定義によって「どのような機能を持ったサイトにするか」「どの層の顧客をターゲットにするか」などが明確化され、プロジェクトの成功の基盤が作られるため、これを怠るとプロジェクトの進行に支障をきたし、後の工程で多大な手戻りや調整が必要になることも少なくありません。
要件定義がしっかり行われていると、開発・デザインなど各フェーズで「何を実現するべきか」が明確になり、プロジェクトメンバーの認識が一致しやすくなります。結果として、スムーズな進行と確実な成果が期待できるのです。
一方で要件定義が不十分、もしくは曖昧な場合、以下のようなリスクが生じやすくなります。
・コスト増加
当初の計画になかった機能の追加や修正が後から発生すると、開発コストが予想以上に膨らんでしまうリスクがあります。
・納期遅延
新たに必要な機能が後から見つかると、追加の調整や再設計が発生し、予定していた納期が守れなくなる可能性が高くなります。
・機能の不整合
目指しているコンセプトと異なる機能が追加されてしまったり、必須の機能が欠落してしまったりすることで、ユーザーにとって不便なサイトになり、売上にも悪影響を及ぼすことがあります。
こうしたリスクを回避するためには、要件定義の段階であらかじめ必要な機能や目標、想定するユーザー層などを明確にしておくことが重要です。
- 要件定義の基本ステップ
- コンセプト設計とブランディング
- 機能要件の選定方法
- 非機能要件の整理
- 要件定義でよくある課題と解決策
- 要件定義を成功させるポイント
- 要件定義のコストを最小限に抑えた構築方法
- カスタマイズ可能なクラウド型ASP「aiship」での要件定義
- まとめ
目次
ECサイトの要件定義の基本ステップ
要件定義をスムーズに進めるためには、次の3つのステップを経て、プロジェクトの目標を明確化していきます。
1.現状分析
ECサイトを構築する目的やターゲットを明確にするために、まず現状分析が必要です。現状分析では、以下のような内容を確認します。
事業の目的
ECサイトを通じて何を達成したいのか(売上向上、新規顧客の獲得、ブランドの認知度向上など)を明確にします。
ターゲット設定
ターゲットとする顧客層を定義します。年齢層や性別、地域、興味関心などを考慮してペルソナを設定し、ターゲットに適したサイト設計が可能になります。
現状分析により、自社が本当に必要としているECサイトの方向性が見えてきます。これに基づいて、競合調査や目標設定に進んでいきます。
2.競合調査
競合がどのようなデザイン、機能、サービスを採用しているかを調査し、特にターゲット層が類似する場合は参考にします。
同業他社の事例分析
競合がどのようなデザイン、機能、サービスを採用しているかを調査し、特にターゲット層が類似する場合は参考にします。
成功・失敗ポイントの分析
競合の中でも特に成果を上げているサイトや、逆に改善が必要な点が多いサイトを分析します。この分析を通じて、どのような機能が必要か、ユーザーにとってどのような体験が求められているかを把握します。
競合調査の結果は、サイト設計の方針を決定する際の重要な情報源となり、サイトの差別化や強みを築く手助けとなります。
3.目標設定
最後に、ECサイトの成功を判断するためのKPI(重要業績評価指標)やKGI(重要目標達成指標)を設定します。目標が具体的であればあるほど、プロジェクトチームは何を優先すべきかが明確になり、開発の方向性も固まります。
KPI設定
月間訪問者数、直帰率、転換率(CVR)、客単価など、日常的に追跡しやすい指標を設定します。
KGI設定
年間売上高や新規顧客数など、サイト全体の成果を評価するための最終的な目標指標を設定します。
目標設定を行うことで、プロジェクトの全体像が明確化され、具体的な達成基準が設けられます。KPIとKGIを意識して開発を進めることで、ブレのない要件定義が可能になります。
コンセプト設計とブランディング
ECサイトのコンセプト設計のポイント
ECサイトを成功させるためには、ターゲットユーザーにとっての「価値」や「特徴」が明確であることが重要です。ユーザーがサイトを訪れた際に、商品の特徴やブランドのメッセージが直感的に伝わるようなコンセプト設計を行うことで、他サイトとの差別化が図れます。
また、ブランディングの一貫性が保たれていると、ユーザーにとっての「信頼感」や「安心感」が生まれ、リピート率の向上にもつながります。
ターゲットユーザーのニーズ分析
コンセプト設計を始める際には、まずターゲットユーザーのニーズを深く理解することが必要です。
