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ECサイトの分析方法とは?見るべきデータ種別・ツール活用法・成功事例を紹介

2024年8月28日2024年9月2日

ECサイトを運営する上で、データ分析は成功の鍵を握る重要な要素です。顧客の行動や購買傾向を把握し、効果的な戦略を立てることができれば、競争が激化する市場においても確固たる地位を築くことが可能です。
しかし、膨大なデータの中から何をどう分析すれば良いのか、悩んでいるEC担当者も少なくないでしょう。

本記事では、ECサイトにおける分析の重要性と具体的な分析方法をわかりやすく解説し、サイトのパフォーマンス向上に役立つ実践的な手法をご紹介します。

    目次

  1. ECサイトにおける分析の重要性
  2. 分析すべき主なデータ種別
  3. ECサイトの分析方法とツール活用
  4. ECサイト分析の成功事例
  5. 効果的な分析のステップ
  6. まとめ

ECサイトにおける分析の重要性


顧客行動の可視化

ECサイトでは、顧客がどのようにサイトを訪問し、どのページを閲覧し、どのような経路で購入に至るかを把握することが非常に重要です。これを可視化するためには、トラフィック分析やヒートマップツールなどを活用し、顧客の動きをデータ化することが必要です。

顧客行動を正確に把握することで、どの部分に問題があるのか、どのコンテンツが有効なのかを特定し、サイトの改善に繋げることができます。

意思決定の質の向上

データに基づいた意思決定は、感覚的な判断に比べてはるかに効果的です。データ分析を通じて、具体的な数値に基づく証拠を得ることで、ECサイトの運営における戦略的な判断を下すことが可能になります。

例えば、特定の商品が特定の顧客層に人気があることが分かれば、その商品を積極的にプロモーションすることで、売上を伸ばすことができます。

また、データによって特定のマーケティング手法が効果的であるかどうかを検証し、無駄なコストを削減することもできます。

競争力の強化

市場は常に変化しており、競合他社も同様にデータを活用しています。データ分析を通じて市場の動向を把握し、競合他社との差別化を図ることができる企業は、競争力を強化することができます。

例えば、顧客の購買傾向の変化や新たなトレンドを早期にキャッチし、それに対応する商品やサービスを展開することで、先行者優位を獲得しやすくなります。

また、顧客満足度の向上に繋がる施策をデータから導き出すことで、長期的なブランドの信頼性と顧客ロイヤルティを築くことができます。



このように、ECサイトにおけるデータ分析は、単なる数字の解析に留まらず、ビジネスの成功に直結する重要な要素であるといえます。

分析すべき主なデータ種別


トラフィック分析

ECサイトのトラフィック分析は、サイトのパフォーマンスを理解し、改善するための基本的なステップです。

特に重要なのは、どのチャネルからのアクセスが多いかを把握することです。これには、オーガニック検索、ソーシャルメディア、メールマーケティング、広告キャンペーンなど、複数のチャネルが含まれます。

例えば、ソーシャルメディアからのトラフィックが増加している場合、そのチャネルにもっとリソースを割くべきかもしれません。

また、トラフィックの質も重要です。サイトに訪れるユーザーがすぐに離脱してしまう(エンゲージメント率が低い)場合や、サイトでの滞在時間が短い場合は、コンテンツやUXに問題がある可能性があります。

これらのデータを分析することで、トラフィックをより質の高いものに変えるための対策を講じることができます。

コンバージョン分析

コンバージョン分析は、ECサイトの成功を左右する重要な指標です。どの商品がよく売れているかだけでなく、どのページからコンバージョンに繋がっているかの導線まで特定することで、サイトの強みや改善点を明確にできます。

例えば、特定の商品がよく売れている場合、その商品を前面に押し出したキャンペーンを展開することで、さらなる売上増加を期待できます。

また、コンバージョン率を向上させるための施策を検討することも重要です。これには、購入プロセスの簡略化、サイト速度の改善、レビューや証拠を強調するなどの手法が含まれます。データに基づいて、最適なコンバージョン改善策を実施することで、売上全体を押し上げることができます。

