名産品・特産品のECサイト構築のポイント解説
必要な機能・UIとは?
2025年9月9日2025年9月9日
近年、観光需要が回復し、国内旅行者はもちろん訪日観光客(インバウンド)の数も右肩上がりに増加しています。
観光地を訪れた人が「現地の味をもう一度楽しみたい」「友人や家族への贈り物にしたい」と感じる場面は多く、そのときにECサイトの有無がリピート購入の分かれ道になります。
しかし、名産品・特産品をECサイトで販売するにはギフト対応や、オムニチャネル対応、インバウンド対応などに細やかな配慮や特有の機能性が求められるため、「どうやって始めればいいのか分からない」「どんなサイトを作れば売れるのか不安」「売上を上げたいけど改善点がわからない」と課題を抱えておられる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、名産品・特産品ECサイトの構築・リニューアルを検討している事業者の方に向けて、
・名産品・特産品の販売にECサイトを活用するメリット
・ECサイトの構築方法と選び方
・売上を上げるために必要な機能とUIのポイント
・成功事例
を解説します。
- 名産品・特産品業界の現状
- 名産品・特産品の販売にECサイトを活用するメリット
- 名産品・特産品を販売するECサイトの構築方法
- 構築方法を選ぶ際のポイント
- 名産品・特産品のECサイトに必要な機能とUIのポイント
- 【商材別】ECサイト構築のポイント
- 名産品・特産品ECサイトの成功事例
- まとめ
目次
名産品・特産品業界の現状
観光復調・インバウンド増加が牽引する市場拡大
観光庁の調査によると、2024年の日本人国内旅行消費額は25兆1,536億円(2019年比14.7%増、前年比14.8%増)となっており、市場の拡大が伺えます。
出典:
旅行・観光消費動向調査 2024年 年間値(確報)|観光庁
また、訪日外国人(インバウンド)の回復と増加は、名産品・特産品業界にとって追い風となっています。
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2025年1~3月の訪日外国人数は累計1,054万人に達し、過去最速ペースで1000万人突破を果たしました。今年(2025年)は記録的な勢いで前年の3,687万人(2024年)を上回る可能性が高まっています。
※2025年は1月〜5月の暫定値
出典:
訪日外客数の推移|日本政府観光局(JNTO)
このように、観光客が「また現地で買いたい」「友人や家族にも贈りたい」と感じる機会が増えており、ECサイトを通じたお取り寄せのニーズが急成長しています。
現地だけの販売モデルの限界とECのもたらす可能性
地方名産品の魅力はやはり「ご当地でしか買えない希少さ」です。一方で、その希少性が販路の限定や観光客減少時の売上停滞というリスクにもなり得ます。
実店舗や観光地の売店に依存せずとも、ECを通じて全国・全世界へ届けられる販売チャネルを確保することは、リスクヘッジとしても有効です。
さらに、観光地を訪れない層や、住在地が離れていて現地購入が難しい層にも名産品を届けられるようになります。ECは新たな収益の柱であり、ブランドの世界観を伝える“メディア”としての役割も果たせるようになっています。
名産品・特産品の販売にECサイトを活用するメリット
リピート購入・買い足し需要の取り込み
観光地で名産品や特産品を購入した顧客の多くは、自宅に帰ってから「もう一度食べたい」「親戚にも贈りたい」と思うことがあります。しかし、現地でしか買えない場合、そのニーズは機会損失につながります。
そこで役立つのが自社ECサイトです。購入後にアクセスできる導線(チラシ・レシート・パッケージにQRコードを記載)を用意することで、簡単にECへ誘導し、お取り寄せ・リピート購入へとつなげられます。
さらに、会員登録や「次回使えるクーポン」を同梱することで、旅行後の“お取り寄せ需要”を定着させやすくなります。
ギフト需要の拡大
名産品や特産品は「自分用」だけでなく「贈答用」としての需要も非常に高い商材です。法人が取引先への手土産に使ったり、個人が季節の贈り物として利用するケースも多く、ギフト対応機能の充実が売上拡大のカギとなります。
具体的には、以下のような機能があると喜ばれます。
・熨斗(のし)・包装紙の選択
・名入れやメッセージカードの追加
・複数配送先の指定(お中元・お歳暮需要に必須)
これらをEC上で直感的に操作できるUIにすることで、顧客はストレスなく注文でき、結果的に購買単価やリピート率の向上につながります。
新規顧客の獲得
ECサイトは「観光地に来られない層」や「初めてその名産品を知った層」にも販売できる大きな強みがあります。
特にSNSやブログで地域の魅力や商品の背景ストーリーを発信することで、共感から購入へとつながる流れを作れます。
例えば、
・生産者の想い
・製造のこだわりや伝統製法
・現地でしか味わえない食文化の紹介
のような情報は、消費者にとって「ただの商品」ではなく「地域の体験」として伝わり、購買意欲を後押しします。観光とストーリー性を組み合わせた発信は、名産品・土産品との相性が抜群です。
実店舗との相互送客
ECと実店舗をうまく連動させることで、双方の売上を底上げできます。
例えば、ECで会員登録を行った顧客に「店舗でも使えるポイント」を付与すれば、観光時の再来店を促すことが可能です。逆に、店舗で購入した顧客に「オンライン限定クーポン」を渡すことで、旅行後のリピート購入につなげられます。
このように、“店舗→EC→店舗”と循環する仕組みを構築することで、単発の購入に終わらない長期的な顧客関係を築けます。
名産品・特産品を販売するECサイトの構築方法
構築方法の選択肢としては大きく分けて以下の3つがあります。
・ASP型ECカートを利用する
・オープンソース型システムを利用する
・パッケージ型システムを利用する
当社で名産品・特産品を販売するECサイトを50サイト調査したところ、構築方法の割合として以下の傾向が伺えました。
※名産品・特産品を販売するECサイト50サイトを分析した独自調査より
上記のグラフから比較的安価で簡単に始められるASP型ECカートを利用する事業者が81.6%と割合としては多い傾向が読み取れます。
ここからは各構築方法について特徴を紹介していきます。
1. ASP型ECカートを利用する(BASE、Shopify、aiship など)
ASP型ECカートとは、ECサイトを手軽に開設できるサービスのことです。初期コストが低く、運用も簡単なため、個人運営や小〜中規模事業者、スモールスタートで展開したい事業者に適した選択肢です。
<メリット>
・初心者でも簡単に開設できる(プログラミング不要)
・低コストでスタート可能(無料プランや低額プランあり)
・決済や配送機能が標準搭載
・デザインテンプレートが豊富で見栄えの良いサイトが作れる
<デメリット>
・カスタマイズ性が低い(独自性の高い運用が難しい場合がある)
・ECカート利用の月額費用が発生(月額固定費や販売ごとの手数料が発生)
<主要なECプラットフォームの比較>
サービス | 特徴 | 月額固定費 |
---|---|---|
BASE | 初心者向け。無料で開設可能。手数料がやや高め。 | 無料~ (※別途手数料あり) |
Shopify | プラグインで拡張性が高い。グローバル展開にも対応。 | 4,850円〜 |
aiship | 食品向け機能が豊富。デザイン自由度が高い。専門知識不要。 | 9,800円~ |
<こんな方におすすめ>
・手軽に名産品・特産品のネット販売を始めたい方
・運用コストを抑えながら販売を始めたい方
・技術的な専門知識やリソースが少ない方
ASP型ECカートではテンプレートを活用することによって安価に早くスモールスタートでサイトを構築することができます。
ただサービスによってはテンプレートで必要な機能が一部省略されていたり、別途プラグインやアプリの追加が必要なケースもあるため、自社の販売戦略に合った機能が備わっているかを事前に確認しましょう。
「aiship」では食品ECサイトに機能を網羅的に標準搭載しているため、追加開発やプラグイン、アプリの追加は不要で本格的なECサイト構築を実現できます。
<aishipテンプレートの主な特徴>
・ローコードで直感的に編集可能
・デザイン・導線設計済みでスピード構築
・eギフトや店舗受取、最短お届け日表示など痒い所に手が届く機能まで搭載
https://template202505.aispr.jp/
ぜひ使いやすいテンプレートを適用したトライアルアカウントにて機能性やデザイン性をご体感ください。