年齢層や職業、興味関心、行動パターンなどの属性情報をもとに、彼らが何を求めているのか、何に価値を感じるのかを明確にしましょう。ニーズ分析には、以下のような調査手法が役立ちます。
アンケートやインタビュー
ターゲット層に実際の声を聞くことで、購買意欲を刺激する要素を具体化します。
行動データの分析
過去のアクセスログや購買履歴などから、サイトでの行動や興味関心の高い商品を把握します。
ブランドイメージと一貫性の重要性
ブランドイメージは、ユーザーがそのECサイトや商品のことをどう捉えているかを表します。一貫性のあるブランディングは、企業の信頼性を高め、ユーザーが安心して購入できる環境を構築します。
例えば、高級志向のブランドであれば、サイト全体のデザインや言葉遣いも上質で統一感のあるものにすることが重要です。
反対に、カジュアルで低価格な商品を扱うECサイトなら、親しみやすくフレンドリーなトーンを意識することで、ユーザーに響くデザインが作りやすくなります。
ブランドコンセプトの設計に必要な要素
ビジョン
ECサイトを通じて実現したい将来的な目標を明確にします。(例:「持続可能な消費文化を広める」)
価値観
ブランドが大切にしている価値や信念を反映させます。(例:「品質重視」「低価格・高品質」)
メッセージ
ユーザーに向けた具体的なメッセージやスローガンを設定し、どのような価値を提供するのかを示します。(例:「お客様の笑顔を一番に考えた商品を」)
機能要件の選定方法
ECサイト構築には、基本機能から拡張機能まで、さまざまな機能の選定が必要です。機能要件の選定にあたっては、サイト規模や予算を考慮し、必要な機能を優先順位をつけて選びましょう。
中小規模のECサイトでは、基本機能を中心に、必要最低限の機能からスタートするのが一般的です。
一方、大規模なサイトでは、ユーザーにとっての利便性や高い操作性が求められるため、基本機能に加えてカスタマイズを加えるケースが多くなります。
・基本機能のみ
新規立ち上げなど予算が限られている場合は、最低限必要な機能を絞り込んで導入します。
・段階的な拡張
中小規模のECサイトでは最低限必要な機能のみで構築し、効果を見ながら順次機能を追加していく方法も有効です。
・フルカスタマイズ
大規模なサイトかつ予算が潤沢にあり回収の見込みもある場合、独自性の高い機能を多数含めたフルカスタマイズの構築ができます。
基本機能
以下は主な基本機能の一例になります。
カート/受注管理機能
ユーザーが商品を選んで購入まで進むために必須の機能です。また受注情報を管理する機能も欠かせません。
決済機能
クレジットカードの他に、AmazonpayやPayPay、コンビニ決済など多様な支払い方法があるとカゴ落ちを防ぎ、顧客の満足度向上に繋がります。
会員管理機能
顧客情報の登録や購入履歴の保存などを行うための会員管理機能も欠かせません。
商品/在庫管理機能
商品情報の登録、更新や在庫管理を行う機能
ポイント/クーポン機能
ポイント設定やクーポン作成を行い、特定のユーザに対して付与できる機能でリピーター獲得には欠かせない機能です。
レビュー機能
商品の評価やレビューをユーザーが確認できるようにすることで、購入の参考になります。
サイト内検索機能
商品数が多いサイトでは、ユーザーが探している商品にすぐたどり着けるように検索機能を充実させる必要があります。
など
拡張機能
さらにユーザー体験を向上させたい場合、以下のような拡張機能を要件に含めるのも効果的です。導入の判断は、運用リソースや予算、顧客のニーズを基に行います。
また拡張機能も含めて標準機能として提供しているシステムもありますので、その辺りも加味してベースとなるシステムを選定することも重要です。
拡張機能の一例として以下を紹介します。
チャットサポート
問い合わせ対応の迅速化やリアルタイムでのサポートを提供する機能で、顧客満足度向上が期待できます。
OMO連携
実店舗と連携するOMO施策(例:店舗在庫確認や受け取り予約)により、オンラインとオフラインの境界をなくし、顧客の利便性を向上させます。
OMOの具体的施策については以下記事で詳しく紹介していますので併せてご参考いただけますと幸いです。
OMOとは?具体的施策4選と成功事例|O2O、オムニチャネルとの違いも解説
パーソナライズ機能
サイト内でのパーソナライズされた商品提案やセグメントごとに最適なプロモーションを行い、購入率の向上を図る機能です。
ギフト対応
eギフト(ソーシャルギフト)、のし・ギフトラッピング・メッセージカードなどギフトオプションの追加、複数配送先の指定など、顧客に寄り添うギフト対応は、顧客体験の向上とリピーター獲得に繋がるだけでなく顧客単価向上も期待できるため、顧客層や販売戦略に合わせて導入を検討します。
