卸売ECサイトの構築方法を徹底解説
【必要機能・費用相場・システム比較】
2026年2月26日2026年3月16日
卸売ECサイトの構築を検討にあたって、以下のようなお悩みはないですか?
・どの構築方法を選べばいいのか分からない
・費用相場はどれくらいかかるのか不安
・プラットフォームはどれが適しているか判断できない
・どんな機能が必要になるかイメージできない
卸売EC(BtoB EC)は、一般的なBtoC向けECサイトとは設計思想が大きく異なります。
取引先ごとの価格設定、掛け払い、見積機能、ロット販売など、卸売特有の商習慣に対応できるかどうかが成功の分かれ道になります。
本記事では、卸売ECサイトの構築方法を体系的に整理しながら、
・卸売EC構築の費用相場
・必要な機能一覧
・構築方法の違いと選び方
・主要システムの比較ポイント
・失敗しないための要件整理
を網羅的に解説します。
「スモールBtoBで始めたい企業」から「本格的な卸売DXを進めたい企業」まで、自社に最適な構築方法が判断できる内容になっていますので、
卸売ECサイト構築・運営を成功させるための参考にしていただけると幸いです。
- 卸売ECサイトとは?(クローズド型とスモールBtoB型の違い)
- 卸売ECサイトを構築するメリット・導入効果
- 卸売ECサイトの構築方法(5パターン比較)
- 卸売(BtoB)EC構築プラットフォーム比較6選
- 卸売ECサイトに必要な機能
- 卸売ECサイトの要件定義・機能選定のポイント
- 卸売ECサイト構築の進め方(導入ステップ)
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
目次
卸売ECサイトとは?(クローズド型とスモールBtoB型の違い)
BtoC ECが一般消費者向けの販売であるのに対し、卸売EC(BtoB EC)は法人取引が前提です。
そのため、以下のような特徴があります。
・取引先ごとに販売価格や条件が異なる
・掛け払い(月締め請求)が多い
・見積や商談を挟むケースがある
・ロット単位・ケース単位での注文が多い
・継続取引を前提とした運用になる
つまり卸売ECは「誰でも買えるEC」ではなく、「取引先との関係性を管理しながら販売する仕組み」だと言えます。
BtoC ECとの違い|卸売ECに求められる商習慣対応
卸売ECサイトを構築する際に重要なのは、BtoCの仕組みをそのまま流用しないことです。
BtoC ECは基本的に「全員に同じ商品・同じ価格で販売するモデル」です。一方で卸売ECは、取引先によって条件が変わるため、個別対応が必須になります。
代表的な違いを整理すると以下の通りです。
| 項目 | BtoC EC(一般消費者向け) | 卸売EC(BtoB向け) |
|---|---|---|
| 顧客 | 個人 | 法人・店舗・代理店 |
| 価格 | 一律価格 | 取引先別価格・掛率設定 |
| 決済 | クレジット・代引き中心 | 掛け払い・請求書払い中心 |
| 注文単位 | 1点から購入 | ロット・ケース販売が多い |
| 購入フロー | カート購入で完結 | 見積・承認フローが入ることも |
| サイト公開 | 誰でも閲覧可能 | 会員制(クローズド)が多い |
このように卸売ECは「販売サイト」というよりも、受発注業務を効率化する業務システムとしての側面が強いのが特徴です。
クローズドサイトとは?卸売ECで主流の運用形態
卸売ECでは「クローズドサイト」と呼ばれる運用形態が主流です。
クローズドサイトとは、会員登録や取引先審査を通過した法人のみがログインできるECサイトのことです。
一般公開されているBtoC ECとは異なり、
・未承認のユーザーは価格を見られない
・取引先ごとに商品ラインナップを出し分ける
・掛け率/卸価格を外部に漏らさない
といった卸売ならではの管理が可能になります。
卸売では「誰でも買える状態」にすると、取引先との価格整合性が崩れたり、一般消費者への流通が混在したりするため、クローズド運用が重要になるケースが多いです。
スモールBtoBとは?クローズド型卸売ECとの違い
最近では卸売ECの中でも「スモールBtoB」という形態も増えています。
スモールBtoBとは、従来の卸売ほど複雑な取引条件を持たず、比較的シンプルな法人向け販売をオンライン化したモデルです。
例えば以下のようなケースです。
・小規模メーカーが店舗向けに直接販売したい
・法人顧客向けにまとめ買いを用意したい
・掛け払いではなくクレジット決済中心で運用したい
スモールBtoBでは、必ずしも厳格なクローズド運用が必要ない場合もあります。
| 形態 | クローズド卸売EC | スモールBtoB |
|---|---|---|
| 取引条件 | 個別設定が多い | 条件が比較的シンプル |
| 価格 | 取引先別掛率 | 法人向け一律価格の場合も |
| 決済 | 掛け払い中心 | 一部クレカなどが利用される場合も |
| 公開範囲 | 会員制・完全非公開 | 一部公開型もあり |
| 導入目的 | 既存卸業務のDX | 新規販路開拓・小規模法人販売 |
つまり、卸売EC構築では「フル卸売型(クローズド)」か「スモールBtoB型」かを最初に整理することが重要です。
卸売ECは「取引先別対応」が成功のカギ
卸売ECサイトは単なるネットショップではなく、
・取引先管理
・価格/決済条件の出し分け
・見積/掛け払い
・受注業務の効率化
といった法人取引特有の仕組みを組み込む必要があります。
そのため、卸売ECを構築する際は「BtoCの延長」で考えるのではなく、自社の取引形態がクローズド卸売型なのかスモールBtoB型なのかを見極めたうえで設計することが重要です。
卸売ECサイトを構築するメリット・導入効果
卸売ECサイト(BtoB EC)を構築する最大の目的は、単にオンライン販売を始めることではありません。
卸売業務において長年課題となりやすい、
・受注業務の負担
・取引条件の個別対応
・営業/事務作業の属人化