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2. オープンソース型システムを利用する(WordPress+WooCommerce、EC-CUBEなど)
オープンソース型システムを利用し、ECプラグインを活用する方法もあります。この方法は、ある程度専門知識は必要になりますが、一定の自由度を確保しながら、比較的低コストでECサイトを運営できる点が魅力です。
<メリット>
・デザインや機能のカスタマイズがしやすい
・ECサイトに加えて、ブログやブランドページも構築可能
<デメリット>
・構築・運用にある程度の知識が必要(サーバー管理やサイトの更新等)
・定期的なメンテナンスが必要(セキュリティ対策など)
<必要なものと費用感>
項目 | 費用目安 | 備考 |
---|---|---|
ドメイン | 1,000円~/年 | オリジナルのURL(独自ドメイン)を取得 |
レンタルサーバー | 500~2,000円/月 | エックスサーバーなど |
テーマ | 無料~数万円 | EC向けの有料テーマもある |
プラグイン | 無料~数万円 | 月額費用の発生するプラグインもある |
<こんな方におすすめ>
・専門知識やリソースがありデザインや機能を自由にカスタマイズしたい方
・ブログやブランドページと連携して運用したい方
オープンソース型システムの代表格「WordPress」を利用したECサイト構築については以下の記事で解説していますので、是非併せてご参考ください。
WordPressを使ったECサイト構築でおすすめの方法は?事例付で特徴を比較解説
3. パッケージ型システムを利用する(ecbeing など)
パッケージシステムを利用する方法では、完全オリジナルのECサイトを構築することができます。大規模なモールECの構築や、特別な機能を求める事業者向けの構築方法です。
<メリット>
・デザイン・機能の完全自由設計が可能
・販売戦略に合わせた独自のUI/UXを実装できる
<デメリット>
・初期開発コストが高い(数千万円程度)
・開発期間が長い(6ヶ月〜数年程度)
・運用・保守のために専門知識が必要
<開発に必要な主なコスト>
項目 | 費用目安 | 備考 |
---|---|---|
システム開発 | 500万円〜数千万円 | 規模や機能要件により大きく変動 |
デザイン制作 | 100万~500万円 | UI/UX設計含む |
保守・運用費 | 10万~100万円/月 | システム維持・セキュリティ管理 |
<こんな方におすすめ>
・独自性の高い機能を導入したい事業者
・大規模なECサイトや、ブランド力がすでにあり長期運営を前提に検討する事業者
ここまでの3つがECサイトを構築する方法になります。参考までにモールに出店する方法についても特徴を紹介しますので、必要に応じてご参考ください。
番外編. モールに出店する(楽天市場、食チョクなど)
複数のブランドが出品・販売できるECモール型サービスに出店する方法です。ECサイトを構築しないためブランディング等は難しいですが、既存のプラットフォーム内ですぐに販売を始められる手軽さが魅力です。
<メリット>
・会員基盤があり、集客力が高い(検索や特集で露出のチャンスあり)
・初期費用がかからず、出品するだけですぐ販売できる
・ユーザーにとっても購入ハードルが低い(使い慣れたUI)
<デメリット>
・ブランディングがしにくい(ショップの独自性が出しづらい)
・販売手数料が高めに設定されている場合も多い
・モールのルールに従う必要がある(価格設定やサイトデザインなど)
<主要な食品向けモールの比較>
サービス | 特徴 | 初期費用 | 販売手数料 |
---|---|---|---|
楽天市場 | 知名度・集客力◎ | 60,000円 | 約2〜7% |
食チョク | 産直に特化 | 無料 | 8~18% |
Tastyモール | 固定費がかからない | 無料 | 15~25% |
<こんな方におすすめ>
・販売初心者でまずは市場の反応を見たい方
・集客はプラットフォームに任せたい方
各構築方法の特徴まとめ
構築方法 | 固定費 | カスタマイズ性 | 運用負担 | おすすめ対象 |
---|---|---|---|---|
ASP型ECカート | 低 | 中 | 低 | 個人運営・小〜中規模事業者 |
オープンソース型システム | 中 | 中~高 | 中 | ブランドサイトを兼ねたEC運営 |
パッケージ型システム | 高 | 高 | 高 | モール構築・大規模サイト |
モールに出店 | 低 | 低 | 低 | 販売初心者 |
☑︎ 手軽に名産品・特産品のネット販売を始めたいなら「ASP型ECカート」
☑︎ 専門知識がありカスタマイズ性を重視するなら「オープンソース型システム」
☑︎ 完全オリジナルの仕様を求めるなら「パッケージ型システム」
☑︎ まずは市場の反応を見たいなら「モール」も視野に入れる
名産品・特産品のECサイト構築は、販売戦略や運用体制に合わせて最適な方法を選ぶことが成功のカギとなります。
また構築方法が決まったら、次は具体的にECカートシステムの選定に入ります。
以下の記事にて主要なECカートシステム(プラットフォーム)の特徴や料金について紹介していますので、是非併せてご参考ください。