顧客セグメンテーション

顧客セグメンテーションは、ECサイトに訪れる多様な顧客を理解し、ターゲティングを精密に行うための方法です。顧客の属性(年齢、性別、地域など)や購買パターンに基づいてセグメント化することで、よりパーソナライズされたマーケティング戦略を立てることが可能です。

例えば、特定の年代や性別に人気のある商品がある場合、そのセグメントに特化した広告やメールキャンペーンを展開することで、より高いコンバージョン率を達成できます。

顧客セグメントごとの行動やニーズを理解し、それに応じた対応を行うことで、顧客満足度とロイヤルティを向上させることができます。

カスタマーライフタイムバリュー(CLV)分析

カスタマーライフタイムバリュー(CLV)分析は、長期的な収益性を見極めるための重要な指標です。リピーターと新規顧客の価値を比較することで、どの顧客層に対してどのような戦略を取るべきかを判断できます。リピーターのCLVが高い場合、リピーターを増やすための施策に注力することが有効です。

例えば、ポイントプログラムやロイヤルティキャンペーンを強化することで、リピーターの維持率を向上させることができます。

一方で、新規顧客の獲得コストが高い場合は、効率的なマーケティングチャネルの見直しや、コンバージョン率の改善が必要となるでしょう。CLVを活用して、短期的な売上だけでなく、長期的な利益の最大化を図る戦略を立てることが重要です。

その他分析すべき指標

ページビュー(PV)数

各ページがどの程度閲覧されているかを示す指標で、人気のあるコンテンツや商品の特定に役立ちます。

カゴ落ち率

商品をカートに入れたものの購入に至らなかった割合。購入プロセスでの障害やUXの問題点を特定できます。

検索キーワード

サイト内検索で使用されているキーワードを分析することで、顧客が何を求めているかを理解し、商品ラインナップやコンテンツ戦略の改善に役立てます。

平均注文金額(AOV)

1回の注文における平均購入金額を示し、顧客の購買意欲や価格戦略の適正さを評価する指標です。

購入プロセスの離脱ポイント

購入プロセスのどの段階でユーザーが離脱しているかを把握し、UI/UXの最適化や改善点を特定します。

モバイル/デスクトップのパフォーマンス

モバイルとデスクトップでのアクセス、コンバージョン率、直帰率などのデータを比較し、各デバイスに最適化されたサイト運用を行うために分析します。

商品レビューの評価と内容

ユーザーからのフィードバックを分析することで、商品やサービスの改善点を特定し、顧客満足度を向上させます。

サイト速度

ページロード時間や各コンテンツの表示速度を測定し、サイトパフォーマンスの改善に繋げます。遅いサイトは直帰率が高くなる傾向があります。

再訪問率

一度サイトを訪れたユーザーが再度訪問する割合。サイトのリテンション力や顧客のロイヤリティを評価する指標です。

顧客のデバイス・ブラウザの使用傾向

ユーザーがどのデバイスやブラウザを使用しているかを分析し、それに基づいて最適化を行うことで、より良いユーザー体験を提供します。



これらのデータを的確に分析し、実際の施策に活かすことで、ECサイトのパフォーマンスを大幅に向上させることが可能です。

また現状のECシステムでは機能に制限がありどうしても改善が難しかったり、莫大な改修コストがかかる場合はECサイトの根本的なリニューアルをおすすめします。

ECサイトのリニューアルについては以下記事で詳しく解説していますので併せてご参考ください。

ECサイトリニューアル成功のポイント|売上40%増の成功事例から手順・費用まで解説

ECサイトの分析方法とツール活用


Google Analytics 4 (GA4) の活用

Google Analytics 4 (GA4) は、ECサイトの分析に特化した強力な機能を備えており、次世代のウェブ解析ツールとして優れたパフォーマンスを発揮します。GA4では、イベントベースのトラッキングにより、ユーザーの行動を細部にわたって把握できます。ページビューやクリック、スクロールといった基本的なイベントはもちろん、特にECサイトにおいては「購入イベント」や「カート追加」などのEC特有のアクションも詳細に追跡することが可能です。