・新規取引先開拓の難しさ
といった問題を解決し、事業成長につなげることが導入効果です。
ここでは卸売ECサイトを構築することで得られる代表的なメリットを整理します。
受注業務を効率化できる(FAX・電話・メール注文の削減)
卸売業界では現在も、
・電話で注文を受ける
・FAXで発注書が届く
・Excelやメールで数量調整をする
といったアナログな受発注が残っている企業が多いのが実情です。
しかしこの運用では、注文処理に次のような負担が発生します。
・注文内容の転記ミス
・在庫確認のやり取り
・営業担当への問い合わせ集中
・事務作業が増え続ける
卸売ECサイトを導入すれば、取引先がオンライン上で直接発注できるため、受注処理が大幅に効率化されます。
特に定番商品を繰り返し注文する卸取引では、EC化による削減効果が非常に大きくなります。
取引先別の価格・条件を自動化できる
卸売ビジネスの特徴は、取引先によって条件が異なることです。
・A社は卸価格10%引き
・B社は掛け払い(月末締め)
・C社はロット単位でのみ販売
こうした個別条件を人手で管理していると、対応が複雑になり属人化しやすくなります。
卸売ECサイトでは、取引先ごとに
・商品の出し分け
・価格設定(掛率)
・支払い方法の制御
などをシステムで自動化できるため、条件管理の負担が軽減されます。
結果として「取引先が増えるほど管理が大変になる」という卸売特有の課題を解消できます。
営業担当の負担を減らし、提案活動に集中できる
卸売では営業担当が、
・注文受付
・在庫確認
・納期回答
・請求処理の調整
など、事務的な業務に追われてしまうケースが少なくありません。
しかし卸売ECサイトを導入すれば、取引先はサイト上で
・商品情報を確認
・在庫状況を把握
・注文履歴から再発注
が可能になります。
これにより営業担当は「受注処理」から解放され、本来注力すべき
・新商品の提案
・取引拡大の商談
・優良顧客へのフォロー
といった売上につながる活動に集中できます。
卸売ECは単なる販売チャネルではなく、営業DXの手段としても有効です。
既存取引先のLTV向上につながる(再注文・継続取引の促進)
卸売ECサイトは新規開拓だけでなく、既存顧客との取引継続にも大きな効果があります。
取引先にとっても、
・注文が24時間いつでもできる
・過去の購入履歴からすぐ再注文できる
・欠品や新商品情報を確認できる
といった利便性が高まります。
結果として発注頻度が上がり、継続取引が強化されるため、LTV(顧客生涯価値)の向上につながります。
卸売は「一度取引が始まると長期的に続く」ビジネスモデルなので、EC化による効果が蓄積されやすい点も特徴です。
新規取引先の獲得・販路拡大がしやすくなる
従来の卸売では、販路開拓は営業担当が訪問して取引を開始するのが一般的でした。
しかし卸売ECサイトを持つことで、
・Web経由で商品を知ってもらえる
・法人会員登録から取引開始までオンラインで完結できる
・地域を問わず全国の取引先に対応できる
など、新規顧客獲得の可能性が広がります。
特にメーカー直販型の卸売ECでは、代理店に依存せず販路を拡大できるメリットがあります。
属人化を防ぎ、業務を標準化できる
卸売業務は担当者ごとに
・取引条件を口頭で管理している
・特定の社員しか価格表を把握していない
・注文処理がブラックボックス化している
といった属人化が起きやすい分野です。 卸売ECサイトを導入すると、取引情報がシステム上で一元管理されるため、
・担当者が変わっても対応できる
・業務フローが標準化される
・人手不足でも運用しやすくなる
という組織的なメリットが生まれます。
卸売EC構築は「業務改革」と「売上拡大」を同時に実現できる
卸売ECサイトの導入効果をまとめると、次の2点に集約されます。
・受発注業務の効率化によるコスト削減
・販路拡大/取引継続による売上向上
卸売ECは単なるネット販売ではなく、卸売ビジネス全体を最適化する仕組みです。
そのため構築を検討する際は、「ECを作る」ではなく「卸売業務をどう変えるか」という視点で導入することが成功のポイントになります。
卸売ECサイトの構築方法(5パターン比較)
卸売ECサイト(BtoB EC)を成功させるためには、必要な機能を整理したうえで「どの構築方法を選ぶか」が重要です。
卸売ECはBtoC ECと異なり、
・取引先別価格
・掛け払い
・見積/承認フロー
・基幹システム連携
など要件が複雑になりやすいため、構築手段によって実現できる範囲やコストが大きく変わります。
卸売ECサイトの構築方法は、大きく以下の5つに分類できます。
1. BtoB対応SaaS
2. ECパッケージ
3. オープンソース
4. フルスクラッチ開発
5. 既存BtoCサイトのBtoB化
それぞれの特徴を見ていきましょう。
1. BtoB対応SaaS
クラウド上で提供されるBtoB対応のECサービスを利用して卸売ECを構築する方法です。
| 特徴 |
・初期費用を抑えやすい
・短期間で導入できる ・運用/保守をサービス側に任せられる |
|---|---|
| 向いている事業者 |
・まずはスモールBtoBから始めたい
・最短で卸売ECを立ち上げたい ・システム担当が社内にいない |
| 注意点 |
・独自要件が強い場合はカスタマイズに限界がある
・月額費用が継続的に発生する |
最近では卸売向けに
・取引先別価格
・法人会員制
・掛け払い対応
などBtoB機能を標準搭載したSaaSも増えています。
2. ECパッケージ
ECパッケージとは、企業向けに提供されるEC構築ソフトウェアを導入する方法です。
| 特徴 |
・BtoB機能が豊富
・カスタマイズ性が高い ・中〜大規模卸売に向く |
|---|---|
| 向いている事業者 |
・取引条件が複雑な卸売を行っている
・将来的に大規模運用を見込む ・基幹連携が必須 |
| 注意点 |
・初期費用が高額になりやすい
・導入期間が1年〜数年単位になることもある |
特に商社や大手卸では、