【2025最新】ECカートシステム22選を徹底比較【一覧表付】
無料で使えるカートから、高機能ASP型、オープンソース型、パッケージ型まで、各種ECカートシステムの特徴やメリット・デメリットを徹底比較。

【2025最新】ECプラットフォームを徹底比較!主要17サービスの特徴を解説
ECモール型・ASP型・オープンソース型・パッケージ型の特徴やメリット・デメリットを紹介。
構築方法を選ぶ際のポイント
1. 運用の特性を考慮して選ぶ
名産品・特産品のネット販売を始めるにあたっては、どのような運用をするのかを明確にしたうえで、最適なECサイト構築方法を選ぶことが重要です。
運用の特性によって必要な機能や設計思想が異なるため、やみくもにプラットフォームを選んでしまうと、のちに追加開発やシステム移行が必要になるケースもあります。
ここでは、実際に名産品・特産品のネット販売でよく見られる「ギフト対応」「オムニチャネル対応」「温度帯ごとの出荷配送対応」「インバウンド対応」の観点から、それぞれのポイントと適した構築方法を詳しく解説します。
ギフト対応
ギフトを贈る人にとっては失敗できない大事な注文になるため、サイト上で不安にさせない丁寧なギフト対応の工夫や、お中元・お歳暮・父の日などの季節イベントと連動したキャンペーン施策が重要です。
<必要な機能・構築上のポイント>
■ ギフトオプション対応
・のしや包装紙、メッセージカードをギフトの目的に応じて設定できる仕組みが必要。
・UIは購入画面で画像イメージを提示し、顧客が迷わず選択できる設計が望ましい。
・オプション料金が発生する場合も、カート画面で即時に反映することで安心感を提供。
■ eギフトの導入
・贈り手は購入後に専用URLをシェア、受け取り手が自分の住所を入力するため、注文時のハードルを下げられる。
・インバウンド顧客や若年層に特に効果的で、キャンペーンやSNS連動施策とも相性が良い。
■ 配送先の複数登録・指定(自宅とは別の住所に送る)
・贈答用として「自宅用+親戚用」「取引先5件にまとめて」など複数配送を一度の注文で設定できると便利。
・UIは住所帳機能を持たせ、過去に登録した送り先を簡単に呼び出せるようにする。
■ シーズンごとの特集ページ作成が簡単なCMS機能
・年間で発生するギフト需要(お中元・お歳暮・母の日・父の日・敬老の日など)に合わせ、特集ページを迅速に作成できることが重要。
・バナー・商品リスト・説明文をCMSで差し替えるだけで公開可能な仕組みが望ましい。
<おすすめの構築方法>
・ギフト機能を搭載したASP型カート
ASP型ECカート「aiship」では、熨斗、eギフト、複数配送、メッセージカードなどの機能を標準搭載しています。また自由度の高いCMSでブランドイメージをそのままサイトに落とし込むことができます。
ギフトEC専用UIでブランドと売上を育てる|aiship for Gift
ECサイトのギフト対応で必要とされる機能やUIのポイントについては以下の記事で詳しく解説していますので是非併せてご参考ください。
【事例解説】ECサイトのギフト対応でUI・UXを最適化させるポイント
オムニチャネル対応
実店舗とECを分断せず、どこで買っても同じ体験・同じ特典を提供できるかが、名産品ECのLTV(生涯価値)を左右します。
観光地での“初回購入”を起点に、旅行後の買い足しや季節ギフトへつなげるには、会員・在庫・注文・特典をチャネル横断で一元化するオムニチャネル設計が重要です。
<必要な機能・構築上のポイント>
■ 会員ID・ポイントの共通化(EC/店舗)
・ 一つの会員IDで来店・オンライン双方の購入履歴やポイントを統合する。
・デジタル会員証(アプリ/LINEミニアプリ等)で提示・スキャンできる状態に。
■ 在庫の一元管理とリアルタイム反映
・ 店舗・倉庫・ECの在庫を統合することで、欠品・二重販売を防ぎ、購入導線を途切れさせない。
■ 店頭モバイルオーダー/後日配送
・「QRからモバイルオーダー→決済→後日配送」のフローを構築することで混雑時の待ち時間を軽減。また土産の持ち帰り負担も解消できる。
■ レシート/パッケージQRでのEC誘導
・店頭レシートや商品の帯ラベルに個別QRを印字。
・再購入ページや会員登録(初回特典付き)へ直リンクし、旅行後の買い足しを加速。
■ 購買履歴の統合とセグメント配信
・POSとECの履歴を統合してRFM分析。
・「来店後30日未購入」「季節ギフト既購入」などのセグメントへメール/LINEで最適な提案。
■ 特典・クーポンの相互利用
・オンライン/店舗で発行したクーポンの相互利用を可能に。
・観光期のスタンプ施策や地域イベントと連動すると回遊が生まれる。
<おすすめの構築方法>
・POS・在庫・会員基盤と柔軟にAPI連携できるASP型カート
・パッケージ型システム
ASP型ECカート「aiship」では、ECサイト×実店舗の相乗効果を生み出すオムニチャネル展開を実現可能です。ポイントや顧客データのリアルタイム連携、店舗受取、SNSやアプリと連携したチャネル展開などあらゆる対応をサポートしています。
実店舗やアプリ連携、オムニチャネルに対応したECを構築|aiship
三温度帯の出荷配送対応
名産品・特産品のECサイトでは、複数の商材を幅広く取り扱うケースも多く、常温/冷蔵/冷凍 といった異なる温度帯の管理や配送が煩雑になりやすいのが実情です。 温度帯の管理や配送が煩雑だと、誤配送・追加送料のトラブル・在庫管理の混乱が発生し、顧客満足度の低下につながるためしっかりとした対応が求められます。
<必要な機能・構築上のポイント>
■ 温度帯ごとの商品登録
・商品ごとに「常温/冷蔵/冷凍」を設定し、受注時に自動判定できる仕組み
・商品ページに温度帯を明示し、顧客にわかりやすく提示
■ 同梱可否ルールの自動判定
・常温商品と冷凍商品を同じカートに入れた際、「同梱可否」の判定を自動で行う
・自動的に「別梱包扱い+追加送料」を計算し、カート画面に表示
■ 送料設定の柔軟化
・温度帯ごとに異なる送料を設定可能
・地域別送料との掛け合わせにも対応し、正しい配送料を自動算出
■ 在庫管理の一元化
・SKU × 温度帯ごとの在庫数を管理し、リアルタイムに反映
・倉庫・店舗・モールと在庫連携し、過剰販売や欠品を防止
■ UIの工夫
・カート画面で「この商品は冷凍配送となります」「常温商品と同梱できません」などをわかりやすく表示
・追加送料が発生する場合は注文前に明示し、顧客の不安や不信感を防止
<おすすめの構築方法>
・三温度帯配送に標準対応したASP型カート
・パッケージ型システム