さらに、GA4のeコマースデータを収集することで、商品のパフォーマンスや収益、顧客の購入パターンをより深く分析できます。例えば、各商品やカテゴリーごとの売上、平均注文金額(AOV)、コンバージョン率などをデータとして取得し、どの商品の売れ行きが良いか、またはどのページがボトルネックになっているかを視覚化できます。

またGA4では、クロスデバイスのトラッキングが強化され、ユーザーが異なるデバイスを使って行う一連の購入プロセスを一貫して追跡できるため、より正確な顧客行動の把握が可能です。

GA4のeコマースデータを活用することで、売上を最適化し、サイト全体のパフォーマンスを向上させるための具体的なインサイトを得ることができます。

ヒートマップツールでの分析

ヒートマップツールは、顧客のサイト内行動を視覚的に把握するための便利なツールです。これにより、ユーザーがどの部分をクリックし、どのエリアに最も注目しているかを色で示すことができます。

例えば、重要なボタンやリンクがあまりクリックされていない場合、その位置やデザインを変更することで、ユーザーの行動を誘導しやすくなります。

また、ページのスクロール深度も確認でき、ユーザーがどの部分で離脱しているかを把握することができます。

これらのデータを元に、ページレイアウトやコンテンツの最適化を行い、コンバージョン率を向上させるための改善策を講じることができます。

<代表的なツール>
Clarity ミエルカヒートマップ

A/Bテストの実施

A/Bテストは、サイトの最適化を図るために非常に効果的なテスト手法です。これは、2つの異なるバージョンのページや要素を用意し、どちらがより良い成果を上げるかを比較する方法です。

例えば、異なるデザインのランディングページを用意し、それぞれのコンバージョン率を比較することで、どちらのデザインがより効果的かを判断できます。

また、ボタンの色やテキスト、画像の配置など、細かな要素についてもA/Bテストを行うことで、最も効果的なバージョンを見つけることができます。

この手法により、データに基づいた改善を段階的に進め、全体的なサイトパフォーマンスを向上させることが可能です。

<代表的なツール>
Optimizely VWO

CRMツールの利用

CRM(顧客関係管理)ツールは、顧客データを統合的に管理し、分析するためのプラットフォームです。これにより、顧客の購入履歴、問い合わせ履歴、マーケティング活動に対する反応など、さまざまなデータを一元管理できます。

CRMツールを活用することで、各顧客のニーズや購買パターンに基づいて、パーソナライズされたマーケティングキャンペーンを展開することができます。

また、顧客ロイヤルティを高めるためのプログラムを設計し、長期的な顧客関係を築くことができます。

さらに、CRMツールは、顧客のライフサイクルに応じたコミュニケーション戦略を自動化する機能も備えており、効率的な顧客対応が可能になります。

<具体的なデータ分析例>
1年間の購入回数(リピート数)のユーザ分布データを見ると、通常であれば購入回数1回→2回の継続率よりも2回→3回の継続率の方が高く、回数を重ねるごとに継続率は高くなる傾向があります。

そうしたデータの中で継続率が急に低下する特異点を見つけることができれば、異常な数値の原因を分析し、ピンポイントでアプローチを行うことができるため、リピート率の底上げに繋がります。

アプローチの例としては2回目購入時にポイント付与や3回目購入時に次回使えるクーポン配布などがあります。

<代表的なツール>
LTV-Lab うちでのこづち

BIツールの導入

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールは、企業が持つ膨大なデータを視覚化し、意思決定を支援するためのツールです。これにより、複雑なデータをグラフやチャート、ダッシュボードにまとめ、直感的に理解できる形で表示することができます。

ECサイトにおいては、売上データやトラフィックデータ、顧客データなどを統合的に分析し、経営陣やマーケティングチームが迅速かつ正確な意思決定を行えるようにサポートします。

また、リアルタイムでデータを更新する機能も備えているため、常に最新の情報に基づいて判断を下すことができます。これにより、変化する市場環境に迅速に対応し、競争力を維持するための戦略を立てることが可能です。