・取引先別掛率
・見積/承認
・ERP連携
など複雑な要件が求められるため、パッケージが選ばれることが多いです。
3. オープンソース
オープンソースのECシステム(例:Wordpressなど)をベースに卸売ECを構築する方法です。
| 特徴 |
・ライセンス費用が不要
・自由度が高い ・世界的に利用実績がある |
|---|---|
| 向いている事業者 |
・社内に複数のエンジニアがいる
・海外向けBtoB ECも視野に入れている ・長期的に独自開発したい |
| 注意点 |
・保守やセキュリティ対応は自社責任
・開発コストは結局かかる ・日本の卸売商習慣に合わせる調整が必要 |
開発チームがいる企業であれば、卸売向けに機能追加することも可能です。
4. フルスクラッチ開発
フルスクラッチとは、ゼロから完全オリジナルで卸売ECシステムを開発する方法です。
| 特徴 |
・独自要件をすべて反映できる
・競争優位性の高い仕組みを構築できる ・大規模基幹連携にも対応可能 |
|---|---|
| 向いている事業者 |
・既存システムが複雑でパッケージでは対応できない
・卸売業務をDXの中核にしたい ・大規模投資が可能 |
| 注意点 |
・初期費用が最も高い(数千万〜億単位も)
・開発期間が長い ・要件定義が不十分だと失敗リスクが大きい |
例えば
・特殊な価格計算
・自社独自の受発注フロー
・完全統合型ERP
が必要な場合に選択されます。
5. 既存BtoCサイトのBtoB化
最近増えているのが、既存のBtoC ECサイトを拡張して卸売(BtoB)にも対応する方法です。
| 特徴 |
・1つのEC基盤でBtoCとBtoBを統合できる
・商品管理を一本化できる ・法人向け販売を追加しやすい |
|---|---|
| 向いている事業者 |
・すでにD2Cを運営しているメーカー
・法人販売を新規で始めたい ・BtoCとBtoBを両立したい |
| 注意点 |
・BtoB要件が増えると管理が複雑になる
・掛け払い・見積などがBtoB向け機能が弱いカートもある |
取引先別に
・法人ログイン時だけ卸価格表示
・法人限定商品を出す
といった形で卸売を展開できます。
構築方法別の費用相場
卸売ECサイトの構築を検討する際、多くの事業者が最初に気になるのが「費用はいくらかかるのか?」という点です。
卸売EC構築の費用は、選ぶ構築方法や必要機能によって大きく異なります。
ここでは構築方法別に、初期費用・月額費用・総額目安を分かりやすく整理します。
構築方法別の卸売EC構築費用一覧(目安)
| 構築方法 | 初期費用 | 月額費用 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| BtoB対応SaaS | 0〜100万円 | 1万〜30万円 | 低コスト・短期導入 |
| ECパッケージ | 1000万〜1億円 | 10万円〜100万円 | 中〜大規模向け |
| オープンソース | 100万〜500万円 | 0円〜100万 | 自由度高い |
| フルスクラッチ | 1,000万〜数億円 | 100万円〜 | 大規模・独自要件向け |
| BtoC拡張型 | 50万〜300万円 | 既存費用+α | D2C併用型 |
※上記は一般的な相場目安です。要件によって変動します。
5パターン特徴比較表
| 構築方法 | 初期費用 | 導入期間 | 拡張性 | 卸売機能適性 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|---|---|
| BtoB SaaS | 低 | 短(数週間) | 中 | ◎ | スモールBtoB・中小企業 |
| ECパッケージ | 中〜高 | 中(数か月) | 高 | ◎ | 中堅〜大手卸売 |
| オープンソース | 中 | 中〜長 | 高 | ○ | 技術チームがある企業 |
| スクラッチ | 非常に高 | 長(半年〜1年以上) | 高 | ◎ | 独自要件が強い大企業 |
| BtoC拡張 | 中 | 中 | 中 | ○ | D2C+卸売併用企業 |
卸売EC構築方法の選び方のポイント
卸売ECの構築方法を選ぶ際は、次の3点を軸に考えると失敗しにくくなります。
・取引条件がどれだけ複雑か
→ 取引先別価格・掛け払い・見積が必要ならBtoB向け基盤が必須
・スモールスタートか本格卸売か
→ 小規模法人販売ならSaaSで十分なケースも多い
・基幹連携・拡張性が必要か
→ 商社型卸売ならパッケージやスクラッチが検討対象
卸売(BtoB)EC構築プラットフォーム比較6選
卸売ECサイトを構築する際、どのプラットフォームを選ぶかは成果を左右する重要な判断です。
BtoB向けECプラットフォームには、取引先別価格管理・掛け払い・見積機能・承認フローといった卸売特有の要件に対応したサービスが増えています。
ここでは、代表的な5つのプラットフォームを取り上げ、特徴・向いている企業・主な機能・料金感を比較しながら紹介します。
aiship
| 特徴 |
aishipは、20年以上に渡って機能開発を行ってきた基本のBtoC向けのEC機能に加えて、BtoB特有の要件に対応した機能を搭載したECプラットフォームです。 顧客ごとの閲覧制御や価格設定にも柔軟に対応できるため、業務効率化と販路拡大の両立を実現できます。 |
|---|---|
| 向いている事業者 | 中小〜中堅卸売事業者、スモールBtoBのECを展開したい事業者 |
| 主な機能 |
・請求書発行・掛け払い対応 ・見積発行 ・取引先ごとの掛け率設定・商品出しわけ ・特定の企業/会員のみの閲覧制限 ・スペック表作成 ・ワークフローによる受発注自動化 ・外部システムとのAPI連携 ・法⼈ギフト対応など |
| 料金 |
初期費用:20,000円〜 月額費用:9,800円〜 |
クラウド型ASP「aiship」のBtoBソリューション
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スマレジEC B2B