インバウンド対応
訪日観光客の増加に伴い、名産品・特産品ECにおいて インバウンド対応は必須 になっています。旅行中の「買い足し」や帰国後の「リピート購入」を取り込むには、多言語・多通貨・海外配送 の3本柱に加え、訪日前の情報発信や店舗との連動施策が重要です。
<必要な機能・構築上のポイント>
■ 多言語対応サイト
・日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)を切り替え可能なUI
■ 多通貨・海外決済対応
・クレジットカードに加え、Alipayなど中国系決済を導入
・スモールスタートの場合は越境対応に特化したツールを活用
<おすすめの構築方法>
・越境対応もしくは特化ツールと連携したASP型カート
・パッケージ型システム
名産品・特産品のネット販売は、その販売形態によって求められる機能やユーザー体験が大きく異なります。
「自社が誰に、どのように売るのか」という視点を持って、最適なプラットフォームを選ぶことで、スムーズな運用と将来的な拡張性を両立できます。初期段階での設計判断が、成功するEC運営のカギを握ります。
2. 費用対効果を考慮して選ぶ
ECサイトの構築方法を検討する際は、見込まれる売上に対して、どのくらいコストを掛けられるかのバランスの考慮も重要になります。
構築方法 | 初期費用 | 月額費用 | 運用のしやすさ | カスタマイズ性 |
---|---|---|---|---|
ASP型ECカート | 無料〜数万円 | 無料〜数万円 | ◎(簡単に運営可能) | ○(サービスによっては制限あり) |
オープンソース型システム | 数千円〜数十万円 | 無料〜数万円 | ○(中級者向け) | ○(ある程度自由) |
パッケージ型システム | 数百万円〜数千万円 | 数十万円〜 | △(エンジニアが必要) | ◎(自由にカスタマイズ可能) |
モール出店 | 無料〜 | 販売額に応じた手数料 | ◎(簡単に運営可能) | ×(プラットフォームの仕様に制限) |
モールへの出店やASP型ECカートを利用する方法は手軽ですが、デザインや機能の制約があるため、必要とする機能があるかをしっかりと確認しましょう。
3. 必要な機能・UIを考慮して選ぶ
先述の「運用の特性を考慮して選ぶ」と内容が重複するものもありますが、運用の特性に寄らず、名産品・特産品のECサイトに特有で必要な機能もあります。
特に重要となる必要機能の一例としては以下になります。
機能 | 重要度 | 概要・特記事項 |
---|---|---|
カート機能&多様な決済手段 | ★★★★★ | クレジットカード、オンライン決済、コンビニ決済、後払いなど柔軟に決済への対応が必要。 |
在庫管理機能 | ★★★★★ | 1日ごとに出荷できる量が限られている場合、1日単位で在庫数を設定できる、出荷日別での在庫管理ができると効率的。 |
リードタイム設定機能 | ★★★★☆ | 特に消費期限が短い冷蔵商品の場合は、システム上で正確なリードタイム設定が必要。 産直などで商品ごとに配送元が異なり、リードタイムも異なる場合は、商品ごとのリードタイム設定も必要になる。 |
配送設定機能 | ★★★★★ | 温度帯の異なる商品を同時に販売する場合、常温・冷蔵・冷凍の同梱・別梱設定ができると便利。 |
ギフトオプション機能 | ★★★★☆ | のしやラッピングなどを選択できる機能。ギフトと相性の良い名産品・特産品ECサイトでは必須。 |
eギフト機能 | ★★★★☆ | 住所を知らない人にも贈れる機能。当日の駆け込み需要も取り込めるためギフトに力を入れたいなら必須。 |
お届け日表示機能 | ★★★★☆ | カートページでの表示に加えて、商品詳細ページでいつ届くのかを表示する機能があると便利。ギフトとの相性も◎ |
SNS連携(Instagram、Xなど) | ★★★★☆ | SNS経由で集客しやすく、特にビジュアル重視の商品の場合は相性が良い。 |
上記は基本機能の一例ですが、特に注意が必要な機能性については次章「名産品・特産品のECサイトに必要な機能とUIのポイント」にて解説していきます。
名産品・特産品のECサイトは、運営形態や必要な機能によって最適な構築方法が異なります。最初は低コストで始めて、売上が伸びてきたら本格的なカスタマイズを検討するのが一般的な流れです。
自社の特徴に合った方法を選び、ネット販売の成功を目指しましょう。
また、ECサイト構築の手順については以下の記事で詳しく解説していますので、是非併せてご参考ください。
ECサイト構築の方法と手順|立ち上げ時に注意すべきポイントとは?【成功事例付】
名産品・特産品のECサイトに必要な機能とUIのポイント
名産品・特産品のネット販売において、機能とUI(ユーザーインターフェース)設計は売上やリピート率に直結する重要要素です。
一般的なECサイトの要件に加え、ギフト対応や温度帯を考慮した配送設定、オムニチャネル、インバウンドへの対応など特有の要件も必要になります。
ここからは名産品・特産品のネット販売において必要となる特有の機能とUIについてご紹介します。
ギフト対応
誕生日、クリスマスなどギフトとしての利用用途が非常に多いため、ユーザーに選ばれるためには、より丁寧なギフト対応が必要とされます。
ギフトオプション(ラッピング、メッセージカード等)
ラッピング、メッセージカードなど、ユーザに必要なオプションを分かりやすく表示することが必要です。 入力忘れや選択ミスを軽減し、スムーズに注文できるようにすることで離脱率軽減が期待できます。
eギフト(ソーシャルギフト)
eギフトは、SNSを使って手軽に贈れるため、特にカジュアルギフトに適した商材のECサイトでは急速に導入が進んでいます。
またECサイトへの導入だけでなく、「観光地で飲食店の席からeギフトでお土産を贈る」という使い方もできます。
出張や観光で訪れた飲食店で、食べたその味をお土産としてSNSやメールで贈ることが可能になるため、高揚感が高まっている時にQRコードを案内することで購入タイミングを逃しません。
お土産を買う予定がなかったタイミングで出会った商品もeギフトなら気軽に購入できます。
<店舗でのeギフト利用フロー>
eギフトを導入する際は、受取者が「自分の好きな商品を選んで受け取れる」ようにすることで注文者はより気軽に贈りやすくなります。
ギフトを贈る際の「様々な事情を考慮したりパーソナルな情報を知っておかないと相手に喜んでもらうことができるかわからない」という懸念を払拭でき、注文のハードルを下げることができます。
<イメージ>