<代表的なツール>
Looker Studio Power BI



これらの方法を組み合わせることで、ECサイトのパフォーマンスを最大限に引き出し、持続的な成長を実現することができます。

ECサイト分析の成功事例


成功事例1:トラフィック分析による売上改善

あるアパレルECサイトでは、トラフィック分析を活用して売上を大幅に改善した事例があります。このサイトは、多数のチャネルからのトラフィックを獲得していましたが、どのチャネルが最も売上に寄与しているかを正確に把握していませんでした。そこで、Google Analyticsを使用して、各チャネルからのトラフィックを詳細に分析しました。

分析の結果、特定のソーシャルメディアプラットフォームからの訪問者が、他のチャネルよりも高いコンバージョン率を示していることが判明しました。また、そのプラットフォームから訪問したユーザーの平均注文額も他のチャネルに比べて高いことが分かりました。このデータを基に、マーケティングチームはそのソーシャルメディアプラットフォームにリソースを集中させ、広告予算を増やしました。

その結果、サイト全体の売上が15%増加し、広告費用対効果も大幅に向上しました。この事例は、データに基づいたトラフィック分析が、効果的なマーケティング戦略の構築にどれほど重要であるかを示しています。

成功事例2:A/Bテストによるコンバージョン率向上

ある食品ECサイトでは、A/Bテストを活用してコンバージョン率を劇的に向上させた事例があります。このサイトでは、特定の商品ページのコンバージョン率が低いことが課題となっていました。そこで、A/Bテストを実施し、異なるデザインやレイアウト、コンテンツをテストしました。

具体的には、商品画像のサイズを大きくしたバージョンと、購入ボタンを目立つ色に変更したバージョンの2つをテストしました。テストの結果、購入ボタンを目立つ色に変更したバージョンのページで、コンバージョン率が25%向上することが判明しました。この結果を受けて、全サイトにおいて同様のデザイン変更が適用されました。

その後、全体のコンバージョン率が平均18%向上し、売上が顕著に伸びるという成果を上げました。この事例は、A/Bテストによってサイトのパフォーマンスをデータに基づいて最適化することが、ビジネスの成長に直結することを証明しています。

効果的な分析のステップ


分析を始めるための初期ステップ

ECサイトの成功には、データ分析が欠かせません。分析を始めるための初期ステップとして、まずはGoogle Analyticsやヒートマップツールなど、基本的な分析ツールを導入し、サイトの現状を正確に把握することが重要です。

その後、トラフィック、コンバージョン、顧客セグメンテーションなど、優先的に分析すべきデータポイントを特定し、それに基づいた施策を検討します。

継続的なデータ分析の重要性

データ分析は一度行って終わりではなく、継続的に行うことが重要です。市場や顧客のニーズは常に変化しており、定期的なデータのモニタリングと分析が必要です。

継続的なデータ分析により、サイト運営における成功要因を常に把握し、迅速に対応できる体制を整えることができます。

定期的なレポート作成と改善サイクルの構築

最後に、分析結果を基にしたレポートを定期的に作成し、サイト運営における改善サイクルを構築することが重要です。これにより、全体の進捗状況を把握し、どの施策が効果的であったかを評価できます。

さらに、その結果を踏まえて次のステップを計画し、持続的な成長を目指します。

まとめ


データに基づいた分析と継続的な改善は、ECサイトの成功に直結する要因です。適切な分析方法とツールを活用し、顧客ニーズに応じた戦略をタイムリーに展開することが重要です。

またECサイトで売上を伸ばすためには分析に限らずマーケティング全体、さらには運用全体で最適化をしていく必要があります。

ECサイトのマーケティングと運用については以下記事で詳しく解説していますので併せてご参考いただけますと幸いです。

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この記事の監修者

株式会社ロックウェーブ 本城 顕

広告営業を経て2020年ロックウェーブ入社。その後2年程セールス担当として、EC事業者様が抱える様々な課題に対してプロダクトを通じた解決策の提案に従事。 現在はその知見を活かしWebマーケティングでプロダクトを世の中に広めていくために奮闘中。

本城 顕

自社ECサイトの課題をヒアリングさせていただき、
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