| 特徴 | スマレジEC・B2Bは、法人向け受発注に特化したクラウド型のECプラットフォームです。取引先ごとの卸価格や決済方法を柔軟に設定でき、BtoC的な販促施策(ポイント・クーポン)も搭載しています。 |
|---|---|
| 向いている事業者 | 中小〜中堅卸売事業者、既存の受注業務をWeb化・効率化したい企業 |
| 主な機能 |
・取引先ごとの価格・決済条件の制御
・ロット管理/最低注文数設定 ・拡張性の高いAPI連携 ・クーポン・ポイント施策 |
| 料金 | 要問い合わせ |
Bカート
| 特徴 | Bカートは、低コストで本格的なBtoB受発注サイトを立ち上げられるクラウド型プラットフォームです。取引先ごとの価格管理、承認フロー、販路制御などBtoBの基本機能を押さえつつ、シンプルな運用が可能です。 |
|---|---|
| 向いている事業者 | 小規模法人販売・スモールスタートで始めたい事業者 |
| 主な機能 |
・法人会員制/承認機能
・掛率/価格の個別設定 ・商品出し分け/会員グループ設定 |
| 料金 | 月額9,800円〜 |
ecbeing BtoB
| 特徴 | ecbeing BtoBは、大規模企業や複雑な商習慣を持つ卸売向けに強いBtoB専用プラットフォームです。多彩な取引スタイルに対応するモード選択が可能で、マーケティング統合や分析機能との連携も強みです。 |
|---|---|
| 向いている事業者 | 取引先数が多い商社・大手メーカー |
| 主な機能 |
・取引先別商品/価格表示
・得意先承認 ・代理注文機能 ・マーケティング分析連携(CDPなど) |
| 料金 | 要問い合わせ(大規模・カスタム構築が前提) |
W2 BtoB
https://www.w2solution.co.jp/w2_btob/
| 特徴 | ecbeing W2 BtoBは、取引先ごとの価格設定、見積作成、与信管理や受注処理の自動化など、BtoB向けの高機能を網羅したプラットフォームです。在庫・顧客・決済・販路を一元管理でき、BtoCとの統合運用にも対応します。 |
|---|---|
| 向いている事業者 | BtoBとBtoCを同一プラットフォームで運用したい企業 |
| 主な機能 |
・見積/請求管理
・与信/掛け払い対応 ・BtoB/BtoC統合管理 ・ERP/基幹システムとの連携 |
| 料金 | 要問い合わせ |
EC-CUBE B2B
https://www.ec-cube.net/lp/b2b/
| 特徴 | EC-CUBE B2Bは、オープンソースの自由度を活かしたBtoB向けサイト構築パッケージです。自社仕様へのカスタマイズがしやすく、既存システムとの連携や特殊な受注フローにも対応できます。 |
|---|---|
| 向いている事業者 | 技術的なリソースがある企業、自社独自ルールが多い企業 |
| 主な機能 |
・会員制/見積書発行プラグイン
・取引先別価格/表示制御 ・多様な決済オプション |
| 料金 |
オープンソースのためソフトウェア自体は無料 (カスタマイズ・運用コストが別途発生) |
卸売EC向けプラットフォーム比較表
| プラットフォーム | 向いている事業者 | 強み | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| aiship | 中小〜中堅 | BtoB機能網羅・API連携・カスタマイズ性 | 低 |
| スマレジEC・B2B | 中小〜中堅 | BtoB機能網羅 | 中 |
| Bカート | 小規模 | 低コスト・スモールスタート | 低 |
| ecbeing BtoB | 大手・複雑要件 | 高度カスタマイズ | 高 |
| W2 BtoB | 中堅 | 統合管理 | 中 |
| EC-CUBE B2B | 自由度重視 | オープンカスタム | 低〜中 |
卸売ECサイトに必要な機能
卸売ECサイト(BtoB EC)を構築する場合、BtoCのECサイトとは異なる特有の機能が必要になります。
卸売取引では、法人ごとに条件が異なり、
・価格が取引先によって違う
・掛け払いが必要
・見積や承認フローがある
・ロット単位で販売する
といった商習慣が存在します。
そのため卸売ECでは、一般的なEC機能に加えて「卸売特有の機能」を備えることが成功のカギになります。
ここでは卸売ECサイトに必要な機能を網羅的に紹介します。
取引先管理(法人会員登録・承認制)
卸売ECでは「誰でも買える状態」にするのではなく、取引先企業だけが利用できる仕組みが基本です。
そのために必要なのが取引先管理機能です。
・法人会員登録フォーム
・取引先審査/承認フロー
・企業ごとのアカウント発行
・担当者単位のログイン管理
クローズド運用の卸売ECでは、会員制の仕組みは必須と言えます。
取引先別価格の設定(掛率・卸価格の出し分け)
卸売ECで最も重要な機能が「取引先別価格」です。
卸売では取引先によって
・掛率(例:定価の70%)
・契約単価
・キャンペーン条件
が異なるため、価格を一律表示することはできません。
取引先ごとに価格を自動で切り替えられる機能があれば、
・価格表の管理負担が減る
・見積の手間が減る
・条件ミスを防げる
といった効果があります。
特にBtoB向けのEC運用では取引先単位で個別に卸価格(販売価格)を設定することで、利便性の高い運用を実現できます。
弊社の提供するクラウド型ECサイト構築ASP「aiship」ではBtoB EC向けの機能として事業者がECサイトの会員に対し独自の基準でランクを付与し、ランクに応じた掛売り率の出し分けができる「BtoB向け会員ランク機能」「会員属性別コンテンツ出し分け機能」を標準搭載しています。
卸売・会員制ECサイトに使える「会員属性別コンテンツ出し分け機能」
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商品・販売範囲の出し分け(取引先別カタログ)