※弊社の提供するクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」では、「
eギフト(ソーシャルギフト)機能
」に加えて、
eギフト(ソーシャルギフト)を受け取る人が商品を選択できる「
選べるギフト機能
」を標準搭載しています。
aiship 資料ダウンロードはこちら
aishipに問い合わせてみる
ギフト対応はシーズンイベントでのギフト需要を取り込めるだけでなく、顧客単価向上やリピーター獲得など売上を上げていくための重要な施策です。
ギフト対応のUI・UXを最適化するためのポイントについては、以下の記事で具体的なサイト事例をもとに詳しく解説していますので、ぜひご参考ください。
【事例解説】ECサイトのギフト対応でUI・UXを最適化させるポイント
配送日時指定・お届け日表示
ギフト注文の場合、「○月○日の○時までに届けてほしい」というニーズが強いため、緻密な配送可能日の算出と、サイト内のわかりやすい場所での明示が重要です。
正確な配送日時指定
都道府県ごとの配送リードタイムを考慮し正確な配送日時の指定を可能にすることで機会損失を抑制できます。
<参考にしたい事例>
京都北山の銘菓「マールブランシュ」では、お客様が入力したお届け先の郵便番号からヤマト運輸サービスレベル(お届け可能日時)を自動で算出し、適切な「お届け希望日」をお客様の選択肢に表示しています。
「aiship」では、配送リードタイム(ヤマト運輸サービスレベル)に基づいたお届け可能日時を自動算出できます。
購入者が入力したお届け先の郵便番号からヤマト運輸サービスレベル(お届け可能日時)を自動で算出し適切な「お届け希望日」をお客様の選択肢に表示します。
これによりお届け先ごとに配送にかかる時間が異なる場合も自動で対応可能です。
ヤマト運輸サービスレベル対応の詳細はこちら
お届け可能日の表示
カートページでの提示に加えて、商品詳細ページで「配送可能日」が事前にわかるようにしておくことをおすすめします。
ユーザーは「いつ届くのか?」という疑問や不安を持っていることが多いので、贈り物や、イベントごとに向けて購入を検討しているユーザーは特に、間に合うことが早い段階でわかっているとカートインしてくれる可能性が上がります。
ほとんどのモールECでは採用されていますが、意外と自社ECでは見落とされてるポイントなので、しっかりと取り入れておきましょう。
<導入イメージ>
<モールECでの事例>
ケーキ、スイーツのお取り寄せサイト「 Cake.jp 」では、商品詳細ページで都道府県ごとに最短のお届け日を表示。
また目的の日に間に合わない方に向けて、最短翌日届く商品のカテゴリページに誘導して離脱を抑制しています。
「本日〇時までの注文で最短〇月〇日にお届け」のように期限も併せて表示しておくことで喫緊性を訴求でき、今すぐの注文にも繋げやすくなります。
ほとんどのモールECでは採用されていますが、意外と自社ECでは見落とされてるポイントなので、しっかりと取り入れておきましょう。
またお届け予定日の表示を見て離脱するユーザーは、「間に合わないこと」が離脱要因であることが明らかなので、表示エリアの近くに代替案を置いておくことをおすすめします。
<離脱しそうなユーザーへの代替案>
① 早く届けることができる商品をまとめたページに誘導
配達へのリードタイムの短い商品群を準備できる場合には、お届け予定のすぐ近くに、早く配達できる商品をまとめたページに誘導します。
② eギフトで記念日当日にギフトの受け取りURLを送ることを訴求
eギフトで記念日当日にギフトの受け取りURLを送ることを訴求します。
直近自社ECサイトでは注目度が高まり、導入しているサイトも多くなってきましたが、こういった形でタイミング別に訴求しているサイトは、まだほとんどありません。
この方法では、「WEBメッセージカード + ギフトを受け取れるURL」を即準備できるため、当日に誕生日や記念日だと気づいたユーザーにもその日のうちにメッセージで送付することができます。
eギフトを説明する際には「住所を知らなくても贈れる」ことが強調されがちですが、実家に送る母の日・父の日の当日にもよく利用されるので、 「間に合わない」ユーザーを逃さない対策に最適です。
③ 取り扱い店舗を表示する
流通網が広い商品の場合は、店舗へ案内してしまうのも一手です。
効果は測定しづらいことがネックですが、急ぎであれば足を運ぶことを厭わないユーザーは一定数います。
やや実装が高度にはなりますが、「お届け先の地域」の選択に合わせて、対象地域の店舗を表示するような形にすると、より洗練されたUIになります。
※弊社の提供するクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」では、商品詳細ページで最短のお届け可能日を都道府県ごとに出し分けて表示する「
最短お届け日表示機能
」に加えて、
「
商品ごとのリードタイム設定
」や「
eギフト
」、「
店舗受取設定
」を標準機能として提供しているため、いずれの方法にも対応したECサイトを構築することができます。
aiship 資料ダウンロードはこちら
aishipに問い合わせてみる
配送設定・在庫管理
配送の温度帯や出荷量、消費期限など商材の特性を加味すると多くの場合、以下のような特徴的なバックヤード機能が必要になります。
お届け可能日の表示
商品ごとに定められた温度帯での在庫管理に加え、商品を発送する際の温度帯に応じた送料設定が必要です。
常温、冷蔵、冷凍の各温度帯のみを単体で取り扱うECサイトであれば、1種類の送料設定や配送での運用が可能です。
しかし異なる温度帯の商品を取り扱うECサイトも多く存在しており、そのような場合には、各温度帯に応じた配送料金の設定や在庫管理が必須になります。
特に配送料金の設定は、名産品・特産品のネット販売において重要なポイントになります。一般的なECカートやECサイト構築パッケージでは、以下のような送料の設定項目があるはずです。
・都道府県別の送料計算
・購入金額に応じた送料計算
・購入商品の重量に応じた送料計算
・送料無料条件の指定
温度帯の異なる商品を一つのECサイトで扱う場合にはこれらの一般的な送料計算に対し、まずはクール便(冷蔵・冷凍)に応じたオプション料金の加算が必要です。
クール便の方が送料負担が大きいため、冷蔵・冷凍商品の注文の際にはきっちりと加算分の送料を注文の合計金額に含めたい事業者様がほとんどだと思います。