定期購入機能
消耗品やリピート需要の高い商品を扱う場合、定期購入機能は利便性を提供し、顧客ロイヤルティの向上に貢献します。顧客が自動的に再購入できる設定を整備することで、売上の安定化も期待できます。
特定の商材や販売方法に特化した機能
・食品
温度帯別配送、賞味期限管理、リードタイム設定など、安全性や品質管理が求められる食品商材には、鮮度や配送方法に関する特化機能が不可欠です。これにより、顧客の信頼を得て、リピート率の向上に貢献します。
・アパレル
サイズ/カラーバリエーション選択、フィッティングシミュレーション、ライブコマースなど、アパレル商材には商品バリエーションの充実や購入前のイメージ共有を促進する機能が有効です。顧客の購入決定をサポートし、返品リスクを軽減します。
・レンタル
販売とは異なりレンタル特有の在庫管理が必要になります。また借りる日をカレンダー上で選ぶ等、UI面でも特有の機能が必要です。
・社内販売
IPアドレスでの制限やパスワード設定などクローズドサイトとして閲覧を制限する機能が必要です。
など
機能要件の選定は、サイトの目標に直結する非常に重要な工程です。目標やコンセプトをもとに自社のECに必要な要件を綿密に練り上げましょう。
非機能要件の整理
非機能要件は、ECサイトの安定運用や顧客満足度の向上において欠かせない要素です。特に、パフォーマンス、セキュリティ、可用性の3つが重要です。
・パフォーマンス
サイトの表示速度や操作の応答時間が快適であることが求められます。ページが遅いと顧客離脱率が増え、売上に悪影響が出るため、速度最適化が重要です。
・セキュリティ
顧客の個人情報や支払い情報を扱うため、サイバー攻撃からの保護は不可欠です。信頼性を高めるため、セキュリティ対策を万全にする必要があります。
・可用性
システムが安定して稼働し、利用者がいつでもアクセスできる状態を保つことが重要です。予期しない障害への対応策を設けておくと、サービス停止を防ぎやすくなります。
サイトの速度最適化
サイトの速度は、ユーザー体験に直結するため、パフォーマンス最適化が欠かせません。以下の対策を施すことで、表示速度の改善が期待できます。
画像や動画の圧縮
メディアファイルを最適化して軽量化し、ページの読み込み速度を向上させます。
キャッシュの活用
頻繁に更新されないデータはキャッシュとして保存し、再読み込みの負担を軽減します。
CDNの導入
コンテンツ配信ネットワーク(CDN)を活用し、ユーザーの地理的位置に応じて最適なサーバーからコンテンツを提供します。
セキュリティ対策
ECサイトは、ユーザーの情報保護と信頼性の確保が非常に重要です。代表的なセキュリティ対策として以下のようなポイントがあります。
SSL対応
データの暗号化を通じて通信の安全性を確保し、ユーザーが安心して利用できる環境を提供します。
アクセス制限
管理画面へのアクセスは、パスワードに加えてIP制限や2段階認証などで制御することで、不正アクセスのリスクを減らします。
決済のセキュリティ
クレジットカード情報の非保持化(PCI DSS準拠)を行い、決済の際には暗号化通信を利用するなど、高度なセキュリティ対策を施します。
また2025年に導入が義務化されるクレジットカード決済の不正利用対策「3Dセキュア2.0」の導入も欠かせません。
障害発生時の対応フロー
障害が発生した際には、速やかな対応が必要です。対応フローをあらかじめ策定しておくと、障害発生時のリカバリーがスムーズになります。
【対応フロー例】
1. 障害の検知:監視システムを用いて異常を即座に把握
2. 原因の特定:問題の範囲と原因を迅速に分析し、関係部署へ報告
3. 応急処置:ユーザーへの影響を最小限に抑えるため、代替案や一時的な解決策を実行
4. 本格対応と再発防止策:障害解消後に原因究明を行い、再発防止策を検討
要件定義でよくある課題例と解決策
要件定義では、複数のステークホルダーの要望や要件を集約するため、さまざまな課題が生じることがあります。ここでは、よくある具体的な課題とその解決策を紹介します。
課題例① 要件の過多・不足によるトラブル
【課題】
要件が過多になると、開発期間やコストが膨らみ、重要な機能が実装できなかったり、かけたコストを回収しきれないといったリスクがあります。反対に要件が不足していると、後から追加の要求が出ることでスケジュールが遅延したり、最悪の場合、構築したものの十分な運用ができないといった事態に陥る可能性もあります。
【解決策】