卸売では、以下のように取引先によって販売できる商品が異なるケースも多くあります。
・一般小売店には定番商品のみ
・代理店には全商品
・特約店には限定商品も販売
こうした制御を行うために、商品出し分け機能が必要です。
取引先ごとに表示商品を切り替えられることで、卸売特有の販路管理がしやすくなります。
掛け払い・請求書払い対応(取引先別決済)
BtoB取引では、クレジットカード決済よりも
・掛け払い(月締め請求)
・請求書払い
・銀行振込
など法人向け決済が利用されるケースが多いです。
卸売ECサイトでも取引先ごとに決済条件を設定できることが重要です。
掛け払い対応ができないと、結局従来の請求業務に戻ってしまいます。
近年、一般消費者(BtoC)向けの販売チャネルを活用しつつ、法人顧客への販売を強化する動きが活発になっています。
背景には、工場・自治体・卸売業・小売店など、事業者側の購買行動がオンラインにシフトしつつあることがあります。
一般消費者はもちろん、法人も利用できるハイブリッド型のECを構築することで、販路を拡大しつつバックヤード側の業務も統合し、運用効率を高めていきたいというニーズの高まりを受け、「aiship」でもBtoB決済を拡充しました。
また、企業間取引では、購入した商品の代金を一定期間後にまとめて支払う「掛売り」が一般的です。
しかし、この取引形態には未回収リスクや入金確認、督促などの煩雑な業務が伴います。
「クロネコ掛け払い」は、これらの負担や不安を軽減できます。
「クロネコ掛け払い」に対応!BtoB向けの決済手段を容易に導入可能に|aiship
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ロット・最低注文数の設定(卸売単位での販売)
卸売では「1個から販売」ではなく、
・1ケース単位
・10個以上
・最低注文金額3万円以上
といった条件があるのが一般的です。
そのため卸売ECでは、ロット・最低注文数を制御できる機能が必須です。
これにより、小口注文が増えて業務負担が膨らむのを防げます。
注文履歴・再注文機能(継続取引を前提としたUX)
卸売取引はリピート注文が中心です。
取引先が簡単に再発注できるよう、
・過去注文履歴の表示
・ワンクリック再注文
・定番品リスト化
といった機能があると、発注体験が大きく向上します。
結果として取引継続率や発注頻度アップにつながります。
見積機能
卸売取引では「まず見積を出してから注文」という商習慣も根強く残っています。
そのため卸売ECでは、
・見積依頼
・見積書PDF発行
・カートに入れた商品を見積
できる機能があると非常に便利です。
特に高額取引やカスタム商材を扱う場合は必須に近い要件です。
法人取引(BtoB)において欠かせない社内稟議用の書類作成をセルフサービス化することで、購入検討者の離脱を防ぎ、ショップ運営者様の事務工数を大幅に削減します。
弊社の提供するBtoB対応SaaS「aiship」では、エンドユーザーが自ら見積書を発行・ダウンロードできる「見積書ダウンロード機能」を標準搭載。
顧客自らカートから見積書を即時発行。卸特有の「見積書」対応をWEB化し、購買スピードと運営効率を最大化できます。
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CSV出力・基幹連携(受注データの一元化)
卸売ECはサイト単体で完結するのではなく、以下のような社内の基幹システムとつながる必要があります。
・販売管理システム
・在庫管理(WMS)
・会計ソフト
・ERP
そのため以下のような連携が可能な仕組み・機能が求められます。
・注文データCSV出力
・商品データ一括登録
・API連携
連携が弱いと、結局二重入力になり業務効率化につながりません。
承認フロー機能(社内決裁が必要な取引先向け)
法人では「担当者が勝手に発注できない」ケースもあります。
そのため、
発注申請 → 上長承認 → 注文確定
といった承認フローがあると、大企業取引にも対応できます。
営業支援機能(担当者別の顧客管理)
卸売ECと営業活動を連携させることで、
・顧客別購入状況の把握
・提案タイミングの最適化
・休眠顧客の掘り起こし
が可能になります。
ECを「営業DX」に進化させる機能です。
多拠点・複数倉庫対応(在庫の最適化)
卸のECが成長してくると、
・倉庫が複数ある
・地域別に出荷したい
・分納が発生する
といった課題が出る場合もあります。
複数倉庫対応は中長期で重要な拡張ポイントです。
多言語・海外取引対応
海外卸や輸出を視野に入れる場合は、
・多言語表示
・多通貨決済
・海外配送設定
などが必要になります。
セキュリティ強化(IP制限・SSO)
卸売ECは取引条件や卸価格を扱うため、
・IP制限
・二段階認証
などのセキュリティ強化も重要です。
卸売EC必須機能チェックリスト(BtoB EC機能一覧表)
| カテゴリ | 必須機能 | 内容 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 取引先管理 | 法人会員登録・承認制 | 審査後に取引先だけが購入できるクローズド運用 | ★★★ |
| 取引条件 | 取引先別価格設定 | 掛率・契約単価など取引先ごとに価格を出し分け | ★★★ |
| 商品制御 | 商品・カタログの出し分け | 特約店限定商品、代理店向け商品など表示制御 | ★★★ |
| 決済 | 掛け払い・請求書払い | 月締め請求、取引先別決済条件の設定 | ★★★ |
| 注文条件 | ロット・最低注文数設定 | ケース販売、最低発注金額など卸単位の制御 | ★★★ |
| UX | 注文履歴・再注文機能 | 定番品をワンクリックで再注文できる仕組み | ★★★ |
| 見積 | 見積依頼・見積書発行 | 見積PDF出力対応 | ★★☆ |
| 帳票 | 納品書・請求書の発行 | 卸売業務に必要な帳票管理 | ★★☆ |