ここまでは商品毎に温度帯の設定項目があるか、特定の商品のグループやカテゴリに対してオプションの送料設定ができれば対応可能です。
しかし、複数の温度帯商品を同時に購入するケースを考慮していくと、システム上必要な機能は複雑化していきます。
異なる温度帯の商品は同梱可能とするか、別々で送る方が良いのかについて、本来理想としている注文や発送の形式ではなく、 システム上の制約を優先とした形式になってしまいやすいポイントです。
この同梱設定の複雑なポイントについて見ていきます。
温度帯の異なる商品の同梱・別梱設定
例えば、 ケーキ屋のECサイトで冷凍のケーキと、味が繊細な冷蔵のプリンを扱っているとします。
冷凍のケーキと冷蔵のプリンを同じお客様が注文された場合に、 品質を保った状態でお客様に食べてもらうためにも、プリンを冷凍タイプのクール便にまとめて入れてしまう訳にはいきません。
この場合、もしECサイト上で一緒に購入された場合は、 それぞれ別の梱包を行い、発送伝票を準備し、
ケーキの分の冷凍便の送料 + プリンの分の冷蔵便の送料 = 合計送料
として送料を計算したいはずです。
では、同じケーキ屋で別売りで誕生日用の数字の形をしたろうそくを販売していて、冷凍のケーキと同時に購入があったとします。
ろうそくは冷凍ケーキと一緒に入れてしまっても品質上問題ない商品なので、 この場合は冷凍のクール便として一つのパッケージとして発送する方が購入者にとっての金額負担が少ないだけでなく、ショップにとっても梱包業務が楽になります。
そのため送料は単純に、
冷凍ケーキのクール便の送料 = 合計送料
としたいでしょう。
このように、商品同士の組み合わせによっては、 同梱にしてできるだけ送料を少なくしたいこともあれば、商品の特性によって別梱とせざるおえないこともあります。
一緒に送れるものもあれば、送れないものもある・・・
一つの注文に対して温度帯ごとに厳密に発送小口を管理できるようにすると、一回の注文時の送料がどうしても高く見えてしまい、ECサイトでの注文を敬遠されてしまう可能性も出てきます。
すると今度は「できる限り同梱できるものは同梱したい」という、新しい要件も発生してきます。
aishipをご利用のEC事業者様にも同様のお悩みがあり、
・特定の冷蔵商品と冷凍商品を同時に購入した場合は、冷凍便に同梱したい
・冷蔵商品のみで購入した場合は同じ商品でも冷蔵で送りたい
という、「冷蔵」の商品が「冷凍」に入ったり、入らなかったり色んな条件を作りたいという要望がありました。
aishipではこの要望にお応えするために、商品に対して温度帯を設定できることに加えて、異なる温度帯の商品が複数含まれる場合に、 「冷蔵便に同梱するか」「冷凍便に同梱するか」を個別に商品毎に設定することができるようにアップデートを行いました。
結果に必要な機能性として、
・商品毎に、「常温」「冷蔵」「冷凍」の温度帯の設定ができる
・「冷蔵」「冷凍」のクール便の注文の場合にオプション料金を加算する
・同時に異なる温度帯の商品がカートに入った場合、システム内部で温度帯毎にグルーピングする
・グループ毎に適切な送料計算を行い、合計送料を表示する
・温度帯のグループ毎に送料無料の条件基準を設けることができる
・常温商品と異なる温度帯の商品がカートに入った際に、同梱するか否かを商品ごとに設定できる
・冷蔵商品と冷凍商品が同時にカートに入った際に、冷凍のグループに同梱するか否かを商品ごとに設定できる
などの機能性が必要なってくることがわかりました。
温度帯を管理するといっても、かなり奥行きがあるので、 代表的な商品の組み合わせごとの自社の理想的な発送パターンをシステム都合で諦めていないか、今一度ご確認されることをお勧めします。
三温度帯設定機能で常温便とクール便(冷蔵・冷凍)の同梱・別梱設定が可能|aiship
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出荷できる量が限られている商品の在庫管理
1日ごとに出荷できる量(生産量)が限られている場合、1日単位で在庫数を設定できる「出荷日別での在庫管理」ができると効率的です。
このような機能が備わっていると、生産現場にあわせて日ごとの在庫調整や、日ごとの入荷量に応じて過不足なく在庫を捌くことができます。
消費期限が短い商品のリードタイム設定
消費期限が短い食品の場合は、システム上で発送に必要な期間の算出が重要になります。
サイト上で注文時に指定する配送先住所に応じて、配送希望日時を正確に算出することで、注文者は確実に受け取れる日時を指定でき、再配達時に賞味期限切れが発生する事態を防ぐことが可能です。
季節限定商品販売
季節ごとの商品を期間限定で販売したい場合は、システムで商品ごとに販売期間を制限する必要があります。
販売促進機能
クーポンやポイント制度の導入
代表的な施策例としては以下のような施策があります。
・初回購入限定クーポン:新規顧客の獲得を促進
・ポイント制度:購入金額に応じたポイントを付与することで、再購入を促進
SNSと連携したプロモーション
SNSはブランドの認知度を上げる強力なツールです。自社の商品と相性の良いキャンペーンを行うことで認知拡大を目指しましょう。
以下は代表的な施策の一例になります。
・インスタグラムキャンペーン
フォトコンテストやハッシュタグを活用した投稿キャンペーンで認知拡大
・限定クーポン配布
SNSフォロワーに特典を提供し、フォロワー増加と販売促進を同時に実現
ECサイトのマーケティング施策については以下記事で詳しく解説していますので、併せてご参考ください。
ECサイトマーケティングで押さえるべき基本施策5選【チェックリスト付】
安心感を与える情報提供
商品原材料やアレルギー情報の明記
近年、食品の安全性への意識が高まっており、食品表示法では、消費者が商品を安全に購入・摂取できるようにするために、食品の成分や産地などの表示を義務付けています。
購入者が確認しやすいよう商品ページで以下の内容を明記しておくことが重要です。
・原材料名:使用しているすべての原材料を記載
・内容量:購入者が適切な分量を確認できるよう内容量を明示
・産地:特に生鮮食品の場合、原産地を正確に記載
・アレルギー表示:特定原材料を含む場合はアレルギー表示が必須
・賞味期限または消費期限:保存期間を記載し、品質の保持期限を明示
オムニチャネル対応