要件を優先度ごとに整理し、まずは必要最低限の機能を定義します。要件の「必須」「推奨」「不要」を明確にし、各フェーズごとに確認・見直しを行いながら進行することで、過剰・不足によるトラブルを抑えます。
課題例② 関係者間のコミュニケーション不足
【課題】
関係者間のコミュニケーションが不足していると、要件の解釈違いや意見の食い違いが発生しやすくなり、プロジェクトの進行が滞ることがあります。
【解決策】
要件定義の段階から定期的な会議やレビューを設定し、関係者間の情報共有を徹底します。特に、各フェーズ終了後に要件の確認を行い、認識のズレを解消します。必要に応じて、ビジネスサイドと技術サイドが共通で理解できる仕様書を作成し、進行中も常に最新の情報を共有できるようにしておくことが大切です。
これらの対策を講じることで、スムーズな要件定義が可能になり、トラブルや手戻りのリスクを軽減できます。
要件定義を成功させるポイント
プロジェクトの進行をスムーズにするための注意点
要件定義がしっかりしていないと、プロジェクトが遅延したり、手戻りが発生してコストが増加したりする可能性があります。プロジェクトの進行をスムーズにするためには、以下の点に注意が必要です。
初期段階での全体像の共有
プロジェクトの目的や最終的なゴールを、全ての関係者と共有しておくことが重要です。目指すべきゴールが一致していれば、途中での軌道修正がスムーズに行えます。
タスクの優先順位付け
要件の中でも、優先的に実装すべき機能や必要なリソースが限られている場合の対応を明確にします。優先順位がはっきりしていれば、スケジュール管理がしやすくなり、納期遅延のリスクを抑えられます。
定期的なレビューやフィードバックの重要性
要件定義の段階で、仕様を確定したとしても、プロジェクトが進行する中で新たな課題や見直しが必要になることはよくあります。そのため、定期的にレビューやフィードバックの機会を設けることが重要です。
フェーズごとのレビュー
各フェーズの終了時に、要件が正しく満たされているか、見直しの必要がないかを確認します。この際、関係者全員が参加するレビュー会議を行うことで、意見の相違を未然に防げます。
ユーザーフィードバックの活用
ユーザーからのフィードバックやテスト結果をもとに、要件に修正が必要な場合は柔軟に対応します。特にユーザーエクスペリエンスに関連する要件は、実際の使用感を確認しながら調整することで、顧客満足度の高いサイトを実現できます。
要件定義書の作成と共有方法
要件定義書は、プロジェクトの基盤となる重要な文書であり、すべての関係者が共通理解を持つためのツールです。要件定義書をしっかりと作成し、適切に共有することで、プロジェクト進行がスムーズになります。
要件定義書の作成
文書内には、サイトの目的やターゲット、具体的な機能、非機能要件、スケジュールなど、すべての要件を具体的に記載します。図や表を活用して視覚的に整理することで、関係者が理解しやすくなります。
共有とアクセス管理
クラウド上でドキュメントを管理し、最新の情報を常に関係者が確認できるようにします。関係者間でアクセス権限を設定し、誰がどこまで閲覧・編集できるかを明確にすることで、誤操作や情報漏洩を防ぎます。
要件定義のコストを最小限に抑えた構築方法
前述のようなポイントを抑えて要件定義を実施することはECサイトの成功に必要不可欠ですが、基本的な機能も含めて1つ1つ要件定義していくには相当な時間とコストを要します。
フルスクラッチのように自社の要望通りのシステムを1から構築していく場合は別ですが、オープンソースやASPのような既存のカートシステムを利用する場合、多くのカートシステムでECサイト構築・運営の基本的な機能は開発不要の標準機能として提供されています。
またカートシステムによっては商材に特化した機能など独自性の高い要望でも標準機能として提供している場合もあります。
そのため、まずは標準機能の範囲で自社の要望をできるだけ多く満たせるカートシステムを選定して、どうしても対応が難しい要望のみを要件定義して追加する方法が費用対効果を高める面でもおすすめです。
選定の参考になる主要なカートシステムの特徴と比較については以下記事で詳しく紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。
ECカートシステムの比較・選定ポイント【主要21サービス一覧表付】
カスタマイズ可能なクラウド型ASP「aiship」での要件定義
ECサイトの要件定義はフルスクラッチで構築する場合を除いて、ベースとなるシステムのベンダーと綿密にコミュニケーションを行い、希望する要件とシステム特有の仕様をすり合わせていくことが機能性だけでなく費用対効果の面からも非常に重要です。