| 在庫管理 | 在庫表示・欠品対応 | 納期目安や分納管理が必要なケースも | ★★☆ |
| データ連携 | CSV/API連携 | 基幹システム・販売管理との連携 | ★★★ |
| 権限管理 | 担当者アカウント管理 | 企業内で複数担当者が発注する場合に必須 | ★★☆ |
| セキュリティ | 非公開設定・価格保護 | IP制限・2段階認証なども検討 | ★★☆ |
卸売ECは単なるネットショップではなく、卸売業務を仕組み化する基盤です。
だからこそ構築時には「必要機能を最初に整理すること」が最も重要になります。
業界別に必要機能が変わるパターン
卸売ECといっても、業界によって商習慣が異なるため必要機能も変わります。
ここでは代表的な3業界(食品・製造・商社)で整理します。
食品卸売の場合(生鮮・冷凍・ギフト)
食品業界では「配送・温度帯・賞味期限管理」が重要になります。
<必要になりやすい機能>
・温度帯別配送設定(常温・冷蔵・冷凍)
・定期購入機能
・出荷日/納品日指定
・ロット管理(ケース単位)
・賞味期限/消費期限情報の表示
・分納/欠品時の代替提案
食品卸では「受注効率化+物流管理」がセットになります。
製造業の場合(部品・資材・型番商品)
製造業の卸売では「型番管理・見積・継続取引」が中心です。
<必要になりやすい機能>
・型番検索/絞り込み機能
・見積機能(案件単位で価格が変わる)
・承認フロー(企業内決裁)
・取引先別契約単価管理
・発注履歴/定番品リスト
製造業では「EC+調達システム」に近い役割になります。
商社の場合(多品目・取引先別条件が複雑)
商社では取り扱い商品が多く、取引条件も複雑です。
<必要になりやすい機能>
・取引先別価格/掛率設定
・商品出し分け(販路制御)
・掛け払い/請求管理
・基幹システム連携(ERP)
・営業支援(顧客別購入状況)
商社では「取引先別対応」と「基幹連携」が重要です。
スモールBtoBの場合に削れる機能整理
近年増えているのが「スモールBtoB型」の卸売ECです。
これは従来型の卸売ほど複雑な条件を持たず、
・小規模法人向け販売
・まとめ買いEC
・メーカー直販
に近いモデルです。
スモールBtoBの場合、最初からフル機能を揃えなくても運用できるケースがあります。
| 機能 | フル卸売ECでは必須 | スモールBtoBでは… |
|---|---|---|
| 見積機能 | 案件取引で重要 | 一律定価販売なら不要 |
| 掛け払い | 月締め取引で必須 | クレカ払いなら不要 |
| 商品出し分け | 特約店管理で必須 | 全法人共通なら不要 |
| 承認フロー | 大企業取引で必要 | 小規模取引なら不要 |
| 基幹システム連携 | 商社では必須 | CSV運用で十分な場合も |
| 複数倉庫管理 | 大規模卸で必要 | 単倉庫なら不要 |
スモールBtoBで最初に必要なのは以下です。
・法人会員登録(簡易でOK)
・法人向け価格設定(卸価格一律でも可)
・ロット/まとめ買い設定
・注文履歴/再注文
・クレカなど基本的な決済
「卸売ECの入口」として小さく始め、必要に応じて拡張する方法も選択肢としてはあります。
卸売ECサイトの要件定義・機能選定のポイント
卸売ECサイト(BtoB EC)は、単に「ネットで注文できる仕組み」を作れば成功するわけではありません。
卸売取引には、
・取引先ごとに異なる価格/条件
・掛け払い/請求書運用
・見積や承認フロー
・営業と受注業務の併用
といった独自の商習慣があるため、BtoC ECと同じ感覚で導入すると失敗しやすい分野です。
実際に卸売EC導入でよくある失敗は、
・必要な機能が足りず結局FAX運用が残る
・取引先が使いにくく定着しない
・基幹連携ができず二重入力になる
といった「業務改善につながらないケース」です。
そこで重要になるのが、導入前の要件定義です。
ここでは卸売ECサイト選びで失敗しないためのポイントを解説します。
最初にやるべきは「現状業務の棚卸し」
卸売EC構築で最も重要なのは、最初に現状業務を整理することです。
卸売業務は受注だけでなく、
見積→発注→出荷→請求→入金管理
まで一連の流れがあります。
例えば現在、
・注文はFAX
・在庫確認は電話
・請求書はExcel
・入金確認は会計ソフト
と業務が分断されている場合、そのままECだけ導入しても効果は限定的です。
まずは「受注〜請求までの流れ」を図にして整理し、EC化する範囲を明確にすることが成功の第一歩です。
取引先別の“例外条件”を洗い出す
卸売ECで最も複雑なのは「取引先ごとの例外」です。
卸売では同じ商品でも、
・A社は卸価格70%
・B社は卸価格75%
・C社は送料無料
・D社は最低注文金額あり
など条件が異なります。
この例外条件を整理せずに導入すると、
・システムで対応できない
・結局個別対応が残る
・運用が破綻する
という失敗につながります。
卸売EC導入前に、最低限以下は洗い出しておきましょう。
・取引先別価格(掛率/契約単価)
・支払い条件(掛け払い/前払い)
・注文単位(ロット/ケース販売)
・送料条件(地域別/取引先別)
・商品出し分け(特約店限定など)
卸売EC成功のカギは「例外をシステム化できるか」です。
基幹システム連携の要否を最初に決める
卸売EC導入でよくある落とし穴が「基幹連携ができず二重入力になる」ことです。
卸売ではECだけで完結せず、
・販売管理
・在庫管理
・会計ソフト
・倉庫システム(WMS)
とデータ連携が必要になります。
ここで重要なのは「どこまで連携するか」を最初に決めることです。
<CSVで十分なケース>
・取引先数が少ない
・注文件数がそこまで多くない
・スモールBtoBで運用する
<API連携が必要なケース>
・商社型で取引先が多い
・注文件数が多く手作業では回らない
・ERPと統合運用したい
基幹連携を後回しにすると導入後に追加開発が膨らみやすいため、要件定義段階で必ず検討しましょう。