飲食店も含めて街中に実店舗を運営している場合、実店舗の運用も含めて一元管理など最適化を図れる仕組みの構築を検討する必要があります。
店舗受取
商品ごとに店舗受取の可否を設定したり、店舗受取が可能な店舗をオーナー側で複数設定することで、お客様にとって便利に商品を受け取っていただけるサービスを実現できます。
具体的には以下のようなメリットが挙げられます。
【利用者】
・移動時間や隙間時間にECサイトで商品を選び、ライフスタイルにあわせて受け取りたい場所で受け取れる。
・オンラインで在庫状況を確認することで、どの店舗に在庫があるのかを確認できる。
【事業者】
・店舗に足を運んでもらうことで、ついで買いを誘うことにも繋げられる。
・配送が必要なくなることで、配送コストを削減できる。
「店舗受取」を導入する際は「店舗受取が可能である」ことや「どこで受け取れるか」を商品詳細ページの段階から明示しておきましょう。
店舗受取に対応していて近くの店舗で受け取れることがカートページまで進まないとわからない状態だと、カートインを躊躇ってしまい途中で離脱してしまう可能性が高まります。
そのため、できれば商品詳細ページで「店舗受取」か「配送」かの選択や、店舗受取を選択した場合は「受け取る店舗」を選択できるようにすることをおすすめします。
<イメージ>
また店舗受取サービスを利用するユーザーには最寄りの店舗やよく利用する店舗で受け取れる商品を探したいというニーズもあります。
そのため、特に多店舗展開をしている場合は、先述の「商品を指定して受け取る店舗を選択できる」UIに加えて、「受け取る店舗を指定して商品を探せる」UIがあるとより利便性が高まります。
弊社の提供するクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」では2025年5月に「
店舗受取機能
」をアップデートして、
商品詳細ページで店舗受取の詳細を選択できる機能を提供しています。
詳細についてはぜひ1度お問い合わせください。
お問い合わせはこちら
店舗受取のメリットや、導入方法、参考事例については以下記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご参考ください。
【実店舗×ネット予約】店舗受取サービスの導入方法とは?
ポイント連携・一元化
ポイントシステムは商品の購入や会員登録、実店舗への来店や、ECサイトにおけるレビュー投稿等のアクションに対し、企業側が設定したポイントを顧客に還元する仕組みです。
これによりリピーターの獲得や、客単価アップに繋がるだけでなく、システム利用時に収集したデータを別のマーケティング施策に活用できる等、企業側にも消費者側にもメリットがあり、顧客の囲い込み戦略の1つとして導入している店舗も多く見られます。
また昨今、オフラインとオンラインの融合させ、顧客とのタッチポイントを広げていくOMO戦略に注目が集まっています。 関連する内容にオムニチャネル戦略、O2O戦略などがありますが、これらを実現するためには店舗・EC間でのデータ連携を行うためのシステムの拡張性が必要になります。
ポイント連携やOMO施策については以下記事で詳しく解説していますので、併せてご参考ください。
ECサイトと実店舗の連携でおすすめの方法は?会員情報/ポイントデータの一元管理方法と導入事例
OMOとは?具体的施策4選と成功事例|O2O、オムニチャネルとの違いも解説
ECサイトと実店舗を連携することで実現できる具体的な施策については以下の記事で詳しく解説していますので、実店舗を運営されている方は是非併せてご参考ください。
ECサイトと実店舗の連携で実現できる施策8選
アプリ連携
アプリを導入することで、ユーザーの購買履歴、閲覧行動、位置情報などの詳細なデータを収集・分析できるようになります。これにより、パーソナライズ施策の精度向上や商品開発、広告配信の最適化など、マーケティング全体の高度化が可能になります。
さらに、実店舗とECサイトをまたいだ顧客データの統合も視野に入れられるため、オムニチャネルやOMO戦略との親和性も高いのが特長です。アプリを介して取得した情報を、CRMやMA(マーケティングオートメーション)と連携することで、より一貫性のある顧客体験の提供が実現できます。
SaaS型のアプリ開発プラットフォーム(Yappli、クロスポイントなど)を利用すると初心者でも簡単に制作することができます。
例えば、国内シェア大手の「Yappli」では、ノーコードでアプリを作成しつつ、通知・ストア公開・分析など、ネイティブ機能の利便性を取り入れた柔軟な運用が可能です。
また弊社のECカート「aiship」ともAPI連携しているため、ECサイトの会員データとシームレスに連携し、ECサイト・アプリ・店舗を統合したシームレスな顧客体験を実現します。
Yappli(ヤプリ)連携|aiship
インバウンド対応
海外販売向け(越境EC)機能
海外向けに販売を行うためには「多言語化」「多通貨対応」「海外配送」「税制対応」など国内での販売とは異なる特有の対応や機能が必要になります。
本格的に海外展開をするにあたっては、これらの機能を搭載したECプラットフォームで構築を進める必要がありますが、まずはスモールスタートで市場の反応を見たい場合は、
国内向けのASP型ECカートでも越境ECに特化した外部ツールを導入することで簡単かつ安価に越境対応を実現することが可能です。
越境ECは「多言語化」「多通貨対応」など特有のサイト構築が必要な点に加え、法規制や物流コストなども複雑なため、本格対応する場合、どうしても対応コストは大幅に増加してしまいます。
そのため費用対効果の面からも国内での販売体制を整えてから段階的に取り組むケースやスモールスタートを選択するケースが多いのが現状です。
弊社の提供するASP型ECカート「aiship」では、「WorldShopping BIZ」や「Buyee Connect」といった越境ECに特化したツールと連携しており、ECサイトにタグを一行埋め込むだけで簡単に海外での販売に対応させることができます。
越境ECサイト構築・海外向け販売対応 | aiship
【商材別】ECサイト構築のポイント
ECサイトを構築する際は、本記事で紹介したポイントに加えて、商材による特有のポイントも押さえておくことが成功の秘訣です。
以下に併せて参考にしていただきたいコンテンツを紹介していますので、自社の商材や販売方法に応じてご参考いただけますと幸いです。