ここからは具体例としてクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」でのECサイト構築を例に、実際どのように機能カスタマイズの要件定義を進めていくのかを紹介します。
「aiship」はクラウド型ASPとしてECサイト構築・運営で必要な機能を網羅的に標準機能として提供をしているため、大小問わず多くのEC事業者様に独自機能カスタマイズは実施しない形でご利用いただいているサービスになりますが、
独自性の高い運用等でどうしても外せない要件があり、標準機能で対応できない場合でも部分的なカスタマイズが可能なためパッケージ型やスクラッチ等に比べて費用を抑えて独自の運用を実現できます。
ただ機能カスタマイズを行う際はシステム利用料に加えて別途カスタマイズ費用が発生するため、費用対効果も加味した上で改めて実施の是非と内容の詳細を詰めていく必要があります。
また要件を広げ過ぎてしまうとコストが膨らみ、回収できなくなるリスクもあるため、関係者間で綿密にすり合わせを行うことをおすすめします。
上記を踏まえた上でaishipで機能カスタマイズをご希望の場合、以下の工程で要件定義まで進行いたします。
1. サービス利用申込
2. 要求整理【ご利用者様】
実現したいことの洗出し整理を実施いただきます。
3. フィット&ギャップの実施【ご利用者様】
ご利用者様の業務や仕組みとaiship標準機能が、どれだけ適合(フィット)し、どれだけズレ(ギャップ)があるかを分析していただきます。
4. ギャップの精査【ご利用者様⇔ロックウェーブ】
ギャップについて、本当に必要なカスタマイズの要求までブラッシュアップを行います。
5. 必要カスタマイズ一覧
上記ギャップに基づき既存機能では実現できないご利用者様要求を満たすための必要カスタマイズ一覧について項目/概要/優先度の評価(重要性や開発難易度等で評価)などをまとめます。
6. 要件定義【ご利用者様⇔ロックウェーブ】
具体的な実施されたい要件を規定のフォーマットに沿って記載いただき、メールで当社サポートへ送付いただきます。場合によっては追加情報のご提供をお願いする場合がございます。
独自機能カスタマイズ-フィット&ギャップ
aiship 独自カスタマイズ標準工程
お米のギフトEC「八代目儀兵衛」様 の事例
ECサイトのリニューアルにあたっては、直面していた課題を解決するため7社程比較検討した結果、課題解決に最も適しているクラウド型ASP「aiship」を採用しました。
理由としてはギフトECにこだわったクラウド型ASPということで当社の考えるギフトEC強化の方向性と一致したからです。
他のカートで運用するECサイトを見てみると、ギフト対応していても備考欄にのしの情報記載などの運用がほとんどなのに対し、 aishipを利用するECサイトを実際に使ってみて検証したところ、贈られる状態を具体的にイメージでき、使いやすかったという点が導入の決め手となりました。
実施したい要件の中には標準機能でできないこともありましたが、カスタマイズを実施することで実現しました。
カスタマイズ実施にあたっては要件定義に時間をかけました。 現場からの要求の吸い上げに加え、よりよい機能を実装するために、多くのユーザーに役立つものにしていくという視点で当社とaiship提供会社のロックウェーブ社で意見交換を重ね、一丸となることで安価に実現できました。
まとめ
要件定義は、ECサイトの基盤を決定づける重要なプロセスです。要件が曖昧だったり、重要な機能が不足していたりすると、開発後に手直しが必要になり、コストや時間が余計にかかるだけでなく、ユーザー体験の低下や信頼の損失にもつながります。
一方で適切に定義された要件は、効率的な開発を可能にし、構築完了後も安定したサイト運営に繋げることができます。
ECサイトにおいて優れたユーザー体験や信頼性は売上に直結するため、要件定義の成否がECサイトの成長に大きな影響を与えます。
aishipでは独自機能カスタマイズ可能なASPとして課題要求のヒアリングから”もっと売れるECサイト”にするための要件定義のサポートまで一貫して行っていますので、ECサイト構築・リニューアルをご検討の方は是非お気軽にご相談ください。
またECサイト構築・リニューアル全体の手順や成功のポイントを以下の記事にまとめていますので、よろしければ併せてご参考ください。
ECサイト構築の方法と手順|立ち上げ時に注意すべきポイントとは?【成功事例付】
ECサイトリニューアル成功のポイント|売上40%増の成功事例から手順・費用まで解説