「取引先が使いやすいか」が定着の最大要因
卸売ECは導入して終わりではなく、取引先が使ってくれなければ意味がありません。
卸売取引では既存顧客が中心なので、
・ログインが面倒
・商品検索が難しい
・注文操作が複雑
となると「今まで通りFAXで送ります」となってしまいます。
定着させるためには、取引先目線で
・注文履歴からすぐ再注文できる
・定番商品が見やすい
・スマホでも発注できる
といったUX設計が重要です。
卸売ECの成功は「システム導入」より「取引先の利用率」で決まります。
クローズド型かスモールBtoB型かを決定する
記事の冒頭でも触れましたが、卸売ECには大きく「クローズド型」と「スモールBtoB型」の2つのモデルがあります。
自社がどちらのモデルなのかを見誤ると、過剰な機能でコストが膨らんだり、必要機能が足りず運用できないという失敗につながります。
そのため「早い段階でスモールスタートか、本格卸売をDXするのか」を明確にしましょう。
<クローズド型の特徴>
・取引先別価格が必須
・掛け払い中心
・見積・承認フローが必要
<スモールBtoB型の特徴>
・法人向け一律価格でも運用可能
・決済は前払い中心
・小規模に始められる
要件定義チェックポイントまとめ
卸売EC導入で失敗しないための要件定義ポイントを整理します。
・現状業務フローを棚卸しする
・取引先別の例外条件を洗い出す
・掛け払い/見積の必要性を決める
・基幹連携の必要性と方法(CSVかAPIか)を整理する
・取引先が使いやすいUXを重視する
・スモールBtoB型かクローズド型かを見極める
卸売ECサイトは「機能の多さ」ではなく「自社の卸売商習慣に合うか」で選ぶことが成功のポイントです。
卸売ECサイト構築の進め方(導入ステップ)
卸売ECサイト(BtoB EC)は、単にECサイトを作るだけでは成功しません。
卸売取引では、
・取引先別価格や掛け払い条件
・見積/承認フロー
・基幹システムとの連携
・既存取引先への定着
など、BtoCよりも運用要件が複雑です。
そのため卸売EC構築では「サイト制作」ではなく、卸売業務全体の仕組み化として段階的に進めることが重要です。
ここでは失敗しない卸売EC導入の進め方を5ステップで解説します。
Step1:要件整理
卸売EC構築で最初に行うべきは、必要な機能と条件の整理です。
卸売では取引先によって
・卸価格(掛率)が違う
・支払い条件が違う
・商品の出し分けが必要
・ロット単位で販売する
など例外条件が必ず存在します。
ここを整理せずに進めると、
・必要な機能が足りない
・追加開発が膨らむ
・結局FAX運用が残る
といった失敗につながります。
まずは機能を次の3段階で分類しましょう。
・必須機能(取引先別価格・掛け払いなど)
・優先機能(見積・帳票など業界で必要)
・将来拡張(海外対応・複数倉庫など)
卸売EC成功の鍵は「最初の要件定義」で決まります。
Step2:構築方式の選定
要件が整理できたら、次に「どの方法で構築するか」を決めます。
卸売ECの構築方法には、
・BtoB対応SaaS(短期・低コスト)
・ECパッケージ(中〜大規模向け)
・フルスクラッチ(独自要件が強い場合)
など複数の選択肢があります。
ここで重要なのは「自社がスモールBtoBなのか、本格卸売型なのか」です。
・小規模法人販売ならSaaSで十分
・商社型卸売ならパッケージや連携が必須
構築方式を間違えるとコストと運用負担が大きく変わるため、慎重に比較しましょう。
Step3:商品・取引先データ整備
卸売EC導入で意外に大変なのが「データ整備」です。
サイトを作るよりも、
・商品マスタ
・取引先マスタ
・卸価格表
・掛け払い条件
・ロット設定
といった卸売取引情報を整理する工程が重要になります。
特に取引先別価格は卸売ECの中心なので、
・取引先グループ別掛率
・契約単価
・特約店限定商品
などを事前に整備しておく必要があります。
データが曖昧なまま導入すると運用が混乱しやすいため、ここは最も時間をかけるべき工程です。
Step4:テスト運用
卸売ECは「公開したら終わり」ではありません。既存取引先に使ってもらい、定着させることが最大のハードルです。
そのため導入初期は、いきなり全取引先に展開するのではなく、
・主要取引先
・発注頻度が高い顧客
・協力的な顧客
から段階的に導入するのが成功パターンです。
テスト運用で確認すべきポイントは、
・取引先別価格が正しく表示されるか
・掛け払い条件が反映されているか
・発注操作が分かりやすいか
・現場の出荷業務に負担がないか
卸売ECは「取引先が使いやすいか」で成否が決まります。
Step5:運用改善
卸売EC導入後は、運用しながら改善していくことが重要です。
卸売ECの目的は単なるオンライン化ではなく、
・受注業務の効率化
・継続取引の促進
・新規販路拡大
です。 そのため導入後は以下の指標を見ながら改善していく必要があります。
・EC経由の受注率(FAX→EC移行率)
・再注文率(定番品の発注頻度)
・問い合わせ件数(電話対応削減)
・取引先ごとの利用状況
例えば、
・定番商品の導線を改善する
・見積機能を追加する
・CSV/API連携を強化する
といった形で段階的に拡張していくのが理想です。
卸売ECは「作って終わり」ではなく、育てる仕組みです。
卸売ECサイトの構築ステップまとめ
卸売EC導入を成功させる流れは以下の通りです。
1. 要件整理(必須・優先・将来)
2. 構築方式の選定(SaaS/パッケージ/スクラッチ)
3. 商品・取引先データ整備(価格表が鍵)
4. 主要取引先から段階導入(テスト運用)
5. 運用改善で定着と拡張(受注率向上)
段階的に進めることで、無理なく卸売DXを実現できます。
よくある質問(FAQ)
卸売ECサイト(BtoB EC)を検討する事業者からは、導入前に共通して多く寄せられる質問があります。
ここでは特に多い質問について、卸売ECならではの視点で分かりやすく解説します。
卸売ECに必要な機能は何から揃えるべき?