食品のECサイト構築
食品ECサイト構築を成功させるポイント【機能・UI・成功事例】

食品のネット販売の始め方
食品をネット販売する際の準備事項まとめ|法的手続きからサイト構築・具体的機能まで解説

お菓子・スイーツのECサイト構築
お菓子・スイーツのECサイト参考事例17選|商材特有の構築ポイントと特化型システムとは?

ケーキのECサイト構築
ケーキをネットで販売する方法とは?ECサイト構築のポイント解説

お肉のECサイト構築
お肉を販売するECサイト構築のポイント解説|必要な機能・UIとは?

魚介類のECサイト構築
魚介類を販売するECサイト構築のポイント解説|必要な機能・UIとは?

野菜・果物のECサイト構築
野菜・果物を販売するECサイト構築のポイント解説|必要な機能・UIとは?

お米のECサイト構築
お米のネット販売の始める方法とは?ECサイト構築のポイント解説

お酒のECサイト構築
お酒を販売するECサイト構築のポイント解説|必要な機能・UIとは?

コーヒー豆のECサイト構築
コーヒー豆のネット販売の始め方とは?ECサイト構築のポイント解説

ふるさと納税のサイト構築
ふるさと納税ECサイトの構築方法とは?メリットや注意点も徹底解説
名産品・特産品ECサイトの成功事例
参考にしていただきたい成功事例として、サイトURLと参考にしたいポイントをご紹介します。
※全て弊社の提供するASP型ECカート「aiship」で構築されているECサイトの事例になります。
京都北山【マールブランシュ】公式オンラインショップ
サイトURL:
https://www.malebranche-shop.jp/
<概要>
・京都の洋菓子店でもトップブランドの「京都北山マールブランシュ」を展開
・パッケージシステムからリニューアル後、売上拡大
・オムニチャネルなど戦略的EC強化でコロナ禍でも売上を拡大
<構築のポイント>
・ギフト対応
注文時にリアルタイムで熨斗のデザインや入力された文字を表示する機能により、ユーザーが購入時にイメージしやすいように設計。
ひとつの注文で複数の配送先を設定できる点に加え、お届け先ごとに商品を紐づけることで多くの入力・選択でも迷いにくいカートステップを実現。
ギフトの細かなニーズに応える仕様を作り上げ、ギフトユーザーが使いやすいよう構築。
さらに熨斗をCSVデータで一括印刷できるようにするなど、バックオフィスの運用改善も実現。
・実店舗とECの連携でCRM強化
ECと実店舗の会員情報をシームレスにつなぎ込み、CRMを強化することで顧客体験価値の向上を実現。
また実店舗とECの購入履歴を統合、ポイントも一元化したことに加えて、これらのデータはCRMツールとリアルタイムで連携。実店舗とECを融合させたマーケティングを可能にしている。

マールブランシュを運営する
ロマンライフ様のコメント
モノを売るという意味では、ネットもリアルも同じです。データベースをひとつに統一することで、顧客管理をスムーズに行えるようにしました。実店舗での会員登録も、これまでは紙ベースでしたが、「aiship」の機能を利用してECサイトと同じUIでタブレット上で簡単に登録できるようにしました。
リニューアル直後3月~7月末のEC経由の会員登録数は、前年比で約130%になっています。
ギフト強化で売上大きく伸長
名高い洋菓子店『京都北山マールブランシュ』のギフトECサイト戦略とは
「博多通りもん」の【明月堂】公式オンラインショップ
サイトURL:
https://www.meigetsudo.co.jp/
・福岡土産として、全国的な知名度があり、人気商品の限定販売は毎週即完
・2024年にaishipでECサイトのフルリニューアルを実施
・古くなってしまったデザインの刷新と注文が殺到した際の注文処理を改善
<構築のポイント>
・お客様がわかりやすいデザインに大幅改修
会社としては店頭での売上が圧倒的な割合を占めるため、社内にはECやWEB業務に当たる人数が確保できず、「お客様が分かりやすいようなサイトに改善したい」という思いはありつつつも、日々の注文処理にも追われていて中々着手できていなかった。
主力商品の生産体制の見直しをきっかけに、aishipでのフルリニューアルを実施。
デザイン改修はもちろん、課題であった注文処理のバックエンド改善も着手。
個包装と断面を表示し、店舗で認知していた商品と一致するように。
基本的にはシンプルかつスッキリさせ素材としての転用性も◎

明月堂様のコメント
リニューアル前は、ECサイトでお買い物をしているお客様から電話がかかってきて、
配送方法や熨斗の付け方などの記載場所がわからず、お困りの方が多かったです。
他社の参考事例などを使いながら、「どうすればお客様が迷わずにお買い物できるか?」を工夫して、TOPページはもちろん、商品ページ、カートページの細かいところにも配慮して、
気持ちよくお買い物していただけるサイトを目指しました。
矢場とんショッピング
https://shop.yabaton.jp/
矢場とんショッピングは、名古屋名物「みそかつ」を販売するサイトになります。
ギフト商品も充実しており、eギフトも提供されています。
北海道ぎょれん産直ネットショップ
https://www.gyoren.net/
「北海道ぎょれん産直ネットショップ」のサイトでは、北海道の美味しい海産物を産地直送で提供しています。
多彩な商品ラインナップから、価格や商品カテゴリ、人数で絞り込んで目的に合った商品を探すことができます。ギフト商品も充実しています。
また各カテゴリごとに作り込まれたコンテンツを用意されているためSEOにも強く「ホタテ」や「いくら」といったビッグワードでも検索上位を獲得されています。
宮良そば通販
https://08miyarasobagift.com/
宮良そば通販は、「沖縄ソバ」のソーシャルギフト専用サイトで、観光地で飲食店の席からeギフトでお土産を贈ることができる仕組みを提供されています。
出張や観光で訪れた店舗で、食べたその味をお土産としてSNSやメールで贈ることが可能です。
谷口屋
https://taniguchiya-onlineshop.jp/
谷口屋は、福井名産の「油あげ」を販売するサイトです。
商品詳細ページで都道府県ごとに最短のお届け日が表示されます。
阿部蒲鉾店オンラインショップ
https://www.abekama.co.jp/
阿部蒲鉾店オンラインショップは、仙台名産の「笹かまぼこ」を販売するサイトです。
博多ふく蔵
https://hakatamentai.com/
博多ふく蔵は、博多名産の「明太子」を販売するサイトです。
まとめ
名産品や特産品のネット販売は、ギフト対応やオムニチャネル対応、インバウンド対応などなど特有の観点を加味したECサイトの構築が求められる分野です。
本記事でご紹介した内容を参考に以下のポイントを押さえて、ネット販売の準備を進めていきましょう。
☑︎ 比較的安価で簡単に始められるASP型ECカートの利用が主流
☑︎ ASP型ECカートといってもピンキリなので自社の要件を整理して、選定を行う必要がある
☑︎ 選定の際は特に、以下の観点を加味する
・ギフト、オムニチャネル、インバウンド など自社の想定する運用に対応できるか
・費用対効果
・温度帯別の配送設定、リードタイム設定など特有の機能性
☑︎ 「eギフト」「商品詳細ページでの配送可能日の表示」など消費者ニーズに寄り添う特化機能があると差別化しやすい
弊社の提供するASP型ECカート「aiship」では食品のECサイトに必要な機能を網羅的に搭載しているため、追加の開発等は不要で安価に名産品・特産品のネット販売を本格的に始めることができます。
また弊社ではご状況のヒアリングから、構築方法や機能・UIのご提案、導入・運用サポートまで一貫して実施しておりますので、名産品・特産品のネット販売をご検討の際は、ぜひ1度お問い合わせください。

クラウド型ECサイト構築ASP「aiship」
お問い合わせ
ECサイトの立ち上げやリニューアル、システム移行、見積もりのご依頼についてお気軽にお問い合わせください。
また、機能や費用の詳細、詳しい事例を知りたいなどもご相談ください。