卸売ECでまず優先すべきなのは、「卸売取引が成立する最低限の仕組み」です。
特に最初に揃えるべき必須機能は以下です。
・法人会員登録・承認制(クローズド運用)
・取引先別価格設定(掛率・契約単価)
・掛け払い・請求書払いなど法人決済
・ロット・最低注文数設定(ケース販売など)
・注文履歴・再注文機能
卸売ECは「誰でも買えるネットショップ」ではなく、「取引先別条件を管理する受発注基盤」です。
そのため、BtoC向けの基本機能よりも
取引先管理と条件出し分けを最優先で整備することが成功のポイントになります。
取引先別価格はどこまで自動化できる?
構築するシステムにもよりますが、 システム上で自動化できる範囲としては、主に以下があります。
・取引先グループ別の掛率設定(例:小売店70%、代理店65%)
・企業ごとの契約単価登録
・ログイン時に卸価格を自動表示
・キャンペーン価格の取引先別適用
ただし注意点として、取引先ごとに例外が多すぎる場合は運用が複雑になるため、 最初は「グループ単位」で整理して自動化するのが現実的です。
見積は必須?“見積なし運用”は可能?
結論から言うと、卸売ECで見積が必須かどうかは業態によります。
<見積が必要になりやすいケース>
・製造業の部品販売(案件ごとに単価が変わる)
・高額商材やカスタム商品
・初回取引で条件調整が必要
この場合は「見積→注文変換」ができるとスムーズです。
<見積なし運用が可能なケース>
・定番商品の卸販売
・スモールBtoB(法人向けまとめ買い)
・卸価格が固定されている取引
この場合は、見積機能を省略して「取引先別価格を表示して即注文」や「前払い決済で完結」という運用も十分可能です。
つまり見積は「必須機能」ではなく、商習慣に応じて判断すべき機能です。
基幹システム連携はCSVでも回る?
基幹システム連携は卸売ECでよく悩まれるポイントですが、 CSVで十分回るケースも多いです。
<CSV連携で運用できるケース>
・取引先数が少ない
・注文件数がそこまで多くない
・スモールBtoBでまず始めたい
この場合は、「注文データをCSV出力→販売管理に取り込み」という運用でも現実的です。
<API連携が必要になるケース>
・商社型で取引先が多い
・注文件数が多く手入力では回らない
・ERPと統合したい
この場合はAPI連携で自動化しないと運用負担が大きくなります。
最初から完璧な基幹連携を目指すよりも、「CSVでスタート→必要に応じてAPI拡張」が成功しやすい進め方です。
既存BtoCサイトとBtoBを同居できる?
結論として、既存BtoC ECサイトと卸売ECを同居させることは可能です。
最近はメーカー直販型で、
・一般消費者向け(BtoC)
・法人取引先向け(BtoB卸)
を1つのEC基盤で運用するケースも増えています。
同居させる場合に必要なのは、
・法人ログイン時だけ卸価格を表示する
・法人限定商品を出し分ける
・掛け払いなど法人決済を追加する
といったBtoB専用の制御です。
ただし注意点として、BtoB要件が複雑になると管理が煩雑になったり、BtoC運用と衝突する可能性もあります。
そのため、「スモールBtoBなら同居型が有効」「本格卸売ならBtoB専用サイトを分ける方が安全」という判断が一般的です。
まとめ
卸売ECサイト(BtoB EC)は通常のBtoCのECサイトと異なり、特有の機能が求められるため自社の要件に合ったシステムを選定してサイトを構築することが重要になります。
本記事でご紹介した内容を参考に以下のポイントを押さえて、卸売ECサイト構築の準備を進めていきましょう。
☑︎ 卸売業務そのものを仕組み化する基盤として設計することが重要
☑︎ まずはクローズド型かスモールBtoB型かを判断する
☑︎ 「取引先別価格」「掛け払い」「見積発行」など、卸売特有の商習慣に対応できるかを軸に、自社に合った構築方法・プラットフォームを選定
☑︎ 卸売EC成功のポイントは「段階導入」と「取引先の定着」
弊社の提供するASP型ECカート「aiship」では卸売ECサイトに必要な機能を網羅的に搭載しているため、追加の開発等は不要で安価にBtoB取引のEC展開を本格的に始めることができます。
また弊社ではご状況のヒアリングから、構築方法や機能・UIのご提案、導入・運用サポートまで一貫して実施しておりますので、卸売のECサイト構築をご検討の際は、ぜひ1度お問い合わせください。
クラウド型ECサイト構築ASP「aiship」
お問い合わせ
ECサイトの立ち上げやリニューアル、システム移行、見積もりのご依頼についてお気軽にお問い合わせください。
また、機能や費用の詳細、詳しい事例を知りたいなどもご相談ください。

